ー???sideー
「皆さん、ボンヌ・レクチュール! 僕は『タッセル』。突然ですが、『本』って本っ当に凄いですよね!」
突然現れたのは、蓄えられた立派な口髭を持ち、緑色のロングヘアーにピンクのハット、赤や黒で彩られて銀の肩当てのあるジャケットをピンクのスーツの上から羽織り、その左肩には鳥の巣が乗った木の飾りを乗せていて、ファンシーな傘を差すと言う、何とも独特過ぎる格好の人物が、〈ランドソル〉から離れた『オラル高山』のてっぺんに置かれた椅子に座っていた。
「『本』は、知らない知識や、未知の体験がなんっでも書かれているんです!」
すると、『タッセル』と名乗った人物は、同じく置かれたテーブルに置かれた何冊かの本から一冊を取り出してページを開くと、仮面ライダーセイバーと仮面ライダーカリバーが刃をぶつけている場面が出てくる。『しかけ本』であろう。
「僕は今、仮面ライダーセイバーこと、ユウキくんの活躍に大注目中〜! 『この世界の最大の悪役である人物』と遭遇した彼は、『闇黒剣月闇』を以て『闇の剣士 仮面ライダーカリバー』となったその人物と戦った。しかぁし! 持てる力以上の力を使っても、その人物に圧倒的な敗北を喫してしまった! そして彼は、今何処に行ったのーーーーおや、あんな所にいたね!」
『タッセル』の視線の先に、空から落下しているユウキの姿が見えた。
「さて、助けるのはお腹ペコペコのペコリーヌちゃんに任せよう。あまり長居し過ぎると、『彼女』に見つけられちゃうからね。ーーーーコレからの活躍、楽しませてもらうよ。『聖剣に選ばれし者』、ユウキくん」
そう言って『タッセル』は、ユウキの落下地点の近くにいるペコリーヌとクリスティーナ。そして、コレからやってくる『存在』を警戒して、その場からシュンッと消えてしまった。
ーユウキsideー
“っ!”
仮面ライダーカリバーこと、『陛下』と呼ばれていた人物に完膚なく敗北をしたユウキは、その人物の怪しい輝きに包まれ、一瞬意識を失った。
そして、ハッと目を見開くと・・・・景色が切り替わっていた。山々が真下に見え、高い夜空の真ん中にいたのだ。満身創痍のユウキは重力に引かれて、自由落下していく。
ーペコリーヌsideー
「「んん??」」
一時休戦したペコリーヌとクリスティーナは、空から落下しているユウキの姿を見つけた。
「お~い! どうして空から落ちてくるんですかぁ〜?」
ペコリーヌが呑気に大声を上げるが、ユウキの落下は止まらなかった。
「アナタはいつでも予想外の事をしますねぇ〜!!って、呑気に呼びかけてる場合じゃないですね!ーーーーっ」
ペコリーヌは『王家の装備』を発動させると、凄まじいダッシュでユウキの元へと向かった。その時に発生した土煙にクリスティーナが呑まれたのは割愛する。
「あんな高さから落ちて地面に叩きつけられたら、ペチャンコになっちゃいます! アナタは『聖剣』を使わないと『ひ弱』ですから!」
と、中々失礼な事を口走りながらも、丘とかを飛び越えながらユウキの落下地点へと急ぐペコリーヌだが、ユウキの落下速度の方が速かった。
「『王家の装備』を最大出力で!!」
ペコリーヌの身体が更に光り輝くと、落下寸前だったユウキに、滑り込みながら手を伸ばしたーーーー。
ーーーーズシィィィィンン!!
