聖刃コネクト!   作:BREAKERZ

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今回、セイバー本編に出てないフォームと、勝手に必殺技を作りました。
それと、あの聖剣についての情報が。


暗闇に呑まれる絆 希望を掴む為の撤退

ーペコリーヌsideー

 

ーーーー後少し、もう少しでキャルに手が届く。あの仮面さえ破壊すればキャルは戻ってくる。ムイミ達がオクトーと何やら言い合っているが関係無い。キャルを取り戻す。

そんな盲目的な考えで突き進んできたペコリーヌが、漸くキャルに近づく。

 

「・・・・!」

 

「キャルちゃん!」

 

「・・・・・・・・ここまで接近されるとは予想外ですが、アタシは国王陛下の『代理人』です、あまり侮らないで欲しいですね」

 

ペコリーヌの呼び掛けに応えず、キャルは杖を持ち、突き出した掌に魔法陣を展開させる。

 

「死になさい、賊徒。アタシの魔法で消し炭にしてやりましょう」

 

そして、キャルはペコリーヌに向けて攻撃魔法を放つが寸前でペコリーヌは回避した。

 

「ぐっ・・・・!? キャルちゃん、お願いだから正気に戻ってください!」

 

「むっ、この距離で躱しますか? ですが、全ては避けきれませんよ・・・・!」

 

キャルが上空に飛ぶと、頭上に幾つもの雷の玉『サンダーボール』を生成し、ペコリーヌに向けて放つ。

 

「っ!」

 

ペコリーヌはその攻撃を走りながら回避する。

 

「死ね、反逆者共! 国王陛下の威光に平伏しなさい!!」

 

「あっ!ーーーーうぁっ!!」

 

後ろで『サンダーボール』が着弾した衝撃波で、ペコリーヌは宙に放り上げられると、その腹部に雷の玉が当たり地面に転がる。

 

「(くぅぅぅぅ・・・・! ヤバいですね、思いっきり被弾しました・・・・! お腹、痛い・・・・!!)」

 

魔力弾が当たったお腹を両手で抑えるペコリーヌ。

 

「(ーーーーでも!)」

 

ペコリーヌは痛みに堪えて、『王家の装備』を手に取る。

 

「(お腹が破けても良い・・・・!)」

 

キャルは上空で杖の先端に魔力を収束している。

 

「(ご飯が食べられなくなっても良い・・・・!)」

 

ヨロヨロになった身体を無理矢理起こす。

 

「(キャルちゃんが、元に戻るなら・・・・! また、笑い会える日が来るなら・・・・!)」

 

顔を起こし、キャルを真っ直ぐに見据えた。

 

「(何があっても、後悔しません・・・・!!)」

 

「ふんっ!!ーーーーむんっ!!」

 

ペコリーヌに構わず、キャルが大きな『サンダーボール』を生み出し、ペコリーヌに向けて放った。

 

「っ!!」

 

ーーーードォオオオオオオオオオオオン!!

 

ペコリーヌは剣を盾にして、『サンダーボール』を受け止めると、大きな爆煙で土煙が巻き起こった。

そして・・・・。

 

「ーーーーキャルちゃんっ!!!」

 

土煙の中からペコリーヌが飛び出し、キャルにしがみついた。

 

「アタシに触れるなぁ!!」

 

「この仮面が・・・・!!」

 

ペコリーヌはキャルと揉み合いながら落下しつつ、キャルの仮面に手を伸ばし、指先で仮面を弾き飛ばした。

 

「うぁっ・・・・!!」

 

そして2人は、地面に落下し、すぐ側に仮面が落ちた。

 

「・・・・っ、うぅっ・・・・!」

 

ペコリーヌが目を覚ますと、倒れているキャルが起き上がる姿が瞳に映った。

 

「っ、キャルちゃん!!」

 

思わず飛び出したペコリーヌがキャルに抱き着く。

 

「私です! 分かりますか!?」

 

「・・・・ペコ、リーヌ・・・・」

 

「〜〜〜〜っ! 良かったぁ「またの名を、ユースティアナ・フォン・アストライア」っっ!!??」

 

元に戻ったと思ったペコリーヌは目に涙を浮かべるが、顔を上げたキャルのその目には何の光も宿っておらず、息を詰まらせるペコリーヌに、キャルは死刑宣告のように告げる。

 

「陛下の名を語る不届き者ーーーー消えなさい」

 

ーーーードォオオオオオオオオオオオオンン!!!

