リリカル&マギカ&HEROS∞MOVIE大戦ヴァンクエット‐宴‐ 作:自分不器用ですから
霧島
「うん、とりあえず基本生活は支障ないほどに回復してますし、多少の外出なら許可できま
すね。というよりすごい回復力だわ、驚きね」
ヴァンクエット総合病院で霧島の診察を受けて一時的な外出許可が下りた青年と男性。
??
「礼を言わせてもらう。こちらの外貨など持っていない俺達の治療をしてくれるとは」
霧島
「別に金銭なんて後でいくらでも代えは効くのよ。目の前の命だったり患者はその時にし
か救えない。まぁ~、だから自分が厳しくなったりするんだですけどね~」
そういった性格のせいで自分が負担してしまう時もあるので生活が厳しくなったりするそうなのだが今回はこの男性『貴虎』からの提案で治療費分はここで働かせてもらう事になった。もう1つは以前にも言ったが別世界から来た住人なのが理由だ。
貴虎
(どうやらここは俺達の知らない世界らしい。まずは情報を集める必要がある)
もう1つは元の世界に戻るための手段とこの世界にそれに匹敵する情報があるのかを調べるためにも拠点となる場所はあったほうがいいという判断だった。
霧島
「葛葉さんと貴虎さんには期待してますよ。結構、人手が足りなくて」
総合病院とはいえ、規模的には中規模なので大戦やその後のショッカー達との戦いで負傷した艦娘や住人達の治療などで人手不足。
物資輸送や患者の移動など力仕事だけでもかなりあるのである。
紘太
「ああ、世話になったんだ、いくらでも言ってくれ!」
青年の名前は『葛葉 紘太』。別世界の住人で特殊な機器を用いて戦士に変身する力を持っている。性格は良くも悪くも真っ直ぐで疑う事を知らないお人好しな性格。
『貴虎』は以前、紘太と敵対だったが今は考えを同じくして共に戦う仲間らしく、だが自分達の世界で起きたイレギュラーによってこの世界に飛ばされたらしい。
性格は冷静沈着で非常に頭も切れるが融通が利かないところもある。基本的には直情的な紘太を冷静に意見して乗りこなしている。
霧島
「まだ安静にしてなさいってさっき言ったでしょ?慌てすぎです。とりあえずはこの都市
を少し見て回ってきてください。案内は頼みましたから、入ってきて」
そういって入ってきたのはサイドを伸ばしたショートカットヘアーで白生地に青ラインと青のスカートのセーラー服姿の少女が入ってきて敬礼する。
吹雪
「ただいま到着いたしました。霧島さん」
霧島
「ごめんなさいね、いきなり頼んでしまって。えっと紹介するわね、こちらが」
紘太
「俺は葛葉 紘太。よろしく」
貴虎
「貴虎だ」
吹雪
「吹雪型一番艦駆逐艦の吹雪です。よろしくお願いいたします!」
この世界に存在する艦娘達についても多少の知識は霧島から得られていたのだが改めて艤装をつけている艦娘を見るとやはり珍しく思ってしまう。
紘太
「まじで女の子が戦艦みたいな武器つけてんだな、へぇ~」
吹雪
「あ、あまりジロジロ見ないでください。恥ずかしいです・・・(照。)」
貴虎
「デリカシーにかけてすまない。早速だが案内を頼めるか、吹雪」
吹雪
「は、はい!お任せください」
そういって紘太と貴虎の2人を連れて吹雪は街に出ることにした。
霧島
「・・・で見た感じどうでしたか、お二人共?」
霧島の声に隣の部屋から出てきたのは飛龍と加賀の2人だった。2人は霧島からの連絡を受けて別世界からの住人について調べに来ていたらしい。
危険性はないと霧島から言われたが一応はどういった人物なのか、監視も兼ねて調べた方が良いだろうと判断し、加賀と飛龍の2人がやってきたのだ。
飛龍
「う~ん、なんかこれといって危険人物には見えないけれど。加賀さんはどうです?」
加賀
「あの貴虎と呼ばれる殿方は何か裏を感じさせますが・・・あの葛葉 紘太さんと行動を共
