ー???sideー
それは、幼い頃の記憶。消えゆく記憶の中で、一人の少年は不思議な体験と、不思議な出会いをした。
【ーーーー???】
少年は目の前に現れた物を不思議そうに首を傾げて眺めていた。いつものように、お気に入りの遊び場である『九尾の狐の石』が祀られた神社で、一人で本を読んでいると、突然空から『何かが』落ちてきて、地面に突き刺さったのだ。
地面に突き刺さっていたのは・・・・一振りの『剣』であった。
夜空に輝く銀河のような青紫、もしくは紺色が中心となり、鍔が太陽型の意匠が成された、刃幅の広い西洋の剣のようにも、刃が片方しかないから東洋の刀のようにも見える奇妙な剣であった。
【・・・・・・・・】
少年は、不思議とその剣に興味を示し、その鍔にソッと手を触れた。
その時、剣は眩く光り出した。
【うわっ!】
少年は思わず目を瞑ってしまう。
しかし、光り輝いた剣は独りでに地面から離れ宙を浮き、そのまま『炎を纏った剣』、『水を纏った剣』、『雷を纏った剣』、『土を纏った大剣』、『風を纏った双剣』、『音符を纏った銃剣』、『煙を纏った細剣』、『時間を纏った矛』、『光を纏った剣』、『闇を纏った剣』、『何も纏っていない剣』、『嵐を纏った剣』と、幾つもの剣に分裂し、もう一度剣が集まると、一瞬『本の形』へとなるが、再び剣へとなり、光の粒子となってーーーー少年の身体に入っていった。
【ーーーーあっ・・・・】
そして、光が収まり少年が目を開けると、先程まであった剣が、忽然と消えてしまった。
【・・・・・・・・】
少年はシュンッと残念そうに顔を俯かせた。するとーーーー。
【ーーーー安心しろ。さっきの剣は消えたんじゃない。“君の中に入ったんだ”】
【???】
突然声が聞こえ、そちらに振り向くと、一人の青年が立っていた。高い身長と長い手足、整った顔つきと余裕と自信に満ちた笑みを浮かべており、何処か浮き世離れした雰囲気を纏う青年だった。
【ーーーー全く、〈ーーーーーーーーー〉が世界を何度も書き換えた事で、時空間に“妙な歪み”が生まれたせいだな。本当に奴等は、『飛ぶ鳥跡を濁さず』って言葉を知らないのかな? ま、そんな精神性なんて持ち合わせて無いだろうな・・・・】
青年は何やら愚痴っぽい事を言うと膝を折り、少年に目線を合わせる。
【さて少年。君はどうやらーーーー“選ばれてしまったようだ”。君が願うなら、俺が君からさっきの剣を取り出してやるぞ?】
【・・・・・・・・・・・・(フルフル)】
少年は、少しだけ考えるように黙ると、小さく首を横に振った。それを見て、青年は少し意外そうな顔をしてから、諭すように言葉を紡ぐ。
【いいか。君が今得た物は、君が思っている以上に大変な事を引き起こしてしまう凄く危険な物なんだ。その剣に手を握った瞬間、君の運命が決まってしまうかも知れない。『生命の続く限り戦い続ける道』に、進んでしまう事になるぞ?】
その目に宿るものに、少年は暫しの間圧巻されたが、少年は意を決して口を開いて、青年に話した。
【ーーーーそれでも、自分が何故選ばれたのか知りたい、か。・・・・少年。君は何か『願い』はあるか?】
【?】
【心から願えば、願いは叶えられる。そんな『願い』があるならば、君はどんな困難にも立ち向かう事ができる筈だ】
【・・・・・・・・】
少年は、ふとさっきまで自分が読んでいた本を取りに行くと、それを持って青年の元に戻り、その本を見せた。
その本はーーーー『仲間達と楽しい冒険をして成長する一人の少年の物語』だった。
青年がその本を持ってパラパラと読むと、ふむ、と頷いてからパタンと、本を閉じて少年に返した。
【成る程。君は多く仲間達と共に、心躍る冒険をしたいんだな?】
青年がそう言うと、少年は「それだけじゃない」、と言うと、青年に伝えた。
【・・・・そうか。君は、ハッピーエンドで終わった物語の、その先を見てみたいんだな。物語が好きな人間なら、誰しもがそれを見たいと願うだろうな。分かった。君がその願いを叶えられるよう、ほんの少し力を与えてやるよ】
青年がそう言って笑みを浮かべ、少年の頭にソっと手を添えると、何やら温かいものが少年の身体に流れてきたのを、少年は感じた。