 

「きゃああああああああああああああああっっ!!!」

 

キャルはペコリーヌの腹部に杖を突き立て、『アビスバースト』を放った。

 

 

 

 

 

ーエスパーダsideー

 

“っ! ペコさん! キャルちゃん!”

 

エスパーダは急いで2人の元に駆け出す。

 

“クリスティーナさん! コッコロちゃんと【リトルリリカル】の皆を頼みます!”

 

「長くは保たんぞ、急げよ坊や!」

 

全身に雷を纏ったエスパーダが雷速で駆け出し、魔物や騎士団を薙ぎ払いながら進むと、倒れているペコリーヌを冷酷な瞳で見下ろすキャルの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

ーペコリーヌsideー

 

「・・・・キャル、ちゃん・・・・」

 

「・・・・残念でしたね。何のつもりかは分かりませんが、この仮面は単なる『魔力の増幅器』ですよ? 例え取り外されても、私自身の魔力で攻撃魔法位なら放てます」

 

「そ、そん、な・・・・」

 

今にも意識を失いそうになっているペコリーヌを冷酷に見下ろすキャル。

 

“ーーーーペコさん!!”

 

すると、ペコリーヌの元に向かってくるエスパーダの姿があった。

 

「ユウ、キ、くん・・・・」

 

「ユウキ。陛下が望んでいる『聖剣』を複数も所持している最重要人物。丁度良かった。貴方の『聖剣』も回収しましょう。この・・・・陛下から賜った『聖剣』で!!」

 

キャルに1人の騎士が近づき、1本の剣を恭しく手渡した。

 

「そ、その、剣は・・・・!?」

 

ペコリーヌは目を疑った。何故ならソレはーーーー。

 

[暗黒剣月闇!]

 

ーーーー『ユースティアナ』が所持している『闇の聖剣 暗黒剣月闇』であった。

キャルの腰に『邪険カリバードライバー』が装備され、『ジャアクドラゴンワンダーライドブック』を取り出して開く。

 

[ジャアクドラゴン! かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった一体の神獣であった]

 

ーーーーギャァァァァァァァァッ!!]

 

[ジャアクリード!]

 

キャルは『ジャアクドラゴン』を月闇に読み込ませると、ドライバーに『ジャアクドラゴン』を装填する。

 

「ーーーー変身!」

 

“ふっ!!”

 

[闇黒剣月闇! Get go(月光!) under conquer(暗黒!) than get keen.(斬撃!) ジャアクドラゴン!月闇翻訳! 光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!]

 

キャルが闇の斬撃をエスパーダに向かって放つと、エスパーダはその斬撃を受け止めて弾き飛ばすが、キャルの身体が暗闇に呑まれ、戻ってきた斬撃を受け取ると、暗闇が晴れてソコに現れたのは・・・・。

 

「ーーーーはぁっ!」

 

ーーーー〈仮面ライダーカリバー〉であった。

 

「仮面ライダーカリバー。陛下に仇なす逆賊め、闇に呑まれろ!」

 

“キャルちゃん!”

 

「この男は私が相手をします。オクトー、その反逆者を王宮の地下監獄へ運びなさい」

 

「了解〜。よっと! うっわ、この子意外と重いなぁ〜」

 

いつの間にかやって来たオクトーがペコリーヌの両脇に手を掛けて持ち上げる。

 

「キャルちゃん・・・・キャルちゃん・・・・!」

 

ペコリーヌは薄れゆく意識の中でキャルの名を呼ぶが、キャル、カリバーはペコリーヌに一瞥もくれず、エスパーダに目を向けていた。

 

“くっ! 『激土』! 『翠風』! ペコさんをお願い!”

