ただ一人の魔法使い   作:たまに現れる人

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第十八話 「骨折したら安静に」

 夜になり···

 

 「ヘルメスくんおやすみ。」

 「おやすみ。」

 ヘルメスはそう言い狸寝入りをした。

 

 ······

 

 ヘルメスは体を起こした。

 

 カレィジは寝たか?

 

 カレィジはすやすや眠っていた。

 

 よし寝てんな。

 ヘルメスはカレィジが寝ていることを確認するとベットから静かに出て足音が鳴らないようにゆっくりと部屋から出た。

 

 廊下は暗かったが月明かりのおかげで少し明るかった。

 

 それじゃあ、隠密行動開始。

 

 

 

 イーストン魔法学校保健室扉前。

 

 「テンテンテンテン、テンテン、テンテンテンテン、テンテン···」

 ヘルメスはそう口ずさんでいた。

 

 確か魔法薬が入った棚は入り口入って左だったはず。

 

 ヘルメスが保険室に入ろうとしたその時···

 

 「ヘルメスくんこんな所で何しているの?」

 ヘルメスは驚き、声がした方に頭を向けるとカレィジがこちらを見て立っていた。

 

 「どうしてここに···??」

 「ヘルメスくんの後を追ってきたんだよ。」

 「ところで消灯時間過ぎてるのに何してるの?保険室に何かを用事でもあるの?」

 

 「いやまあ······」

 何故俺はカレィジの魔力を探知できなかった?

 ···そうか魔力を探知する時俺も微量の魔力を放っするから魔力探知はやめようと(魔力)探知切っていたんだ。

 あ〜どうやってこの局面を切り抜けよう。

 

 ヘルメスはカレィジの肩を掴んだ。

 

 「今からお前も共犯だ。」

 「ということで、ついてこい。」

 「何の?」

 「何のって···まあ秘密だ!」

 「秘密かい!!」

 

 そんな会話もありましたが二人は保険室に入りました。

 

 保険室は白いベットが十個置いてありベットの横にはカーテン吊るしてある。

 

 「夜の保険室って不気味だね。」

 「そうだな。」

 ヘルメスは部屋に入るやいなやすぐに左に曲がり魔法薬が置いてある棚に向かった。

 

 ヘルメスは棚を開けようとしたが身長の問題で棚を開ける事が出来なかった。

 なのでヘルメスは近くに置いてあった椅子を棚の前に移動させ、椅子の上に乗って片方の棚の扉のつまみを掴み扉を開けようとしたが鍵がかかっていた。

 そしてカレィジはそれを不思議そうに見ていた。

 

 鍵か···

 

 (オプティアース。)

 

 すると棚の鍵が開きヘルメスは扉を開けた。

 

 「カレィジ手伝ってくれ。」

 「いいけど何を?」

 「下の段に骨の形をした瓶があるか見つけてくれ。」

 「俺は上の段を探すから。」

 

 「分かった。」

 

 二人は骨の形をした瓶を探した。

 

 「ところで聞いてもいい、何でそんな瓶を探しているの?」

 

 この事を話していいのだろうか?

 話したら絶対『えー!!骨折ー!!』とか大きな声で言いそうだな〜。

 でも嘘はつきたくないし···

 

 「カレィジ···今から俺が言うことを聞いても驚かないでくれ。」

 「驚かないよ。」

 「カレィジ···俺、骨折してる。」

 「冗談はやめてよ。ほんとは何?」

 「いやマジで骨折してるよ。」

 「いやいやそんなに元気に動けてるんだから骨折してないでしょ。」

 「じゃあこれを見ても骨折してないって言えるか?」

 

 ヘルメスは右腕の袖をまくり右腕を左手で掴むと折曲げた。

 

 「ほ、ほ、本当だー!!」

 「ヘルメスくん大丈夫!?安静にしとかないと!!」

 「声を抑えろ。」

 ヘルメスはカレィジの口を手で塞いた。

 そしてカレィジは頭を縦に振った。

 

 「カレィジ···お前(骨折したの)この一本だと思っているだろ。」

 カレィジは頭を縦に振った。

 「フッフッフ、あと四本ある。」

 ヘルメスはカレィジの口を塞いでいた手を離した。

 

 「でもヘルメスくん、骨折したのなら保険室の先生に言えばいいよ。」

 「あのなカレィジ、俺は今何期間中だ?」

 「あ、謹慎期間中だったね。」

 「でもその大怪我なら他の先生に言えば大丈夫だと思うけど。」

 それもそうなんだが言ったら絶対何で骨折したのと聞かれる。

 まあその時はコケたとか言えばなんとかなると思うけど。

 

 「カレィジ、さっさと薬見つけて帰るぞ。」

 「話聞いてない!?」

 

 

 

 しばらく二人は瓶を探していた。

 

 「あったよ。」

 「あったか!」

 

 カレィジはヘルメスに骨の形をした瓶を渡した。

 「ありがと。」

 

 (ストレージ。)

 

 するとヘルメスの左手から手のひらに乗るほどの大きさの瓶が現れた。

 

 どっから持ってきたんだろうその瓶···

 ···ポケットに入ってたのかな?