それを不思議に思うと、青年の隣にいつの間にか、長い黒髪をポニーテールにし、左から右へ下がるようにカットされたスカートを履き、右が黒で左が白のストッキングを着用、逆にロングブーツは右が白で左が黒となっている二十代の女性だった。この場所で巫女のような事をしている人であったと、少年は記憶していた。
女性は少年に、『真っ白くて分厚い本のような物』を差し出した。本と言っても、とても小型で、大人の手に収まるサイズであったが。
【ーーーーおめでとうございます。あなたは『ーーーーーーー』となる資格を得る事ができました。これはその時が来るまでの贈り物です】
少年は真っ白い本を手に取って暫し眺めると、顔を上げた。しかし、さらに不思議な事が起こった。
ーーーー先程の青年と女性が、消えてしまっていたのだ。
【???】
少年は首を傾げるが、その本を持って、家へと帰っていった。
【ーーーーよろしいのですか? 『英寿様』? 彼はまだ子供で、『ーーーーーー』を手にする『鍵』を手にしてしまいましたが?】
【いずれ時が来れば、あの少年の運命が動き出す。真に願えば、『願い』はきっと叶う。あの少年が、これから出会い、絆を繋いだ仲間達と共に作り出す、ハッピーエンドのその先の物語を、な】
その青年、『浮世英寿』の目には、少年の行く末が、苦難に満ちて、しかし輝かしい未来が待っていると、確信を持っていた。
〜それから月日は流れ〜
ー???sideー
「ーーーーアンタ・・・・とんでもない奴と知り合っていたのね・・・・!」
朧気な意識の中、少年はすっかり身体は大きくなり、大人も子供の中間くらいの年齢となった。
何やら中央に大きな花のようなオブジェがある大きな噴水がある、美しい庭園のような場所。ソコで、少年は台座に横たわっていた。そしてその傍らには、一人の女の子が、否、女の子のような存在がいた。
ボロボロの衣服を着て、花びらを頭の左右に乗せ、壊れた羽に歯車などといった不気味な装飾が特徴的な、妖精のような女の子が、自分の毛先を弄びながら少し目を見開きながら、驚嘆の顔と声を上げていた。
「・・・・・・・・」
しかし、少年は答えない。意識がまだ微睡んでいるようだ。
何故こうなったのか、あまり覚えていない。そして、目の前の妖精の事も、分からない。
「ん? 『あんた誰?』って顔してるわね」
妖精が少年の視線に気づいたように声を発する。
「こっちはあんたの事をよく知ってるのに・・・・初対面みたいな反応されると、やっぱりちょっと凹んじゃうわ」
妖精が一瞬、少し悲しそうな顔になるが、すぐに顔を元に戻す。
「あたしは・・・・まぁ、『アメス』とでも名乗っておくわ。最近はもっぱらそう呼ばれているから。無理に覚えなくて良いわよ、どうせすぐに忘れるでしょうし」
妖精、『アメス』はそう言った。どうやら知り合いのようだが、少年は彼女の事を良く覚えていない。
ただ薄っすらと覚えているのは、自分は『絆を結んだ仲間達』と共に、『強大な敵』と戦い、そしていつの間にかこの『空間』に来ていたとしか。
「っ! 何!?」
その時、少年のいる『空間』に異変が起こった。
突然、その『空間』の上空が光り出したと思ったら、先程少年が、そして『アメス』も見たーーーー少年の記憶にあった『真っ白い分厚い本』であった。
「この本ーーーー間違いなく、こいつの記憶や、データにある『ーーーーーーー』の・・・・!? でも、どうして『この世界』に!?」
驚く『アメス』を余所に、今度は少年に異変が起こった。
何と、少年の身体が光り出し、光が少年の身体から離れると、記憶にあった『剣』へとなったからだ。
「この剣まで!? 一体何が・・・・!?」
『アメス』は混乱しそうになる頭を必死にまとめようとしていると、『本』が独りでに開いて、その中からーーーー“無数の本が、庭園のような空間から飛び出していった”。
さらに、少年の身体から出てきた『剣』も、何本かが飛び出し、『無数の本』を追うように飛んでいってしまった。
そして、残された『剣』は少年の傍らに置かれた剣と同化するように重なり合い、『本』は少年の手に収まった。
「ウソでしょう!?」
『アメス』は急いで空中に手を翳すと、空中に地図のようなものが、浮かび上がった。
