新訳 そして伝説へ・・・   作:久慈川 京

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※勇者一行装備品一覧

 

 

 

 

装備一覧

 

 

 

【名前】:カミュ

 

【職業】:勇者

魔王バラモスという長く世界を恐怖に陥れていた存在を討ち果たした事によって、彼は名実共に『勇者』となる。それまでは、アリアハン国という辺境にある一国が認定した『勇者』としての地位が彼の身を証明する物であったが、これからは全世界の『勇者』として長く語り継がれる事となるだろう。大魔王ゾーマという存在を隠蔽する限り、彼は世界を魔王の手から救った『勇者』であり、誰も成し遂げる事の出来なかった偉業を達成した英雄なのである。

 

【年齢】:20歳

彼の人生の全ては、虚無と諦めに支配されていた。だが、四年以上に渡る旅は、彼の心を大きく変化させて行く。その長い旅路の中で彼の瞳に映った景色は、醜く濁った物もあっただろう。だが、それ以上に美しく輝く物も数多くあった。『人』という種族の醜い物ばかりを見て来た彼であっても、その中に輝く美しさを無視する事は出来ない。そして、それは彼が憎しみさえも抱いていた両親に対する想いも同様であった。十六年間という果てしなく長い時間、彼が受けて来た苦痛や絶望が消え去る事はないし、それらを与え続けて来た親族を許す事も出来ない。だが、それでも父オルテガや、母ニーナが成した事から眼を背けずに、それを真っ直ぐな瞳で見る事が出来るようになっていた。それは、彼の持つ生来の真っ直ぐな気質と、彼の横に有り続けて来た一人の女性の影響なのかもしれない。

 

【装備】

頭):オルテガの兜

ミミックの唱えた『ザラキ』という死の呪文によって死線を彷徨ったカミュを救ったのは、アリアハンから装備していたサークレットに嵌め込まれていた『命の石』だった。砕け散った『命の石』を失ったサークレットを捨て、頭部を護る装備品を失くした彼の前に現れたのがこの兜だった。英雄オルテガいう彼の中の闇に密接に絡む存在への抵抗感を持っていたが、リーシャの珍しい理詰めに、不承不承と言った感じで装備している。

 

胴):刃の鎧

ネクロゴンドの河口付近にある洞窟内に埋もれていた神代の鎧。

神が置き忘れたのか、それとも『人』に与えられた物なのは解らないが、まるで己の主を待つように、洞窟内にその姿を隠していた。だが、それを発見した魔物が手にしようとする事をこの鎧は拒絶する。自らに触れようとする許可無き者を、その鎧を形成する鋭い金属の刃によって分断していたのだ。真空で出来た刃ではなく、金属で出来た刃が鎧から飛び出す事自体が不可思議な現象ではあり、刃を発した鎧に傷一つないのだから尚更である。

大地の鎧を纏っている事から辞退したリーシャの代わりに、彼が装備する事となった。彼が敵と認識しない物や鎧自体に危害を加えようとしない者であれば、それに触れる事も可能である事は、彼の傍を離れない幼い少女が証明して見せている。

 

盾):ドラゴンシールド

サマンオサ城下町にて、リーシャと共に購入した盾。

龍種の鱗を土台となる金属の上に繋ぎ合わせた盾だと云われるが、サマンオサ近辺に龍種と呼べる種族が存在しない為、おそらくは龍種の劣化種である<ガメゴン>の鱗を繋ぎ合わせた物ではないかと考えられる。

だが、如何に龍種の鱗を繋ぎ合わせた物であったとしても、この世界で生きる全ての生物の頂点に立つ魔王の攻撃には耐える事は出来なかった。何度も吐き出される激しい炎を軽減する度、その鱗の数は減り、振り下ろされる拳を受け止める度に基盤は歪んで行く。最早、その盾の機能は無に等しい状態にまで落ちていた。

 

武器):稲妻の剣

刃の鎧と共にネクロゴンドの洞窟内に安置されていた剣。

まるで空から振り落とされる稲妻のように荒々しい刀身を持ち、それ専用の鞘でも製作しない限り、刀身を隠す物がない程の姿をしている。

刃の鎧と同じように、望まぬ相手に触れられる事を拒み、周囲の空気を圧縮して爆発させる力を解放していた。それは、『魔道書』の最強攻撃呪文であるイオラに酷似した物であり、その力を際限なく発揮する事が出来る時点で、この剣の異常性が解るという物であろう。

