リリカル&マギカ&HEROS∞MOVIE大戦ヴァンクエット‐宴‐ 作:自分不器用ですから
トリズナー
「何をやろうと貴様らは排除される・・・!その運命は変わらない・・・!」
鎧武
「オラッ!!」
トリズナーの鎌を背中の白兵戦に使えるカチドキ旗を取って防ぎ、乱打戦に入る。
鎧武
「今からでもいい、思い直せ!お前の家族や仲間があの子を犠牲にして甦らせたなんて知
って喜ぶと思うのか!!」
トリズナー
「思い出しなどしないさ、全てが元に戻る。殺された記憶もそして姫の犠牲も全て消える、
そして僕は全てを取り戻す・・・貴様らも邪魔だ、ついでに消し去ってあげるよ」
鎧武
「この馬鹿野郎がぁッ!!」
カチドキ旗から火花が舞い散り、周囲を薙ぎ払うとトリズナーが空中に浮き上がり、さらにカチドキ旗を振り抜いて焔ごと吹き飛ばした。
そして立ち上がったところに佳輔が隙無く攻撃をしかける。まず腰の扇を取り出した。
佳輔
「ハッ!セイッ!オラッ!」
ハロルド
「扇を開いてそれぶん回してみなさい!蒼鋼扇はサブウエポンだけど性能は抜群よー!」
佳輔
「あいよ!」
そういって蒼鋼扇を開くと蒼い姫百合の絵柄が描かれていて蒼い火花を散らしていた。
これを振るうと蒼い気の一撃と共に扇面は鋭利な斬撃武器になるようで薙ぎ払った直後に扇の要に何かゲージのような絵柄の複数ついた回転式のバルブスイッチがあった。
佳輔
「こいつはなんだ?」
そういってバルブを別の花の模様に合わせると蒼鋼扇の絵柄が今度は鉄砲百合に変わる。
トリズナー
「こざかしい真似を・・・!シュヴァルツ、餌を出せ!」
シュヴァルツ
(御意)
すると宝玉からまた獣が飛び出すと口から戦闘員の1人を出し、その体に鎌の刃を突き立てたと同時に血を吸い取って刃が赤く禍禍しく輝いてそれを振り抜く。
トリズナー
「ブラッディ―・イーター!!」
ハロルド
「休みなく振りまくるのよ!」
佳輔
「こう使うのか!」
それを演武を舞うかのように蒼鋼扇を振り回すとそこから今度は黄色い気弾が次々に放たれて巨大な赤い衝撃波を弾幕の濃さで圧倒してさらに鎧武も続く。
取り出したのは専用武器の1つで大型の銃『火縄大DJ銃』で付属されていたDJテーブルをスクラッチし、DJピッチを左に回すと遅いビートが響いて銃口を向ける。
鎧武
「おらっ!!」
鎧武の砲撃で紅い衝撃波を吹き飛ばしてさらにバルブスイッチを別のモノに還る。
佳輔
「ハァァアアアアア!!!」
今度は芙蓉の絵柄へと変わり、白いオーラを纏った蒼鋼扇を振り回しながらそれを投げつけると掌中の動きに合わせてトリズナーを攻撃し、それを円を描くように操作すると1つの輪となってトリズナーを見やる。
佳輔
「くらえ!」
それを投げつけると削るような轟音と共にトリズナーが薙ぎ払われて蒼鋼扇をキャッチしてそれを腰に戻すと今度は背中に装備していた軍配斧を取り出す。
佳輔
「宵の空に 舞い降りろ!太白!」
トリズナー
「ぐっ!?」
それを天空に掲げると空間に星空が生まれてそこに一際輝く星が現れて軍配斧を振るうのと同じく空間から飛来してトリズナーを襲うと爆発が起きる。
佳輔
「明けの空に 舞いあがれ!明星!」
軍配斧を地に叩き付けるとトリズナーの足元にサクラの文様が浮かび上がって天空へ向けて乱舞する桜の奔流に巻きこまれて吹き飛ばされて先ほど佳輔達を薙ぎ払ったシュヴァルツのオーラ体をまた出して反撃に転じようとする。
トリズナー
「きえろぉぉおおおおお!!!」
佳輔
「無駄だ、天に建ち 災悪を退けよ!天城!」
シュヴァルツ
(これ以上は武器がもたない・・・一度、引け、主よ!)