 

エスパーダが呼び出すと、黄雷から『土の聖剣 土豪剣激土』と『風の聖剣 風双剣翠風』を召喚し空中に浮遊させる。

 

ーーーーキィィィィン・・・・。

 

“文句言わないでお願い!”

 

「はぁっ!!」

 

“くぅぅぅぅ!!”

 

何やら不満そうな音を鳴らす2振りの聖剣に、エスパーダは頼むと、カリバーが月闇の刃をスパーダに向けて振り下ろし、ソレを受け止め鍔迫り合いになる。

 

「あれあれ〜? もしかして君、“聖剣に嫌われているんじゃないの”〜?」

 

「っ!」

 

オクトーが軽い口調でペコリーヌに囁くと、ペコリーヌは息を詰まらせ、以前【美食殿】の『ギルドハウス』の副管理人である『聖剣の人物』に言われた事を思い返した。

 

【ーーーー自分の身の程を弁えず、自分の力を自分の実力だと思い込んでいる未熟者に、聖剣は力を貸さない】

 

「そ、そんな、事、は・・・・」

 

否定しようとしているペコリーヌの元に、エスパーダに説得された激土と翠風が飛んでくる。

 

「うわぁっ!!」

 

「ーーーーフンッ!!」

 

オクトーが悲鳴を上げ、カリバーがエスパーダとの鍔迫り合いから離れると、黒い闇に呑まれてその姿を消し、オクトーと2振りの聖剣の間にカリバーが現れ、月闇の刀身に闇のエネルギーを纏い、激土と翠風にその剣を振り下ろした。

 

ーーーーギュゥゥゥゥンン・・・・。

 

ーーーーカタッ・・・・カタッ・・・・。

 

“っ! 激土! 翠風!”

 

2振りの聖剣が地面に落ち、エスパーダが呼び掛けるが一向に反応が無かった。まるで・・・・『火炎剣烈火』のように。

 

「教えてあげましょう。この『闇の聖剣 暗黒剣月闇』には、『他の聖剣を封印する能力』があるんですよ」

 

“っ! まさか!!”

 

【そう言えば・・・・あの『大規模破壊魔法』が放たれた際、『ユースティアナ』が持っていた『闇の聖剣』から光を放たれ、ソレが『炎の聖剣』に当たっていたと記憶しておりましたが。ソレが原因でしょうか?】

 

先程のラジラジの話を思い返し、エスパーダは烈火はあの時、『ユースティアナ』の持っていた月闇によって、烈火も封印されてしまったのだと考えた。

 

「ふふふっ、ありがとうペコリーヌ。『足手まとい』の貴方のお陰で、聖剣を2つも手に入った。陛下もお喜びになるわ。本当に、ありがとう」

 

カリバーが冷笑を交え、嘲弄するようにペコリーヌにそう言うと、騎士団が激土と翠風を回収してしまった。

 

「あぁ・・・・そ、そん、な・・・・!」

 

ペコリーヌは、自分の迂闊な行動で皆を不利な状況にし、更には敵側に聖剣を2つも奪われてしまった事を自覚すると、ソコで遂に意識が闇に沈んだ。

 

 

 

 

 

 

 

ーエスパーダsideー

 

“ペコさん!”

 

エスパーダがペコリーヌの元に駆け出そうと地面を踏むが、カリバーが闇に呑まれて短距離の『空間跳躍』で現れ、妨害する。

 

“キャルちゃん!?”

 

「ーーーー陛下はアナタの所持する『聖剣』を所望しています。早く渡しなさい!」

 

カリバーが月闇を振り回し、エスパーダはソレを回避する。

 

“キャルちゃん! なんで月闇を! その鎧、カリバーになったの!?”

 

「コレは陛下が私に託してくれた剣! 陛下の私への『信頼の証』でもあるの! コレを以て、私はアナタから『聖剣』を回収する!!」

 

カリバーの攻撃が更に激しくなるが、キャルは元々『魔導士』。剣を使った戦法は専門外であるし、【美食殿】の中では体力はそんなにある方ではないので、動きが単調で回避するのはそんなに難しくない。隙を突いて攻撃しようとするが。

 

「はぁぁっ!!」

 

何と、もう片方の手に自分の杖を持ち『サンダーボール』を放つ。

 

“フンッ!!”

