第十二話 「試験は楽しいね」
しばらく時間が過ぎカレィジは勇気を出し学校へとつながる扉を探していた。
怖いよぉ···
そうカレィジが怯えながら森の中を歩いていると···
「コロリンコロリンコロリンヨ〜。コロリンコロリンコロ···」
カレィジは言葉を失った。
何故なら目の前には六本腕で、一つの茶色の玉を持ち、二本足で青色の化物がカレィジの事を見ていたからである。
これ···絶対あっちゃいけない奴だ···
大丈夫だよ所詮はテスト、ここは魔法で···
するとカレィジの杖は化物に弾かれた。
「コロ···?」
化物は首を傾げている。
早く杖を取らないと。
だがカレィジは怖くて体が動かなかった。
どうしよう。どうしたらここから逃げれるんだ。
「コロコロコロ······コロ!!」
すると化物は大きく振りかぶり、持っている茶色の玉をカレィジに向けて投げようとした。
あぁ僕の人生もここまでなんだ···せっかく初めての友達ができたのに···
お父さん、お母さん僕を産んでくれてありがとう。
愛してたよ。
すると突然化物が真っ二つに割れたのである。
そして奥から誰かがこちらに向かって歩いてくる。
その誰かとは、ヘルメス・ドレイクだった。
「邪魔。」
カレィジは呆然としていた。
「へ、ヘルメスくんどうしてここに!?」
「おっ!カレィジ!!···まだ生きてたんだ。」
「まだってなに!?」
「今さっきまでは死にそうだったけど。」
「カレィジ一つ聞きたいんだが何でずっと同じ体勢なんだ?こだわりでもあるのか?」
「さっきの化物を···」
「まあいいや。」
ちゃんと人の話最後まで聞いて···!!
「じゃあさっさと扉見つけて学校に戻ろうぜ。」
そしてヘルメスとカレィジは様々な罠にかかり、魔法動物にも襲われながらもなんとか無事に学校に戻ることが出来たのだった。
さて皆さん、いよいよ入学試験も最後になってきましたよ。
なんかここの学校の最終試験って面接らしいですね。
それも校長直々の面接らしいですよ。
え?この情報をどこから手に入れたって?
それはねカレィジから聞いた。
「次、ヘルメス・ドレイク!!」
試験官がヘルメスを呼んだ。
どうやら次は俺の番のようですよ。
ということで行ってきます。
ヘルメスは試験官に指定された場所に立つと何処かに転送された。
気づくと知らない場所に立っていた。
建物内だろうか?
壁は白く、天井には無数のロウソクが浮いている。
そしてその上には教員だろうか?魔法界の重役だろうか?分からないが魔法使い達が座っていた。
そして一番中心に明るい紺色の帽子に丸メガネで白く長いひげが生えた老人が座っていた。
これが面接ってやつ?
凄い圧迫感があるんだけど···
「それではヘルメス・ドレイクの最終面接を始める。」
イーストン魔法学校校長、ウォール・バーグ・バイガン。
「はい。よろしくお願いします。」
「まず最初になぜ我が校を選んだのかを聞こう···」
「···学歴をつけたかったからです。」
「ほう、そのような理由で我が校を選んだのかね?なら他の学校でも良かったのではないかね?」
「それもそうですね。ですけどせっかく学校に通うなら義父が通った学校に通ってみたかったんです。」
「そうか···ならヘルメスよ。その義父からはこのイーストン校をどのように聞いていおる?」
「まあ、なに不自由のない学校と。」
「ほう···」
「あと······バカ(正直)な教員が多い事。」
「校長に向かってお前失礼だぞ!!」
「校長このような者が我が校の生徒になるなど。」
「よいよい、では次に···」
「なぜ仮面をかぶっているのだ?」
「あ、これですか?」
「まあ、自分の魔力が強すぎるからですかね。なのでこの仮面で自分の魔力を抑え込んでいるんです。」
「なぜそんな事をしているのじゃ?」
「······聞きたいですか?」
ヘルメスは深刻そうに言った。
「···やめておこう。」
「では次···」
「君は将来どのような魔法使いになろうと考えておる?」
「そうですね···俺は何処にでもいるような普通で平凡な魔法使いになりたいです。」
「フォフォフォフォ面白い。」
「じゃが普通で平凡な魔法使いになりたいのなら来るところを間違っていおるぞ。」
「では次が最後の質問じゃ。」
「もし君よりも強い存在が立ちはだかった時、君はどうする?」
「そんなの知らねぇよ。考えた事もねぇ。」
「言葉使いを気をつけろ!!無礼だぞ!!」
「ヘルメス・ドレイクよ。それが質問の答えとして捉えてよいのか?」
「だけどよ···もしそれが俺の友達を虐めてたりしたらよ。そん時はたとえ自分の身を傷つけてもボコボコにしてやるよ。」
「なぜじゃ?なぜ自分の身が傷つくのに友達を助ける?」
「おいヒゲモジャ、ここの校長だが組長だが知んねえけどよ。」
「言っておくが友達が傷ついてんのにそれを見て見ぬふりするのは俺はできねぇ!」
「それが神覚者だとしてもあんただとしてもだ。」
「無礼だぞ!!」
「正気か貴様!!」
「校長今すぐこの者をつまみ出します!」
「フォフォフォフォ今年の志願者は非常に面白い。」
「ならワシが今から君の友達を傷つけると言ったらどうするのじゃ?」
「そんなの決まってるじゃないですか、ボコボコにしてあげますよ。」
「フォフォフォフォ······あと一つ追加に質問するが、君にとって力とはなんじゃ?」
「そうですね。俺にとって力は人を傷つけたりすることも出来るし人を救うことも出来る。それを俺は力だと思ってます。」
「フォフォフォフォ君に謝らない事がある。」
「申し訳ない。君を試させてもらった。」
「そんなの最初から知ってますよ。」
「だってあんたは優しそうだし、人を傷つけたりしないって顔に書いてありますもん。」
「フォフォフォフォ君には全てお見通しだったとはのう。」
「ようこそ、イーストン魔法学校へ。」
それから数十日が過ぎヘルメスはイーストン魔法学校の大講堂前の廊下で他の新入生と一緒に待っていた。
カレィジが見当たらない。
もしかして落ちたか。
いやでもありえるぞ。
でもあいつが落ちそうな試験とかあったかな···?