魔王の腕を斬り落とし、その体内で能力を開放するなど、かなりの攻撃力を有する剣ではあるが、それを扱う者は限られている。リーシャの持つ魔神の斧と同様、この剣はカミュにしか扱う事の出来ない武器なのかもしれない。

 

所持魔法): メラ

      ホイミ

      ギラ

      ルーラ

      アストロン

      トヘロス

      ベギラマ

      ラリホー

      ライデイン

      ベホイミ

      リレミト

      マホトーン

      イオラ

      ベホマ

 

【名前】:リーシャ・デ・ランドルフ

 

【職業】:戦士(元アリアハン宮廷騎士)

魔王バラモス討伐という王命を達成し、凱旋した彼女は、自分を育ててくれたアリアハン国に対し、未来永劫の忠誠を誓う事となる。彼女自身、己が女性であるという原因によって、不遇な扱いを受けて来たという想いを持っていた。国王への忠誠は変わらずとも、アリアハン国が成す事に疑問を抱かずにはいられなかったのだ。だが、彼女が忠誠を誓った辺境国の王の思慮は深く、アリアハン国に生きる全ての者達の幸福を願う物であった。彼女は自分が幼い頃より見守られ続け、今も尚、アリアハン国民として愛されている事実を知る。それは、彼女が歩んで来た二十数年間の人生が価値ある物であり、輝く物である事を証明していた。彼女は、大魔王ゾーマという存在を世界に生きる者達の幸福の為に隠蔽する覚悟を決めたアリアハン国王の罪を被り、アリアハン王国貴族の地位と騎士の役職を返上し、一個人としてそれの討伐へと向かう決意をした。

 

【年齢】:不明

彼女の人生は、悲しみと後悔に彩られていた。心から愛し、尊敬していた父の死は、その同僚達によって辱められ、それを見返す為に騎士を目指す。彼女の心の中にあった想いは、『何故、父と共に魔物討伐に出る実力が、あの時の自分にはなかったのか』という後悔の念だけであった。父の変わりに魔物を討伐出来たと思う程に自惚れている訳ではない。それでも、自分も共に行けば、父は死ななかったのではないかという僅かな想いが後悔となって彼女を苦しめて来たのだ。故にこそ、彼女は誰よりも前に立つ。魔物によって命を失った者達の遺族が自分と同じ想いをしないように。そして、自己犠牲の精神を許さない。それが自己満足の身勝手な行為である事を誰よりも知っているから。彼女の悲しみと後悔の人生は、彼女の心を大きく成長させている。誰よりも他者の心を慮り、その心を理解しようと努力する。他者の為に苦しみ、悲しみ、涙する事が出来るのは、彼女が歩んで来た人生の糧と、この四年間見続けて来た青年の背中があったからなのかもしれない。

 

【装備】

頭):鉄兜

本人曰く、「気に入っている」兜らしい。

 

胴):大地の鎧

試練の洞窟と呼ばれる人工の洞窟内に安置されていた鎧。『勇者』と呼ばれるカミュが発見するが、その者を主とは認めず、外で待つ一人の戦士を主と定めた。まるで己の意志があるかのように、『人』としての色を残す女性を主と定めた鎧は、他者の手に渡るのを拒む。精霊と共に崇められる対象となる母なるものの名を冠する鎧は、植物や動物を育てるように、温かくその身を包み、護る事だろう。

 

盾):ドラゴンシールド

サマンオサ城下町にて購入した盾。

劣化した龍種の鱗を繋ぎ合わせて作られた物だと考えられる。

カミュと同様、魔王バラモスの攻撃を幾度となく防ぐ事によって、既に原型を留めてはいない。それ程に過酷な戦いであった事を示す物でもあり、それだけの防御力を有していた盾である事を証明していた。

 

武器):魔神の斧

遥か太古の魔の神が愛した斧。

その鋭い刃先は、どのような強固な物をも斬り裂き、その一撃は大地をも斬り裂くとさえ謳われた武器である。魔の神と天上の神との争いの際に失われ、地上へと落とされたという。それがネクロゴンドという地方に安置されていた事は奇跡であり、ネクロゴンドにある城に飾られた英雄の像の手に握られていた事も今では謎である。

