灰を創り出す者と青き青春   作:土門一家

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どうぞ、お楽しみください!


第16話 便利屋68

 

 

 

 出撃した第6中隊のマリーンたちはまず便利屋68の事務所周辺へと向かった。

 ブラックマーケット支部から大勢のマリーンが出撃してきたのを見た住人は何があったのか驚いた。

 リパルサーやインパルサーなどの戦闘車両も出撃し、マリーンたちを運んでいく。

 

 しばらくマリーンたちは進み、事務所周辺へと近づいた。

 到着したマリーンたちは自分たちの数が多いことに気付き、いくらかの部隊に分かれて作業を分担することに決めた。

 事務所周辺で聞き込みをする部隊、事務所を監視する部隊、便利屋68について調査する部隊などに分かれ行動を開始した。

 それでも余ったマリーンたちは傭兵斡旋所や会話がかろうじてできるヘルメット団などに便利屋68について聞きに向かった。

 

 

 マリーンたちが事務所周辺で活動している中、事務所にいる便利屋68の4人は話し合いをしていた。

 窓際のデスクに腰掛けているのは便利屋68の社長を務める陸八魔アルだ。

 デスクの正面にある応接用のソファに腰掛けているのは浅黄ムツキと伊草ハルカの2人だ。

 デスクの後ろの窓際の外が見える所に寄りかかっているのは鬼方カヨコだ。

 4人が話しているのは前回の依頼が失敗してしまったこととこの事務所の家賃をどう払うかについてだ。

 

「で、どうするの?アルちゃん。前の依頼は失敗しちゃってお金貰えなかったんだけど」

「今考えているところよ」

 (どど、どうしようかしら!?前の依頼ならいけると思って受けたのに!)

「や、やっぱりあの時爆破させて依頼品を壊してしまった私が悪いんです…」

「いいえ、ハルカ。そんなことはないわ」

「そうだよ、あの場面じゃああするしかなかった」

「アル様…!カヨコさん…!」

「でもでもぉ、前回の依頼主すっごくカンカンに怒ってなかった?」

「そうね……早めに次の依頼を見つけてどうにかしないと…」

「前に依頼見た時、あれ以外にいいのあったっけ?」

「なかったはず、だからあれを受けたんだけどね」

「もう少し考えさせてちょうだい」

「はいはーい♪」

「わ、分かりました…」

「わかったよ、社長」

 

 アルが背もたれに体重をかけながら腕を組んで考えはじめる。

 ムツキとハルカは自分の銃の整備を始める。

 カヨコは外の景色を眺めながら思考に没頭する。

 外を見ていたカヨコはいつもの光景だと思って外を見ていたが、それにしては住人の様子などがおかしい。

 

 (それにしても……今日の街の雰囲気はなんか変…ピリピリしているというか緊張感に包まれてる…?)

 (それに……最近名を上げてるSONS・OF・CINDERの傭兵の数が多い……数が多い?どういうこと?)

 

 カヨコが疑問に思い、外を見ながらマリーンたちを見ていると対面のビル同士の間の隙間からこちらを監視するように立っているマリーンが複数人居た。

 そちらに視線を向けるとあまり見られたくないのか身を隠したのだ。

 さらに視線を動かして歩道にいるマリーンたちを見ると住人に何かを聞いているようだ。

 内容までは分からないが、状況証拠的に十中八九自分たちを狙っているものとみえる。

 

 (はぁ……ヤバい連中に目をつけられちゃったってことね。しかもアイツらは確か依頼を受けて必ず動く…前回の依頼主が依頼を出したかもしれない……)

「社長、報告があるんだけど」

「何かしら?カヨコ」

「まだ確定じゃないし、私の勘違いかもしれないことなんだけど」

「全然問題ないわよ、あなたが言うことだもの」

「そう、なら言うね。多分だけど私たちのことをSONS・OF・CINDERの傭兵たちが狙ってる」

「え!?ど、どういうこと!?」

「えぇ?カヨコちゃん、それってなんで?」

「まず、私たちの事務所の周りに傭兵たちがたくさんいる。しかも監視してる奴らもいた。こっちが視線向けると隠れたからかなり怪しい。しかも、この近くで聞き込みしてる傭兵もいたよ」