 

が、エスパーダのもつ『聖剣』は『雷の聖剣 雷鳴剣黄雷』である。雷魔法を難なく斬り捨てていく。

 

「ーーーー坊や! そろそろ本当に保たんぞ!!」

 

しかし、遠くから聞こえるクリスティーナの声に、もう時間がない事を自覚したエスパーダは、ホンダナーから『TRY KERBEROS』と記された『黄色いのライドブック』を取り出し開いた。

 

[トライケルベロス! かつて冥界の入り口に、三つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた・・・・]

 

エスパーダは『トライケルベロスワンダーライドブック』を閉じて黄雷をソードライバーに納刀してから、『トライケルベロス』を右端に装填してから抜刀した。

 

[黄黄雷抜刀! 三つ叉ランプドケルベロス!]

 

「っっ!!」

 

エスパーダに稲妻が落ち、カリバーが怯む隙に、右腕にショルダーアーマーと右手に金色のケルベロスの籠手が装備された〈仮面ライダーエスパーダ ランプドケルベロス〉となった。

 

[黄雷二冊! 魔神と番犬が織りなす、地獄の電撃が狂い咲く!]

 

“はっ!”

 

ーーーーガォオオオオオオオオンン!!

 

エスパーダが右手を突き出すと、黄色いエネルギーの三叉の犬ケルベロスが飛び出し、カリバーへと向かう。

 

「くっ!」

 

カリバーは月闇の『空間跳躍』を使って離脱し、離れた位置に到着する。

 

“ハァァァァ!!”

 

「っ!」

 

跳躍先にエスパーダが現れ、黄雷を振り下ろすがカリバーは月闇と杖を交差させて防ぐ。

 

“・・・・キャルちゃん、戻って来ないの?”

 

「私は陛下の為に戦う。陛下に仇なす者には、刑罰を執行する!! 『グリムバースト』!!」

 

カリバーが、キャルが正気ではない事はエスパーダも、ユウキも分かっている。しかし、今はソレにかまけている場合ではない。

しかしソレでもキャルに問い掛けるが、キャル、カリバーは返答代わりに自分の得意とする攻撃魔法を放つが、ユウキ、エスパーダはすぐに回避し、カリバーと距離を空け黄雷をソードライバーに納刀しトリガーを引く。

 

“『トルエノ・コルミロス・デル・インフェルノ』!!”

 

[必殺読破! 黄雷抜刀! トライケルベロス! アランジーナ! 二冊斬り! サ・サ・サンダー!]

 

黄雷を抜刀すると、右手の『ケルベロスブレーサー』から雷鳴エネルギーが黄雷に送られ、刀身から稲妻の三つ首の番犬の首が現れ、黄雷を振るうと黄色い雷の斬撃を飛ばし、その斬撃を三つ首の番犬達、ケルベロスが咥えて加速した。

 

「コチラも終わらせる。『月闇必殺撃』!!」

 

カリバーが『邪険カリバードライバー』の『ジャアクドラゴンライドブック』を閉じて、月闇の刀身に読み込ませる。

 

[必殺リード! ジャアク二閃!]

 

カリバーは月闇を振るい、2枚の紫色のエネルギー刃を飛ばして攻撃する。エネルギー刃は途中で交差してX字に合体し回転しながら、雷の刃を咥えたケルベロスとぶつかった。

そして・・・・。

 

 

 

ーーーードゴォオオオオオオオオンンッ!!!

 

 

 

2つのエネルギーのぶつかり合いで、凄まじい爆裂が起こった。

 

《ユウキ! もう限界だ! 逃げろ!!》

 

“(ペコさん・・・・! キャルちゃん・・・・!) くうぅっ!!”

