新訳 そして伝説へ・・・   作:久慈川 京

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※勇者一行装備品一覧

 

 

 

 

装備一覧

 

 

 

【名前】:カミュ

 

【職業】:勇者

ジパングという異色の国に生きる異民族の王の血を継ぎし者。

四年という長い時間の経過と共にその力量と心を成長させて来た。それは、アリアハンという辺境の生国を出た頃を知る者からすれば別人と称される程の物だろう。

数々の苦難を数多くの支えを借りて超えて行き、今その頂へと進もうとしている。その姿は、正に世界を救う『勇者』と呼ばれるに相応しい物となっていた。

 

【年齢】:20歳

四年の月日は、成長期の男性の身体も変化させて行く。アリアハンを出立した時は、強さはあれども細身であった彼の身体は、陽に焼けて良い色合いに変わり、その身体を覆う筋肉も、しなやかであれども強靭な物へ変化していた。

魔物の脅威などを別にしても、平均的な人間の寿命が六十年と云われる世界において、瞬きをする間の如し四年という月日ではあるが、その僅か四年の月日によって、彼は真の意味で『人』としての成長を果たしている。

 

【装備】

頭):オルテガの兜

ミミックの唱えた『ザラキ』という死の呪文によって死線を彷徨ったカミュを救ったのは、アリアハンから装備していたサークレットに嵌め込まれていた『命の石』だった。砕け散った『命の石』を失ったサークレットを捨て、頭部を護る装備品を失くした彼の前に現れたのがこの兜だった。英雄オルテガいう彼の中の闇に密接に絡む存在への抵抗感を持っていたが、リーシャの珍しい理詰めに、不承不承と言った感じで装備している。

 

胴):刃の鎧

ネクロゴンドの河口付近にある洞窟内に埋もれていた神代の鎧。

神が置き忘れたのか、それとも『人』に与えられた物なのは解らないが、まるで己の主を待つように、洞窟内にその姿を隠していた。だが、それを発見した魔物が手にしようとする事をこの鎧は拒絶する。自らに触れようとする許可無き者を、その鎧を形成する鋭い金属の刃によって分断していたのだ。真空で出来た刃ではなく、金属で出来た刃が鎧から飛び出す事自体が不可思議な現象ではあり、刃を発した鎧に傷一つないのだから尚更である。

大地の鎧を纏っている事から辞退したリーシャの代わりに、彼が装備する事となった。彼が敵と認識しない物や鎧自体に危害を加えようとしない者であれば、それに触れる事も可能である事は、彼の傍を離れない幼い少女が証明して見せている。

 

盾):ドラゴンシールド

サマンオサ城下町にて、リーシャと共に購入した盾。

龍種の鱗を土台となる金属の上に繋ぎ合わせた盾だと云われるが、サマンオサ近辺に龍種と呼べる種族が存在しない為、おそらくは龍種の劣化種である<ガメゴン>の鱗を繋ぎ合わせた物ではないかと考えられる。

だが、劣化種とはいえ龍種である事に変わりはなく、その盾の防御力は凄まじく高い。金属と異なり、龍種が身体に纏う鱗を繋ぎ合わせている為、その柔軟性はとても優れており、<ボストロール>の強力な攻撃を数度受けて尚、その身に傷一つ付けず健在であった。

 

武器):稲妻の剣

刃の鎧と共にネクロゴンドの洞窟内に安置されていた剣。

まるで空から振り落とされる稲妻のように荒々しい刀身を持ち、それ専用の鞘でも製作しない限り、刀身を隠す物がない程の姿をしている。

刃の鎧と同じように、望まぬ相手に触れられる事を拒み、周囲の空気を圧縮して爆発させる力を解放していた。それは、『魔道書』の最強攻撃呪文であるイオラに酷似した物であり、その力を際限なく発揮する事が出来る時点で、この剣の異常性が解るという物であろう。

その名の通り、荒々しく輝く稲光のような剣は、その主を定めたように『勇者』の背中でその出番を待っている。

 

所持魔法): メラ

      ホイミ

      ギラ

      ルーラ

      アストロン

      トヘロス

      ベギラマ

      ラリホー

      ライデイン

      ベホイミ

      リレミト

      マホトーン

      イオラ

 

【名前】:リーシャ・デ・ランドルフ

 

【職業】:戦士(アリアハン宮廷騎士)

勇者一行と呼ばれる四人の若者の中でも、意外な程に特殊な能力を持ち合わせていない彼女ではあるが、四年という月日の間で実直に積み重ねて行った経験は彼女の剣技という唯一の技能を極限まで高めていた。

