違法カード工場は休みが欲しい   作:かりん2022

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無視は嫌だけど実際に結婚しよって言われると断る乙女心まじクイーン

「説明!!!」

「今回の事態の原因は誰なんだ」

 

 全員が眠る夏油を指差す。

 ハァァ。とため息をつき、頭を掻く大人五条。

 

「呪詛師いたら手をあげて。そう、一応全員術師なんだな? 免許見せて」

 

 全員の免許を確認。

 

「先生! ちょっと作戦タイムしてもいいですか!?」

「駄目です」

「いや、白兎。最初から全部話した方がいいと思う。ここが未来ならヒント欲しいし。いやでも、その前にまずカードの確認がしたいな」

「カード?」

「白兎の出すカード」

「白兎?」

「はい!」

 

 元気なお返事で手を上げる。

 

「とりあえず、各々カード確認して印刷させてもらおう」

「うええ。凄い大変」

「仕方ないだろ」

「悪いな、話すとカードの内容変わるかもだから、まずこの作業してからでいいか?」

「……変なことはしないでね」

 

 ということで、カードを確認。

 あれだけ苦労して変えた夏油の死亡フラグカードが軒並み復活していた。

 直哉が真依を殺すカードは世界を渡っても健在である。ぐぬぬ。

 とにかく複合機のスキャナ欄にカードを並べてひたすら印刷。

 

「じゃあ、カードを見せる」

「呪具……じゃない?」

「いや、呪具。これが公式カード、これがグッズカード、これが存在しない記憶カード」

 

 五条くんが見分け方を教える。

 ザザザザザ、と大人の五条君、いや五条先生? がカードを見ていく。

 殺気がブワリと広がった。

 

「……ふざけてんの?」

「ふざけてると思うだろ? まじなんだよなぁ。公式カードは現在過去未来を写して、グッズカードは不思議な物を出せて、存在しない記憶カードはありえない物を描く。そう、つまり……つまり……女性との幸せなウェディングな存在しない記憶カードがある俺と傑は結婚が出来ない……!!! もーどうせ結婚できないならいっそ傑って思ったけど、傑とのラブラブカードもあるんだよ……!!! つまり、俺は傑ともラブラブできない……!! そんな暇は死ぬまで存在しない……!!」

 

 慟哭する五条君かわいそう。

 

「いやそこ重要じゃないでしょ。そんなの言ってる場合じゃないでしょ、これが事実ならさ」

 

 それはそう。

 

「いやー。夏油君の脳みそくりぬきと、五条くんの真っ二つと、禪院家全滅って未来硬ったくってさぁ。悪い方にはポンポン未来変わるのに、いい方向には全然動いてくれないの。多分、強力な呪詛師か呪霊が邪魔してるんだと思う」

「……なるほど」

「早くに死んじゃうなら、子孫残しとくのは義務だと思うしさぁ。結婚したい。結婚したい……!」

「もういっそ五条家で預かってる美々子ちゃんとか菜々子ちゃんを光源氏すれば?」

「だって幼児じゃん……」

「こっちではお年頃だったし、時間が解決するって」

「私をいないモノとして扱うの反対!!」

「硝子が3人、せめて2人いれば……」

「いるじゃん。2人」

「ぶっ殺すぞ? クソガキども」

 

 ぴぇっ こっちの家入さん怖い……。

 

「結婚したーい! 睡眠時間もろくに取れない生活はんたーい! 社畜やーだー」

「まあこの世界に永住するかつ贅沢言わないなら相手用意できるだろうけど。帰らなくていいわけ?」

「帰る方法があるなら絶対帰らないとだけど……できそう。白兎?」

「帰還チケットなんて都合のいいものあるかなぁ……。だって女体化も治す方法見つかってなくて保留でしょ?」

「だよなー」

「で、直哉はどうして真依を殺したいの?」

「真希ちゃんがそれで強くなれる疑惑があるんや。リスクなく試せるなら試したい。まあそのあと復讐で家ごと滅ぼされるっぽいんやけど」

「うーんクズ。でもこれ、本当に呪具?」

 

「タネも仕掛けもございません」

 

 そうして、五条くんは俺の手を握る。

 

「お前は俺が守る(キリッ)」

「しゅきぴっ」

 

 カードが出る。

 

「呪力全然ないんだけど」

「でも呪力込められんだよ、ほら。そうすると呪具になる」

 

 そうしてダブりカードに呪力を注いで見せる。

 伊地知の存在しない記憶カードを使い、伊地知の公式カードを実体化させる。

 

「あ? あー。あー! え、凄いチートじゃない?」

「だよな。消耗品なのと、生産に難があるけど、かなり凄い」

「効果もそうだけど、断片的に現在過去未来の切れ端が手に入るのは凄いな。ある意味タチ悪い」

「そう。断片だけあっても、全然わかんねーの! 思い切って虎杖悠仁探そうとしたら、めちゃくちゃ未来悪化したし! 俺が先生になるの辞めようとしたら、日本人が一個の呪霊になる未来が出たし!」

「なおさら結婚がどうとか言ってる場合じゃないだろ……」

 

 呆れたように言った後、五条先生は俺の手を取った。

 

「一回一万円でーす」

「はいはい。……僕、最強だから」

「しゅきぴっ しゅきぴっ しゅきぴっ」

「三万円でーす」

「まあ手間省けていいけどさ……ん。存在しない記憶カードって訴えたら勝てない?」

「勝てますね」

 

 何が当たったのやら。

 とにかく、五条先生はカードをもう一度一通り見せてもらうと、忙しそうにし出した。

 俺達は五条先生の誕生日パーティーの食事を夏油君の分もとりわけ、しこたま食べて眠りにつくのだった。

 

 翌日。

 俺たちが見たのは、夏油君の綺麗な土下座だった。あーうん。正気じゃなかったんだよね。わかる。

 

 




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