灰を創り出す者と青き青春   作:土門一家

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原作キャラの1人がやっと登場します、長かったような早かったような感じですね。
皆さんの感想、評価、お気に入り、とても励みになっております。
これからも自分のペースで更新を続けていこうと思いますので、皆さん長くお付き合いお願いします。
では、どうぞお楽しみください。


第4話 ヒフミの憂鬱

 

 晴れた過ごしやすい陽気のキヴォトスのブラックマーケットから少し離れた場所にあるベンチに1人の少女が俯き気味に座っていた。

 少女の名は阿慈谷ヒフミ。

 どうやらなにか困り事があるようだ……

 

 

 ヒフミは憂鬱だった。

 ペロロ様のグッズを手に入れるためにブラックマーケットに来たまでは良かった。

 目当ての限定のペロロ様グッズをとある商店で見つけることができた。

 それを買おうとした矢先にたまたま近くに来ていた3人組のヘルメット団に目をつけられ自分の制服がトリニティである事がバレてしまったため泣く泣く逃げるしかなかった。

 なんとか逃げ切ることはできたがあの商店の近くにはあのヘルメット団の少女たちがいることだろう……

 

 ヒフミはなんど吐いたか分からない溜息を吐く。

 そんな時、周りの空気がざわつき大きな足音が聞こえてきた。

 そんなことも気にならないほどヒフミの気分は憂鬱であったが、突然自分の周りが暗くなったのだ。

 先程まで晴れていたはずなのにどうしたのだろうかと疑問に思い顔を上げた。

 

 顔を上げた先に見えたのは2m以上はあろうかという巨躯の灰色の装甲服を着た人物が自分を見下ろすように立っていたのだ。

 顔もドクロを模したような赤と白の面甲のヘルメットを被っており、かなりの威圧感があった。

 突然のことにヒフミは驚き、ヒュッと息を呑んでしまう。

 

「おい、そこのお前…聞きたいことがある」

「ひぃ……な、なんですか…?」

「ブラックマーケットという場所に向かいたい。教えてもらえたなら、お前の困り事に手を貸してやることもできる」

「えっ……えぇと…まずブラックマーケットはこの先の道を行った場所にあります。それと私の困ってることなんですけど……ブラックマーケットに私の欲しいものがあるんです。ただ、そこで私だけではどうしようもないことが起きたので……」

「なるほど……ブラックマーケットはこの先にあると。そしてお前は欲しいものがあるが自分だけでは対処できないことが起きたと…」

「そ、そうなんです…」

「分かった、ブラックマーケットの場所を教えてもらった礼だ。その問題の対処に付き合おう」

「ありがとうございます!」

 

 突然のことに驚いて固まっていたヒフミだったが、目の前の人物からブラックマーケットの場所を教えて欲しいと言われ、戸惑ったが教えることにした。

 そのまま会話をしていたら、なんと自分がペロロ様を手に入れるために手を貸してくれると言ってくれたので喜び、感謝を述べた。

 

 装甲服を着た人物はしばらく待っていて欲しいとヒフミに告げ、立ち去って行った。

 

 ヒフミはベンチから立ち上がり、待っていると轟音を立てながら灰色の少し浮いた装甲輸送車が目の前に停車した。

 ヒフミは目を白黒させたが、先程声をかけてきた人物が後部に乗っているのを見て、一先ず安心した。

 

「ブラックマーケットを案内してくれるんだろ、乗っていくか?」

「え、え、あ、乗ります!」

「分かった、気を付けて乗ってくれ。それに後ろは少し狭い」

「大丈夫です!」

 

 ヒフミが輸送車の後部に回ると声をかけて着た人物以外に5人すでに後部に乗っていた。

 ヒフミは一瞬驚いたが、あまり気にしないようにして乗り込んだ。

 

「あんたがブラックマーケットを案内してくれるのか?」

「結構小さいな、こんなもんなのか?」

「あ、あはは…一応、私がブラックマーケットの案内をすることになってます…」

「彼女の問題に対処するのはそっちの浸透分隊(インフィルトレイター・スカッド)の3人に任せる」

「分かった、インパルサーの護衛は任せたぞ」

「動くぞ、気を付けろよ」

 

 ヒフミが乗り込むと中にいた者たちが色々と話しかけてきたが、ヒフミは困惑しながらも返答する。

 そんな中、先程話しかけてきた人物と中にいた赤いヘルメットの人物が自分の護衛やこの装甲輸送車の護衛について話していた。

 上部ハッチから顔を出していた乗員が輸送車が動くことを伝え、後部の者たちは待機形態に移る。

 ヒフミは近くにあった手すりを掴んで動くのを待った。

 

 輸送車が動き始め、ヒフミは気になったことを先程の人物に声をかけた。

 

「あのぅ、この輸送車ってなんて名前なんですか?あと…あなた方はなんて呼べばいいんでしょうか」

「ん?この輸送車か、インパルサーという名前だ。俺たちは……スペースマリーンだが、マリーンとでも呼んでくれ。お前の名前は?」

「あ、教えていただきありがとうございます。私の名前は阿慈谷ヒフミです」

「ふむ、ヒフミか。分かった、中隊長にも報告を入れておく。あんたのおかげで我々にとっての懸念事項の解消に繋がるからな」

「ど、どういうことです……?」

「いや、気にしなくていい。我々も多くのことは聞かされていない」

 

 ヒフミとマリーンが会話をしているとインパルサーが減速した。

 ヒフミは気になり、顔を出すとどうやらブラックマーケットの外角に到着するところだということが分かった。

 ヒフミが赤いヘルメットのマリーンにブラックマーケットに着いたことを伝えるとマリーンは頷き、車体の上部を拳で2回叩き、止まるように伝える。

 インパルサーは近くにあった大型駐車場に車体を停め、後部のマリーンたちが降り始める。

 それに合わせてヒフミもインパルサーから降車する。

 

「この先がブラックマーケットなのか?」

「はい、そうです」

「分かった。浸透分隊(インフィルトレイター・スカッド)、彼女の護衛を頼んだぞ」

「分かっている、そちらこそインパルサーの護衛を頼んだぞ」

 

 浸透分隊(インフィルトレイター・スカッド)の3人のマリーンがヒフミの前に歩いきて、敬礼を行った。

 先頭に立っていた赤いヘルメットのマリーンがヒフミに声をかけてきた。

 

「私のことは軍曹、もしくはサージェントと呼んでくれ。他の2人は基本あなたとは会話しないだろう」

「わ、わかりました軍曹さん。よろしくお願いします」

「任せたまえ、問題の対処は私たちに任せてくれ」

 

 挨拶を終え、インパルサーと残りの3人が警戒するように銃を持ちながら待機している。

 そして、ヒフミと護衛のマリーンの3人はブラックマーケットへと歩みを進める……

 

 

 




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