イレギュラーな魔王と最強聖騎士の弟   作:波瑠紅兎

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  ー2000年前ー
  〜ナイトローズ〜
 
荒れ果てた国の中に血だらけで佇む一人の青年がいた。
しかし支えを失ったように崩れ落ちてゆく…
ガシッ
その青年の体を掴んだ美少女がいた。
???「だめじゃ!死ぬことなど許さぬ!」  
???「君の国を守ることができなくてごめんよ……ルミナス」
ルミナス「国はまた作ればよい!それよりもお前の体は…」
そう、青年の体は末端から崩壊を始めていた。
???「もう無理だね…大丈夫、試作段階の転生魔法を使ったから…少しの不具合があるけど復活できる。成功率は低いけどね。…ねぇルミナス、それでも私が生まれ変わったら…またバレンタインの名を名乗っても…いいかな…?」
ルミナス「…! …許す。じゃから絶対に帰って来るのじゃぞ」
???「…(ふふっ)わかった。絶対に帰ってくるから…待ってて。」
そうして青年の体は崩れ去った。
魔王種でしかないにもかかわらず竜種である暴風竜ヴェルドラを相手に一歩も引かずに戦い、ヴェルドラを引かせるという勝利を収めた蜘蛛の魔王ヴェーダ・タラテクト・バレンタインは消滅した…




プロローグ

 

「姉さん!」

坂口凪咲《さかぐちなぎさ》が姉の坂口日向を呼ぶ。

「凪咲!」

胸に飛び込んでくる凪咲を抱きしめて止める。

「どうしたの?」

「えへへ、姉さんだーいすき」

「ふふっありがとう」

 

 平和な日常

家族は不安定だけど姉がいるだけで満足していた。

そんなものはすぐに壊れるものだと知らずに。

 

 

姉が、 行方不明になった。

 

嫌だ、認めたくない。

僕の大好きだった姉が消えた。

ずっといっしょにいた姉が、

僕は眼の前が真っ白になった。

警察の捜索も虚しく姉さんは見つからなかった。

 

家族はもともとバラバラだった。

父親は死に、母親は宗教狂い。

そして今度は姉がいなくなった。

 

僕はそのことから目をそらすためアニメや特撮にのめり込んだ。

母の宗教狂いが感染ったようで嫌だったが、そうでもしないと正気を保てそうになかったから。

家族で1番信頼していた姉が消えた。その事実を受け入れたくなかった。

一人になりたくなかった。だから他のことで気を紛らわそうとした。

 

ガンダム、仮面ライダー、ウルトラマン、いろんなものを見た。

その中でぼくが惹かれたのは蜘蛛ですが、なにか?だった。

一人になっても必死に強くなって生きようとする蜘蛛が、想像するだけで眩しかった。

自分のエゴを最優先し他者の気持ちを考えないほどまでに傲慢で目的のためなら苦労を厭わない忍耐力を持ち、誰よりも怠けたいのに働かせられる羽目になり他者の仕事を奪ってしまう怠惰さ、しかしお人好しで弱者を慈しみ擁護する救恤、そして頭の良さを証明する叡智を持った蜘蛛。僕は見ているうちにこの蜘蛛が大好きになった。

僕もこの蜘蛛のように強く生きたいと思った。

先程挙げたものの中にも僕が好きになったものがいくつかあった。

 

ガンダムからはELSクアンタ、圧倒的な強さだと思えるような力を持っているのに対話を選んだガンダム、力ではなく対話により、わかり合うことで戦いを終わらせる。この考えのおかげで母親と話し、母さんとの仲はだいぶ改善された。

それだけでなく、グラハムではないが同時にガンダムの性能に心を奪われた。

 

仮面ライダーからはエターナル、死んで記憶がなくなっていくとしても明日を求めて戦い続けるライダー、記憶を記憶として過去にしたくなくて日々を死んだように過ごしていた僕はこの明日を求める姿のおかげでで立ち直れた。他にも、カブトの言葉にも助けれられた事もあった。

 

ウルトラマンからはかなり特殊だが完全生命体イフと虚空怪獣グリーザが好きになった。単純に倒せなかったり、その特異な力、特性に惹かれた。

 

とまあ何が言いたいのかと言われると母親との仲は良くなり、僕は立ち直ることができた。

だけど…僕の中には穴が残っていた。いなくなった姉という穴が。故に願ってしまう。

姉にいてほしいと、一緒にいたいと……

 

 

 

 

 

 

 




魔王の最後と主人公の悲しい過去とそこからの立ち上がりを書きました。
この過去があったからとんでもないスキルを獲得するんですがね。



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