その斧もまた、他の神代の武器と同様に自我を持っているかのように、己の主を定める。しかも、魔の神が愛した物である為、それは一筋縄ではいかない代物であった。己の主を嘲笑うかのように、試すかのようにその重量を変化させ、扱う者の重心をずらしてしまう事もある。しかし、その変化と持ち手の技量が合致した際には、逸話通りの一撃を生む事もあるのだった。

:ドラゴンキラー

魔神の斧を握っていた古の英雄の像である、動く石像との戦闘の際、その強固な石像を斬りつけた事によって、刀身に歪みが生じてしまう。本来、腕に嵌め込んで突き刺す事で強固な龍種の鱗をも破る武器であったが、それを打ち直した事によって強度が下がってしまったと考えられる。

通常の人間が、通常の魔物などを相手にする際は、その切れ味はこの世で販売されている武器の中でも群を抜いているのだが、人類最高戦力となった女性戦士の力量と、龍種を二体斬り裂いた後での続け様の戦闘によって、限界を迎えてしまったのだろう。

今は、リーシャの腰に下がる鞘の中で静かに余生を送っている。

 

所持魔法):なし

魔法力が皆無なため、契約及び行使は不可能。

 

 

 

 

 

【名前】:サラ

 

【職業】:賢者

『人』を救う者。それが、この世界に伝えられている『賢者』の敬称でもある。だが、それは『人』だけを救う者であるという事ではないのかもしれない。世界に生きる全ての者達を救う事の出来る者だからこそ、その中に『人』という矮小な存在も含めるのだ。魔物も、エルフも、動植物達も、精霊神ルビスに最も近しい存在である『賢者』にとっては、この世界に生きる者として同等の存在なのだろう。サラという当代の『賢者』は、常に悩み、考える。その先に続く道の果ては、世界で生きる全ての生物達にとって、輝くべき未来である事を信じて。

 

【年齢】:21歳

彼女の人生の大半は、憎しみと哀しみに彩られていた。彼女自身は記憶にはないが、彼女の母が彼女を産んだ頃の年齢にまで彼女は成長している。両親と精霊ルビスの祝福を受けて誕生した子は、愛する両親を奪った魔物達へ憎悪を募らせ、復讐の念を抱く。それは、彼女と同様に精霊ルビスの祝福を受けて生まれていた魔物の子を憎むという行為であった。だが、彼女が憎悪を育て続けた十数年の月日は、若き勇者と共に旅した僅か数年の時間で覆される事になる。彼女が敬愛する『精霊神ルビス』は、この世に生きる全ての者達を愛し、全ての者達の幸せを願っているという事を知って行くのだ。魔王バラモスを討ち果たし、世界の平和を手にした筈の彼女には、未だに成さねばならぬ事が残されている。それを成す為に、彼女は再び勇者と共に歩み出す。

 

【装備】

頭):サークレット

『賢者』になった事により、謁見の最後に教皇から渡された物。先代の『賢者』が作り、教皇に手渡された物らしい。その中央には、以前カミュが装備していたサークレットと同じ様な青い宝石が埋め込まれており、その色は、『命の石』よりも深く、濃い青色をしている。

 

胴):魔法の法衣

テドンという滅びし村で購入したこの法衣は、その村へ移住して来た年若い夫婦の手によって編み出された。昆虫が作り出す物を糸から『絹』という世界で初となる生地を作り出し、特殊な能力を保持していた妻が編んだ物。それは、奇しくも彼女と共に歩む幼い少女の母親であった。類稀なる魔法力を有し、稀代の『魔法使い』となった少女の母親も、特殊な術式を組み込んだ法衣を作り出している。その奇妙な巡り合わせが、サラという当代の『賢者』の思考に一石を投じていた。

 

盾):魔法の盾

カミュやリーシャと同様、スーの村で買い揃えた盾。サラの身体に合ったサイズに変化した盾は、その左腕に納まっている。以前まで使用していた<うろこの盾>に関しては、ロマリア国王から下賜された宝物である為、店で売却はせず、大事に保管されている。『意味のない行為』とカミュに小言を言われるが、リーシャの後押しもあり、その後は船の船員達が使う事になる。