「え!ヤバいじゃない!あの灰の化け物たちに目をつけられたってこと?!」

「アル様の敵になるなら全員爆破すればいいんですよね……?」

「本当かどうかは分からないけど狙ってる可能性は高い」

「あの人たち、依頼受けないと動かないよね?もしかして前回の依頼主が依頼出したかも?」

「そうかもね……頭が痛くなるよ」

「こ、こうしちゃいられないわ!対策を考えないと!」

「まずは目的を確認することだと思うよ、私たちの排除かそれとも事務所を襲撃するのか」

「くっふふ♪、アルちゃん焦りすぎだよ〜」

「変装でもしてこっそり聞き出すのが必要かも」

「それでいきましょ!」

 

 4人は各々動きはじめて変装の準備を始める。

 彼らに自分たちが便利屋68とバレなければいいため、そこまで凝った変装はせずちょっと見た目と雰囲気を変えるに留めた。

 2人組で動くようにしてアルとカヨコ、ムツキとハルカと分かれた。

 4人は外に出て、こっちに監視の目が向いてるかをまず確認した。

 監視しているマリーンは事務所を見ている者と一瞬だけ外に出てきた自分たちを見てきた者がいた。

 一瞬見たマリーンは便利屋68の4人組とは思わず、視線を逸らした。

 好機と見た4人は2人組で分かれてそれぞれマリーンたちの近くに向かった。

 アルとカヨコが向かった先にいたマリーンたちは近くにいた住人に聞き込みをしていた。

 

「この近くの事務所にいる便利屋68について知ってることはあるか?」

 (やっぱり、私たちのことを狙ってたか…)

 (どうしようかしら……)

「いえ……何も知らないです……」

「そうか、行っていいぞ」

「は、はいぃ!」

 

 マリーンたちの前から住人は走り去っていきマリーンたちは話し合いを始める。

 アルとカヨコはすぐ近くでスマホを見るフリをしながら話を盗み聞きする。

 

「ここらの住人、便利屋についてあまり知らないようだな」

「まぁ、そうだろうな。直接的な関わりがなきゃな」

「事務所襲撃するっていったってある程度動向が掴めんとな……」

 (事務所襲撃…ね、考えていた中ではまだいいほうかな)

 (な、なんでよぉ…また野宿になるじゃない……)

 (諦めたほうがいいかも、今回に関しては)

「もう少し調査を進めるか」

「便利屋の4人が居ないときに襲撃できればいいんだがな」

「いても構わんがな、そこまで大差はない」

「それもそうだな」

 

 マリーンたちは歩き始め、次の聞き込みに向かった。

 アルとカヨコは聞きたいことがある程度聞けたため事務所に戻ることを決めた。

 事務所へと戻っていくと反対側から同様に聞き込みを終えたのかムツキとハルカも歩いて来た。

 4人は事務所に戻り、今手に入れた情報の整理を始める。

 

「まず、やっぱりアイツらは私たちを狙っていたね」

「カヨコちゃんの言った通りだったねぇ〜」

「私たちが聞いたのはある程度情報が集まった段階で襲撃を仕掛けることと第2中隊と呼ばれる部隊から部隊を派遣するようです…」

「そうなのね、第2中隊……いくつか部隊がいるってことかしら」

「多分そうなんじゃない?あんなのがいくつもいるってのは勘弁して欲しいけど…それで、私たちが聞いたのは私たちが居ない時に襲撃したいってことかな」

「くふ♪私たちのことが怖いのかな?」

「どちらかと言うと依頼が事務所襲撃だったらしいからね」

「なるほどねぇ〜」

「なら私たちがどこかに依頼をやりに行くという話を流してみようかしら」

「多分それなら食い付いてくるんじゃない?」

「それでいきましょ、明後日とかの方にしましょう」

「アル様の為なら何でもします…」

「くっふふ♪盛大に歓迎してあげないとね!」

「そうだね、とびっきりの奴で」

 

 4人の話がまとまり、明後日に作戦を決行することが決まった……

 そして、マリーンたちにとっても便利屋68にとっても衝撃的な事件が発生するのである……

 

 

 

 




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