紅月の救世少女(こうげつのきゅうせいしょうじょ)   作:くにゅたろ

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7. 消えた希望、新たな扉

 

施設の中は薄暗く、天井から差し込む微かな光だけが頼りだった。かつてここで賑わっていたであろう店舗の跡には、商品の残骸や倒れた棚が散乱している。足音を立てないよう慎重に進む一行だが、時折、瓦礫を踏む音が広がり、緊張感が増していく。

 

「音を立てるな。敵に気づかれる。」

壮年の男が低く囁き、トレンチガンを構えたまま周囲を警戒する。その言葉に全員がさらに慎重になる。

 

リリスは鉄棒をしっかりと握りしめ、背後から仲間たちの動きを追っていた。自分が足手まといにならないよう、息を潜めるようにして歩く。

 

突然、奥からかすかな音が響いた。

 

「……聞こえたか?」

魔術師の女性が囁き、杖を握りしめる。その声には明らかな緊張がにじんでいた。

 

「確かに何かいる。準備をしろ。」

青年が剣鉈を構え、周囲を見回す。

 

次の瞬間、闇の中から異様な形の影が現れた。それはゾンビではなく、まるで異形の生物のようだった。

 

「奴らだけじゃないのか……!」

青年が叫び、剣鉈で応戦する。しかし、その生物の動きはゾンビよりもはるかに速く、攻撃をかわして跳ね回る。

 

仲間たちは必死に戦うが、状況は一方的に押されていた。

 

リリスは仲間たちの背後で立ち尽くしながら、どうすればいいのか分からず、ただ震えていた。しかし、その時、壮年の男が振り返り、叫んだ。

 

「リリス!お前がここを抜けて先に進むんだ!」

 

その言葉にリリスははっとした。

 

「そんな、私にできるわけない!」

「お前しかいないんだ!俺たちが時間を稼ぐから、早く行け!」

 

仲間たちの叫びと必死の抵抗を背に受け、リリスは涙をこらえながら奥へと走り出した。

 

廃墟の奥へと続く道は、さらに荒れ果てていた。崩れた壁や瓦礫が行く手を阻むが、リリスは必死でそれを乗り越えていく。

 

「こんな私が……本当に何かできるの……?」

心の中で繰り返される問いに答えることができないまま、足は自然と動いていた。

 

やがて彼女は、一つの扉の前にたどり着いた。それは他の場所とは違い、比較的無傷で、何かを守るようにしっかりと閉ざされている。

 

「ここが……。」

 

扉に手をかけると、冷たい金属の感触が指先に伝わった。震える手でそれを押し開けると、中には意外にも広々とした空間が広がっていた。

 

「ここは……何かの研究施設?」

リリスは奥に進むにつれ、奇妙な機械や装置が並ぶ光景に驚きを隠せなかった。

 

その時、背後から微かな音が聞こえた。

 

「追いつかれた……!」

 

リリスは身を縮めながら装置の影に隠れた。これから何が起こるのか、彼女はまだ知らなかったが、この場所が何か重要な秘密を抱えていることだけは確信していた。

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