トリズナー
「黙れ!僕に指図をするんじゃない!?」
両手で軍配斧を地面に立てて自分や鎧武達を覆う城の結界をはり、シュヴァルツの攻撃を防ぎ、猛攻を掛けられるがどうにか結界にヒビが入る程度で済んでいる。
佳輔
「その力に 伏せ!御帝!」
軍配斧の頂点部分からオーラの刃が伸びてそれが巨大化し、真上から振り下ろすとシュヴァルツのオーラ体ごと斬り裂いて消滅し、隙を露呈したところに軍配斧を振りかぶりながら飛び上がった佳輔が真上に現れ、超重弾をセットする。
〘ATTACK EFFECT STRONGSLASH!〙
佳輔
「ハァッ!!」
トリズナー
「――――――――ッ!?」
地面に叩き付けられ、めり込むようにトリズナーは地に伏せられていた。しかしすぐさま反撃を返すのだが軽々と回避される。
すでに動きが大雑把になってきているトリズナーの攻撃を避けるのは簡単だった。
トリズナー
「何故だ!?なぜ・・・・僕の力が通じない!!」
佳輔
「そんな程度でまさかハイレベルな相手に通じるなんて思ってたのか?」
トリズナー
「この力は暗黒騎士を僕の運命を取り戻すことが出来る力・・・・僕が鍛え上げそして今ま
で何人も打倒してきた僕の力だ!一度や二度、防いだ程度でいい気になるなよ」
しかしその攻撃を鎧武がDJ銃で防ぐと払い除けて至近距離から大砲モードが火を噴く。
鎧武
「1人でなんでも出来た気でいるからさ。お前は何もやれちゃいないんだよ。1人で何にで
も勝てる気でお前は何人犠牲にした、そんな罪を重ねた先に希望なんてない、あるのはた
だの絶望だ!まだわからないのかよ、お前は!」
トリズナー
「うるさい!!黙って姫と宝剣を差し出せば全て済んだんだ、貴様ら・・消えろ!!」
そういうと宝玉から一際、凄まじい光が発せられると鎌が獣のような形状になり、咆哮を上げ乍らトリズナーの体からさらに力を吸収しているようだ。
アスラ
(あれ以上、魂を抜かれれば奴の寿命が尽きて死ぬぞ、自分で制御ができていないのか)
ルカ
「冷静に言ってる場合じゃないよ、はやく止めないと!」
ジュード
「馬鹿な真似はよすんだ!!もっと他に方法が―――」
トリズナー
「ぅぅうおおおおおおお!!!魂を喰らい、奴らを塵滅しろ!!シュヴァルツ!!」
シュヴァルツ
「主が望むのであれば」
トリズナー
「永久の剣をテにボクは全テをスクうエイ雄ニナルゥゥゥ・・・・!!」
その姿が赤い衣に覆われてその姿は本当に獣となって尾にはさきほどの鎌が生えていた。
佳輔
「正真正銘の大馬鹿野郎が・・・目を覚まさせてやる」
大和・イオナ
(わたしの力を・・・すべてを断ち切ります)(必殺技、いつでも合点)
<《LIMIT FIRE!桜花!戦・乱・大・和・斬!》
軍配斧が展開されて螺旋を描いたような特徴的な刃を形成し、それは陶磁器のように白い刃に満開咲の桜が描かれた華麗な大剣に変わった。
鎧武
「いくぞ!」
そういって火縄大DJ銃と腰につけていた無双セイバーを連結させると銃把の火縄グリップの上部から刃の大橙刃がせりあがって一本の巨大な剣となった。
そこにカチドキロックシードをセットして錠前をしめなおす。
<カチドキ!><ロックオン!>
<一!十!百!千!万!億!兆!無量大数!!>
火縄大DJ剣にオレンジ色のエネルギーが収束されてそれを振りかぶる。
トリズナー・シュヴァルツ
「「デス・イーター!!」」
飛び上がった獣が自分の尾の鎌を口で加えてそれが十字の牙が生えた化け物の口になり、前方にあるモノを全て抉り食らいながら突進してくる。
佳輔