土煙が一瞬舞うがすぐに風が吹き抜けて吹き飛ばすと、ペコリーヌがユウキを受け止めていた。・・・・お姫様抱っこで。
「キャッチ! えへへ〜、スッゴイ衝撃! はぅぅ〜お腹が空いちゃいます〜」
そう言って、ペコリーヌはユウキと共に笑い合っていた。
「えへへ。大丈夫ですか、ユウキくん? 怪我はありませんか? って、よく見ると怪我していますね」
“・・・・大丈夫。知り合いの『お医者さん(闇)』から、傷によく効くポーションとか貰ってるから”
どんな副作用があるかは分からないのだが。ポーションがあるから大丈夫と伝える。
「そうなんですか。良かったてす。ふふ。ごめんなさいね、お姫様抱っこしちゃって、これじゃあ、立場が逆ですよね〜。んもう、アナタは放っておけない子ですね♪」
と、ペコリーヌがこう言うと、文句があるようにキンキン鳴る『聖剣』達が大人しくしているのを見て、どうやら同意しているように思えた。
「よしよし♪ 無事で何よりです。あはは、どうしたんですか震えちゃって?」
“え・・・・?”
ペコリーヌに指摘されて、ユウキは身体が震えているのを自覚した。
空高い所から落ちたから?
危うく死にそうだったから?
否、カリバーの姿が頭をよぎった時に自覚した。自分は本当に殺されそうになった。ソレを回避する事ができて、九死に一生を得たような感覚に、恐怖が今更になって蘇ったのだ。
“(・・・・・・・・僕は、あの人に会った事が、ある?)”
ユウキに記憶は無いが、身体が、魂が、あの『陛下』と呼ばれた人物を記憶しているように感じたのだ。
そんなユウキの心境に気づかず、ペコリーヌはカラカラと笑う。
「怖かったんですか? ですよね~、あんなに高い所から落ちたんですから♪ 良いんですよ、私にあんな甘えて下さいね。男の子だって、いつも格好つけてたら疲れちゃいます。たまには気を抜いて、怖がったり泣いたりして下さい。私が慰めて、励ましてあげますからね。い〜こ、い〜こ・・・・♪」
ペコリーヌがユウキの頭を撫でる。
「安心したら、元気を出して・・・・いつか、アナタが私を助けて下さいね。お姫様に守られてばっかりの、『王子様』なんて、やっぱり、ちょっと格好悪いですからね」
“(『王子様』・・・・?)”
「ーーーー仲良しで何よりだけどね・・・・油断するな。誰かが、コッチに近づいてくるぞ」
すると、憮然とした調子でクリスティーナがやってきて、誰かが近づいている事を伝えた。
“クリスティーナさん?”
「久しいなボウヤ。どうしたんだその姿は? 強くなる為に傷物になるのも悪くないが、私と再戦する前にボロボロになってくれるなよ?」
「油断はしてませんよ〜。アナタみたいな危険人物が、側にいるんですから」
ユウキはクリスティーナがここにいる事に目を少し見開き、ペコリーヌは中々失礼な事を口走るが、クリスティーナはフッと笑みを浮かべる。
「ソレは重畳。アレは誰だ、【ラビリンス】の秘密基地から出てきたようだが。う~む、何処かで会った事があるような?」
ユウキとペコリーヌは、クリスティーナの視線の先に目をやるとソコにはーーーー。
「むっ、止まれ『ラジラジ』! ソコに誰かいるぞっ、警戒しろ!」
「はい。止まれと言うなら、止まりましょう。今は、アナタの指示に従うつもりです」
【ラビリンス】のシズルとリノに連れて行かれたムイミと、豪奢なショルダーアーマーを付けたマントで首から下を覆った男性がいた。その男性、ノウェムが『ラジラジ』と呼んだ人物はコチラをまっすぐに見据えていた。
「・・・・気を付けて下さい、ノウェム。異様な気配がします。野の、獣のような」