 

ムイミからの『通信魔法』でもうコレ以上は無理と判断し、雷速の速さでコッコロ達と合流した瞬間に、ラジラジは『空間跳躍』を発動する。

 

「主様! ペコリーヌが・・・・! キャル様が・・・・!」

 

“コッコロちゃん・・・・今は、耐えるしかない! 耐えるしか、ないんだ・・・・!!”

 

ペコリーヌの元へ行こうとするコッコロを抱き止め、エスパーダは仮面越しから悔しそうな声を漏らし、この戦場から離脱した。

・・・・ペコリーヌを置いて。

 

 

 

 

 

 

ーキャルsideー

 

「くぅっ・・・・あぁっ!!」

 

自分とユウキの技のぶつかり合いの衝撃波でカリバーは吹き飛び、地面に転がりながら変身が解除され、元のキャルに戻った。

 

「・・・・逃げられましたか。ですが逃がしません。無知蒙昧な逆賊共」

 

そう呟き、キャルは『暗黒剣月闇』の刀身を撫でながら、まるで『ユースティアナ』に話し掛けるように独白する。

 

「あぁ、陛下・・・・。この世界から『膿』を取り除き、害虫共を虱潰しにして、アナタの権勢を盤石なものとしましょう。その為に、『理想』の為にアタシの命を消費させて下さい。叶うなら、アナタの築く夢の千年王国の栄誉ある住民にして下さい。ソレだけが『望み』です。アタシの生きる『意義』なんです」

 

キャルはそう言って、両手を広げて夕焼けの空を仰ぐ。

 

「ふふ、ふふふ、あはははははははは・・・・♪」

 

そして、何処か壊れた様な哄笑を上げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーアメスsideー

 

「どどど、どうしよう? 一体何が起きてるの!?」

 

ユウキの状況が見えなくなり、珍しく狼狽えるアメス様。

 

「ユウキ! アタシの声が聞こえる? 聞こえるなら返事して!」

 

しかし、ユウキの意識と繋がれなかった。

 

「(ううう、どう言う事・・・・? 何で急に、ユウキの事が見えなくなったの? もしかして、ユウキが死んじゃった・・・・とか? いや、アイツが“存在ごと消し飛ばされない限り繋がりは残る筈”!)」

 

アメス様は何とか焦る気持ちを落ち着かせ、思考を巡らせる。

 

「(何かに遮断されてる? アタシとユウキの繋がりを一時的に断ち切る、魔法みたいなものが使われた? でも、そんな事って可能なの? 今までは、こんな事無かったのに! いや、所詮はアタシも『神様』じゃない・・・・『この世界の法則』からは、『プロジェクト』からは逃れられない。アタシの存在を認識にした『何者』かが、アタシとユウキが繋がれないように妨害してる・・・・? そうとしか思えないわっ、あぁもう?)」

 

まさかこんな事態になるだなんて思ってもおらず、アメス様も頭を抱える。

が、その時。

 

“ーーーーアメス様!”

 

「・・・・はう!? あぁっ、ユウキ! 無事だったのねっ、良かったぁ♪ーーーーって、アメス『様』って何よ。変にへりくだっちゃってさ・・・・アタシとアンタと仲じゃないの、気軽に呼び捨てにしてよ。って、ソレは兎も角。ねぇ、一体何があったの? アンタが今、置かれている状況について説明して! ゴメンね、何故か一時的に、アンタの事が見えなくなってたのよ・・・・だから、全然状況が分からないの」

 

再びユウキと繋がり、安心するアメス様だが、自分と繋がっていない間に起こった事をユウキに聞くと、ユウキは経緯を話した。

 

 

 

 

 

 

ーユウキsideー

 

「フムフム、成る程・・・・ムイミちゃんに色々教えて貰って、アンタは遂に『世界の謎』に迫り始め、『雷の聖剣 雷鳴剣黄雷』と『リベラシオンのライドブック』を手に入れたのね。ソレ自体は、スッゴく喜ばしいわ。でも説明も半ばの内に、様子のおかしいキャルちゃんを中心にした魔物や軍隊に襲われて、アンタも『仮面ライダーエスパーダ』に変身したけど、冷静さを失ったペコリーヌちゃんはキャルちゃんに捕まり、そのキャルちゃんが『暗黒剣月闇』を持っていて『仮面ライダーカリバー』に変身して戦って、『土の聖剣 土豪剣激土』と『風の聖剣 風双剣翠風』を奪われてしまって・・・・アンタは、絶体絶命の大ピンチに陥った訳ね」