にしているのを踏まえて大丈夫な気もします。表しかない人物に思えますし」
飛龍
「あ、分かります。真っ直ぐ一直線で曲がったりするのが苦手みたいな~!」
霧島
「まぁ~・・・紘太さんはそんな感じですかね。貴虎さんは謎の多い感じがしますが。お二
方の関係は良好に思えますし、一応は護衛がてら監視でいいでしょう」
加賀
「そうね、それじゃいきましょう、飛龍」
飛龍
「はい、加賀さん」
とりあえず2人に護衛と監視をお願いしてそれぞれの持ち場へと戻った。
吹雪
「ここがわたし達の本拠地、ヴァンクエット鎮守府です」
紘太
「へぇ、すげぇ大きさだな。鎮守府って港町みたいなもんなのか?」
貴虎
「艦隊の統率、海軍の防備、兵の育成や生活などをする軍事施設だ。まぁ、ここはどちらか
というとそちらの表現が合うような気もするがな」
鎮守府内では幼稚園児だろうか見学ツアーのようなものをやっていたり、一般人も見受けられて貴虎の考えている軍隊の鎮守府とは少し違っていたようだ。
吹雪
「今、わたし達を統括している総督の考えでわたし達も一般人ともっと近くに暮らしてい
こうと戦いしか知らなかった艦娘達に社会復帰の場所を与えたのが始まりなんです」
ここでのガイドツアーも自分の家を紹介するようなモノなので初期の仕事としてはやりやすく今ではツアーコンダクターのように専門職にしている艦娘もいるという。
吹雪
「あっ、これここの売店名物『間宮の特製アイス』です。とっても人気なんですよ♪」
紘太
「へぇ~・・・おっ、美味ぇ!おい、貴虎、これすげぇ美味いぞ♪」
貴虎
「アトラクション施設ではしゃぐ子供か。それより色々と遣るべきこ・・むっ?」
吹雪
「貴虎さんもどうぞ。糖分補給も考え事にはいいものですよ?」
貴虎
「・・・・・いただこう。・・・・・んっ、美味い」
紘太・吹雪
「「(ニヤニヤ)」」
貴虎
「さっさと次にいくぞ、次はどこだ」
しっかりと平らげたのでまんざらでもない御様子である。
吹雪
「ここが演習場ですよ。ここで提督の艦隊同士で実戦形式の模擬線をやるんです」
紘太
「うおぉ~!すげぇ迫力!艦娘の子らってこんなにいるのか~」
演習場では複数の艦隊同士が演習を行っており、激しいバトルが繰り広げられている。
貴虎
「見た感じで子供まで混じっているようだがそこまで兵力がないのか」
吹雪
「そ、そういうわけでは・・・(汗)元から戦艦クラスの戦闘能力を持っているのが艦娘で
すから見た目はあまり関係ないんですよ。まぁ、駆逐艦・軽巡・重巡・戦艦などで分類や
能力に違いはありますが」
そんな中で少しどよめきが起きたのに気が付いて視線を向けてみる。
吹雪
「あっ、連合艦隊旗艦の大和さんですよ!それに英雄艦のイオナさんも!」
茶髪のポニーテールに長身の背丈、そして日傘を優雅にさして現れた女性の方が大和と言うらしく、もう1人の銀髪の少女は『潜水艦伊401・通称イオナ』と呼ばれている艦娘らしくイオナは大戦を救った英雄の艦娘として『英雄艦』の二つ名がついているという。
紘太
「大和って俺も知ってるぞ、大昔にあったでっかい戦艦で最終兵器って呼ばれたのだろ」
吹雪
「総督から他の世界でもわたし達と同じ名前の艦があると聞きました。大和さんはとても
有名みたいですね」
貴虎
「英雄艦というのは何なんだ。あの少女、他の艦娘とは違うように思えるが」
吹雪
「イオナさんは今の総督と共に異世界から来た艦娘・・・と言っていますが『霧の艦隊』と
呼ばれていた特殊な艦だったようでわたし達を遥かに超えるスペックに潜水艦ながら砲
雷撃戦も可能だし、本物の艦も出せると最新鋭艦なんです」
その他にも大戦時に現在の総督と共に主力として戦った艦隊は『連合艦隊』と呼ばれている事や総督の母の艦娘がいるとか、人間の中にもチームを組んだメンバーがいて『神威』と呼ばれる集団がいるなどの話を聞いた。
??
