聖刃コネクト!   作:BREAKERZ

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遂に激突!


不自然な世界を包む闇 対決 仮面ライダーカリバー

ーキャルsideー

 

「(あ、アレが・・・・『陛下』の、『聖剣』の鎧・・・・!?)」

 

キャルはボロボロの身体を動かして、『陛下』、ユースティアナが変身した『カリバー』と呼ばれる鎧を見た。

セイバーと似ている箇所があり、紫色のスーツに銀色の装甲を纏って、仮面には騎士のマスクのような装甲を着けた、見るものに畏怖を抱かせるような存在感を放つ姿である。

 

「に、逃げなさい・・・・逃げなさいよ・・・・! アンタじゃ、『陛下』に勝てる訳ない、殺されるわよ・・・・!」

 

キャルは『陛下』に聞こえないようにセイバーに呟くが、火炎剣烈火を構えるのをやめない。

 

「コソコソと何を喋っているの?ーーーーキャル」

 

しかし、カリバーにはキャルの行動は見えていたようで、闇黒剣月闇を振るった瞬間、闇色の斬撃が飛ばされた。

 

“っ!!”

 

セイバーは腰を落とし、足で床を力の限り踏ん張って、闇色の斬撃を火炎剣烈火で受け止めるが、あまりの威力に後ろに吹き飛びそうになる。

 

“〜〜〜〜!!! つぁあっ!!”

 

が、全力で斬撃を玉座の間の壁に弾き飛ばした。

 

ーーーードォォン!

 

斬撃が当たった壁の一部が破壊されるが、カリバーは気にも止めなかった。

 

「あら? 少しはできるようなのね? “今までのアナタの中でも、今のアナタが一番強いわよ”」

 

“・・・・?”

 

セイバーは、カリバーの言葉を訝しそうに聞きながら、仮面越しで眉根を寄せる。

 

「ぁ、ぐ・・・・」

 

“っ、キャルちゃん!”

 

「う、ぐう・・・・」

 

ボロボロになって横になっていたキャルが、身体を襲う激痛に耐えながら立ち上がろうとする。

ソレを見て、カリバーは闇黒剣月闇を下ろして、再び玉座に座り直すと、キャルに向けて声を発する。

 

「ーーーーねぇ、キャル。私はコレから、彼とちょっとお喋りするから・・・・さっさと起きて、お茶でも用意してくれる?」

 

「はい・・・・言う事、聞きます・・・・だからもう、酷い事しないで・・・・」

 

「うん、良い子ね」

 

“・・・・・・・・・・・・”

 

自分で散々キャルを傷つけておいて、そのキャルをこき使う姿に、セイバーは仮面越しからカリバーを睨みつけた。

 

「あら、どうしたの・・・・ユウキくん? 何か、文句でもあるの? 『ペット』を躾けていただけよ〜。非難される謂れはないけど?」

 

セイバーは火炎剣烈火をソードライバーに納刀して変身解除してから、漸く起き上がったキャルの身体を触ると、腰の荷持にある『知り合いの闇医者』から貰った治療道具で手当てしようとする。

 

「ふぇ・・・・? ちょっと、アンタ? 触らないでよっ、痛たたたた!?」

 

「あら、手当てしてあげるのね。優しいわね〜ホントに。吐き気がするぐらい♪」

 

皮肉とも嫌味とも取れるような言葉を吐くカリバーは、変身を解除せず言葉を続ける。

 

「まぁ、そのままで良いから聞きなさい。ユウキくん、アナタには幾つか質問したい事があるのよ。私がお喋りしてる間は、キャルに意地悪するのもやめてあげるし、後ろから攻撃するつもりもないから。その子が大事なら、私を退屈させない事ね。キャルは悲鳴を我慢しなさい、うるさいから」

 

カリバーはそう言うと、玉座に座り、闇黒剣月闇を床に突き立てながら話し始めた。

 

「ーーーーともあれ。ユウキくん、この世界が『造り物』のようだと感じた事はない?」

 

“・・・・?”