「紘太」
鎧武
「ああ、分かってるさ」
トリズナー
「そノ、笑ミを食いチ切ッてやル!!!」
佳輔
「てめぇじゃ!!」
鎧武
「俺達には!」
そういって向かってくるトリズナーとシュヴァルツに鎧武と佳輔の一撃が炸裂する。
大和・イオナ
「勝てません!」「勝てない」
刹那、轟く轟音と爆音、そして粉塵と炎が巨大に上がり、激震する。
ティアナ
「やったの・・・!?」
アスラ
「煙が邪魔だな・・・ぬぅん!!」
アスラとなったルカが大剣で煙や炎を振り払うと鎧武と佳輔が構えを取ったまま仁王立ちしてその先にはボロボロになったトリズナーがいて完全に足に来ているのだがふらつきながらも大鎌をまた構えて攻撃をしかけようとする。
<オレンジアームズ!花道!オン・ステージ!>
<RIDEBATTLESHIP!IONA!READY?急・速・潜・航!>
鎧武と佳輔の2人はどうやら強化変身の限界時間が来たようでベース形態に戻るのだが同時に駆け出すと飛び上がった。
佳輔
「これで!」
〘《LIMIT FIRE!MIRAGE ASSAULT!》
鎧武
「終わりだ!」
<ソイヤッ!><オレンジ・スカッシュ!!>
鎧武&佳輔のダブルキック、炸裂。
佳輔・鎧武
「「チェイサーッ!!・セイハーッ!!」」
トリズナー
「う、うおぉおお―――」
凄まじい大爆発と共に鎧武と佳輔の2人が蹴りぬけて着地し、決めポーズをとる。
佳輔
「鎧袖一触、敵じゃない」
鎧武
「俺達の勝ちだぜ」
だがその時裏から風が吹き荒れてきて振り向いてみるとシュヴァルツが疾風を纏いながら飛翔してエステルに襲い掛かった。
ユーリ
「させるかっての!蒼破ッ!」
アスラ
「真・爆砕斬!!!」
ユーリの放った蒼破刃ごと巻き込んだ巨大な火柱の斬撃がエステルに向かうシュヴァルツに炸裂したのだが済んでのところで回避されて鎌を伸ばしてエステルが持っていた宝剣を奪い去るとトリズナーを抱えて岩山の上に降り立った。
シュヴァルツ
「多勢に無勢、ここは引いた方がよさそうですね、宝剣だけは手に入れましたし」
鎧武
「待て!まだそいつにその力を使わせる気か!お前は一体、何がしたいんだ!」
シュヴァルツ
「わたしに意志などありません。全て主が成すことをやるのみ、さらば」
一瞬の疾風の後にシュヴァルツとトリズナーは消えた。
イオナ
「敵の生体反応、感知範囲から消失。どうやら逃げたみたい」
ユーリ
「とりあえずは何とかなったみたいだな・・・やれや―――痛ぇッ!?」
佳輔
「このあほんだら、面倒事引き起こした挙句、人を酷使しやがるとはどういう了見だ?」
ユーリ
「しょうがねぇだろ!?こっちだってなりゆき上でそうなったんだよ!」
ジュード
「まぁ、ユーリの巻きこまれスキルは元からだけど大概にしてほしいよ」
ティア
「数日、教会にこもってお祓いでもしてもらったら?」
アスラ
「この者の凶運は天性ののモノだ。今更、どうにもなるまい」
ルカ
(それはそれでひどい言い草だね、アスラ・・・(汗。))
エステル
「す、すいません・・・わたしのせいで」
イオナ
「気にしなくていい、ユーリは少しぐらい不幸な目にあっても問題なし」
ユーリ
「お前ら、俺に謝れ」
紘太
「そういえば佳輔、あれ、やらなくていいのか?前もやってたろ」
佳輔
「おっと忘れてたな、大和!勝鬨上げろッ!」
大和
「勝ちどき号砲、よぉぉーーい!撃てッー!!」
イオナ
「完全勝~利~!」
大和が空へ向けて空砲を打ち鳴らして勝利の勝ちどきを上げ、佳輔達の勝ちで幕は下りた。
吹雪
「総督、任務お疲れ様です!」
