違法カード工場は休みが欲しい   作:かりん2022

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会議

「まず、皆安心して! 多分、ここで私達が生まれずとも、私達に影響はないわ! 何故なら、ここは月兎のはじめに観測した世界……月兎の存在しない世界線と思われるから」

「なるほど!」

「つまり……どういうことだよ?」

 

 私は図に書く。

 月兎のいない世界、月兎の存在する世界。矢印をグイグイっと。

 

「ここはカードの世界なのか?」

「それは……どうなのかな。カードの題材の世界って気はするけど。どのみち。ご都合呪霊がいるとも思えないし、月兎がいない限り、ここで順応していくしかないと思う。で、問題なのが、元の世界線、月兎がいない世界の歴史!」

 

 カードがあって良かった。変な風には思われないし。

 

「カードを元に、月兎が改変する前の歴史を正史と呼ぶね。正史からして、灰原さんが学生時代に死亡と推察されるわ。その後、母様……夏油傑が闇堕ちして一つの村の村人を皆殺しにして、呪詛師堕ちする」

「ざけんな!」

「最後まで聞いて」

 

 私は、原作の流れを踏襲する。

 難しい顔で皆が話を聞いている。

 

「二つの話をすると話が厄介になりすぎる。だから、できれば私達の世界線の事は誤魔化して、全く別世界の呪術師の子供って事にできたら最善だったんだけど……男同士で子供ってのがまず特異な状況だから、バレたくなかったのよね」

「あれは違うって言っても、もう信じねーだろ」

「まあまあ、縁はまだ7歳なんだし」

「瑠璃ちゃん……」

「なぁ、いっそ、俺らが生まれないから〜って、母さん引き込めないかな?」

「真人を取り込ませれば、非術師を殺さずとも術師に出来る。話の持って行き方次第だと思う。でも、父様と母様を無理に結ばせるような事はしたくないかな、父様も母様もただでさえ過酷な星の生まれの人。さらに苦しめるような真似は……」

「私は父様と母様を苦しめたりしないもん! 逆だもん!」

 

 子供達は沈黙で答えた。

 そりゃもう色々あったのだ。

 

「……祈はどうしたい?」

「そうだね。まずは、五条悟を洗脳出来るやベー呪詛師集団が狙ってるから、同盟を結んでほしいなって訴える。並行世界だから、子作りはしなくていいってはっきり言う。羂索と月兎と呪霊達って言う。別に全部本当だし。それぞれの家に散り散りになるんじゃなくて、一族は私達で結成する。特に禪院家、加茂家はこれから荒れるから、刃や伊織ちゃんや雛ちゃんは渡せない。もちろん、瑠璃ちゃんも禪院家にはやれない。これは必須。私達、呪専、教団で同盟が結べたら良いなって。もちろん、夏油傑にはこれ以上罪を重ねないよう縛りを結ばせる。対価は、呪霊の情報。ベストは、呪専の選んだ人間を術師にさせる、かな。流石に無差別に術師を量産されるのも困る」

「そんな上手くいくか?」

「いくわけないでしょ。でも最低限、五条家で私達の保護、夏油は活動内容を変えて教団を存続、ぐらいの落とし所に持っていきたい」

「それなら、最初から五条家に降りたいって言った方が勝率高いと思う。子供が小賢しく動こうと思っても、所詮ガキの考えだろ」

「パワーバランス崩れすぎない? 刃、伊織ちゃんはどう? 雛ちゃんは?」

「あー。自分は殺されるの嫌やし、五条家行っとくかなぁ」

「ねぇ、禪院家皆殺し事件は防げないの?」

 

 なお、刃は伏黒ー直哉だし、伊織は伏黒ー虎杖である。

 ジェネリック六眼爆誕を目の当たりにした、十種を絶対に継がせたい直毘人の闇深案件である。術式はお望み通り十種。

 そらもう荒れた。

 荒れまくった。ただ、真希真依はそれで溜飲が下がったのか、それほど禪院家を恨んでいない。次期当主候補まで踏み躙られてるんだから、ある意味平等だろうという悲しい考えらしい。

 普通に大当たりガチャで、伏黒ー真依じゃダメだったんですか? 呪力量がちょっと。という事である。

 

 雛は普通に憲紀の娘である。妻は真依。

 ガチャ大当たりカードは使っている。

 真依の血が良かったか、呪力を血にする血創術とジェネリック赤血操術を操る。

 

「フィジカルギフテッドがいないと宿儺戦の戦力が減る。それに、真希さんと真依さんがいい感じに禪院家と和解出来るかっていうと……。こっちの世界じゃもう無理だと思う」

「ママ、頑固だもんねぇ」

 

 瑠璃は苦笑する。瑠璃は術式を物質にコピーして、消耗品の呪具とできる。

 乙骨と違って時間は掛かるし相手の同意が必要だが、かなり強い術式と言っていい。縁と力を合わせるとかなりいい呪具ができるのだ。婚約の話も持ち上がっている。

 