「・・・・マズイわね。他の『剣』や『本』が色んな所に飛んでいったわ。しかも、時系列もバラバラ。私の持っている『権限』じゃ見つけ出すのは難しいわね・・・・!」
『アメス』は困った様にため息を吐いてから、横になっている少年に目を向ける。
「あんた、悪気はないってのはよく分かっているけど、かなり厄介な事態を持ち込んでくれたんだから、責任取って、飛んでいった『剣』と『本』を回収しなさいよ」
そして『アメス』は、少年に語りかける。
「これも、『夢』みたいなもんだけど、回収の事は忘れないでよね。変な奴の手にあの『剣』と『本』が渡れば、間違いなく『この世界』にとって、『災い』にしかならないんだから。あたしも力になりたいけど、見ての通りボロボロにぶっ壊れててさ。自己修復が終わるまでは動けない。『現実』に関われないのよね」
やれやれと溜め息を吐きながら、アメスは伝える。
「だから、あたしの代理として、あんたには『ガイド役』を派遣していたから。あんたの人生、つまり『現実』における『水先案内人』ね。詳しい話は、そっちに聞いて」
すると、空間が光に包まれる。
「・・・・おっと、ごめん。今回はこの辺でお別れしなきゃいけないみたい。もっといっぱいお喋りしたかったけど。現実は残酷よね。でも、いつまでも『夢』は見てられないから」
何処か哀愁を漂わせながら、『アメス』は言う。
「じゃあ、またね。あんたの『人生』が、『現実』が、幸福なものであるように祈ってるわ。頑張って・・・・『ユウキ』」
『ユウキ』。おそらく自分の名前であろうと、少年は思った。
「最後に一つ言っておくわ。あんたが、“物語の結末を決めなさいよ”ーーーー『仮面ライダー・・・・』」
『アメス』が少し笑みを浮かべて言い終わると、『空間』が光りに包まれた。
ー???sideー
そこは、青空が広がる森の中、少し大きな滝が流れる河だった。
「♪〜♪〜♪〜・・・・」
そしてその滝の下で、一人の女の子が水浴びをしていた。
綺麗なオレンジ色の長髪は水で濡れて煌めき、頭頂部にある一本のアホ毛がピョコンと伸び、大きな胸元とそれに反して細い腰回り、プリンとしたお尻と、そこから伸びる細い脚、見る者が目を奪われる肢体をした少女は河から出ると、近くの木に掛けていた衣服を着た。
「・・・・っ」
それはまるで、お姫様のドレスに騎士のような軽装の鎧が装備され、動きやすい様にコーディネートされた衣服だった。
しかし少女は、ティアラのような髪飾りを手に取り、少し顔を俯かせる。
しかし少女はティアラを頭に付けたその時ーーーー。
『ギャァァァ!!』
装備の剣を立て掛けていた岩が突如として動き出し、岩の形をした怪物へと変わって襲い掛かってきた。
「うわっ!」
少女はすぐにその攻撃を避けると、遠くに飛ばされていた剣を手に取り、怪物に向き直った。
「ーーーーやっちゃいますよー! ハァっ!!」
ーーーーズバン!
と、剣を横一閃に振り抜くと、怪物を斬り捨ててしまった。
「フン」
ーーーーグゥゥゥ〜・・・・。
ドヤ顔を浮かべる少女だが、そのお腹から、空腹を訴える音が鳴り響いた。
「はぁ〜・・・・あぁ、お腹ペコペコ・・・・」
少女はそう言って、ペタンとその場に腰を落とした。
と、その時、少女の背後から現れた影が、少女を包んだ。
「ん・・・・あっ」
少女はそれを見上げて顔を青くした。先程の岩の怪物と同じタイプが現れたからだ。
「うわぁぁぁ!」
少女は急いでその場から逃げ、怪物もそれを追う。
その上空から、一筋の光が流れた事に気づかぬまま。
ー???sideー
「ーーーーはじっめ、ちょろちょろ・・・・♪ な〜か、ぱっぱ・・・・♪ あかっご泣いても、蓋とるな〜・・・・♪」
何やら涼やかな声で歌が聞こえ、少年、ユウキは真っ暗だった視界の瞼を開いた。
すると光が差し込み、徐々に光景が鮮明に映ってきた。目の前に、横になった自分を見下ろす少女。
「・・・・おや、お目覚めになられたのですね、主さま」
自分を『主さま』と呼ぶ少女。綺麗な白銀の髪を肩口まで伸ばし、花の髪飾りを付け、ルビーのような赤い瞳をし、耳は長く尖っていた。
「わたくしは、偉大なる『アメスさま』によって派遣された『ガイド役』・・・・名前は、『コッコロ』と申します」
“(・・・・『アメスさま』? 『ガイド役』?)”