「あの2人は艦娘の誇りだもの。新しく生まれた子達からしたら憧れだものね」
吹雪
「あっ、扶桑さん!山城さん!」
現れたのは巫女服のような上着に赤のスカートと長い綺麗な黒髪の女性とショートヘアーの女性の2人がやってきたのだが吹雪の声が妙に嬉しそうになった。
山城
「吹雪、その人達?」
吹雪
「はい、総督達のように異世界から来た方で葛葉 紘太さんと貴虎さんです」
紘太・貴虎
「「よろしく」」
扶桑
「扶桑型戦艦、姉の扶桑です。以後、お見知りおきを」
山城
「扶桑型戦艦2番艦の妹の方、山城です。よろしくお願いします」
お互いに自己紹介をしながら握手を交わす。
紘太
「それにしてもよくいきなり来た俺らを他の世界の俺達を受け入れてくれたよ。普通なら
怪しんで牢屋にとか入れられそうだけど」
だがこれに対して貴虎がある意味、呆れたように口をはさむ。
貴虎
「その割にはさっきから俺達を尾行している者達がいるようだが。お前達も吹雪を含めて
様子でも見に来たというところか、あそこでこちらを見ているのがそうだろう」
紘太
「えっ、どこに・・・って本当だ、いつの間につけてきてたんだ?」
視線を向けた先には2人の艦娘がいて言われてようやく紘太も気づいたようだ。
山城
「お気づきになられてたんですね」
貴虎
「病院の時から視線と気配は感じていた。まぁ、敵意ではないので気に止めなかったが」
扶桑
「でも総督の一件が過去にあったのでそれなりに驚きも無かったのは事実ですが一応は護
衛と監視という名目なようです。葛葉さんを見てると大丈夫な気がしてますけど」
紘太
「えっ?なんで俺が?」
吹雪
「紘太さんって嘘つくの苦手そうですし、表しかなさそうですもんね♪」
一同
「・・・・・」
紘太
「おい、吹雪!それどういう意味だ、おい!」
貴虎
「ふっ、まぁ、正解ではあるな。正面突破しか知らない馬鹿な男だ、こいつは」
紘太
「うぉい!?貴虎まで何いってやがる!」
扶桑・山城
「ふふっ♪」「はははっ♪」
ある意味、紘太のおかげで世間話や世界の話など難なく時間は過ぎていったのだった。
紘太
「にしてもいろんな艦娘がいるんだな~。多くて驚いたぜ」
吹雪
「扶桑さん達は3番隊の旗艦と副旗艦なんですよ。ちなみにわたしも同じ部隊です」
トップに大和を旗艦とした連合艦隊で別名を『高町組』、そして5番隊まで編成されておりそれぞれに旗艦と副旗艦が選ばれてそしてその艦隊をまとめる提督達で構成されている。
元々は連合艦隊に名前などは無かったのだが先の大戦で現在の総督と共にいち早く立ち上がって戦い、勝利して無事帰還した事を称えて『高町』という苗字を組み込んだらしい。
貴虎
「別の軍に加えて艦隊部隊の防衛策、普通なら上層部との兼ね合いがうまくいかなくなる
のが組織だがトップ自らが先陣を切って艦隊を動かすか、すべての権限を持っているか
らこそだろうが信頼し、動ける関係というのも羨ましく思えるな」
吹雪
「総督はとても優しくて強い方ですよ。何度もわたし達、艦娘を救ってくれましたし、それ
だけでなくこの世界も。今まで敵対していた国にもヴァンクエットに力添えはしないが
総督なら手を貸すという方も多いですから」
紘太
「その総督って奴は、すげぇ奴なんだな。異世界から来て余所者とか思われてもおかしくな
さそうだってのに。しっかり自分がやる事、見つけてるんだろうな」
もう1つの理由としては艦娘達から『母』と呼ばれる艦娘がいて彼女が育ての親としてその艦娘として長くにわたって支えていたのも大きい。
さらには連合艦隊にはそれぞれの分野でも高い能力を持ったメンバーが揃っているのだ。
吹雪
「旗艦の大和さんを筆頭に艦娘でトップクラスの強さと言われている北上さん、それに精
鋭揃いの航空部隊一航戦の赤城さん、加賀さん、航空部隊副長の龍驤さん、軍師能力にか
けては右に出るものはいないといわれる龍田さんと本当の精鋭部隊なんです」
貴虎
「力量がなければ強大な力は集まらない。一度、その男にも会ってみたいものだな」
ここで吹雪が2人にも質問をしてくる。