 

ユウキの話を聞いて、アメス様は小さく頷きながら考えを纏めている。

 

「う~ん、『空間跳躍を防ぐ罠』を仕掛けたりとか、敵は今回・・・・かなり本腰を入れて攻めてきたみたい。多分、アンタに助言を与えてるアタシの存在も気取られて・・・・一時的に、『繋がり』を断ち切られちゃったのね。完全に、してやられたわ。敵は本気でアンタ達を潰しに来たみたい・・・・」

 

苦虫を噛み潰したような渋面を作るアメス様。

 

「どうにか生き残れただけでも万々歳だけど、コレから先は更に過酷な戦いが繰り広げられそう。フム・・・・どうにもペコリーヌちゃんは、可哀想だけど敵に捕獲されちゃったようね。生け捕りが目的だったみたいだし、暫くは命を奪われる事は無いだろうけど・・・・楽観はできないわ。アンタはどうやらムイミちゃん達と一緒に、安全圏まで脱出できたようだけど・・・・敵は今後も、アンタ達を付け狙うだろうし。暫くは、平和な暮らしは望めなさそうね」

 

“・・・・・・・・”

 

ユウキはかなり絶望的な状況に顔を俯かせてしまう。しかし、アメス様はそんなユウキに声を掛ける。

 

「でも、どうか『希望』を捨てないで。敵も・・・・『ユースティアナ』こと『千里真那』も、『神様』じゃないわ。魔力も何もかも、『無尽蔵』に使える訳じゃない。先ずは耐え忍び、反撃の機会を見計らいなさい。今はソレだけしか言えないわ・・・・ゴメンね、ユウキ」

 

“うん。ソレは分かってる。今の僕じゃ、『あの人』に勝てないって・・・・”

 

「ええ。でも、ただ耐え忍ぶだけじゃないわ。運良くアンタには、『リベラシオン』が手に入ったのだから」

 

“『リベラシオン』?”

 

ラビリスタがユウキに託した『ライドブック』である。

 

「その『リベラシオンライドブック』を、物置部屋でも何でも良い。『部屋の扉』に押し込むと『時間の流れが異なる修行空間』を作られるのよ」

 

“『時間の流れが異なる』・・・・?”

 

「『リベラシオン』が作った部屋で1ヶ月過ごしても、部屋の外では『1時間』しか経過していない。つまり、アンタ達が潜伏する間に、『部屋』と言える空間を使えば、アンタはソコで修行を重ね、アンタ次第としか言いようが無いけど、『聖剣』の力を引き出せるようになれるかも知れないわ」

 

“スゴいね! 原理は良く分からないけど!”

 

「ええ。人数制限は5〜6人位で、1人の人間が使えるのは『1日1回』だけ。クリスティーナちゃん達も使うだろうから、その時は貸してあげなさい。1人でも戦力の増強は必要よ」

 

“うん。分かった”

 

ソコまで話してから、アメス様は少し気落ちしつつ口を開く。

 

「無力で、アンタを守れなくて・・・・アタシ、自分が情けないわ」

 

“十分助かっているよ”

 

「・・・・ええ。泣き言を口にしている場合じゃないわね。アタシもアタシにできる事をする。あらゆる手を駆使して、アンタの助けになるわ。だから、アンタもめげないで、頑張ってね」

 

“うん”

 

顔を上げたアメス様は、もう大丈夫のようであった。

 

「どうか負けないで。アタシはいつでも、アンタの味方よ」

 

そして、アメス様の『夢の世界』が光に包まれていく。

 

「ボンヌ・レクチュール。よい読書を」

 

そうアメス様は優しく言って、夢は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“っ・・・・”

 

「主様・・・・」

 

『ラビリンス』の隠れ家の1つに身を寄せていたユウキが目を覚ますと、コッコロと【リトルリリカル】、【ラビリンス】、そして少し離れた位置にムイミ達がいた。

コッコロに聞くと、この隠れ家に着いてすぐ、倒れて変身が解除されたユウキは、近くにあるソファーに横にさせたとの事だ。

ソコまで聞いてからユウキは、アメス様から聞いた『リベラシオンライドブック』の事を皆に話すと、シズルとリノが隠れ家の物置部屋に案内し、ユウキが『ライドブック』を開く。

 

[リベラシオン!]