佳輔
「すまないな、受け入れてもらって助かったぜ、吹雪、それに雫」
ここはヴァンクエットから少し離れた場所にある航海経由駐屯地でそこに滞在していた吹雪達の艦隊に世話になる事になって艦隊の提督で佳輔とも親睦がある。
彼自身も蒸気人型兵器『光武』と呼ばれるモノにのって先陣を切って戦う。
雫
「構いません、他国の王族の方も一緒となればそれなりの警備も必要でしょうし」
貴虎
「それにしても暗黒騎士と呼ばれる存在の被害が二次、三次と災害を呼んでいるようだ」
紘太
「ああ、トリズナーって奴も暗黒騎士に故郷や家族を奪われたって言っていた。そのために
エステルを犠牲にしてエターナルソード?とかいう剣を手に入れようとしたみたいだ」
扶桑
「時間や人の命まで操れる剣・・・確かにあれば望んでしまう力かもしれませんね」
貴虎
「お前もその力を欲しいと思うか?」
そんな扶桑に貴虎があえてなのか、そんな問いを投げかけた。
扶桑
「いえ、失ったモノ、それを乗り越えて得たモノ・・・今はとても大切なものだと思えます
から。受け取った想いを私利私欲で戻してもそれはわたしの世界じゃありませんから」
ジュード
「そういえばエステリーゼ姫様は?」
それから鎮守府の一室を借りてひとまずはそこで休んでもらっているらしい。
佳輔
「俺は、ヴァンクエットに連絡を入れてくる。大和とイオナの2人は疲れてると思うが周辺
を一度、見回っておいてくれ。雫、そっちからも増援を頼めるか」
雫
「任せてください」
大和・イオナ
「「いつでも合点」」
エステル
「あ、ユーリ」
ユーリ
「よぉ、ちょっとは落ち着いたかよ?」
鎮守府の一室でエステルと様子を見に来たユーリは落ち着いて話をすることにした。
エステル
「ごめんなさい、色々とご迷惑を」
ユーリ
「なんだかんだで自分から首を突っ込みたがるような奴ばっかなんだ。別に気にすること
はねぇよ、まぁ・・・俺のいいところは佳輔の奴に取られちまったけどな」
エステル
「?」
どうやら何について言っているのか分かっていないようなので答える。
ユーリ
「お前がトリズナーとか言う奴のいう事すぐ鵜呑みにした時だよ、あいつがやらなきゃ俺
の方がやってたとこだぜ。俺の役を悉く強奪しやがって」
エステル
「本当にわたし知らない事だらけでした。世界で起きた事、今起きている事、外の世界で
人々がどんな道を歩いているのか・・・何かを得るためにあんな恐ろしい力にまで手を出
すなんて。自分をあんなに削って・・・」
ユーリ
「この世界で生きてる奴なんざ、何かしら削って生きてるんだよ。自分削る奴もいれば人に
押し付けて削らせて私腹肥やしてる奴もいる。トリズナー達みたいにどんな目的にせよ、人外の力手に入れてでも望みをかなえようとするような奴もいる」
そこでユーリの言葉に疑問を覚える。
エステル
「達?」
ユーリ
「あぁ~、佳輔だよ、佳輔。あいつも同じような力使ってんのさ」
エステル
「でも葛葉さんとかも同じような変身をしていたと思います。どちらかというとヒーロー
のように思えるんですが・・・?」
ユーリ
「そうじゃねぇよ、佳輔は・・・俺も詳しい事分からないんだが体組織が人間のモノとは違
くなってんだとよ。大戦の時に偶然会った『虚心凄姫』とかいう深海凄艦にそいつらの一
部だけが使えるっていう『鬼神化』を貰ったとか言ってたな」
エステル
「鬼神化・・・?」