勇者と呼ばれる青年でさえも、未だ彼女の域まで達する事は出来ない。何度挑戦を繰り返しても、どれ程自身の力量の上昇を実感していたとしても、彼はリーシャという戦士まで届きはしない。明確な目標として、そして誰よりも頼りになる攻撃陣として、彼女はこの一行の中で確固たる立場を確立していた。

 

【年齢】:不明

勇者一行の中で最年長となる彼女ではあるが、年齢と性質が比例する訳ではない。最年長としての自覚と、それに伴う責任を感じてはいるのだろうが、他の三人にとっての彼女の存在というのは、彼女が考えている以上であり、そして世間一般での年齢以上の物であろう。

誰よりも高みにいる筈の勇者の心を宥め、彼を正しい道へと導こうとする言動。『人』の頂点に立つ賢者の心の闇や弱さを理解し、それを受け止めて尚、前へ踏み出す一歩を誘導する行動。そのどれをとっても、彼女の年齢では考えられない程の心を持っていると言えよう。

そんな彼女だからこそ、何度叱られても幼い少女は彼女を頼るのだろう。己の母を頼るように、歳の離れた姉を慕うように。

 

【装備】

頭):鉄兜

本人曰く、「気に入っている」兜らしい。

 

胴):大地の鎧

試練の洞窟と呼ばれる人工の洞窟内に安置されていた鎧。『勇者』と呼ばれるカミュが発見するが、その者を主とは認めず、外で待つ一人の戦士を主と定めた。まるで己の意志があるかのように、『人』としての色を残す女性を主と定めた鎧は、他者の手に渡るのを拒む。精霊と共に崇められる対象となる母なるものの名を冠する鎧は、植物や動物を育てるように、温かくその身を包み、護る事だろう。

 

盾):ドラゴンシールド

サマンオサ城下町にて購入した盾。

劣化した龍種の鱗を繋ぎ合わせて作られた物だと考えられる。

劣化したとはいえ、龍種の鱗の防御力は高く、<ボストロール>の凶暴な力を受けても形状は変わらない。また、炎や吹雪といった物への耐性も少なからず持ち合わせているという説もある。

 

武器):ドラゴンキラー

トルドバークという開拓の町で暮らすジパング出身の鍛冶屋が鍛えた逸品。

その切れ味は、龍種の牙や爪のように鋭く、同族となる龍種の鱗さえも容易く貫くという逸話からその名が付いたと云われている。

稲妻の剣を手に入れたカミュが、己の持っていたドラゴンキラーを彼女へと譲った事で、久方ぶりの剣を持つ事となった。四年に渡る旅の半分以上の期間を斧という武器で過ごした彼女ではあったが、騎士としての職業柄、その剣技が衰える事はない。古くからの相棒のようにその剣を振るう姿を見たカミュは、縮まらない力量の差に歯噛みしたという。

彼女が使用していたバトルアックスと呼ばれる戦斧は、三年に及ぶ船旅を共にし、その覚悟と決意を見せた船員に譲られる事となる。

 

所持魔法):なし

魔法力が皆無なため、契約及び行使は不可能。

 

 

 

 

 

【名前】:サラ

 

【職業】:賢者

『賢者』として歩み始め、既に三年の月日が流れた。その間に様々な物を見て、様々な事を聞いている。

彼女の根底にある物は、「全ての生物が生命を全う出来る世界を」という物であるが、それは彼女自身の独善的な考えでもある事をネクロゴンドにて指摘された。

彼女は神でも精霊でもなく、この世界で生きる者全ての生命を司る者でもない。自身が悩み考え、そして導き出した物が、この世界で生きる者達の生死を定める物ではなく、それらに希望という光を与える物であるという言葉を、彼女は今噛み締めているのだろう。

悩み考える事が無駄になる事は無い。だが、遥か高みから全ての生物を見下ろすのではなく、同じ視点から見ていかなければならない事を感じているのかもしれない。

 

【年齢】:21歳

この世界で成人と看做される年齢から、既に五年の月日が経過している。幼いメルエへの対処などは、年長者のそれから、肉親へのそれの酷似した物へと変化していた。女性としての婚姻適齢期を迎えてはいるが、過酷な旅を長く続けてきた為、その辺りの魅力は磨かれてはいない。

長い旅の中で湯浴みも出来ずに野営を何日も続ける時もあり、身体から立ち上る汗臭さなどを一番気にしていたのが彼女であり、宿に着く度に自分の衣服を積極的に洗濯する姿は女性としての意識を失っていない事が窺える。

 