吹雪
「お二人は前にいた世界では何をなさってたんです?総督みたいな変身できるアイテムを
持っていらっしゃるみたいですけど・・・やっぱりヒーローですか!」
だがこれにはちょっと紘太も貴虎も苦笑とも自笑とれる反応だった。
紘太
「俺の世界にも怪物が出るんだ、インベスやオーバーロードっていうんだけどこいつは
そいつらと戦う力、ロックシードっていうんだけどな」
その錠前のようなアイテムがロックシードといい、そしてその力を解放する能力を持つのが『戦極ドライバー』というらしく自分達は『アーマードライダー』と呼ばれるそうだ。
吹雪
「すごいです!」
紘太
「いや、そういうわけでもないんだよ。俺達はインベスゲームっていう戦っている敵を勢
力争いで使ってたんだ。でもそれが間違いだった、危険過ぎたんだ」
暴走によってそれを使っていた紘太達、ストリートダンス集団『ビートライダーズ』は世間から生活を脅かす怪物使いの集団、助けるために戦ってもおそれらる存在で未だに受け入れられていないのが現状だという。
吹雪
「そんな。紘太さんは皆さんのために戦っているのに」
紘太
「今までやってきた事がやってきた事なんだ。その原因を使ってればいくら助けたってそ
れは結局、また縄張り争いをしてそうなったんだ、くらいにしか思われないんだよ」
吹雪
「貴虎さんは何をなさっていたんですか」
貴虎
「世界を救おうとしていた・・・今更考えれば途方もない犠牲の上に成り立つ救済だったが。
葛葉 紘太と出会い、別の道があると諭され、今は俺もそれを探している」
吹雪
「なんだか・・・とても難しいんですね・・・」
紘太
「言われたことがある、この戦いが終わった先、お前はどうするんだって。それに答えられ
なかったよ、分からなかったんだ、俺は一体、どうしいのか、何をするべきなのか」
眼をそむけたい事実も知った、守るため、道を開くために力も手に入れた。
しかしそれは別の代償を払い、自分の元からまた別のモノを奪っていった、力が必要だと求めて求め続けても今だに道は分からなかった。
吹雪
「・・・わたし口下手で上手く言えないですけど・・・紘太さんの信じた道を行けばいいと
思います」
紘太
「信じた道?」
吹雪
「わたしも以前は軍上層部の駒のように扱われていました。政治目的、自身の保身のために
本当に国を守るために戦っていた提督もいましたが勝利のためにと多くの艦娘が犠牲になって・・・でも総督が来てから変わったんです」
貴虎
「・・・・・」
貴虎としてもあまりいい話ではなかった。自分も同じことをやろうとしていたからだ。
吹雪
「わたし達を兵器ではなく、この世界に生きる者として仲間だって最初に言ってくれた人
なんです。最初は上層部に消されそうになったり、命を狙われたりしました。でもそれも
全部含めてあの人は変えてしまった・・・自分が信じた自分の道を貫いたんです」
異世界から来てはじめは余所者であり、そして『兵器』としか自分を見ていなかった艦娘達からも異端として扱われ、支える者も少なかったがこの世界を知らないからこそそんな考えにははまらず、自分が貫くと決めた信じる道を進み続け、その姿が多くの仲間と彼を繋ぎそれは世界そのものを変えるほどに大きくなり、それは今の平和に繋がっている。
貴虎
「その男は犠牲にしなかったのか、お前達を」
吹雪
「逆なくらいですよ、わたし達のために自分を犠牲にして時には身を、時には心を。それで
も命を掛けて・・・とは言わない人でした」
紘太
「命を掛けて守るってわけじゃないのか・・・?」
吹雪
「総督が口癖が必ず生きて帰れ、なんです。戦いのために生きて、戦いのために死ぬのが艦
娘と皆が思っていた時に死ぬ事は戦いじゃない、ただの逃げ。もがいても地べた這い蹲っ
ても生きて前に進み続ける事が戦いだって、それで総督は必ず帰ってきました。自分だけ
ではなくどんな絶望的な戦況に追い込まれた艦娘も助けて一緒に帰還してきたんです」
そんな彼も挫けたり、折れそうになる事もあったらしい。だがそんな時は必ず彼を立ち上がらせて前に進むために一緒になって歩いてくれる仲間がいた。