何故だろうか、ユウキは記憶にないが、妙な心当たりがあった。しかし、そんなユウキに構わず、コッコロは話を続ける。
「どうぞ、以後お見知り置きを。主さまをお守りし、おはようからおやすみまで・・・・揺籠から棺桶まで、誠心誠意お世話するのが、わたくしの役目でございます。何なりとご用命を、主さま」
良く分からないが、取り敢えずユウキは身体を起こして周りを見ると、どうやら森の中のようだ。自分の身体を見ると、手足もあり傷もない。腰には何の変哲もない普通の剣。懐に感じる硬い物があるように感じた。
そんなユウキの様子を訝しんだコッコロが話しかける。
「おや、キョトンとされておりますね。えぇっと、不躾ではございますが・・・・あなた様のお名前を、お聞かせ願えますか?」
“・・・・ユウキ”
「ふむ。ユウキさまと仰るのですね。良かった。わたくしのお仕えする主さまで間違いないようです」
それからコッコロが不躾な問いをした事で罰をしてくださいと言って来たが、断った。
「『アメスさま』からの託宣によると、主さまは『殆どの記憶を失っている』ようなので・・・・訳が分からない状態でしょうけど。わたくしがお導き致しますので、どうかご安心を」
コッコロがそう言った時。
ーーーーグギュルルルル・・・・。
「お腹空いた〜・・・・。お腹空いた〜・・・・」
何やら気の抜ける音と共に女の子の声が響いた。しかしコッコロは女の子の気づかず、ユウキに向けて目を光らせる。
「はい。心得てございます」
と、そう言った瞬間、
『グォォォォォ!』
岩の怪物が森の木々を薙ぎ払いながら現れた。
“っ!?”
「『魔物』!?」
ユウキとコッコロが『魔物』と呼ばれる怪物を見て目を見開く。
が、ユウキは魔物よりも、その魔物の足元でフラフラになった女の子に目がいった。
そして、女の子が魔物に踏み潰されそうになり、ダッと駆け出したユウキが女の子を抱えて横に飛び、魔物の足から逃れ、魔物の足が地面を砕いたが、木々の根っこに絡み付き、動けなくなった。
「主さま! ご無事ですか!?」
“大丈夫! コッコロちゃん、この子をお願い”
「うぅ〜・・・・すみません〜・・・・」
ユウキは女の子を肩に担いで、自分に近づくコッコロと合流し、女の子を託した。
『グォォォォォ!』
魔物は木の根っこから何とか引き抜こうとしていた。
ー???sideー
「あぁもう! 何やってんのよ!? さっさとやっちゃいなさいよ!」
ユウキ達の状況を離れた場所で見ていた『人影』が、『標的』を仕留められなかった岩の魔物を見て、地団駄を踏んでいた。
「ーーーーもうこうなったら、『陛下』から貰った『コレ』を使うしかないわね!」
その『人影』が、懐から出した手の平に収まるくらいに小さな『本』を取り出すと。
「そぅれっ!!」
岩の魔物へと投げた。
すると、『本』が独りでに開いた。
[岩石王ゴーレム!]
開かれた『本』から声が響いてくる。
[『目を覚ませ・・・・。岩石を纏う、レジェンドメギド!』]
『えっ?』
『人影』も、『標的』と他の二人も、目を丸くした。
『ーーーーグギャァアアアアアアアッ!!!』
そして『本』が岩の魔物に当たると、その姿が変貌した。
ろくろ状の頭部に大きな手が付いている異形の姿で、さながら粘土細工の陶器造りを思わせる風貌をしている。
よく見ると、頭には文字らしきものが描かれており、左腕がひと回り大きく、本の意匠がされたものが左胸と腹部にあった。
『ーーーー我が名は、『メギド』。『ゴーレムメギド』なり!』
「喋ったぁっ!?」
『人影』は口を大きく開けて大声を発した。
幸い、『ゴーレムメギド』となった魔物に目を奪われているのか、気づかれていなかったが。
ーユウキsideー
“喋った?”