 

唐突に出された質問に、ユウキは意味が分からず首を傾げるが、カリバーは言葉を続ける。

 

「平和な時代には不要の筈の武具の店は豊富にあるのに、生活用品を売っているような店は殆どない。食料を生産する為の畑や、当然水道もない。まぁ・・・・その辺は、“私が頑張って補完してあげたんだけど”」

 

カリバーは更に言葉を続ける。

 

「『歴史』や『地理』、『政治システム』、その他諸々に、“不自然な空白”があるわよね・・・・どうしてだと思う?」

 

“(・・・・・・・・そう言えば、『ユニ先輩』も同じ事を言っていたような・・・・)”

 

良く分からない事を言っている。しかし、ユウキは、目の前のカリバーが言っているような、『世界の不自然さ』を説明してくれた『女学院にいる賢者の先輩』も似たような事を言っていた事を思い返していた。

が、カリバーは変身したまま話をする。

 

「『先人達が愚かだった』? こんな子供が考えるような社会で、ううん『世界観』で・・・・どうして滅ばずに、今日までこの世界は存続したのかしら? ねぇ、変だと思った事はない? ただ生活していくだけで不便なのよ、あらゆるものが足りていないわ。魔物についてはやけに詳細なデータが存在するのに、動植物については何となくしか分からなかったりね。『不自然な点』は、枚挙に暇がないわ。治安や経済が悪化してるのも、全部政治家が無能だからだ・・・・みたいに言われてさ。私も、ちょっと困ってるんだけど。責められるべきは、『王族』ではなく『神さま』でしょう。こんな『出来損ないの世界』を作った、『何者』かよ。ねぇ、そうは思わない? 『馬鹿な妄想』、『意味不明な戯言』だって思う?」

 

“・・・・・・・・”

 

ユウキは良く分からないと言わんげに眉根を寄せるのを見て、カリバーは含み笑いを発する。

 

「ふふ。アナタは、記憶を失ってるんだっけ・・・・。それなら、『こう言うものなのかな』って受け入れちゃうかもね。世界中の大半の人間も、疑いを抱いてすらいないわ。そういう風に『調整』されて、『再構築』されているのよ。この『不自然な世界』に、『違和感』を抱いている人間は・・・・私を含めた、ほんの少数だけでしょうね」

 

カリバーは知らないが、ユウキの友人の中にも、『この世界の違和感』に気づいている子も少しいるのだ。

 

「だから、こっちが妄言を吐いてばかりの変人扱いよ。嫌になっちゃうわ、あぁもう苛々する・・・・」

 

『ユニ先輩』も、その事を学会で発表した際、『変人』呼ばわりされていたと言っていた。表面には出していなかったが、内心では、かなり悔しい思いをしていたのではないかとユウキは思った。

 

「アナタは記憶喪失で幸いね、羨ましいぐらいだわ」

 

と、言いながら、カリバーは質問するようにユウキに問いかける。

 

「ともあれ、アナタは、“何処まで覚えてるのかしらね”。記憶はどの程度、どんな理屈で失われて、あの『忌々しい偽善者達と同じ聖剣』を手にし・・・・アナタは今、この世界においてどんな位置づけなのかしら? ソレを、確かめようと思ったんだけどね。だからキャルに命じて、アナタを調べさせたりもしたわ。まぁ、全然成果は出なかったけど」

 

カリバーはやれやれと言わんばかりに肩を落とす。

 

「余計な刺激を与えて、あなたに、“全部思い出されちゃっても困るし”・・・・今度は、“その『聖剣』を持って邪魔されたら面倒だしね”。こうして直接、対話して色々確かめる事にしたの」

 

“・・・・僕達、何処かで会った事がある?”

 

カリバーはまるで、ユウキとは以前からの知り合いのような態度で話すので、ユウキは思わず問いかけてしまった。

 

「あはは。演技で言ってるとしたら大したものだし、冗談だとしたら面白過ぎるけど・・・・覚えてないなら、いいわ。私としても不愉快な、口に出すのも忌々しい思い出だしね」

 

この時、カリバーから不機嫌そうな声色になっているようにも聞こえた。

 

「アナタが何もかも忘れてくれているのなら、コチラとしても願ったり叶ったりよ」

 

すると、カリバーが少し身を乗り出して、ユウキに問いかけ出した。

 

