新訳 そして伝説へ・・・   作:久慈川 京

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※登場人物一覧(サブ)

 

 

※登場人物一覧(サブ)

 

 

【名前】オルテガ

 

【素性】アリアハンの英雄

 

アリアハン国宮廷騎士だった父を持ち、幼い頃から武術を習う。成長して行く中で、戦士以上の力を有し、剣の腕も並ぶ者なき程までに成長する。また、魔法力もその身体に宿しており、呪文も行使出来たと云われていた。アリアハン国の命を受け、幼さの残る妻と生まれたばかりの子供を置いて、単身『魔王討伐』の旅へと出立するが、その一年後に、魔物との戦闘に於いて、戦死したとされている。

 

 

 

【名前】ニーナ

 

【素性】オルテガの妻 カミュの母

 

『魔王討伐』に出る前に、修行のため諸国を旅していたオルテガと出会い恋に落ちる。まだ、二十歳にも満たない歳でオルテガへと嫁ぎ、その間にカミュを授かった。『魔王討伐』へと出る夫を止める事が出来なかった事を未だに悔やんではいるが、自分の仕事は子のカミュを立派な『勇者』に育て上げ、愛するオルテガの跡を継ぎ、『魔王討伐』を成し遂げさせる事だと考えている節がある。

 

 

 

【名前】オルテナ

 

【素性】オルテガの父 カミュの祖父

 

若い頃はアリアハン宮廷騎士として、その名を知らぬ者はいない程の実力を有していた。宮廷騎士隊長の打診を再三断り続け、一兵士であり続けた。その理由は『前線に立てなくなる』という物で、根っからの『戦士』の一面を持つ。英雄となったオルテガを誇りに思っており、その後、アリアハンからオルテガの功績を無にされた事に憤りを感じていた。跡継ぎとなるカミュに対して過剰なまでの過酷な修練を積ませ、その汚名を返上しようと考えている。

 

 

 

【名前】バコタ

 

【素性】盗賊

 

アリアハン随一の盗賊と謳われた者。元は、アリアハン国領にある<レーベの村>にある鍛冶屋の息子であった。自身の叔父に当たる職人が、大陸を結ぶ橋の土台を作成した事により、国敵とされた事で不遇の幼少時代を送る。その中で、偶然作成してしまった『盗賊のカギ』を持ち、アリアハン大陸の富裕層の家へと入り、窃盗を行い始めた。最後は、一度のヘマによってアジトを嗅ぎ付けられ、アリアハンからの討伐隊に捕縛される。その際に、妻と子をアリアハン兵士に虐殺され、その翌年、刑の執行と共に斬首され、短い人生の幕を下ろした。

 

 

 

【名前】トルド

 

【素性】カザーブの村の道具屋

 

カザーブの村で道具屋を営む夫婦の間に生を受ける。商売に関して非凡な才能を見せ始めた頃に、オルテガ急死の報を受けたロマリア国からの重税によって、商売のやり方に苦悩し始めた。ロマリア国領内に、カンダタ一味という盗賊が出没し始めた事により、その一味が落とす資金に目をつけ、一味を村へ入れる事を提言した。最初は渋っていた村の住民であったが、その恩恵が確かな物だという事が解ると、積極的に一味への商売を始め、村はある程度の潤いを見せ始める。だが、盗賊というならず者を信用しすぎ、自身の妻と子を失う事となった。

 

 

 

【名前】アン

 

【素性】トルドの娘

 

カザーブの村で道具屋を営むトルドと、村でも評判な美人との間に生まれる。両親に似て、とても頭がよく、明るく活発な少女であったが、教会からの帰宅途中に、母親と共にカンダタ一味に攫われ、目の前で母親が陵辱され、殺されるのを目の当たりにした後、狩りと証した一味の賭けの対象として殺される。無念を残し、殺された森の中で母と共に彷徨い続けていたが、自分を見る事の出来るメルエと出会い、最後はそのメルエに自分が見る事の叶わなかった未来を『花冠』と共に託す。

 

 

 

【名前】アン

 

【素性】エルフの女王の娘

 

人間よりも古い歴史を持つ一族であるエルフを纏める長の娘として生を受ける。隠れ里にひっそりと暮らす事に疑問を持ち続け、自分に対して母親としてではなく、女王として接する母親にも疑念を持っていた。それらへのささやかな抵抗でもあった、里の外へ出るという悪戯の延長で、人間であるギルバードと出会い恋に落ちる。それを咎められて監禁されるが、僅かな隙を縫い、エルフの秘宝である『夢見るルビー』を盗み出し、ギルバードと駆け落ち同然でノアニールへと逃げて行く事になった。だが、結婚を切り出す際にアンの素性を話した事がキッカケで、人間達から迫害を受け、村をも追い出される事となる。行き場を失った二人は、西にある洞窟内に逃げ込み、最後には母親から受けてきた愛情と、譲り受けて来た誇りを胸に静かに息を引き取った。

 

 

 

【名前】ギルバード

 

【素性】ノアニールの村に住む若者

 

ノアニールに住む普通の青年。エルフの隠れ里のある森に入っていた事から、アンと出会う。エルフという先入観を植え付けられていながらも、その本質を見る目を持っており、次第に女性としてのアンと恋に落ちて行った。種族の隔たりを気にする事もなく、生きる時間の違うアンと添い遂げる事を決意するが、それも叶わず、最後はアンと共に、西の洞窟で永遠の眠りに就く。