 

武器):ゾンビキラー

サマンオサ城下近郊での<ガメゴン>との戦闘により、三年以上も共にあった<鉄の槍>は破損してしまった。

共に歩む者達の武器が次々と強力な物になって行く中、彼女だけがロマリアで購入した物を使用していたというのは、彼女自身の武器を扱う力量とは別に、『賢者』となった彼女に合う武器が無かった事が理由であろう。

長い年月を掛けて聖水に浸けても尚、錆などが浮かなかった長剣であり、その刀身に『精霊ルビス』の加護を受けた剣。

聖なる力を宿した長剣は、この世に生を持たない者達に多大な効果を持ち、この世に縛り付けられた魂や肉体を『精霊ルビス』の許へ還すと考えられていた。

   :聖なるナイフ

育ての親であるアリアハン教会の神父から授けられた物。

アリアハン大陸の魔物達には有力な武器ではあったが、ロマリアで<鉄の槍>を入手してからは、彼女の腰に下がる袋の中に大事に保管されている。

それは、彼女の心の奥にある太い柱となっている『愛』の証であり、彼女が進む道を照らし続ける『覚悟』の証でもある 。

 

所持道具:祈りの指輪

エルフの隠れ里にて購入した物である。メルエの指に嵌っている物と同様の物で、元々は子の幸せを願う親の想いが込められた物が起源と考えられている指輪であった。

純粋な祈りは『精霊ルビス』の許へと届き、指輪の所持者の魔法力や気力を回復するという効力がある。呪文に重きを置くサラにも必要であると考えたリーシャが購入する事をカミュへ提言し、それが受け入れられた事によって、サラの指にも嵌められる事となった。

購入する際は、2500ゴールドという大金が必要となるらしい。

 

所持魔法):【経典魔法】

       ホイミ

       ニフラム

       ルカニ

       ルカナン

       マヌーサ

       キアリー

       ピオリム  

       バギ   

       ラリホー

       ベホイミ

       マホトーン

       バギマ

       ザキ

       ザラキ(未行使ではあるが、契約済)

 

      【魔道書魔法】

       メラ

       ヒャド

       スカラ

       スクルト

       ギラ  

       べギラマ

       ヒャダルコ

       バイキルト

       メラミ

       イオラ

 

      【悟りの書魔法】

       キアリク

       ヒャダイン

       トラマナ

       インパス

       バシルーラ

       ベホマ

       ベギラゴン

       フバーハ

       ベホマラー

 

【名前】:メルエ

 

【職業】:魔法使い

この世の中で、彼女ほどの魔法力を持った人間は存在しないだろう。この世で唯一の賢者である女性であっても、魔法力の量と才能では足元にも及ばない。未だ二桁にも届かない幼子のような容姿から想像も出来ない程の呪文の契約を済ませ、圧倒的な威力で行使するその姿は、同種の人間から見ても異常な物である。だが、彼女の才能もまた、カミュという勇者と出会う事がなければ開花する事はなく、この世界の美しさも喜びも知る事無く散った命の一つであった。その出会いが、精霊神ルビスの導きなのか、彼女を心から愛し続けた両親の導きなのかは解らない。だが、彼女程の魔法使いと出会えた事もまた、当代の勇者が引き起こした必然なのかもしれない。

 

【年齢】:7,8歳

彼女の始まったばかりの人生は、孤独と絶望によって覆われていた。それは、自身がそれを悲しみだと感じる事さえもない程の孤独。誰からも必要とされず、誰からも愛される事はない。そのような人生を彼女は数年間過ごして来たのだ。だが、そんな彼女の人生は、一人の青年と、同道する二人の女性によって変えられる。愛を知り、喜びを知り、心を知る。その全ては彼女の全てを変えてしまう程に大きく、彼女を取り巻く世界を輝く物へと変えて行った。故にこそ、彼女はその者達から離れない。父のように、母のように、姉のように慕う者達から離れる事を良しとはせず、無理やり引き離されそうになれば、これまでの人生で感じた事のない絶望感を味わい泣き叫ぶ。それは最早、強力な依存と言っても過言ではないのかもしれない。

 