話によれば大戦中に現れた新鋭の深海凄艦『戦艦レ級』に敗れて海に沈んだのだが気づいた時には深海凄艦の中でも知っている者はほとんどいないと言っていた古の戦姫『虚心凄姫』の住まう地で目が覚めて彼女から深海凄艦が生まれた理由や何故、闘争を続けるのかを教えられてかつて自分と数人の『姫』と呼ばれるクラスの深海凄艦が扱える強化術だという。
ユーリ
「まぁ、その使える奴らもそいつに挑んで組織を奪って埋め込んで使えるようになったと
かいう話だが問題だったのはそれからだったな」
エステル
「ですが敵であるはずの相手になんでそんな力を・・・?」
ユーリ
「そいつからしたらもう戦いそのものに意味が見いだせなくなったんだとさ。長い年月を
生きてきた虚心凄姫にとって艦娘達との戦いは何も生まないし、何も得られない。闘争本
能だけで戦うその生き方そのものに疲れたらしい」
それ以来は深海凄艦にも人類側にも加担しない、ある意味では中立、『虚心』を持って世界の流れを見つめ続ける者として生き続けていたという。
ユーリ
「何はともあれ鬼神化を手に入れた後のあいつはとんでもなく強かった、怖いくらいにな」
鬼神化を手に入れた佳輔はレ級を始め高位クラスの深海凄艦を倒せるほどに強くなったのだが代償に人外の道を進むことになった。
ユーリ
「戦いで本能の赴くままの戦闘狂になっちまったり、異常なほどの自己再生機能を持った
り、ほんの少しの戦いでも自我を奪われそうになったっけな、一時期」
精神的にも鬼神の意志に蝕まれていく中でその力に艦娘も恐れるようになりどんどん孤立して彼は戦う意味を見失い、敵の深海凄艦にそれを指摘され、戦う事すら出来なくなった。
ユーリ
「んで敵にやられそうになった時にあいつを庇ったのがそれまでずっと他の艦娘に何を言
われようが佳輔に傷つけられようが一緒にいた艦娘達でそいつらに言われたらしい」
(こいつはわたしらの家族なんだ!誰にもやらせねぇ!)
(あなたは死なない、わたし達は死なない。だってあなたが護ってくれるから)
(佳輔ちゃんはわたし達が護るから)
(お兄さんが希望を叶えるまで絶対に・・・。稲妻の本気を見るのです!)
(もっと頼ってよ!佳輔!)
(来なよ、わたしの大事な家族に手出す馬鹿は全部、魚雷でぶっ飛ばす!!)
(わたしの弟は絶対に護り抜く、たとえ最後の1人になっても死なせない!)
(何があってもわたしはあなたの母親、皆はあなたの家族よ)
ユーリ
「それで戦う意味だとか、自分の希望だとか、自分の命や決断を何のために使うのかを思い
出して鬼神化を今までに無かったあいつオリジナルの力にしちまったんだとさ」
エステル
「とても苦労なさったんですね、高町さんは」
ユーリ
「だからお前に張り手くらわしたんだろうさ。あいつ自身が地べた這い蹲って周りの命、自
分の命、世の中からすりゃ、唯の1人の命だがそれを護りたくて拾いたくて血反吐吐くほ
ど修業して強くなって誰か支えて、誰かに支えられて、そうして生きてきたんだ」
エステル
「皆、何かしら役目を持って生きてるんですね。誰かを支える役目、支えられる役目だった
り・・・わたしは自分で自分の役割が分かりません。彼が言った『くらい』の命のかけ方
もどうすればそんな風に自分を掛けるだけの事に出会えるのか」
ユーリ
「見つけるんだな、もっと世界を見て、世界を冒険して。それが終わったら初めて決めてみ
ろよ。『くらい』な命を必死こいて拾って何のために生きるかって答えをさ」
エステル
「ユーリは・・・何のために『くらい』の命を使っているんです?」
ユーリ
「大した目的なんてねぇさ、唯、あの馬鹿に付き合えるお人好しなんて中々いないもんだか