【装備】

頭):サークレット

『賢者』になった事により、謁見の最後に教皇から渡された物。先代の『賢者』が作り、教皇に手渡された物らしい。その中央には、以前カミュが装備していたサークレットと同じ様な青い宝石が埋め込まれており、その色は、『命の石』よりも深く、濃い青色をしている。

 

胴):魔法の法衣

テドンという滅びし村で購入したこの法衣は、その村へ移住して来た年若い夫婦の手によって編み出された。昆虫が作り出す物を糸から『絹』という世界で初となる生地を作り出し、特殊な能力を保持していた妻が編んだ物。それは、奇しくも彼女と共に歩む幼い少女の母親であった。類稀なる魔法力を有し、稀代の『魔法使い』となった少女の母親も、特殊な術式を組み込んだ法衣を作り出している。その奇妙な巡り合わせが、サラという当代の『賢者』の思考に一石を投じていた。

 

盾):魔法の盾

カミュやリーシャと同様、スーの村で買い揃えた盾。サラの身体に合ったサイズに変化した盾は、その左腕に納まっている。以前まで使用していた<うろこの盾>に関しては、ロマリア国王から下賜された宝物である為、店で売却はせず、大事に保管されている。『意味のない行為』とカミュに小言を言われるが、リーシャの後押しもあり、その後は船の船員達が使う事になる。

 

武器):ゾンビキラー

サマンオサ城下近郊での<ガメゴン>との戦闘により、三年以上も共にあった<鉄の槍>は破損してしまった。

共に歩む者達の武器が次々と強力な物になって行く中、彼女だけがロマリアで購入した物を使用していたというのは、彼女自身の武器を扱う力量とは別に、『賢者』となった彼女に合う武器が無かった事が理由であろう。

長い年月を掛けて聖水に浸けても尚、錆などが浮かなかった長剣であり、その刀身に『精霊ルビス』の加護を受けた剣。

聖なる力を宿した長剣は、この世に生を持たない者達に多大な効果を持ち、この世に縛り付けられた魂や肉体を『精霊ルビス』の許へ還すと考えられていた。

   :聖なるナイフ

育ての親であるアリアハン教会の神父から授けられた物。

アリアハン大陸の魔物達には有力な武器ではあったが、ロマリアで<鉄の槍>を入手してからは、彼女の腰に下がる袋の中に大事に保管されている。

それは、彼女の心の奥にある太い柱となっている『愛』の証であり、彼女が進む道を照らし続ける『覚悟』の証でもある 。

 

所持道具:祈りの指輪

エルフの隠れ里にて購入した物である。メルエの指に嵌っている物と同様の物で、元々は子の幸せを願う親の想いが込められた物が起源と考えられている指輪であった。

純粋な祈りは『精霊ルビス』の許へと届き、指輪の所持者の魔法力や気力を回復するという効力がある。呪文に重きを置くサラにも必要であると考えたリーシャが購入する事をカミュへ提言し、それが受け入れられた事によって、サラの指にも嵌められる事となった。

購入する際は、2500ゴールドという大金が必要となるらしい。

 

所持魔法):【経典魔法】

       ホイミ

       ニフラム

       ルカニ

       ルカナン

       マヌーサ

       キアリー

       ピオリム  

       バギ   

       ラリホー

       ベホイミ

       マホトーン

       バギマ

       ザキ

       ザラキ(未行使ではあるが、契約済)

 

      【魔道書魔法】

       メラ

       ヒャド

       スカラ

       スクルト

       ギラ  

       べギラマ

       ヒャダルコ

       バイキルト

       メラミ

       イオラ

       

      【悟りの書魔法】

       キアリク

       ヒャダイン

       バシルーラ

       ベホマ

 

【名前】:メルエ

 

【職業】:魔法使い

もはや魔物さえも凌駕する程の潜在能力の片鱗を見せる少女。

その小さな身体からは考えられない程の魔法力を有し、拙い会話力からは想像も出来ない程に強力な呪文を行使する。

呪文の契約には、その者の賢さが関係しているというのが一般的な論ではあるが、彼女を見る限りそれだけではない事が窺えた。魔法に関しての理解力は決して悪くは無いが、識字力や会話力などの一般的常識の観念から見ると、年齢以上の幼さを持つ彼女を『賢き者』と証する事は出来ないだろう。それでも、この世界の人間の誰も習得出来ない呪文を行使し、この世界の『賢者』として確立したサラをも凌ぐ行使呪文の数は、この幼い少女の内に秘められた何かが基因している事を想像させた。

 

