灰を創り出す者と青き青春   作:土門一家

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どうぞ、お楽しみください。


第11話 準備

 

 

 

 ブラックマーケット支部が完成し、戦団本部へと戻ったアインスは戦略室で広域モニターを見ている。

 護衛のガーディアンは少し離れた場所で待機しており、盾を床につけその上に手を重ねている。

 広域モニターを見ていたアインスの元へ通信が入る。

 通信を送ってきた相手はブラックマーケット以外の地域の偵察任務を受けていた第6中隊のゼックスだ。

 アインスはそれを確認すると通信回線を繋げる。

 

「こちらアインス、何か分かったのか?」

『はっ!ブラックマーケット以外にはいくつかの大規模な自治区、小規模な自治区などのエリアがあることが判明しました』

「ふむ…名称等も分かったのか?」

『大規模な自治区の名前がいくつか分かりました。まず、ゲヘナ学園と呼ばれる学校が治める自治区。次にトリニティ総合学園が治める自治区。次にミレニアムサイエンススクールが治める自治区です。ただ、砂漠化が進行し今は小規模となったアビドス高等学校も判明しました』

「なるほど、よくやった。それ以外の自治区については?」

『それについてはよくわからず……あるということだけが分かりました』

「分かった、ブラックマーケット以外の場所の名前がある程度分かったからこれからの活動にも有効になるだろう」

『我々はこのあとどう行動しましょうか?』

「ブラックマーケット支部が完成している。一度そこに帰還して補給を済ませろ、もしかしたらすぐに行動するよう命令を出すかもしれん」

『はっ!ではブラックマーケット支部に帰還します!』

 

 通信が切れ、アインスは戦団本部にいる第2、第3、第4、第5中隊と副中隊の中隊長たちに招集をかける。

 

 

 しばらく待ち、アインスのいる戦略室へと各々の中隊長たちが入ってきた。

 アインスはそれを確認し、周りに立つように告げる。

 

「アインス中隊長、どういったご用件で?」

「戦団本部に残る中隊とブラックマーケット支部へと派遣する中隊を決めるために招集をかけた」

「なるほど、私の第5中隊は既にブラックマーケット支部へと警備として派遣されていますが…」

「問題ない、副中隊の者たちは戦団本部へと残り、中隊の者たちがブラックマーケット支部へと行くことになるだろう」

「ほう、副中隊を残すと……第2副中隊はどうされるので?」

「彼らには一度本部へと帰還してもらう、代わりに第2中隊を派遣する」

「分かりました、第2中隊の準備を整えさせます」

「ブラックマーケット支部へと行ってなにをするんだ?」

「傭兵として活動することになるだろう、この世界での足がかりをさらに強固にするために」

「ふむ……傭兵としてか。何か手掛かりはあるのか?」

「第2副中隊がどうやらマーケットガードと和解をしたらしい。それに合わせて支部の場所の確保や傭兵としての話を聞いたとのことだ」

「なるほど、その交渉などは第2副中隊長のズィーベンに任せた方がいいだろう」

「なら、第2中隊の派遣は交渉が済み次第だな」

「その他の中隊は行動を開始しろ」

「「「はっ!」」」

 

 中隊長たちはアインスに敬礼を行い、戦略室から退出していく。

 アインスは交渉の時に呼ばれても大丈夫なようにガーディアンたちにいつでも出撃できるように指示する。

 また、ブラックマーケット支部にいるズィーベンに警備の交代、派遣する中隊のこと、傭兵として活動するための交渉をするように通信を行う…

 

 

 戦略室から退席していった格中隊長たちは中隊のマリーンたちに指示を出し、中隊のマリーンたちが出撃準備を始める。

 副中隊は警備をいつでも行えるように武器などを武具庫から出し準備を整える。

 

 準備が整った中隊からサンダーホークやランドレイダーなどに乗り込み、地下格納庫から出撃を始める。

 サンダーホークやランドレイダーなとが地上にではじめる。

 地上ではテックプリーストの主導の元、サーヴィターたちが新たな施設の建設を行っていた。

 別の場所ではストームレイヴン・ガンシップやそれ以外の航空機やグラディエーターなどの戦闘車両の整備がテックマリーン主導の元サーヴィターたちによって行われていた。

 また、本部の奥にある広場ではドロップポッドを射出するカタパルトの点検作業が行われていた。

 ブラックマーケット支部へと向かうサンダーホークやランドレイダーが出撃していく……

 

 

 一方その頃、ブラックマーケット支部ではアインスから入った通信を受け取ったズィーベンは第2副中隊のマリーンたちに本部へ帰還する前に傭兵として活動するための交渉をして欲しいと言われたことを伝えた。

 ズィーベンはガーディアンと共に格納庫から出て、ブラックマーケットへと向かう。

 残った第2副中隊のマリーンはいつでも帰還できるようにシエテの指示の元準備を行う。

 