【装備】

頭):とんがり帽子

メルエのお気に入り、友であるアンの作ってくれた花冠が掛けてある。

 

胴):天使のローブ

エルフの女王へ『命の石』の欠片を手渡す為に訪れた隠れ里にて購入した物。

変化の杖の力によって、エルフへと姿を変えたメルエの将来に希望を見出したエルフの店主が購入を勧めた物である。

元々、エルフの母達が自分の娘の未来を案じて、一本一本想いを込めて編み込んで行ったローブが起源となっている。母達の強い想いが、そのローブを形成する糸に宿り、それを纏った者を理不尽な死から遠ざける効果を持つと云われていた。

  :マジカルスカート

滅びし村<テドン>で購入した物。

魔法の法衣の製作者と同じ職人によって織られたスカート。

特別な術式によって、装備者の魔力を多少上昇させる効果を持つ。

サラの装備する<魔法の法衣>同様、メルエの母親が編んだ物である可能性が高い。常に彼女の魔法力を支え、その身を守る姿は、母親そのものなのかもしれない。

 

盾):魔法の盾

何かを買って欲しいとねだるメルエにカミュが買って与えたもの。持ち主によって、その形状を変える盾。また、抗魔力にも優れ、魔法による攻撃からの防御力も高い。

既に何度もメルエの身を守る為に立ち塞がっており、魔物等の攻撃を受ける際にも、その形状を変化させる事も解っている。

 

武器):雷の杖

彼女の成長を見守って来た魔道士の杖の破損により、新たに彼女の手に落ちた杖。禍々しい程の外見とは異なり、その杖の先にあるオブジェは、持ち主であるメルエの心の門を護る門番の様に気高く、輝きに満ちている。魔道士の杖と同様、その内に何らかの付加価値を備えており、主を護るその時に、そのオブジェの嘴から<ベギラマ>と同様の灼熱の炎を吐き出した。主と定めた物を護るような意志を持つその杖が、何故スーの村にあったのか、そして誰が安置したのかは、まだ解らない。

   :毒針

何度もメルエの身を護ってくれたトルドからの贈り物。

ただ、最近は、メルエが直接的に魔物から攻撃を受ける機会はなく、それを使用する事もない。

それは、カミュやリーシャ、そしてサラといった絶対的な保護者達の働きが大きいのだろう。

 

所持道具:祈りの指輪

精霊ルビスの加護を持つ指輪。

イシス国女王から下賜されたその指輪は、彼女との約束と共にメルエの指に嵌められている。『必ず元気な姿を見せて欲しい』というイシス国女王の願いは、メルエの胸の中で絶対の効力を持つ約束なのだ。その為に、この幼い少女は他の三人を護らなければならない。護りたいと願い、護ろうと決意する。そんな少女の願いと想いだからこそ、この指輪はそれに応えようとするのだろう。

    :アンの服

天使のローブという新しい防具を手に入れたメルエであったが、この服に何度もその命を護られて来た。みかわしの服と同様の生地で作られたこの服は、アンという幼い少女の身を案じた両親の愛が込められているのだろう。魔物の攻撃などで穴が空いたり、切れたりした部分は、サラによって修繕され、何度も復活を果たしていた。

魔王バラモスの討伐も成功し、再び訪れたカザーブの村の中で、三年以上の間メルエという少女の身を護り続けてくれたそれは、多大な感謝と共にトルドへと返還された。ジパングの血を引く女性と新たな人生を歩み始めようとする彼の心に残り続ける罪の意識を、新たな決意へと変えるその服は、何時までもカザーブの村にある道具屋の一室に飾られる事だろう。

 

所持魔法): 【魔道書魔法】

       メラ

       ヒャド

       スカラ

       スクルト

       ルーラ

       リレミト

       ギラ

       イオ  

       ベギラマ

       メラミ

       ヒャダルコ

       バイキルト

       イオラ

       メダパニ

 

      【悟りの書魔法】

       ヒャダイン

       トラマナ

       マホトラ

       インパス

       マホカンタ

       ベギラゴン

       ラナルータ

       マヒャド

 

      【それ以外の呪文】

       メラゾーマ

 

 

 




読んで頂き、ありがとうございます。
十七章完です。

十八章は出来るだけ早く更新出来るように頑張って行きます。
よろしくお願い致します。

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