らあいつの無茶に付き合うのが俺の『くらい』な命さ。俺だけじゃなくてあいつの周りに
いる奴らは自分の『くらい』をあいつに預けてる奴は多いぜ」
エステル
「・・・・・・」
窓から陣頭指揮を執っている佳輔の姿を見つめながら想いを巡らせるエステルだった。
雷
「けーすけ!けーすけ!肩凝ってない!?疲れてたりしない?」
佳輔
「ほれほれ、落ち着け。んじゃ、肩たたきくらいしてもらうか」
雷
「任せてよ~!もっとわたしに頼っていいんだから♪」
電
「電もお手伝いするのです」
高町家から雷達が心配で様子を見に来たようで電と雷の2人に肩たたきを頼んだ。
龍田
「あら~、貴虎さんも随分とこっちに慣れたみたいね~。鎮守府で運営システムだとか人員
整理とか、細かいところを整備してくれてるんでしょ~?」
元から策略家気質がある貴虎と軍師も務めた龍田はキャラは真逆ながら軍略や知略の意見交換などを頻繁にしていたので親睦があった。
こちらに来てから貴虎は雫達の鎮守府で運営するための流通・軍事システムを自分がいた世界の知識も応用して最新のモノにし、人員整理も行い、円滑な運営を行うための基盤を今現在作っているところでその手腕を評価されて鎮守府でも人望を得ていた。
貴虎
「俺達の世界に戻れる算段もついていないんだ。今できる事をやるしか意味を成す事はな
い、無駄に時間を浪費し、行動しないことほど無駄はない」
山城
「紘太も大活躍だったんだって~?いつも天然でおっちょこちょいなのに凄いじゃない」
紘太
「お前な、それ全然ほめてないだろ!俺だってやる時はやるんだ―――」
その時、鈴の音と共に足に強烈な痛みが走って慌てて振り返る紘太。
?
「このクソ紘太!あんた、わたし達の相手するって言って何ドタキャンこいてんのよ!」
そこに現れたのは一般的なセーラー服の蒼カラーを着ていて髪を片方のサイドで鈴の髪飾りで縛っている小柄な少女がいて足をひいたのを見ると蹴り飛ばしてきたらしい。
彼女の名前は『綾波型8番艦・曙』でかなり勝ち気な性格で『クソ―』が口癖である。
紘太
「痛ぇな、曙!?いきなりローキックかますなよ、俺だって色々とだな・・・・」
曙
「うっさい!人との約束破った奴は針千本飲むのよ!」
そういってリアルに針を千本持ってきて裏でスタんばっている黒のロングヘアーに黒と白のセーラー服と紅いスカートにファッションベルトをつけた艦娘、『阿賀野型1番艦軽巡洋艦・阿賀野』で天然ボケで洗練されたと本人は言っているが油断した(ry。
阿賀野
「ごめ~ん、980本しかないよぉ~・・・」
紘太
「いや、集めんな!つうか、よくそこまで集めたな、逆に凄いわ!?」
不知火
「何なら不足分20本の酸素魚雷を準備しましょうか」
ティア
「なんならわたしのナイフを貸すけど?」
紘太
「どぉーーーいうサポートだ、おい!お前ら、常識キャラっぽいんだからボケんな!!」
ジュード
「ははっ・・・・(汗。)」
そこにいたのは『陽炎型駆逐艦2番艦・不知火』でこの鎮守府の駆逐艦ではエースと呼ばれている実力の持ち主で普段はクールで冷淡と思われるのだが仲間内の事は気にかけておりキャラに合わないボケを無理やりねじ込んでくるおかしな癖がある。
吹雪
「ははっ、紘太さんはもうみんなと仲良しになったみたいですね。明るい性格だし、天然で
人が良いからムードメーカーみたいになってます」
貴虎
「吹雪か。まぁ・・・あれが本来のあいつなのだろうな、以前は色々とあって無理無茶をし
過ぎて自分らしさなど失っていただろう」
