【完結】フラグ折り悪役令嬢〜乙女ゲー主人公の恋愛フラグを折ったら転生悪役令嬢の私と主人公で百合フラグが立った件〜   作:シャリ

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13話:主人公(リエル):流鏑馬と魔法

 今日の午後授業は初の流鏑馬。周りの生徒たちは自信満々に馬を駆り、弓を引く姿がまぶしく見える。

 私は弓矢の扱い自体が初挑戦。リリア様に教えてもらってからの最初の試みは見当違いの方向に矢が飛んでしまった。馬の走りと弓を扱うことの難しさを思い知らされる。周りの生徒たちが的を射抜く中、ただ焦るばかり。

 結局、授業が終わるまで一度も当たらなかった。教えてくれたリリア様に申し訳なくて、自主的に居残り練習することにした。リリア様からのアドバイスで馬に乗ってない状態で矢を当てる練習を実施する。そんな私をリリア様は見守ってくれる。優しい視線が活力を与えてくれる。

 そして、ついに初めて矢が的に当たった瞬間、喜びが全身を駆け抜けた。

 

「リリア様! やりました! やっと的に当たったんです!」

「おめでとう、よく頑張ったわね」

 

 褒めてもらえた。嬉しくてたまらない。リリア様にそっと頭を撫でられた時の感触は夢見心地だった。

 でも、そんな幸せな時間に水を差すように、ヴェインを名乗る男子生徒が現れた。瞳と髪色が赤くて髪型は短くて空に向かっている。同じ赤の瞳でも、リリア様のルビーみたいな瞳と違って炎のような感じ。私を女性として目を付けたらしい言動と眼光に萎縮してリリア様の背中に隠れる。

 頼れる背中に手を当てると、落ち着いてリリア様とヴェインさんの会話を聞くことができた。

 

「おいおい、関係ないヤツが邪魔するな」

「関係なら大有り。後ろにいるリエルは……私の物よ」

 

 落ち着けない発言が耳に入った。心の中で混乱と歓喜が入り混じる。

 所有物なら平民の私でも卒業後もリリア様のそばに置いてもらえるかも。だったら、ずっとリリア様に物扱いで寵愛されたい。

 

 

  ☆ ☆ ☆

 

 私はリリア様のひざ上に、リリア様を正面とすると横向きに座っている。リリア様は優雅に微笑み、私を見つめる。

 

「少し遊びたい気分。リエル、口を開けなさい」

 

 言われるままに口を開ける。人差し指と中指の二本を入れられた。

 

「んぐっ! んむぅ……!」

 

 頬の内側を擦られたり、歯磨きみたいに指が歯茎や歯をなぞったりする。口の中を好き放題に犯される快感によだれが口内に溢れる。

 そして、唐突に口から引き抜かれたリリア様の指には私のよだれがべったりとまとわりついていた。

 

「あなたが汚したのよ。舐めてキレイにしなさい」

「はい……」

 

 細くて色気がある指に舌を這わせる。なまめかしさを舌先で味わいながらも、必死に舌を動かして掃除する。だけど余計によだれがついてしまう。リリア様が呆れて指を離す。

 

「持ち主を汚してばかりの不良品ね。こうなったら……あなたの体液なんだからあなたの中に返すわ。足を広げなさい」

 

 リリア様の指示を受けて下半身が熱っぽくなる。指示通りに足を広げると、リリア様の指がパンツの中に──。

 

  ☆ ☆ ☆

 

 

 ──はっ!?

 妄想の世界に行っちゃってた。うん、私はリリア様の物で良い。

 

「私はリリア様の物で、身体も心も好き勝手にされるオモチャです!」

 

 なんてことを言っていたら、私を賭けてリリア様とヴェインさんが流鏑馬で対決することになっていた。手間をかけさせる羽目になったことを謝った。

 

「リエルは悪くない。いいから私を信じて勝利を祈って」

「はい、信じます。リリア様は誰にも負けません!」

「今日の私は無敵ね。可憐な勝利の女神がついているから」

 

 私の頬に手が添えられる。熱っぽくなりやすい私には、ひんやりとした冷たさが心地よく感じる。

 今もリリア様の言葉にハートを射抜かれて、熱に浮かれている。もしも私が的ならリリア様に出会ってからは矢が刺さりすぎて見た目がきっと針山になっている。

 

 

 対決は三回勝負で二勝一敗でリリア様の勝利。勝負で使っていたリリア様の風魔法の矢もヴェインさんの炎魔法の矢も迫力があって憧れる。ああいうのが使えたらカッコイイよね。

 

「流石でしたリリア様! 色々と凄かったです」

 

 最終戦でリリア様が見せたスタート位置から動かずに放った風の矢をコントロールして的を射抜いたのは凄いとしか言いようがない。

 ……流鏑馬でそれやっていいのかなぁって、ちょっとだけ困惑したのは口にしないでおく。

 

「リエルに捧げる勝利よ。受け取ってくれる?」

 

 にっこりとした微笑みに胸が高鳴る。冗談めいている瞳に魅了されて、心が乱れてしまう。

 

「胸いっぱいに受け取ります……」

 

 負けたヴェインさんは大人しく私たちの前から去った。景品は私だったけど、きっかけを作ったヴェインさんは最初以外はリリア様を見ていたし私は空気だった気がする。

 

「話の流れを作るためとはいえ、リエルを私のものだなんて言って悪かったわ。ごめんなさいね」

「え? あっ、ああー……。いえ、大丈夫です。気にしてません」

 

 リリア様が私を「物」として扱うのは、ヴェインさんを挑発するための冗談だとは分かってはいた。それでも、あの言葉が嬉しかった部分もあっただけに心惜しい気持ちがある。

 

 

 次の流鏑馬の授業で、魔法の弓矢の作成にチャレンジした。リリア様とヴェインさんの魔法を使った矢への憧れが止められなかったからだ。

 授業とリリア様の個人指導で魔力や魔力操作は入学時とは比べ物にならない今の私ならやれるはず。そう信じながら頑張っていたら、まず光の弓の作成に成功した。

 矢の方は弓に比べて難しく、いちから作ろうとすると先端から崩れてしまう。普通の矢の全体に光属性の魔力を付与する方法は、魔力の定着が安定せず、思うようにはいかなかった。

 試行錯誤した結果、矢じりや小石を矢先とすることで光の矢の作成にどうにか成功。積んできた努力で、憧れを自分の手で形作れたのが嬉しくて心躍った。

 あとリリア様に褒めてもらいたくて、嬉々として報告したら望みが叶った。

 

「努力できて偉い。良い子ね」

 

 優しい手付きで撫でてもらえてニヤニヤが止まらない。頭以外に顎や喉元も撫でてもらえて、手が離れるまで甘えきった。頑張ったかいがある。

 褒められた後はアドバイスを貰えた。慣れないうちは、なにか魔法名をつけたら安定性が上がるらしい。この光の弓矢の魔法、どんな名前にしようかなぁ。

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