「ねぇ、『レジェンド・オブ・アストルム』って知ってる? 『ミネルヴァ』って、何だか分かる? 『プリンセスナイト』って、単なるギルド名だと思ってる? 『七冠‹セブンクラウンズ›』の名前、全部言える? 寧ろ、『七冠‹セブンクラウンズ›』を名乗る人間と、会った事がある? あの憎らしい妖精・・・・えぇっと、『フィオ』だったかしら。彼女の事は、覚えてる?」

 

矢継ぎ早に質問してくるカリバーに、ユウキは置いていかれそうになるが、妙に引っ掛かりを感じた。

 

“・・・・? 何となく聞き覚えのある単語もあるけど”

 

「あら、キョトンとしてるわね。かぁわいい・・・・そっかぁ、何を言ってるか分からない?」

 

と、ユウキの反応を見て、カリバーは玉座に座り直して、ウンウンと頷いてみせる。

 

「・・・・・・・・ふ、ふふふ。そう・・・・ホントに、ぜぇんぶ忘れちゃったのね。言うのを忘れてたけど。この玉座の間、もとい謁見の間には、『嘘発見器』みたいな魔法を仕込んでるの。アナタが本音で喋っているかどうか、判別出来るって事よ」

 

エラく意地の悪く、腹黒い事である。

 

「だから、アナタが本当に何も分からない、赤ちゃんみたいになっているって事が、確かめられたわ。あぁ、少し安心した。『今回』は、アナタは私の『脅威』になり得ないわね。勿論・・・・何もかも忘れても、アナタはアナタよ。何者でもない、何処にでもいる平凡な男の子の癖に、世界の命運すら左右した、主人公みたいな存在♪」

 

『アメス様』が言っていたのと同じような事を言っていた気がした。

 

「アナタを取るに足らない存在として見過ごした事で、『幾つもの世界線』で私は不覚を取ったわ。反省してるの、余裕ぶっていた私が愚かだったのよ。『晶』や『ミネルヴァ』の助力があったとは言え、アナタ如きに・・・・つまらなくて無価値な男の子に邪魔されて、何もかもこの手に掴めなかったわ」

 

何やら、恨み言を発しているように感じた。仮面越しからでも、僅かな殺気を感じる程に。

 

「だから今回は、不完全ながら、私にとって都合の良い『前提』が構築された、『この世界線』では・・・・」

 

機嫌良さそうだったカリバーだが、すぐに「でも」と付け加えてから、声を若干低くする。

 

「余計な『異物‹イレギュラー›』・・・・『聖剣』とその『仮面の戦士の力』がアナタに集まってきているのは、ね。『不確定要素』と言っても良いわ。また取るに足らないと判断すれば、またアナタに邪魔される可能性が高い」

 

火炎剣烈火を、恐らく水棲剣流水に土豪剣激土に風双剣翠風をも見据えながら、カリバーは呟く。

 

「手を抜かない。万難と異物を排して、私の夢を完璧に叶えてみせるわ。『ミネルヴァ』は、生意気な事に、私の夢が気に食わないみたいで・・・・『恋』だの『友情』だの何だのに現を抜かす、『馬鹿な小娘共』の『願い』を叶えようとしたわ。そんな浅慮で、無能な神さまなんか私には必要ない。私自身が、あの『低脳な偽善者』と『憎たらしいマザコン』よりも優れた『神』となり、この世界の太陽として君臨するわ。後一歩、後一手で・・・・私の夢は叶うのよ」

 

するとカリバーは高笑いをあげるように声を発する。

 

「素晴らしいでしょう、ユウキくん? あはっ、あはははは♪」

 

“・・・・・・・・”

 

ユウキには理解できない。しかし、目の前のこの人の思い通りにしてはならないという事だけは、ソコだけはハッキリと理解した。

すると、カリバーも高笑いをピタッと止めて、ユウキを見据える。

 

「良く分からない、でも私の邪魔はするって顔をしているわね。私の事を、意味不明な事を口走っている、おかしなヤツだって思うかしら? その程度の認識ならば、御愁傷様と言うしかないわね」

 

カリバーは立ち上がると、仮面越しにある顔に爪痕のような紋様が3本走り、片手に闇黒剣月闇を、もう片方の手に自前の剣を携える。

 

「一つ提案なんだけど? アナタの持つ『聖剣』を全て差し出し、私の邪魔をしないでいるのなら、この王宮の特別牢獄に軟禁するだけで済ませてあげるけど? どうかしら?」

 

“ーーーー変身!”