艦娘達と楽しそうに屈託ない笑顔を浮かべながら打ち解けている紘太をみる。
紘太
「はははっ・・・ははっ・・・、あぁ~、そうだ、そうだった」
頭を掻きながら苦笑にも似た笑みを浮かべて心境を吐露した。
山城
「どうしたのよ、紘太?」
紘太
「思い出したんだよ、ビートライダーズだった時、こんな風に皆と馬鹿笑いして子供みたい
な夢話したり・・・しばらく忘れてたよ・・・なんかさ」
そういって目の前に出来た『仲間』を見つめて一言もらす。
紘太
「なんだかさ、仲間ってのはいいもんだな」
忘れていた自分に苦笑しながらもそんな懐かしい仲間と呼べるメンバーに囲まれて心から嬉しそうな笑みを浮かべて笑っていた。
佳輔
「てか今更気づくな。よぉ~~く、お前の周りの面覚えとけ」
紘太
「え?」
佳輔
「てめぇの周りにいるの、皆まとめてもうお前の仲間だろ?そんで俺らからすればその仲
間のお前もその1人さ。だから俺らからすれば今更・・・ってな」
雫
「あぁ、葛葉が来てくれてから皆も明るく笑えるようになった。大戦からまだ抜け出せない
艦娘もいたがお前が皆の仲間になってくれた、お陰だよ」
そんな紘太の肩に手が添えられて振り返ってみると扶桑姉妹を始め、不知火達も肩に手をのせて柔らかい笑みを浮かべている。
扶桑
「わたし達も」
不知火
「仲間です。忘れてもらっては困ります」
曙
「べ、別にあんた事、どうこう想ってるわけじゃなくてなんかぼさっとしてて見てるだけで
心配になるから演習とか付き合わせてるだけなんだから勘違いしないでよッ!」
佳輔
「ツンデレだ」
イオナ
「ツンデレだね」
ルカ・アスラ
「まごうことなきツンデレだね」「あの手のキャラは腐るほどいると聞いたが」
曙
「勝手に人をツンデレキャラのレッテルはらないでよ!?てか、ルカの中のもう1人はど
こでそんな知識得てるのよ!?」
アスラ
「それはルカがここ最近、呼んでいる『ツンデレ彼女を堕と――』」
ルカ
「わぁあああああああああああああああ!!!?」
そして全員からルカに向けられる冷たい視線。
大和
「大丈夫よ、ルカ君。だって好きなイリアちゃんがツンデレだもの―――」
大和さん、それ以上、いけない。
ルカ
「ぼ、ぼくだって苦労してるんだぁあああああああああ――――――」
悲しき叫びをあげながら部屋から出て行ったルカを不憫に思う常識人の大和だった。
そしてそんな輪を見つめる貴虎と気になったのか吹雪が声をかける。
吹雪
「どうしたんですか、主任?」
無言でズッコケる貴虎だがすぐに立ち上がって話を続ける。
貴虎
「わたしも仲間と思っていた男がいた。だがいつの間にか友の方は俺が一緒に見ていたと
思っていた道とはまるで違う道を歩いて気づいた時には完全に違えてしまった」
思うのはかつて共に世界を救い救世主となろうと誓った友の顔。だがいつの間にかそれは犠牲など気にもかけない、それ自体が自分でも仕方がない事と無理やり納得しながらだったのだが紘太と出会い、犠牲ありきの救済以外の道を自分なりに探し始めている。
吹雪
「たぶん、最初は皆、進む道は違うんです。でもそれが少しずつ近づいて先が見えるように
なっていつの間にか一緒に歩けるようになって色んな事、一緒に分け合えるのが仲間な気がします。総督をみてると漠然としてですけどそう思います」
貴虎
「仲間か・・・」
紘太はぶつかり合う事もあったが今は互いに人類を救う道を模索し続けているが以前、感じた懐かしい感覚でこれが吹雪の言う共に歩くという意味なのだろう。
吹雪
「少なくともわたしは貴虎さんの仲間です、仲間でありたいです」