······!!
あった!最終面接だ!
あれ圧迫感凄かったからね。
多分カレィジの奴緊張して頭が真っ白になって何も喋れず落ちたんだろう。
多分そうだろう。
ヘルメスくんは何処に居るんだろう?
この人の数じゃ一人じゃ心細いよ。
すると誰かから左肩を叩かれた。
そして振り向くとそこにいたのはヘルメスだった。
「あ···」
「あ···」
「······」
二人は黙ってしまった。
「カレィジじゃん。受かったんだ。」
「ヘルメスくんも無事に受かることができたんだね。」
「我ながら俺もびっくりだよ。最終面接で結構失礼なこと言ったから受からないだろうなと思ってたけど、受かってよかったわ。」
「なに言ったの!?」
「それでは皆さん整列してください。」
すると紫色のとんがった帽子をかぶっているイーストン魔法学校教員、マルヴィナ・メビタブルがそう言った。
「今から寮分けに向かいます。静かに私にはぐれないようについてきてください。」
そしてしばらくすると大講堂の両扉が開きヘルメス達は中へ入って行った。
大講堂の中は大きく長い長テーブルが三つ等間隔に置いてあった。
そしてそこに各寮の全生徒が座っていた。
「すげー。どこを見てもイーストン生だ。」
「当たり前でしょ。ここイーストン魔法学校なんだから。」
そして骨のユニコーンの横にマルヴィナは立った。
ユニコーンの角は先端がつかみやすいようになってある。
「今から新入生は寮分けを行います。」
「このユニコーンの角に触れると諸君の魔力から思考・思想を読み取り適した寮を選んでくれます。」
「それでは、アンバー・エギ。」
「はい。」
そしてアンバー・エギはユニコーンの角の先端を握った。
「ふむふむ。」
「君は自尊心且つそれに相応した才能を有している。」
「適してる寮はそうじゃのう。」
「レアン寮じゃ。」
「やったー!!」
「次、インドラ・クラン。」
「はい。」
「ふむふむ。」
「君は人並み以上の知性を有してそれに勤勉である。」
「よって君はオルカ寮じゃ。」
「なあカレィジなんかあれ胡散臭くない?だってあれだよ。骨が寮を言い当てるんだよ絶対あの骨に特に何も考えて(寮)決めてないよ。」
「ああ見えてもちゃんと考えてるらしいよ。」
「ほんとかな〜?」
フフッこの役目を任せてウン百年···
ワシの判断が狂ったことは一度しかない。
どんどんきなさい。
「次、ヘルメス・ドレイク。」
「次俺みたい、じゃ行ってくる。」
「はい!!」
ヘルメスはユニコーンの角の先端を握った。
······
何も得られない······
どうしてじゃ?
フフッこのインチキ骨め、念のため魔力妨害しといてよかった。
ワハハハハ困ってやがる。
まさかこの状態で何も考えてないと!?
「ひえっ。」
てかなんで何も考えてないの?普通なにか考えてるでしょ!?
なんかないの?ねえなんかないの?
暗闇じゃわかんないよ!?おじさん暗闇じゃわかんないよ!?
仮面つけてるから表情が読み取れないよ。何考えてるの?ねえ何考えてんの?
いやそれはまずい。
我が校で寮の選別を任されてウン百年···
答えを出さないなんてことは一度もなかった。
よしもう一度···
ユニコーンはもう一度したが暗闇だった。
あれ?誰か出てきたぞ!?
何を伝えてくれるんじゃ!?
「ボーン。」
え???
·····
「暗闇とはまったく光がなく、暗いことでまた人目につかないところ、人の知らないところで、その姿は人で喩えるならば暗闇の中にまだ隠れている強さを秘めているようなもの。」
「従って。」
「なんか急におしゃべりに!!」
前にも一回あったけど、もうこれでいったれ!!
「暗闇ということはアドラ!!」
「しゃー!!」
こっ、こじつけ感が凄い!!
他の生徒はそう思った。