 

[烈火抜刀! ブレイブドラゴン! 烈火一冊! 勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!]

 

返答と言わんばかりに、セイバーに変身したユウキは火炎剣烈火を構える。

 

「そう。『聖剣』は渡さないって事ね。何ともアナタらしいけど・・・・愚かね」

 

カリバーは一瞬闇に呑まれて消えると、セイバーの眼前に現れた。

 

“っ!?”

 

「!」

 

ーーーーガキィィィィン!!

 

“うわっ!?”

 

カリバーの一撃を受けて、セイバーは吹き飛ぶと、謁見の間の扉と玉座の間の間にある一本道の上に落ちた。道の左右は深い穴となっており、落ちればどうなるのか想像するだに恐ろしい。

 

“くっ!”

 

「あらあら、良く耐えられたわね? 私の知るアナタなら、今の一撃で無様に、情けなく転がって、アッサリと簡単に気を失っているところなのに?」

 

カリバーは再び闇に呑まれると、セイバーのいる所に移動した。まるで短距離での空間転移である。

 

「さぁ、少しは楽しませてよね?」

 

“ーーーーハァっ!!”

 

セイバーは火炎剣烈火の刀身に炎を纏わせて、カリバーに向けて振り下ろした。

が、カリバーはその一撃をヒラリと回避した。

 

“っ!?”

 

「あら残、念!」

 

ーーーーザシュンッ!

 

“うぁっ!!”

 

回避したカリバーはカウンターのようにセイバーの胸板に一撃を浴びせた。

 

“〜〜〜〜!! はぁぁぁぁっ!!”

 

ヨロヨロと後退するセイバーだが、ソレでも果敢にカリバーに連撃を繰り出す。

が、しかし・・・・。

 

「フフフフッ・・・・」

 

カリバーは大きなモーションをせずに、ヒラリヒラリと回避し、セイバーの攻撃の隙間を通して闇黒剣月闇の刃をセイバーに浴びせていく。

 

“うあぁぁぁぁっ!!”

 

扉まで吹き飛ばされ、扉をブチ破る勢いでぶつかったセイバー。しかし、扉はまるで強固なコーティングでもされているかのように、無傷であった。

 

“くっ・・・・うぅっ・・・・!”

 

ズルズルと床に落ちて、ヨロヨロと起き上がって火炎剣烈火を構えるセイバーは、悠然とコチラに向かってくるカリバーを見据えて、以前戦ったクリスティーナのように、『攻撃が当たらない感覚』を感じたが、クリスティーナとは違うと感じた。

確かに、“攻撃が当たらない”、という点は似通っているが、クリスティーナの場合は、『見えない壁に受け流されて攻撃が当たらないでいる』、と言った感じだが、目の前のカリバーは『攻撃を完全に回避している』のである。まるでコチラの動きを全て見切っているかのように。

しかし、セイバーがカリバーと戦ったのは今日コレが始めてである。友人の『侍の姐さん』のような達人レベルでもなければ、コチラの攻撃を初見で見切る等ほぼ不可能な筈・・・・。

 

「あら? 考え事をしているなんて随分と余裕ね?」

 

“っ!!”

 

思考に耽っていたセイバーがハッと目を向けると、闇黒剣月闇を振り上げていたカリバーが、剣を振り下ろした。

 

ーーーーガキィィィィンン!!

 

が、火炎剣烈火がセイバーの意志と関係なく動き出し、その刃を受け止め、刃と刃がぶつかり合い、激しい火花を散らした。

 

“くぅっ・・・・うぅっ・・・・!”

 

「アナタにしては反応が良過ぎる。・・・・成る程。その『炎の聖剣』が守ってくれていたのね? 他の『聖剣』も試してみる?」

 

明らかにコチラを挑発しているような口ぶり。しかし、セイバーは、水勢剣流水も、土豪剣激土も、風双剣翠風も使おうとは思えなかった。

何故かは分からない。しかし、この『聖剣』、闇黒剣月闇を見ると、他の『聖剣』を使ってはいけない、と直感してしまった。

 

“挑発には・・・・乗らない!!”