 

 そしてヘルメスは持っている薬を少し瓶に移した。

 

 「その薬なんなの?」

 「この薬か?これはなくなった骨とか骨折を治す薬でしかもこの薬の凄いことは一度飲んだら後は安静にしておけば骨が元通りになるんだ。」

 「詳しいね。」

 ハッハッハ、何度も魔法実験で失敗して飲んでたからな。

 

 そしてヘルメスが薬を移し終わると瓶を元の場所に戻し棚に鍵をかけて部屋に戻った。

 

 

 

 部屋に戻るとヘルメスはカレィジに骨折した場所を包帯で巻かれていた。

 「全く言ってくれれば良かったのに···」

 「いや言ったら包帯巻くだろ。俺あまり包帯巻かれるの好きじゃない。」

 

 

 「上半身はなんとか処置したけど、あと二本は何処?」

 「両足。」

 

 

 

 「カレィジこの薬にとてつもないデメリットがある。なんだと思う?」

 「数日間体が動かないとか?」

 「違う。」

 「体が溶けだすとか?」

 「違うそんな薬が保険室に置いてるわけないだろ。」

 「正解は···」

 ヘルメスは瓶を開け中に入っている薬を飲んだ。

 

 「ブーーーーー!!!!」

 ヘルメスは飲んだ薬を吹いた。

 

 「···クソまずいこと。」

 何度も飲んでるけどほんとこの味慣れない。

 例えて言えば鼻くそとゲロを同じ鍋に入れてグツグツに茹でた汁の味。

 

 「そ、そうなんだ。」

 「それじゃあおやすみ。」

 「おやすみ。カレィジも骨折するなよ〜。」

 「もし骨折したらこのクソまずい薬を飲ませるからな。」

 その日カレィジは決意した。

 絶対に骨折しないと。

 

 

 

 そして一週間経過した。

 

 「完・全・復・活!!」

 「これでやっとベッドから出ることが出来る。」

 「よかったね!」

 いやあんた(カレィジ)がベッドから出れないように縄で縛りつけてただろ。

 

 

 

 六日前···

 

 「おはよ〜う。」

 「ヘルメスくんおはよう。」

 カレィジは学校の準備をしていた。

 

 今日も清々しい朝だわ。

 体は痛むけど。

 

 ヘルメスがベッドから出ようとしたその時カレィジが縄を持ってヘルメスの前に立った。

 

 「やっぱりベッドから出ると思った。」

 「ヘルメスくんは骨折しているんだから安静にしていないと駄目だよ。」

 「カレィジくんその手に持ってる縄は何?」

 「何ってヘルメスくんを縛るための縄だよ。だってヘルメスくん絶対に安静にしないでしょ?」

 うんよく知ってるね。

 「だから今からこの縄でヘルメスくんを縛るね。」

 あの···場面が場面だったらこれヤバイことになってるよ。

 重度の愛の重い人みたいになってるよ。

 

 

 

 「あー、体を久しぶりに動かすからなんか不思議な感じ。」

 でも良かったわ縄で、手錠とかだったら本当にあっち系の小説になってしまう。

 

 「じゃあ僕は授業に行ってくるね。」

 カレィジはそう言って部屋から出た。

 

 ヘルメスはベッドに横になって雑誌を読んでいた。

 雑誌名はHOME(ホーム)。

 

 そして今回の表紙はツララ・ヘイルストーンとソフィナ・ブリビアだった。

 どうやら今回はこの二人の特集のようだ。

 

 だがヘルメスはその二人のページを開かず、今月の星座占いのページを見ていた。

 

 え〜と二月十一日、二月十一日···

 

 あったあったえ〜と、今月は六位か···

 

 今月は身体的に厳しい月になるでしょう。

 またそれを克復すれば金を得ることでしょう。

 

 身体的に厳しい月か···

 また骨折するかもな···

 

 ヘルメスは占いを信じる人だった。

 

 

 

 何処の教室。

 

 「今日の授業では前回物体を別の物体に変化させる魔法を教えましたが今回は物体を生命体に変化させる魔法を教えます。」

 イーストン魔法学校教員、マルヴィナ・メビタブル。

 

 「まずはお手本を見せます。」

 教卓の上には金属製のグラスが置いてあった。

 

 「ライフディフォルメイション。」

 

 すると教卓の上に置いてある金属製のグラスがグレーのネズミに変わった。

 

 

 「ライフディフォルメイション。」

 桃色の目に白髪の女の子、アリア・セリシアそう呪文を唱えると金属製のグラスはネズミではなくタバスコに変わった。

 「あれ···?何でタバスコに?」

 

 

 「ライフディフォルメイション。」

 黄色の目に黄色の髪の男の子、ヘリオ・グランツがそう呪文を唱えると金属製のグラスがグレーのネズミと一枚のブロマイドに変わった。

 「やはりグラスが僕のブロマイドに変わりたかったのか···」

 

 「ライフディフォルメイション。」

 赤と黒のオッドアイで灰色の髪の男の子、リアム・ランポ

 がそう呪文を唱えると金属製のグラスがネズミではなくマヨネーズに変わった。

 「マヨネーズ···」

 リアムはそのマヨネーズをじかで飲んだ。

 そしてリアムはマヨネーズを飲み切るとこう言った。

 「デリシャス。」

 

 「ライフディフォルメイション。」

 白色の目に黒髪の女の子、ルナ・バートンがそう呪文を唱えると金属製のグラスがメリケンサックに変わった。

 「ヤベ···」

 

 

 みんな凄いなぁ、僕もやってみよう。

 「ライフディフォルメイション。」

 そうカレィジが呪文を唱えると金属製のグラスは形を保っていたが、グラスの材質はネズミの毛の生えた皮膚でしっぽが生えていた。

 「難しい···」

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