吹雪
「不思議なんです、総督が来てから誰かが死んでも戦いでの死なら本望と皆が考えていた
のに絶対に見捨てないようになって失った艦娘のために涙も流すようになって・・・あの
頃からです、あぁ・・これが仲間なんだなって思ったの」
そういって海を眺めながら思う事を話す。
吹雪
「誰かのために笑って、誰かのために泣いて、誰かのために怒ってくれる、そんな当たり前
の事を一緒になってやってくれるのが仲間なのかなって、わたし思うんです。道を示して
くれなくてもちょっと口調が悪くても総督は一緒に笑って怒って泣いてくれます」
紘太
「すげぇんだな、そいつ。本当に世界も人も全部を変えちまったんだ、自力で」
自分がやろうとしている事も世界を救うための事だが自信はいつも綱渡り状態。折れてしまいそうになった事もある、それでも諦めずに貫いて事を成した男の話を聞いていると吹雪の言った『信じた道を行け』、とても大切な事なのかもしれないと思っていた。
紘太
「そうだ、吹雪はどうなんだよ。なんか夢とかあるのか?」
吹雪
「わたしはいつか扶桑さん、山城さんの下、三席になるのが夢です!」
貴虎
「三席?」
旗艦がいない場合の副旗艦代理や万が一、2人がダメな際の指揮系統をするのが三席の役目であり、各隊にはそれを置く部隊とおいていない部隊があるという。
貴虎
「かなりの重職だがお前にまだそこまでの技量があるようにも思えないが」
説明するときの口調やら説明の仕方など見てみるとまだまだ幼いように思えた。
吹雪
「うっ・・・こ、これでも今、作戦指揮や兵法なども習っているんですよ(汗。)」
紘太
「へぇ~、そんな小さいのにすげぇんだな、吹雪は。年上だけど尊敬するよ」
吹雪
「そんな大それた目的とかはないんです、ただ憧れなんです。わたし、扶桑さんや山城さん
のようになりたいんです、わたしの憧れなんです」
今よりさらに子供の頃に深海凄艦に襲われてまだ力もろくにない吹雪が窮地に立たされた時に助けてくれたのが2人だという。
それから努力を重ねて第三部隊に配属され今ではしっかりと主力になっている。
吹雪
「わたしでも見つけられたんですから紘太さんも貴虎さんも見つけられますよ、自分がや
りたい事や難しい事の答えとか!総督が言ってました、『F・I・D』です!」
貴虎
「F・I・D?」
どうやら何かの言葉を短縮したようでその答えは・・・。
吹雪
「ファイト、一発!ドンと行け!です!」
紘太
「要するに気合い論か、それ?」
吹雪
「気合いも大事です!」
貴虎
「・・・やれやれだな・・・」
山城
「あまり心配そうじゃなかったわね、扶桑姉様」
扶桑
「そうね~、ちょっとおかしな人達だけどおもしろかったわ」
吹雪
「扶桑さ~ん!山城さ~ん!」
しばらくして吹雪が追いついてきて2人と合流する。
山城
「あら?葛葉さん達は?」
吹雪
「3番隊隊舎を案内してたら提督が来て歓迎会をするから2人も連れてきてくれって言わ
れました。紘太さんの事を提督が気に入ったらしくて」
それで急いで探しに来たという。それなら参加しない事はないと承諾した。
扶桑
「それならこの龍驤のところでフルーツサイダーを買っていきましょうか。あれはこちら
の名物だし、とても美味しいものね」
吹雪
「それと榛名さんが開いたケーキ屋さんが美味しいと評判ですし、買ってきましょう!」
山城
「とかいって吹雪が食べたいだけじゃないの~?(笑。)」
吹雪
「ち、違いますよぉぉ~~~!?」
顔を真っ赤にしてアタフタ否定している吹雪を見て笑いを堪える2人だったのだが突如として目の前に1人の男が現れた。
そしてその足元にはボロボロにされた仲間の陽炎型駆逐艦2番艦・不知火がいた。
吹雪
「不知火!?」
不知火
「に・・・逃げて・・・この・・・は危険・・・過ぎる」
男の眼は狂気に満ち、その体は血で染まっていた。その手に持つ双剣も血が落ち、それを愛おしそうに舐めとってやっと気が付いたのか扶桑達にも目を向ける。
??