 

「っ!」

 

セイバーはカリバーの刃を押し出して離れると、腹部に蹴りをお見舞いしてさらに後退させた。

 

「ぐっ・・・・! やってくれるわね・・・・!」

 

思わぬ攻撃を受けたカリバーが、弱冠苛立ちを混じえて、『ジャアクドラゴンワンダーライドブック』を闇黒剣月闇にスキャンさせる。

その瞬間、闇黒剣月闇から再び、漆黒の闇が溢れ出し、謁見の間を覆い尽くそうとする。

 

“っ!(このままじゃ・・・・一か八か!!)”

 

すると、セイバーは火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに納刀し、ライドブックホンダナーから『二冊の赤いワンダーライドブック』を取り出し、聖剣ソードライバーに装填して抜刀すると、炎が溢れ出て謁見の間は、セイバーの炎とカリバーの闇によって半分となり、せめぎ合っていた。

 

[烈火抜刀! 烈火三冊!]

 

[月闇必殺撃!]

 

“はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!”

 

「・・・・・・・・っ!!」

 

炎の中からセイバーが、闇の中からカリバーが飛び出し、二人の聖剣がぶつかり合ったーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

“ーーーーくっ・・・・うぅっ・・・・!”

 

変身が解除され、衣服の所々が焼け、身体もボロボロになってしまったユウキは、火炎剣烈火を杖のようにし、片膝をついた状態で、再び玉座に座るユースティアナを見上げる。

 

「・・・・少しは楽しめると思ったけど、殆ど自爆で終わったわね? 『三冊』も使うには、アナタはまだまだ未熟だったのよ」

 

ユースティアナは闇黒剣月闇を傍らに置き、元々持っている金の剣を持った。

 

「バイバイ♪ アナタはここで、『ゲームオーバー』みたい♪」

 

そして、剣の刀身にある文字が光り輝き、ユウキの足元に突き立てると、ユウキの足元に魔法陣が展開され、輝きが増していった。

 

ーーーードクンッ!

 

“ぐっ・・・・!”

 

「ぁ・・・・あっ!」

 

ユウキが痛みを感じ、キャルがユウキに向けて、ヨロヨロと手を伸ばそうとした。

が、魔法陣の力場によって阻まれた。

 

「うふっ」

 

「ぁ・・・・あぁ・・・・!」

 

“あっーーーー”

 

ユースティアナから笑い声が聞こえ、キャルが必死に手を伸ばそうとし、ユウキがキャルの方に振り向いた瞬間、ユウキの身体が光に包まれーーーー消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

ーユースティアナsideー

 

「4本の『聖剣』はちょっと勿体なかったけど。仕方ないわね」

 

「ぅっ・・・・うぅっ・・・・」

 

ユースティアナは肩を竦めるが、キャルは静かに涙を流すだけであった。鬱陶しいと思ったユースティアナは、再びキャルに『お仕置き』をしようかと剣を動かそうとしたーーーーその瞬間。

 

「(ズキッ)ぐぅっ・・・・!? こ、コレは・・・・!?」

 

右手に鋭い痛みが走り、何事かと目を向けると、右手から少し血が流れ、剣を伝って床に、ポタッポタッ、と滴り落ちており、袖を捲ってみると、右腕に浅いが斬られた傷があった。

どうやら、最後のぶつかり合いで、〈仮面ライダーセイバー〉に、ユウキに負わされたのであろう。

 

「・・・・まさか、傷を付けたというの・・・・!? この私に・・・・!?」

 

ユースティアナは目を見開いた。自分の『権能』を使って、“全て分かっていた筈なのに”、あの少年はソレを超えて、自分に傷を負わせたと言う事なのだ。

 

「・・・・何処までも、私を不快にさせてくれるわね・・・・ユウキくん・・・!!」

 

ユースティアナは『因縁にして最大の宿敵』の名を、心の底から忌々しそうに呟くが、ソレはキャルの耳には届かなかった。




さぁ、〈仮面ライダーセイバー〉ことユウキの行方は!? 次回、彼も出てきます。
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