灰を創り出す者と青き青春   作:土門一家

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どうぞお楽しみください。


第13話 傭兵

 

 

 

 昼下がりのブラックマーケット、その大通りを3台の灰色の戦闘車両が履帯が地を踏みしめる音を鳴らしながら走っていく。

 その上では大きなバックパックを装着した者たちが周囲を警戒するように飛行していた。

 住人たちは最近は似たようなのがよく走るなぁと思いながら彼らの邪魔にならないように進路から離れていく。

 

 プレデター・デストラクターの上部ハッチから顔を出しているトレスは周囲になにか新しい発見がないか確認をしている。

 確認作業をしていると空から先駆分隊(インセプター・スカッド)の5人の内の1人が高度を下げてトレスに話しかけてきた。

 

「閣下!200m程先の場所で目標と思しきヘルメット団のグループを確認しました」

「そうか、分かった。残り100mになった場所で降車する。お前たちは次の指示があるまでそのまま警戒を続けろ」

「はっ!」

 

 降下してきていたマリーンは頷くとそのまま高度を上げて分隊へと戻っていく。

 トレスは乗員のマリーンに目標地点から100m離れた場所で停車するように指示を出す。

 マリーンは頷き、耳に手を当てて後方の2両にも同様の内容を伝える。

 

 しばらく進み、目標地点である広場から100m程離れた場所に到達し、近場の駐車場へと車両を停める。

 ランドレイダー・クルセイダーから強襲調停分隊(アサルト・インターセッサー・スカッド)調停分隊(インターセッサー・スカッド)のマリーンたちが降車し、目標地点に向けて走り始める。

 トレスは他のマリーンより後方で着いて行きながら走っていく。

 

 ガシャリガシャリと音を立てながら走ることしばらく、目標地点である広場の外周へとマリーンたちは到着した。

 広場では2つのヘルメット団の少女たちがすでに集まっており、会合を始めていた。

 人数は2つのヘルメット団合わせて50人程おり、彼女たちの後方には移動に使っていたであろう車両も置かれている。

 また、片方のヘルメット団にはトラックが置かれており、中からコンテナなどを下ろしていた。

 マリーンたちは少女たちに気付かれないように姿勢を低くしながら周囲に展開する。

 ジャンプパックを装備した強襲調停分隊(アサルト・インターセッサー・スカッド)は近くにあるビルの屋上に飛び立ち、いつでも強襲攻撃できるように待機している。

 先駆分隊(インセプター・スカッド)は少女たちの視界に入らないような高度を飛び、指示があるまで待機している。

 周囲に展開したマリーンたちは自分たちの武器を確認して弾が装填されているかのチェックをしている。

 トレスは調停分隊の軍曹の傍で待機しており、プラズマピストルを腰から外していつでも撃てるように安全装置を解除する。

 

 

 ヘルメット団の少女たちは自分たちの周囲にマリーンたちが展開していることなど全く気付いていない。

 周囲を警戒するヘルメット団の少女たちがいる中、ヘルメット団のリーダーの2人が広場の中央にあるコンテナの周囲で話をしている。

 

 トラックがある陣営の少女は手にアタッシュケースを持っており、もう片方の少女は札束がこれでもかと詰め込まれたボストンバッグを足元に置いている。

 アタッシュケースを持った少女はコンテナに置いてあったバインダーを手に取り、もう片方の少女へと手渡す。

 

「これが依頼の品の目録だ」

「ありがとう…これだけあればなんとかなりそうだ……」

「それにしても…こっぴどくやられたみたいじゃないか」

「あぁ……ペタペタヘルメット団が壊滅するかと思ったよ…」

「相手はどんなのだったんだ?」

「もう恐ろしいのなんの…こっちが何を撃っても盾で弾いたかと思えば盾を持ってないやつに撃っても全部弾かれたんだ…」

「硬い…いや、硬すぎるな。戦車いたじゃないかそういえば」

「一撃だったよ…出したかと思えば敵のミサイルランチャー1発で吹き飛んじまった…」

「恐ろしいな、相手にしたくないものだ」

「それに身長もデカイんだ、2m以上はあったぞ」

「そうなのか…そんな奴らがなぜ攻撃してきたんだ?」

「うちの奴らが先にちょっかいかけちまったんだ……」

「そりゃ自業自得だが、酷くやられたな」

「もう会いたくないよ……」

「んじゃ、これが依頼の品と武器弾薬、このアタッシュケースの中には高性能爆薬が入っている」

「ありがとう、よし。これが金だ」

 

 2人の少女が持っていた物を交換しようとした瞬間、トレスが攻撃開始ッ!と叫び、周囲に展開していたマリーンたちと同時に身を乗り出してきた。

 ヘルメット団の警備していた少女たちは突然の奇襲に驚き、慌てふためいている。

 ボルトガンの銃声が鳴り響き、マリーンたちの近場にいた少女たちが吹き飛ばされていく。

 銃を構えて撃とうとした少女たちは突然日が陰り何事かと上を向くとチェーンソードを振り被った状態で急降下してくるマリーンたちの姿とアサルトボルターを構えた状態で急降下してきたマリーンの姿を見た。

 空からも地上からも攻撃されていることに気付き、逃走を図ろうとした少女たちもいたが、無防備な背中を撃ち抜かれ吹き飛ばされていく。

 中央にいたリーダーの2人は警備の少女たちに周囲を固められた状態で急いで離れようとしている。

 マリーンとヘルメット団双方の銃声が響き渡る中、リーダーの2人と警備の少女たちは車両に向けて急いで走っていく。

 車両にあと少しで辿り着くという瞬間、空から先駆分隊(インセプター・スカッド)のマリーンの1人が車両を押し潰すように空から降ってきた。

 車両は中央からひしゃげ、マリーンが歩きながら離れた瞬間爆発する。

 爆風で少女たちは後退りながらマリーンを見上げる。

 警備の少女たちがマリーンを撃とうとリーダーの前に立ち、銃を構える。

 しかし、マリーンがアサルトボルターを斉射する方が早く、立ち塞がった少女たちは全員蹴散らされてしまった。

 リーダーの少女の内、ペタペタヘルメット団の方の少女は前にやられた時の記憶が蘇り気絶してしまった。

 残ったリーダーは膝を着き降参すると叫んだ。

 すでに周囲にいたヘルメット団の少女たちは全員倒れており、マリーンたちがヘルメットを剥いでいたり、コンテナなどを漁っている。

 リーダーとマリーンの元へトレスが歩いてきて、降参しているリーダーの姿を見る。

 そのままマリーンを見てプラズマピストルをリーダーの頭に当てる。

 

「ま、待て!待ってくれ!」

「いいや、その必要はない」

 

 そのままトレスはプラズマピストルの引き金を引き、リーダーの少女のヘルメットが吹き飛び少女も地面に叩きつけられてしまった。

 

 トレスはプラズマピストルを腰にしまい、他のマリーンたちに撤収の合図を出す。

 マリーンたちはランドレイダー・クルセイダーの場所まで戻り、乗り込む。

 

 車両は発進し、大通りを進み斡旋所まで戻っていく。

 斡旋所で報酬を受け取り、ブラックマーケット支部へと帰還していく……

 

 

 

 

 




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