ラジラジがそう言いながら、ムイミを自分の背に隠すと、クリスティーナが意気揚々と前に出てくる。
「獣とは、随分な言い草だな。こんな美人を、掴まえて・・・・貴様は、えぇっと誰だったか? ど忘れしたな、記憶力には自信があるつもりだったが」
「ふむ。アナタ、私をご存知なのですか? すみません、私は記憶が混乱しているので・・・・ノウェム、アナタは彼女らと顔見知りですか?」
「ふぇ? あぁっ、クリスティーナ! オマエ、何でここにっ!?」
ラジラジが聞くと、ラジラジの背中からヒョコッと顔を出したムイミは、クリスティーナを指差してそう言った。
「・・・・む? 貴様、私の事を知っているのか? 私も、有名になったものだな?」
「あぁ、その様子だと・・・・オマエも、アタシの事は覚えてないのか?」
「ふむ? 申し訳ないが、ちょっと記憶に無いな? 何処かで会ったかな、お嬢ちゃん?」
クリスティーナの返答に、ムイミは少し落胆したように小さく息を吐いた。
「そっか・・・・いや、覚えてないなら良い。良くはないけど、今は色々説明している暇はないな?」
するとムイミは、ユウキの存在に気付いたように目を向けた。
「! ユウキ! ユウキもいるなっ、どういう面子だコレはっ!?」
“無事だったんだね、ムイミちゃん”
「あはは、『ムイミ』呼ばわりには慣れたけど、『ちゃん付け』には馴染まないな、ムズムズする!」
そう言いながら、ムイミは自分より背丈のあるユウキを下から眺めるように見る。
「オマエ、そんなキャラだったか? な〜んか幼児っぽくなった気がする。記憶喪失のせいか? まぁ良いけど! 何はともあれ、良かった〜! ユウキ、無事だったんだな・・・・♪」
“ムイミちゃんもね”
「ああ。お互い最後に見た時は滅茶苦茶な状況だったから、ちょっと心配してたんだぞ〜?」
“こっちも心配してた”
「そっか。うん、そうだろうな。お前は優しいヤツだから」
ムイミはユウキの言葉に頷くと、ラジラジの元に戻る。
「でも心配無用たぞ・・・・アタシ、【ラビリンス】とか言う連中の隠れ処に囚われてたんだけど。今、このラジラジに助けてもらったところだから♪」
「ノウェム。少し静かに。・・・・真上をご覧ください、何か『危険なもの』がものがいます」
紹介されたラジラジは上空を見て目を細めていた。
ーーーーキィィィィン・・・・!
“っ!!”
ラジラジの言葉と共に、剣と一体となった『聖剣』が鳴ると、ユウキも、その場にいる一同もバッと真上を見るとソコにはーーーー。
「・・・・・・・・・・・・」
青い月をバックに、背中に勾玉を幾つも並んだ光背を背に持ったーーーーユースティアナであった。
「・・・・・・・・!!」
ユースティアナはそのトーゴクのような衣装から、漆黒の大きなマントを腰に巻き、周りには刺々しいトゲのベールが浮き、頭にはコレまた漆黒の冠が被った禍々しい姿へと変貌した。
「アレは・・・・『陛下』、か? 何故、王宮の外に? あの禍々しい格好は、何だ?」
「あの人は・・・・!?」
クリスティーナとペコリーヌは、突然現れたユースティアナに目を見開く。
「ふふふ。『誓約女君‹レジーナゲッシュ›』クリスティーナだけでなく、『跳躍王‹キングリープ›』『ラジニカーント』までいるのね」
ユースティアナはクリスティーナと『ラジニカーント』、恐らくラジラジの事を指してそう言う。
「『晶』も近場にいる筈だから、私も含めて『七冠‹セブンクラウンズ›』だらけね。ソレにノウェムに、ユウキくん・・・・あぁ同窓会でもしている気分よ、懐かしい顔ばかりね。自分で仕組んだ事だけど、良くコレだけ集まったものだわ」