柔らかい笑みを浮かべて手を差し出す吹雪。その手を見つめる貴虎。
貴虎
「フッ・・・、仲間ではあるがどちらかと言えばお前だとまだまだ気の抜けない新人だな」
吹雪
「ぶぅ~・・・、そういうところって前の主任モードになるんですね、貴虎さん」
だが出された吹雪の手はしっかりと貴虎に握手を返されてむすばれる。
貴虎
「さて今日は兵法を教える約束をしていたな、軍務室で待っていろ」
吹雪
「はい、ご教授お願いします、主任!」
前にいた世界の話をして彼が計画の主任を務めていたなどと言ったら貴虎の役職はいつのまにかこれになっていたようで修正も不可能になっていたのであきらめたらしい。
紘太
「貴虎の奴もしっかり、皆と仲良くやってるみたいだな」
佳輔
「まぁ、吹雪みたいなタイプなら付き合い安いだろうさ、ああいうタイプは」
そんな中、佳輔の肩をやんわりと柔らかくしかし圧力を持って掴む1人の手。
鳳翔
「け・い・す・け~・・・?遅くならないようにと言いながら何日、家を空けたのかしらね
~?挙句には他国で騒ぎ起こすなんて・・・いけない子ね・・・?」
佳輔
「げっ、母さん!?まて連絡は入れただろ、確か龍田に・・―――」
そういってみた龍田は手を合わせて笑顔で謝っていた。ちなみに口パクで理由も説明。
鳳翔
「申し開きはあるかしら?」
佳輔
「離脱」
そういって素早い身のこなしで部屋から離脱していく佳輔と鬼の笑顔を浮かべながら凄まじい速度の弓撃を雨霰と浴びせまくっている鳳翔も部屋から消えていった。
紘太
「鳳翔さんって・・・怒らすと怖ぇ・・・」
勇壮に戦っていた英雄を即撤退に追い込んだ鬼モードの鳳翔に軽く引いた紘太であった。
こうして世界樹の影・シュヴァルツと主のトリズナーの2人を宝剣を盗まれながら撃退した佳輔と紘太達。
満月の子、暗黒騎士、永久の剣、謎も多く残ったが一先ず、平穏が戻るのだった。
次回のリリマギHERO大戦は・・・・
「エステリーゼ・シデス・ヒュラッセインと申します」
「改めてよろしくな!」
「俺は一旦、ヴァンクエットに戻る。海を越えた方がフレンのいるダングレストは近いから
俺の方でそのための足を用意しておいた」
「野郎共!!準備はいいかー!!」
「「「「「「準備万端だぜ、兄貴ぃぃぃいいーーー!!!!」」」」」」
「海はとても平和です。とても綺麗な場所ですね」
「海は俺達に恵みをくれもするが時には牙を向いて命を薙ぎ払ってこようとする。だけど
よぉ、だから憧れちまうんだ、船出するたびに心の奥からワクワクした気持ちが湧き上が
ってきやがる。そして俺は海を制する、それが俺の命と生きざまよ」
「うむ、まだまだ小さき手に小さき志。だけんど将来が楽しみな若輩者じゃ、旅をしてみん
しゃい、悩むがよか、間違うがよか!いつか古き楔たるワシを超えて新たな時代を作る担
い手になってほしいとワシは願っておるよぉ~」
「最高の友ってのは、言わなくても隣に立って肩並べて同じ海を見てくれるもんだぜ」
「わたしの志・・・・」
「エステルどん!!今この時はワシがおぬしの志にこの一刀を掲げっどぉッ!!」
「なら一緒に戦おうぜ、エステルは凄い魔法持ってるんだ、一緒に戦える。俺だっていくら
でも助けるし、エステルの志って奴なら俺はそのために戦うぜ?」
「エステルはいまどうしたいんだ?それが俺と同じならそうするだけだぜ?」
「この西海の鬼神の船に無断で乗り込むたぁ、いい度胸だ。覚悟しやがれぇい!!」
次回 ~大海原の優しき鬼と優しき武人と並び立つ者達~ お楽しみに!