 

 

 

【名前】アンジェ

 

【素性】元踊り子 メルエの義母

 

元は、アッサラームにある劇場でNO.1を争う程の踊り子だった。自分のファンであった男と恋に落ちるが、その男との間に子が出来ない事に悩んでいる時に、偶然劇場前で捨てられていたメルエを拾う事になる。懸命にメルエの世話をし、その愛情は確かな物であったが、男の裏切りによってその人生は大きく狂って行った。毎日酒を煽り、その男を繋ぎとめる為に拾って来たメルエに対し虐待を行うようになる。そして、最終的に僅かな金の為にメルエを奴隷商人へと売り飛ばすが、その時に見せたメルエの瞳と叫びがアンジェの心に釘のように突き刺さった。日々、後悔と悲しみ、そしてそういう自分を許せない気持ちと戦い続けながら生きて来たが、諦めていたメルエと共に現れたカミュ達を見て、疾うの昔に訪れていた自分の幸せと、それを自ら手放した事を悟る。最後は魔物に襲われるメルエを身を呈して護り、自分が大切にしていた髪飾りを娘へと託して生涯を終えた。

 

 

 

【名前】アンリ

 

【素性】イシス国女王

 

女性の国であるイシスの正当後継者。母である先代女王の突然の死によって、急遽即位する形になるが、年が幼いという理由で、実権は祖母である老婆が握っていた。母の死に疑問を持っている中で、突然の出来事に戸惑い、悩み、最後には絶望する。ある夜に、突如目の前に現れた、正当後継者の証である『星降る腕輪』を手にした瞬間に、魂だけの存在となった母親と再会する事になる。そこで聞かされた事実に、アンリの絶望は色濃い物となって行った。そんな前へ進む事の出来なかった日々の中で訪れたカミュ達一行の姿が、彼女の中に宿る女王としての血脈を覚醒させる事となる。女性としての自分と女王としての自分の狭間に揺れながらも、最後には気丈に女王としての役目を果たし、名実共にイシス国女王として君臨する事となった。同じ様に、絶望と諦めを瞳に宿しながらも前へと進むカミュに複雑な想いを持っている。

 

 

 

【名前】ノルド

 

【素性】ホビット族の英雄であるバーンの末裔

 

ロマリア王国やイシス国、ポルトガ国等がある西の大陸とバハラタ等がある東の大陸を隔てる険しい山脈を抜ける抜け道を掘ったホビットであったバーンの末裔。そのホビット族としては異端な怪力に、ホビット族からも畏怖の念を持たれ孤立して行く。一人で祖先の残した抜け道を護る為に洞窟で暮していく内に、その洞窟を訪れた人間に見つかり、そこでも異種族の恐ろしい視線を受ける事になった。自分以外の生物を誰も信じる事が出来なくなった頃に、次期ポルトガ国王である青年と出会い、自身の中に生まれ始めていた価値観が大きく変貌して行く事となる。

 

 

 

【名前】グプタ

 

【素性】バハラタの町に一軒しかない『黒胡椒屋』の丁稚奉公

 

貧しい家庭に生まれ、一攫千金を夢見てバハラタを訪れ、その町で一軒しかない『黒胡椒』という特産を取り扱う店に修行に入る。いつか町を出て自分の店をという夢を追いかけ、懸命に修行を続けていく中、その店の店主の孫娘であるタニアと恋に落ちた。カンダタ一味の台頭に消極的な態度を取る町長に歯痒い想いを抱いていたが、タニア誘拐という事件によってそれが噴出し、単身カンダタ一味のアジトへ向かう。想いだけで、力が伴っていないグプタにカンダタ一味を駆逐出来る訳もなく、その命を散らす寸前でカミュ達に命を救われた。

 

 

 

【名前】タニア

 

【素性】バハラタの町にある『黒胡椒屋』の看板娘。

 

幼くして両親を失い、祖父であるバハラタ町長に育てられる。その後、修行に来ていたグプタと恋仲になり、結婚の許しも得ていたが、バハラタの利権を欲するカンダタ一味に交渉の切り札として誘拐された。カミュ一行の登場によって、グプタ共々救われる形となるが、その際のカミュの姿が脳裏に焼きつき、恐怖のトラウマを生んでしまう。

 

 

 

【名前】カンダタ

 

【素性】ロマリアの義賊 カンダタ一味の棟梁

 

ロマリアのスラム街で育ち、生きていくために盗賊に身を落とした者。自身の住処までも国に奪われ、自身と同様に住処を国に奪われた者や、生まれた時から住処のない者を匿い、護って来た。古来から貧民の間で伝えられている英雄『カンダタ』の名を自称し、国や国が掲げる英雄が目に入れる事のない者達を護る事に全精力を費やしていた。しかし、大きくなり過ぎた組織は、自身の持つ理想から大きく逸脱し始め、最後には完全に瓦解する。それでも自分を頼る者を護る為に、自身の思想をも曲げて行動するが、二度目となる『勇者』一行との対峙によって終わりを告げられる事となる。

 

 

 




読んで頂きありがとうございました。

サブキャラ一覧を記しました。
これもご要望があった為なのですが、オリジナルキャラが場面場面で出てくるため、定期的にそこまでで登場したサブキャラ達の紹介を入れて行こうかと思っています。

ご意見、ご感想を心よりお待ちしています。

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