 

そして『ライドブック』を扉に押し付けると、『ライドブック』が扉とくっつき、扉が光り木面の扉がキチンと塗装された綺麗な扉に変わり、扉を開くと伸ばした手の先が見えない位の暗闇の空間が、ソレこそ地平線とも言える程に広がっていた。

 

“・・・・ソレじゃ、行ってくる”

 

「あ、主様。いくらアメス様の御神託でも、中がどうなっているのか分からないのに危険でございます!」

 

「そうだよ弟くん! お姉ちゃんが一緒に行ってあげるよ!」

 

「ズルいですお姉ちゃん! それなら私だって!」

 

「お前ら、ソレじゃユウキが修行に行きづらいだろう? ラジラジ、抑えておけよ」

 

「分かりました」

 

「なぁに、私達の体感時間は僅か1時間なのだ。そんなに心配する事はあるまい」

 

「『1時間で1ヶ月の修行ができる』なんて最高の道具じゃねぇかよ!」

 

「うむ。いつこの場所も知られるか分からない。少年が終わったら、我々は1度に入り修行に取り組んだ方が効率的だ」

 

コッコロとシズルとリノが一緒に入ろうとするが、ムイミとラジラジに引き止められ、クリスティーナとダイゴとマサキは修行をやる気満々であった。

 

「お兄ちゃん、大丈夫?」

 

「兄ちゃんばっかり面白そうな事してズル〜い!」

 

「ズルくないでしょミソギ。ユウキさんは修行をするんだから!」

 

【リトルリリカル】の子達の頭を撫でてから、ユウキは『ディメンションルーム』に入ると、ソコは僅かな光で照らされた真っ黒な空間であった。

 

“・・・・修行開始!”

 

ユウキがそう叫ぶと、真っ黒な空間が突然、蒼穹の空が広がる山岳地帯となり、ユウキの周りには今までユウキが戦ってきた凶暴な魔物やメギド達が囲んでいた。

 

“ーーーー流水!”

 

ユウキは『水の聖剣 水棲剣流水』が納刀された聖剣ソードライバーを腰に巻いて、『ライオン戦記ワンダーライドブック』を取り出す。

 

“(烈火・・・・今は君を使えないけど、必ず月闇の封印を解いてみせる。その為にも・・・・)ーーーー流水。黄雷。『錫音』!”

 

ユウキの左右の地面に黄雷と『音の聖剣 音銃剣錫音』が突き刺さり、ユウキはライドブックを装填し、流水の柄を強く握り締める。

 

【『聖剣』を本気で使いこなせるようになりたいなら、お前自身が『聖剣』と真摯に向き合い、『聖剣』を振るって強くなれ! そうしなればお前は、『真の意味』で『剣士』になった訳ではないぞ!】

 

“(ーーーーうん。この修行で、『本物の剣士』になるよ・・・・『ユーリさん』!!)”

 

『ーーーーーーーーーーーー!!!』

 

“変身!ーーーーハァァァァァァァァァ!!!”

 

雄叫びを上げて迫り来るメギドと魔物達に、ユウキは流水を抜刀し、『仮面ライダーブレイズ』となって飛び上がり、魔物の群れへと斬り掛かった・・・・。




〈仮面ライダーエスパーダ・ランプドケルベロス〉
仮面ライダー龍騎のストライクベントのような戦いをします。
必殺技は『トルエノ・コルミロス・デル・インフェルノ』、『地獄の牙』という意味です。

次回、ユウキ達があの『聖剣』にあった幕間を入れてから本編に行きます。
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