「うるせぇな・・・ゴミがしゃべるんじゃねぇよ」
そういうと不知火の腹部を上から強く踏みつけ、声にならない声が響く。
扶桑
「おやめなさい!」
そういって手に滑走路と縦を融合させたような装備を取り出して艦載機を飛ばして男を不知火から話に掛かるが艦載機をも持っていた双剣で叩き落とされる。
??
「お前ら、こいつより楽しめそうだ。俺を早く・・・イカせてくれよ。こんなんじゃ、ダメ
なんだよ・・・全然、上がってこねぇんだよッ・・折角、面白いもん手に入れたのによ」
そういって取り出したのは何かの機器で赤黒いボディーに鈍い金色で歪な装飾を施された小さい長方形のモノでそれについていたスイッチを押すと電子音が響く。
<マッドネス!>
??
「いい悲鳴・・・聞かせてくれよぉ~・・・ヒヒッ」
それを首筋にあった何かのタトゥーのような部分に突き刺すと禍禍しい光と共に体が組織に浸食されて変異すると赤黒の体に歪な突起が身体中に現れ、手にはさっきまで持っていた双剣が浸食されて生体との一部になっていた。
扶桑
「危険です、2人共、本気でいくわよ!」
山城・吹雪
「「了解!」」
3人とも艤装を装着して目の前に現れた怪人に応戦をする。危険な相手だと認識して初回から主砲による一撃を見舞うのだが後退させる程度の一撃のようだ。
??
「響くねぇ・・・響いてきた・・・でもまだまだだ!!」
山城・吹雪・扶桑
「「きゃあああ!?」」「2人共!?大丈夫!?」
そういって両腕を振るうと細いエネルギー刃が放出されて爆発が起きるがそれを回避しながらさらに連続で主砲による攻撃に加えて艦載機の攻撃も加える。
山城
「回避行動をとりつつ、牽制射撃。隙を見せたら爆撃に移行!」
吹雪
「これならどうですか!」
そういって吹雪が取り出したのは陸上では使えない酸素魚雷でそれを怪人目掛けて数本を近距離間隔で投げた直後に手に持っている主砲を構え、魚雷を撃ち抜いた。
??
「どぉぉわぁっ!?!」
魚雷を狙撃して強制着火による爆撃を食らわせてさらに主砲と副砲による連射を重ねる。
吹雪
「どうだ・・これで」
だが煙の先にはまだピンピンしている怪人が現れて首を鳴らすような真似をする。
??
「さっきより響かねぇ~・・・駄目だ、お前。もう殺すは」
直後に吹雪が気づいた時には目の前に怪人の不気味な笑みが浮び、刹那。
??
「空破特攻弾!」
紅い閃光と共に螺旋を描いた突撃斬を食らって吹雪の体が大きく宙を舞い、地面に叩き付けられた。
扶桑
「吹雪ッ!?」
山城
「扶桑姉様!危ない!」
しかし気づいた時にはすでに刃を振りかざしたところでその凶刃に扶桑が斬り裂かれる。
扶桑
「あぁ・・・・うっ・・・」
山城
「き、貴様ぁあああああ!!!」
烈火の如く怒り狂って主砲を乱射するのだが少しして主砲が止み、金属音がだけが響いた視線の先にはすでに主砲の弾を撃ち尽くして立ち尽くす山城の姿。
山城
「そ、そんな・・・・」
??