「主さま。魔物の中には知能が高く人語を解する物もいると聞きます。恐らくあの魔物もそれでしょう。あのように姿を変貌させるのは、わたくしも初めて見ましたが・・・・」
ユウキにコッコロが解説すると、ユウキは女の子を地面に横にさせ、何故か分からないが、剣を抜いて魔物、ゴーレムメギドに向けた。
「主さま? 戦うおつもりですか?」
コッコロが不思議そうに言ってくる。正直、ユウキ自身も、何故こうするのか分からない。しかし、それ以上にこう思っていた。
“(あの魔物は・・・・絶対に倒す!)”
と、その瞬間ーーーー。
“っ!”
『何っ!? グォォォォォ!』
ユウキの持っていた剣から燃え盛る炎が飛び出し、ゴーレムメギドの身体を焼く。ゴーレムメギドが身悶えていると、ユウキの剣がその形を変えた。
刀身に赤い文字が刻まれ、鍔はエンブレムと燃える炎のような意匠があり、燃え盛るような赤に染まった『剣』である。
[火炎剣烈火!]
ー女の子sideー
「(・・・・あの『剣』・・・・!)」
空腹で倒れていた女の子は目を見開いた。
その『剣』は、似ていたのだ。自分からーーーー『全てを奪った者』がその手に携えていた『剣』に。
ー『人影』sideー
「あの『剣』、『陛下』の『剣』と似てる・・・・!?」
そして『人影』も、『陛下』と呼び慕うお方が持つ『剣』と同じ剣に、目を見開いていた。
ーユウキsideー
“火炎剣、烈火・・・・!”
懐から『真っ白く分厚い本』が飛び出して、ユウキの隣に浮遊すると、ユウキの腰に光が集まり、やがて形が整っていくと光は弾け、何かを置くような三つのスロットのような台座があるベルトが姿を現した。
[聖剣ソードライバー!]
“っ!”
ユウキはソレを見ると、何故かどうやるのかが脳裏に過ぎり、『火炎剣烈火』を『聖剣ソードライバー』に納めた。
すると、『本』が開き、そこから、『赤い本』が飛び出しユウキは手に取る。
[ワンダーライドブック!]
また声が響き、ユウキは『BraveDragon』と書かれていた『ワンダーライドブック』を開く。
[ブレイブドラゴン! かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた・・・・]
声が後、ワンダーライドブックを閉じて三つのスロットの内、右側に装填した。
すると、ユウキの背後に巨大な『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』が現れる。
そして脇部分に収まっている火炎剣烈火を抜刀する。
[烈火抜刀!]
ーーーーギャォォォォォォォンッ!!
すると、スロットに装填した『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』が開き、それに連動して背後の巨大なブレイブドラゴンワンダーライドブックが開き、赤く身体が長い機械的な龍、『ブレイブドラゴン』が飛び出し雄叫びを上げると、ユウキも叫び声を上げる。
“変身ッ!”
[ブレイブドラゴン!]
『グォォッ!』
✕の字の斬撃を放ち、起き上がったゴーレムメギドに直撃し、吹き飛ばされる。
その間にブレイブドラゴンはユウキの身体を包み込むように回転し、火柱が上がると、ユウキの全身にフルアーマーが装着され、ユウキは自分の中に、『何か』が入ったような感覚がした。
やがて火柱が収まり、先程放たれた斬撃がユウキの仮面へ装着される。
[烈火一冊! 勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!]
『神獣ブレイブドラゴン』の力を宿した、勇気の龍をあしらった赤い右半身を纏った炎の剣士。
『貴様、何者だっ!?』
“・・・・・・・・”
ユウキはゴーレムメギドの問いかけに一瞬黙るが、『ある言葉』が脳裏を過ぎり、それを口にする。
【あんたが、“物語の結末を決めなさいよ”ーーーー『仮面ライダー聖刃‹セイバー›』】
“ーーーー『仮面ライダーセイバー』。物語の結末は、僕が決める!”
『火炎剣烈火』を携えた『仮面ライダーセイバー』が、この世界に降臨した。
この世界に降り立った『剣』と『本』を回収する事、それが騎士くんの使命。