 ズィーベンとガーディアンの3人組はブラックマーケット内を歩いていき、巡回していたマーケットガードを見つけた。

 そのマーケットガードはちょうどズィーベンたちに傭兵のことと空き地のことを教えたマーケットガードだった。

 マーケットガードはズィーベンたちに気付き、なんの用かと首を傾げた。

 

「何か用か?」

「いや、傭兵のなり方を知らなくてね。それを知ってそうなのはマーケットガードのあんたらだったからな」

「そんな事か、銀行に行って口座を開設すればやれるようになる。身元保証人が必要になるが…どう見てもあんたらなら問題なさそうだなぁ……もしなんかあったらマーケットガードの紹介と言ってくれ」

「なるほど、感謝する」

 

 ズィーベンはマーケットガードに別れを告げて銀行を目指して歩いていく。

 しばらく歩くと銀行らしき建物が見えたのを確認し、その建物に入っていく。

 

 銀行の職員たちは突然2m以上もある装甲服を着た3人組が入ってきたことに驚き、どう対応するか相談を始めた。

 銀行内が若干ザワついたことにズィーベンたちは首を傾げたがあまり気にせず受付に向かう。

 受付の職員は巨躯の3人組が向かってきたため少し恐怖しながらも職務を全うしようとする。

 

「な、何かご用件がありますか……?」

「あぁ、傭兵になるためには口座の開設が必要だと聞いたからな。ここへ来たんだ」

「わ、分かりました…では10番でお待ちください……」

「分かった」

 

 ズィーベンたちは壁際に行き、腕を組みながら10番と呼ばれるまで待つことにする。

 受付の職員は生きた心地がしなかったと安堵の息を吐いた。

 

 しばらく待っているとズィーベンたちの10番が呼ばれた。

 10番を呼んだ席に3人が向かうと職員は一瞬驚いて体を跳ねさせたが、3人は気にせず椅子に座ろうとする。

 しかし、椅子が小さいため椅子を退かしてその場に立つことにする。

 

「ようこそ、用件でしたが傭兵になるために口座を開設したいとのことでしたね……?」

「そうだ、傭兵として活動するためにはその作業が必要だということを聞いている」

「そうですね…ちなみに身元保証人についてなのですが……」

「マーケットガードから推薦?みたいなのはもらっている」

「そ、そうでしたか…!では大丈夫ですね。住所についてですが…」

「住所?おい、分かるか?」

「いえ…初めて聞きました」

「いえ、一応の確認ということでしたので……」

「あぁ、そうだ。アウスペクスにデータが入っている、これを見てくれ」

「なるほど……ここですか。分かりました、2つあるようですが?」

「本部がこっちの自治区のほうになる」

「ではそちらの自治区のほうにしておきますね」

「頼んだ」

「名義はどうされますか?」

「組織の名義にしてくれ」

「分かりました、名前は?」

「SONS・OF・CINDER戦団で頼む」

「分かりました。それと、傭兵として活動するのはどういった感じになるでしょうか?」

「戦闘を中心にやる予定だ、それ以外も受けなくはないがものによる」

「なるほど、分かりました。組織の規模は?」

「1000人ほどだ」

「えっ…失礼。分かりました、ではこれにて口座登録ができたということで」

「感謝する」

 

 手続きが終了したため必要なものを回収したズィーベンたちは席から離れていき、銀行を出る。

 職員はあんなのが1000人もいるのかと意識が遠のきそうな感覚に襲われていた。

 

 

 ズィーベンたちが銀行から出て必要な書類や物などを持ってきていた小型コンテナに大切にしまう。

 そのままブラックマーケット支部へと3人は歩いて行く。

 

 支部へと到着した3人を待っていたのは戦団本部から来ていた第2中隊などの派遣されてきたマリーンたちと帰還する準備を整えていた第2副中隊のマリーンたちだ。

 小型コンテナを支部の司令室に運ぶように第5中隊のマリーンへ指示を出す。

 小型コンテナを受け取った第5中隊のマリーンは大事に抱えて司令室に向かった。

 ズィーベンは第2副中隊のマリーンに車両などに搭乗するように指示を出し、第2中隊の中隊長であるツヴァイの元へ向かう。

 

「ツヴァイ中隊長、第2副中隊、帰還準備整いました」

「おう、お疲れさん。戦利品をつけてるってことは交戦したことがあるってことか」

「はい、ブラックマーケットに入る前にヘルメット団と交戦しました」

「その様子だと、圧勝だったようだな。ブラックマーケットでの作戦遂行ご苦労だった」

「はっ!ありがたきお言葉」

「気をつけて戻ってくれたまえ、こちらは我々でなんとかする」

「はっ!また、銀行での手続きでの内容もコンテナに揃っているものを見ればわかるかと」

「なるほど、分かった。ではな」

 

 ズィーベンはツヴァイに敬礼を行い、近くに止まっていたストームレイヴン・ガンシップへと向かう。

 第2副中隊が支部から本部へと帰還していく中、代わりに派遣されてきた第2中隊などはいつでも活動ができるように準備を始めた……

 

 

 

 




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