「あぁ~?もう終わりか」
その場に座り込んで崩れる山城に溜息をついて刃を振りかざし、とどめを刺しにかかるのだがギリギリで吹雪が山城にタックル気味に飛びついてローリングしながら回避した。
??
「チッ・・・クソガキ・・・てめぇ、まだ動いてんのか。鉄くずになってろよ」
吹雪
「・・るん・・・だからッ・・・」
??
「あ?」
吹雪
「2人はわたしが守るんだからッ!!」
鬼気迫る顔で武器を構える吹雪だが興味もないと怪人は刃を振り下ろしてくる。
山城
「吹雪ッ!?」
紘太
「おらあああああああああああああ!!!」
??
「ぬっ!」
貴虎
「ハッ!」
??
「ぬぅん!」
しかし雄叫びと共に紘太が突如として現れて跳び蹴りを繰り出し、さらに続けざまに貴虎も飛び蹴りを叩き込んで怪人を後退させる。
??
「なんだ、てめぇら・・・?」
貴虎
「大丈夫か、お前達」
扶桑
「あなた方は・・・。危険です・・・はやく逃げて・・・!」
紘太
「そんな事出来るかよッ!あんたらには助けてもらった、余所者の俺達をこんだけ温かく
迎えてくれてそんな恩人見捨てちゃ俺は自分が許せない」
貴虎
「どちらにせよ、この男の持つアイテムは覚えがある。この騒ぎや入手場所まで含めて詳し
く話を聞かせてもらおうか、行くぞ、葛葉」
紘太
「おう!」
そういって怪人の前に立ちふさがる紘太と貴虎。
吹雪
「紘太・・・さん・・・駄目・・です」
紘太
「大丈夫、お前らは俺が守る。これからどうすればいいか分からないけど今、お前達を助けなきゃならない事くらいは馬鹿な俺にだって分かる!」
そういって腰につけていたオレンジの錠前を取り出し、貴虎もメロンの錠前を取り出してそれぞれを起動させると電子音が響く。
『オレンジ!』
紘太
「変身ッ!」
『メロン!』
貴虎
「変身」
戦極ドライバーにロックシードを差し込んで錠前を今度は締めなおす。すると電子音と共に法螺貝を噴くような効果音もなり始めた。
紘太
「うらッ!」
『『ロック、オン!ソイヤッ!』』
そしてカッティングブレードを降ろすと同時に錠前の意匠が開いてエフェクトが現れる。
『オレンジアームズ!花道・オン・ステージ!』
『メロンアームズ!天下・御免ッ!』
紘太は戦国武将をモチーフにした鎧に複眼を持つスーツを纏い、手にはオレンジをカットした断面を模した特殊な太刀を持ち、腰にはもう1つの太刀を持っている。
これが紘太の変身した姿『アーマードライダー鎧武』である。
貴虎はメロンの表面を現した鎧に騎士をモチーフにしたような縦と紘太の持っている腰の太刀と同じモノを持つ複眼持ちの戦士へと変身し、これは『アーマードライダー斬月』。
??
「へっ、なんだお前らは『仮面ライダー』って奴らだったのかよ」
山城
「仮面・・・ライダー・・・?」
鎧武
「あぁ、そうさ。やっと思い出したよ、俺は全ての人の自由のために戦う戦士・・・俺の名
前は鎧武、『仮面ライダー鎧武』だ!」
斬月
「斬月・・・とでも言っておこう」
異世界ヴァンクエットに降り立つは天下無敵の侍ライダー『鎧武』そして『斬月』。
突如として現れた謎の怪人vs仮面ライダーチームの戦いの火蓋が切って落とされる
次回のリリマギHERO大戦は・・・・
「このザギ様をイカせてくれええええええええええええええ!!!!」
「ハッ!」
「ウラッ!」
「たくっ、スーパーのタイムセール遅れるからさっさとくたばんなさいッ!」
「なんなんだ、てめぇ!?」
「ただのOLで通りすがりの勇者よ!覚えておきなさい!」
「通りすがりはわたしの専売特許だから取らないでほしいな~、さてと変身!」
<マギカライド!クリームヒルト!>
「ここからは俺達のステージだッ!」
次回 ~ライダーステージと新たな力<KAMENN RIDE>!~お楽しみに!