【年齢】:7,8歳

幼さから、何にでも興味を持つ。特に動植物に関しては、初めて見る物には目を輝かせる程の興味を示した。

神代から生きる不死鳥ラーミアは、そんな彼女の中で大きな存在感を示しており、一目でその心を奪われている。だが、自分の周囲に無関心だった人形のような時代は疾うの昔に過ぎ去り、心を持った彼女は相手からの嫌悪や拒絶に心を痛める事となった。

好意を示しているにも拘らず、それを拒絶される理由が思い当たらない彼女は、涙する事しか出来ない。それを見たラーミアの瞳は、まるで少女の内を見透かすように輝き、少女の本質を見抜いたかのようにメルエへ身を委ねる事となった。

 

【装備】

頭):とんがり帽子

メルエのお気に入り、友であるアンの作ってくれた花冠が掛けてある。

 

胴):天使のローブ

エルフの女王へ『命の石』の欠片を手渡す為に訪れた隠れ里にて購入した物。

変化の杖の力によって、エルフへと姿を変えたメルエの将来に希望を見出したエルフの店主が購入を勧めた物である。

元々、エルフの母達が自分の娘の未来を案じて、一本一本想いを込めて編み込んで行ったローブが起源となっている。母達の強い想いが、そのローブを形成する糸に宿り、それを纏った者を理不尽な死から遠ざける効果を持つと云われていた。

  :マジカルスカート

滅びし村<テドン>で購入した物。

魔法の法衣の製作者と同じ職人によって織られたスカート。

特別な術式によって、装備者の魔力を多少上昇させる効果を持つ。

サラの装備する<魔法の法衣>同様、メルエの母親が編んだ物である可能性が高い。常に彼女の魔法力を支え、その身を守る姿は、母親そのものなのかもしれない。

 

盾):魔法の盾

何かを買って欲しいとねだるメルエにカミュが買って与えたもの。持ち主によって、その形状を変える盾。また、抗魔力にも優れ、魔法による攻撃からの防御力も高い。

既に何度もメルエの身を守る為に立ち塞がっており、魔物等の攻撃を受ける際にも、その形状を変化させる事も解っている。

 

武器):雷の杖

彼女の成長を見守って来た魔道士の杖の破損により、新たに彼女の手に落ちた杖。禍々しい程の外見とは異なり、その杖の先にあるオブジェは、持ち主であるメルエの心の門を護る門番の様に気高く、輝きに満ちている。魔道士の杖と同様、その内に何らかの付加価値を備えており、主を護るその時に、そのオブジェの嘴から<ベギラマ>と同様の灼熱の炎を吐き出した。主と定めた物を護るような意志を持つその杖が、何故スーの村にあったのか、そして誰が安置したのかは、まだ解らない。

   :毒針

何度もメルエの身を護ってくれたトルドからの贈り物。

ただ、最近は、メルエが直接的に魔物から攻撃を受ける機会はなく、それを使用する事もない。

それは、カミュやリーシャ、そしてサラといった絶対的な保護者達の働きが大きいのだろう。

 

所持道具:祈りの指輪

砂漠の国イシスの真女王となったアンリから授かった道具。『精霊ルビス』へ祈りを捧げる事によって、その恩恵を受ける事が出来ると伝えられている。祈りを捧げ、それが『精霊ルビス』の許に届いた時、その者の体内に宿る魔法力を回復させるという効果がある。<ヤマタノオロチ>という強敵との戦闘の中、魔法力切れを起こしたメルエの祈り、「大切な者達を護りたい」という想いに応え、その魔法力を回復させ、勝利に導いた過去を持つ。

    :アンの服

天使のローブという新しい防具を手に入れたメルエであったが、この服に何度もその命を護られて来た。みかわしの服と同様の生地で作られたこの服は、アンという幼い少女の身を案じた両親の愛が込められているのだろう。魔物の攻撃などで穴が空いたり、切れたりした部分は、サラによって修繕され、何度も復活を果たしていた。

現在はメルエが眠る船室に掛けられており、トルドバークを訪れる際にトルドへ返還する事も考えたが、渋るメルエを説得するのに、今暫くの時間が必要なのかもしれない。

 

所持魔法): 【魔道書魔法】

       メラ

       ヒャド

       スカラ

       スクルト

       ルーラ

       リレミト

       ギラ

       イオ  

       ベギラマ

       メラミ

       ヒャダルコ

       バイキルト

       イオラ

       メダパニ

 

      【悟りの書魔法】

       ヒャダイン

       マホカンタ

       ベギラゴン

       ラナルータ

       マヒャド

 


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