早速牙浪狼戦の準備だ。
リムルには負傷したゴブリンの手当て、僕は動けるゴブリンを指揮して柵を立てた。
リムル「エルト、調子はどうだ?」
手当てを完了させたリムルが僕に聞いてくる。
「だめだね、柵もグラグラだ。」
「しょうがないな。」
リムルが柵を粘糸で補強すると同時に鋼糸で罠を作っていく、
リムル「これでよし」
僕もできたんだけどね…
夜になった。
牙狼族のボスは、目を開く。
今宵は満月。戦いにはおあつらえ向きだ。
ゆっくりと身を起こすと、周囲を睥睨する。
同胞である牙狼達は、そんなボスの様子を息を潜めて窺っている。
今夜、あのゴブリンの村を滅ぼし、このジュラの森への足がかりを作ろう。
その後、ゆっくりと周囲の魔物達を狩り、この森の支配者となるのだ。
自分達には、それを可能とする力がある。
自分達の爪はいかなる魔物であれ引き裂けるし、その牙はいかなる装甲をも喰い破る事ができるのだから。
ウォーーーーーーーーーーーン!!!
ボスは咆哮した!
蹂躙を開始する時間だった。
ただし牙狼族は蹂躙される側だが…
リムル「よーし! そこで止まれ。このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去れ!!!」
ボス「ウゥル!!! ガルゥウウウウゥ!(小賢しい!!! 捻り潰してやる!)」
「分かり合う気はないみたいだね…」
呆気なく終わった。
牙狼族達は鋼糸と柵の罠を抜けきれず、
牙狼族のボスは粘糸に絡み取られ、水刃で首を落とされた。
リムル「聞け、牙狼族よ! お前らのボスは死んだ!!! お前らに選択させてやる。服従か、死か!」
(バカ!引かせるだけで良いんだよ!!)
リムル(あっそうか!)
ーリムルsideー
牙狼達の視線が俺に集中している。
俺は、その視線の中をゆっくりと歩き出した。
これがどう判断されるか判らないが、こいつらにボスの死をより強く認識させる為に。
牙狼族のボスの死体の前に辿り着く。俺を妨害しようとする者はいない。
ボスの傍に控えていた個体が、一歩、後ずさった。
俺は、牙狼族のボスを『捕食』した。
この行為は、戦って勝ち得た正当な権利なのだから。
《解析が終了しました。
擬態:牙狼を獲得しました。
固有スキル『超嗅覚,思念伝達,威圧』を獲得しました 》
俺の心に、『大賢者』の言葉が響く。
ふむ。
目の前で、自分達のボスを喰われる所を見せつけたのだが、それでも動きはない。
俺は牙狼に擬態した。
グルッ、ウォーーーーーーーーーーーン!!!
と大音声で咆哮『威圧』した。
「クククッ! 聞け。今回だけは見逃してやろう。我に従えぬと言うならば、この場より立ち去れ!!!」
と、続けて牙狼達に宣言する。
これで、この犬っころどもも逃げ出すだろう。そう思ったのだが・・・、
(我等一同、貴方様に従います!!!)
と、一斉に平伏された。
エルトはこれに驚いたのかポカンとしている。
こうして牙狼戦は終わった。
次回、牙狼、ゴブリンの名付けと僕の配下