ユースティアナは歪んだ笑みを浮かべたまま、ユウキ達を見下ろしながら会釈する。
「ふふ。ご機嫌よう、皆さん。私はユースティアナ、この世界の王者よ」
その言葉を聞いて、顔を顰める人間がいた。ペコリーヌだ。
「ユースティアナ? ぬけぬけとっ、ここで会ったが100年目です! 返してくださいっ、“私の全部を”・・・・!」
「あら、うふ。アナタ、何でここにいるの?」
『王家の装備』を発動させたペコリーヌを、今気づいたと言わんばかりに、否、本当に今ペコリーヌの存在に気づいたユースティアナが目を向けた。
「アナタの優先度は低いのよ、『お姫さま』・・・・。まぁ目障りではあるし、ついでに始末しちゃおうかしら? 余計な抵抗をされたら面倒だし、先に伝えておくけど。この周辺の山々には、王国中から掻き集めた魔法使い達が待機してるわ。彼らに『結界』を敷かせたから、もう誰にも逃げられない。『跳躍王‹キングリープ›』も、万全じゃないみたいだしね・・・・私も妨害するから、『結界』を突破できない筈よ」
ユウキがこの場に転移してまだ10分も経っていないのに、異様な程に準備が良い。まるで全て計画していた、否、本当に全て計画していたのではないかと、ユウキは感じた。
「ここは『蜘蛛の巣』、いいえ『蟻地獄』・・・・ううん、墓場だわ。アナタ達は、ここで仲良く死ぬのよ。私が蓄えた莫大な魔力を消費して、戦略級の攻撃魔法を解き放つわ・・・・♪」
良く何を言ってるのか分からないと言いたげな一同の顔を見ると、ユースティアナは、やれやれと肩をすくめて説明する。
「この表現じゃアナタ達には伝わらないだろうけど、まぁ『核兵器』ぐらいの威力はあるのよ。アナタ達は、肉片も残さず消滅して死ぬ事になるわね。私の『覇道』を邪魔しかねない目障りな連中を、まとめてお掃除するの・・・・あぁ予定通りに物事が進むと、気分が良いわね。念仏ぐらい唱えてあげたいけど。私、『神道』が専門だから。『この世界』の宗教については、全然知らないし」
「知ってても唱える気が無さそうな癖に、いけしゃあしゃあと言うよ・・・・」
ムイミが、警戒しながらユースティアナに目を向けてボソッと小さな声で呟いたのをユウキは聞こえた。
すると、僅かに怒りに顔を染めたクリスティーナが前に出て、ユースティアナに話しかける。
「何の話だ? どうやら私も含めた、この場の全員を皆殺しにするつもりのようだが・・・・。その為に、私をこの地に派遣したのか? この死地に誘い込み、ついでに始末する為に?」
その声色には、明らかに怒気が混ざっていた。
「陛下・・・・いいやユースティアナよ、事情を説明してもらおうか。愉快だったら拍手しよう。つまらなかったら、殺してやる」
「殺す? 無理よ、ただの人間でしかないアナタ達には・・・・『神』は、殺せないわ」
剣を構え出したクリスティーナ。しかし、ユースティアナは鼻で笑うが、一瞬だけユウキの方に、もっと詳しく言えば、ユウキが構えようとしている『聖剣』に目を向けた。
「(・・・・まぁ、約一人『例外』が存在するけど、『開花』する前の今の内に、確実に始末した方が良いわね)」
ユースティアナはそう考えると、再び声を発する。
「私は、この素晴らしい『新世界』の神として君臨する。その為には、アナタ達が目障りなのよ。一網打尽にしてあげる。『七冠‹セブンクラウンズ›』を半数ほど、ついでに世界の謎に迫る【ラビリンス】と・・・・オマケに、『お姫さま』も消せる」
そしてユウキに目を向ける。
「アナタにも聞くべき事は聞いたし、もう用済み。どうせ魔法を放っ為に、この場に瞬間移動する必要があったしね・・・・一緒に、運んであげたわ」
“!!”
[火炎剣烈火!]