あと、気になる事は、次世代は女の子多めと言う事か。

でも次世代ごっそりこっち来ちゃったんだよな。

向こうの皆は羂索退治と共に子作り再度頑張ってほしい。

 

 その後、私達は色々と話し合い、部屋を出た。

 父様が待ってた。

 

「ええっと。私達8人で意思統一しました。ひとまず、事情を話すので五条家に身を寄せたく思います。それが無理なら、この8人で一門を開きたく、学校に援助を願いたく思います」

「明らか禪院家と加茂家の血筋っぽい子もいるけど?」

「未来で禪院家壊滅事件と加茂家乗っ取り事件が起こるので、それが終わるまでは絶対お友達を行かせられないですね」

「それは過ぎ去るのを待つんじゃなくて防ぐ方向で動こうね……。手伝うから。待ってそれ、僕がやったって言わないよね?」

 

 父様は、対立する家のことなのに、自然に防ぐのを手伝うと言った。

 不安に打ち震える父様を前にして、私のささくれ立って警戒していた心はスルスルと溶けていった。

 父様はまっすぐ善意でもって対応してくれているというのに、私は何なのだろう。

 私達は顔を見合わせ、そして言った。

 

「ねぇ……話し合いの件、全部なし。父様には全部話したい。良い、かな」

「私のお父様も話しても大丈夫ですから!」

「自分は……あかんわ揉めそう」

 

 そりゃ雛ちゃんはね。でも禪院家に全く話さないのも揉めるだろう。伏黒だけってのも今は禪院家ではないわけだし。そうだ!

 

「事情に関しては、諸事情により、五条 悟、加茂 憲紀、禪院 真依の3人には包み隠さず全て話します。後は3人の判断で好きにしてください。みんなもそれで良いかな?」

 

 少し相談して、みんな頷いた。

 どうでもいいけど、遠くでわちゃわちゃした気配がある。

 

「何でそのメンバー?」

「憲紀と真依は私の両親ですわ! それにこれで御三家全員に話した事になって平等ですわ!」

 

 うむ。遠くで真希さんが暴れて抑えられている。

 

「他の禪院家には言えない事情もある」

「……なるほど。でも2人は遠方でね。あと、伊地知を置いていい? どうせ伊地知には話すし、裏取りしてもらうし」

「ご随意に。3人が揃ったら話します。話す量が多いので、そのほうが効率的かなって。その後、夏油傑と総監部に提案をしたいのと話し合いを取り持ちたいので相談に乗って欲しく思います」

「提案って?」

「ざっくり言って、非術師を術師にする呪霊の情報渡すから、殺しをやめてくれないかなって。後は色々縛りを結べたらって」

「呪詛師なのはどうすんの」

「総監部って、禪院家皆殺しの人も、父様洗脳した人も見逃してるんですよね。母様だけダメっておかしくない?」

「は? いやそれはダメでしょ」

「でも実際そうだし」

「何それ。それはダメでしょ。ダメだろ。規定の意味が何なんだよ」

「総監部に言って? 私達子供だし」

「あーっと。わかった。ただ、君らの親の名前だけ聞いていい? 同席させたい。できれば、他の御三家当主も。後々大事件が起こるなら尚更ね」

「今の禪院家、加茂家当主には僕らの親世代が裏切られてるので話したくないです。父様がどうしても話すべきって判断したなら、止めないけど……。後、直哉さんと伏黒さん、真希さんもいきなり話すのは避けたいです。もうない未来だって言っても絶対に揉めるだろうし。父様が後から話すべきって思ったら話してください」

「ええ……。真依……真依かぁー。揉めそう……」

「真依さんから話すのは自由です。というか、色々ありまくって完全な被害者であるその3人しか敵の息が掛かってないって信頼できる人いないので……」

「恵と真希もダメなの?」

「話を聞けばわかります」

「……わかった。2人を呼び寄せるよ」

「父様、2人を呼び寄せて話し合いが終わるまで、もちろん私達を優先してよね。1番まずいのは、情報全部話して対策してもらう前に私達が死んじゃう事だから」

「内部にも敵がいるって?」

「御三家の子供たちがまとめて襲撃受けてるんだから、予想つくでしょ」

「確かにね。わかった」

 

 そこで、誰かのお腹がなった。

 

「疲れたでしょ? 食事にしよう」

 

 そうして、私の顔に手を添えた。

 

「んー。僕の子かぁ。傑の子かぁー。あんま中身は似てないんだね。顔は似てるけど」

 

 ギクゥッ 転生者だからなんだよなぁ!

 

「一時期家庭環境激ヤバであえて引き離してもらった時があって。それでかも」

「うっ そりゃそうだよね」

「でも、時間が解決してからは楽しかったよ。当主争奪戦ごっこ! 陰湿なところとかもなくて、楽しく願と競争できてたし、絆と縁もうちわ持って応援してくれて、毎日楽しく面白おかしく生きてたよ」

「……僕や傑のこと、好きだった?」

 

 私達兄弟は、それぞれ言った。

 

「「「「大好き!」」」」

 

 




マシュマロ
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