ユウキは『ポーション』を飲み込んで、身体を回復させると、火炎剣烈火を取り出して、『聖剣ソードライバー』を巻く。
「あぁ、清々するわね。コレで私の『計画』も、次の段階に進められる」
と、ユースティアナが勝利を確信したかのように声をあげたその瞬間ーーーー。
「ーーーーその『計画』って、何なわけ? アタシにも教えてよ、気になるね〜♪」
突如、この場に相応しくない明るい声が響き、一同がその声の主に目を向けると・・・・真っ赤な女性が立っていた。
『赤』。突如現れたその女性を言い表すと、その言葉しか思い浮かばない。 髪も服装も、赤にコーディネートされ、服から見える肌は白く、眼鏡をかけたその貌の瞳は青い、二十代半ばくらいの女性であった。
その手には、見た事のない魔法陣のようなものが展開されている。
「あら、漸くお出ましね。『晶』・・・・ううん今は【ラビリンス】の首魁、『ラビリスタ』って名乗ってるんだっけ?」
『ラビリスタ』と呼んだユースティアナの顔には、先程までの余裕綽々な様子が少し薄れ、警戒の色が出てきたように見えた。
「うん。頑張って造った秘密基地を、グチャグチャにしてくれたね〜。軍隊を送り込んでくるんだもん、ビックリしちゃったよ。あぁ、死ぬかと思った」
明るく気さくだが、慇懃無礼な態度と、何やら独特の凄みを纏った女性が、やれやれと肩をすくめてそう言った。
「でもまぁ・・・・『オブジェクトの変更』はアタシの『お家芸』だし、『抜け穴』ぐらい用意していたからね。シズルちゃん達も、まぁ運が良ければ逃げ切れるでしょ」
「アナタも逃げるべきだったわ。でも状況が気になって、見に来ちゃったのね。相変わらず、知的好奇心には勝てないのね。ソレが、アナタの『最大の欠点』よ」
「ん〜お友達みたいに話しかけられてるけど・・・・アンタ、誰だっけ? ゴメンね〜忘れちゃった! アタシ、顔とか覚えるのは得意な筈なんだけどな〜♪ アタシ、人間が大好きだからね」
『ラビリスタ』と呼ばれた女性は、困った顔をしてユースティアナに問いかけた。ソレを見てユースティアナは、値踏みするかのように見る。
「ふぅん・・・・『その点』だけは、ううん何もかも、アナタとは意見が一致した例がしないわね。まぁ良いわ、お喋りはここまでよ。皆、まとめて消滅しなさい。私の『素晴らしい新世界』における登場人物は、私だけで良いのよ。全員、ココでゲームオーバーにしてあげる・・・・♪」
ユースティアナは顔を歪ませながらそう言うが、『ラビリスタ』は全く怯まずに応じた。
「人生をいつ終わりにするかは、他人に決められるべきじゃないよ。さぁ、どうしよっか。このままアホみたいに口を開けて待ってたら、皆殺しにされるよ。急に出てきてお前誰だよって感じだろうけど、ここは協力しない? 全員が力を合わせれば、生き残る事ぐらいはできそうだし」
そう言って、ユウキ達に、と言うよりもユウキに目を向けた。
「因みに、アタシはまだ死にたくない。大事な『預かり物』をしてるから。ソコの少年・・・・ユウキくんに、『渡した物』があるんだよね」
“僕に? どういう事?”
「まぁ、ソレはこの場を切り抜けてから・・・・自己紹介も何もかも後回しにして、先ずはこの場を生き延びないとね〜?・・・・あぁもう、人生はいつだって大変♪」
そう言う割には、何やら楽しんでいそうな『ラビリスタ』に、一瞬呆れそうになる一同だが、改めてユースティアナを方を見上げた。
「ーーーーふふっ」
ユースティアナは持っていた剣をユウキ達に向けると、膨大な魔力を剣先に集中させる。
ーーーーザワザワザワザワザワザワ・・・・!!
その魔力の波動に、大気が揺れ、風が吹き、花や木々がざわめき出す。
“・・・・っ!”
危険だと思ったユウキは、すぐに火炎剣烈火を召喚しようとするが反応がない。否、火炎剣烈火はソコにあるがーーーーまるで眠っているような感じがする。 恐らく、ユースティアナ、〈仮面ライダーカリバー〉との戦いで力をかなり消費してしまったからかも知れない。
ユウキは火炎剣烈火に代わって、水棲剣流水を召喚した。 が・・・・。
「フッ」
ユースティアナが放った赤黒い極光の魔法が放たれ、ユウキも、ペコリーヌも、ムイミも、ラジラジも、クリスティーナも、そして『ラビリスタ』も、その光に呑み込まれた。 そして・・・・。
ーーーーチュドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンッッッ!!!!
その魔法はユウキ達のいた山を貫通し、周りの山々を抉ると、キノコ型の大爆発を引き起こした・・・・。
九死に一生を得たようにユウキは、再び絶対絶命に。