ただ一人の魔法使い   作:たまに現れる人

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第二話 「森サソリにはご注意を」

 ヘルメスは仕事をしていた。

 仕事と言ってるが、知らない人の犬の散歩だ。

 

 仕事内容としてはいつも歩いている散歩コースを散歩してくれだそうだ。

 

 そんぐらい自分でしろや!と、言いたくなるが、一応仕事もらってるわけだし。そんなことを言わないようにした。

 

 しかしまあこのペットの散歩に···なんで俺が選ばれたの?

 確かに俺の見た目的には危ないことはできないと思うように見えるけどさ。

 なんでよりによって大型犬なの?

 

 俺より背丈高いんだけど。

 あとこの犬···凄い体がシュッとしてる。

 でも力強いんだよね。

 多分走りたいんだろうなと俺は勝手に思ってる。

 だってめっちゃリード引っ張ってくんだもん。

 だけどここ街中だからね。街中···そんなに暴れたら他の人に迷惑かかっちゃうから。

 

 そう思いながらヘルメスは右手に掴んでいたリードをその犬と同じ力で引っ張っている。

 

 

 そしてしばらく散歩し、コースが森の中になってくると、突然犬が。

 「ワン!ワン!」

 と、森に向かって吠えだすとヘルメスは足を止めた。

 

 なんだ?何か見つけたのか?

 あと少しこの犬···震えてる?

 

 でも何もなかったら吠えないよな······

 俺はこの犬が吠えている先にの森の中には何がいるのか少し気になっていた。

 

 ヘルメスは犬のリードを近くの木に巻きつけ、犬が吠えていた先の森の中に入った。

 

 ヘルメスが森の中に入ってもなお犬はまだ吠えていた。

 

 そして少し奥に進んでいくとある生物がヘルメスの前に現れた。

 

 紫色の体に、尻尾には鋭くでかい針、そして何でも切ることが出来そうなでかいハサミが二本付いて、紫色の硬い甲羅······

 そして、この生物の頭には金色の星がついていた。

 

 森サソリ···!

 

 しかも化け物とは···

 でもなぜこのぐらいの森サソリがこんなところに?

 もしかして住みかでも奪われたのだろうか?

 

 無害だったらまだいいんだが···もし襲ってきたらどうしよう。

 

 森サソリはヘルメスを獲物を見るようにじっと見ていた。

 

 

 ヘルメスが背を向け犬の元に帰ろうとすると···

 

 「シュオオオオオ!」

 と森サソリの鳴き声が森に響き。

 ヘルメスに襲い掛かった。

 

 やっぱり来たか···

 

 するとヘルメスは森サソリに背を向けていた状態で、左手を森サソリに向けた。

 

 (パルチザン)

 

 ヘルメスはそう呪文を唱えるとヘルメスの周りに大剣が無数に現れた。

 

 そして次に右手を森サソリに向けた。

 

 (フロート)

 

 ヘルメスはそう呪文を唱えると森サソリは十メートル程空中に浮いた。

 

 森サソリは空中で暴れていた。

 

 ヘルメスはその空中に浮いた森サソリを囲んで無数の大剣を出した。

 剣の刃先は全て森サソリを向いている。

 

 

 そして次の瞬間森サソリを囲んでいた大剣を森サソリに飛ばした。

 大剣は森サソリの体に無数に刺さり、大量の血が噴き出ている。

 森サソリは「シュオオオオオ!!」と鳴いていた。

 

 

 ヘルメスは空中に浮く魔法を解除した。

 解除すると森サソリは地面に落ちていく。

 

 すると地面の中から大剣が森サソリに刃先を向け、無数に現れた。

 

 

 「······!!!?」

 森サソリはすぐに気づいたか気づいた時にはもう遅かった。

 

 

 「くし刺しだ。」

 

 森サソリが地面に落ちると地面に現れていた大剣が森サソリの体を貫いた。

 

 「シュオオオオオ!!」

 

 そんじゃ締めといきましょうか。

 

 ヘルメスは左手を森サソリに向けた。

 

 (パルチザン)

 

 すると無数の大剣が刺さっている森サソリの上空から無数の大剣が現れ、森サソリめがけ飛んで行った。

 

 無数の大剣が森サソリの体を貫くと森サソリは大人しくなり、息を引き取った。

 

 

 ヘルメスは森サソリに近付き森サソリの頭に乗った。

 

 「そんじゃこれは貰うね。」

 と言い、森サソリの金の星を左手で引きちぎった。

 

 これ結構金に鳴るんだよ。

 

 あと、そうだ。何で俺がパルチザンが出来るのか···

 それは簡単。本読んだから。

 あれだよ。神覚者の名簿みたいなものがあってさ、それに魔法書かれてんだよ。

 あと写真が乗ってるし、それを見てその魔法が使えるようになった。

 しかも写真が動いてるからね。怖くね。

 

 まあ、この世界では普通のことだけどね。

 

 あとこのパルチザンって魔法···なんか神覚者の魔法より強くなってたんだよね。

 パワーアップさせちゃった。

 

 ヘルメスはそんなことを思いながらも、犬の元に戻った。

 

 

 

 犬の元に戻ると犬は丸くなって眠っていた。

 

 優雅に寝てんな〜。

 ヘルメスはそう思いながらも、巻きつけていたリードを解いた。

 

 木に巻きつけていたリードを解いていると犬は起きた。

 

 

 「おはよう。よく眠れた?」

 ヘルメスがそう言うと、犬は「ワン!」と鳴いた。

 

 「それじゃあお家に帰ろうか。」

 

 ヘルメスはリードを右手に掴み、散歩を再開した。

 

 

 

 街に戻ると、また犬が暴れだした。

 

 何で暴れ出しちゃうの?森ではあんなに大人しかったのに···

 

 もしかしてこの犬人懐っこいのかな?多分遊んで欲しいんだろうな。だってめっちゃ他の人に飛び込もうとしてるし。

 しかも(リードを引っ張る)力強いね。

 

 まあ俺も力強いからなんとかなってるけど。

 

 

 そして散歩が終わると仕事をくれた人の家に戻った。

 

 ヘルメスの目の前の家は、ヘルメスの家と違って石で作られた家だった。

 

 「すいませーん、お預かりしてた犬をお返しに来ました。」

 すると家の扉が開いた。

 扉が開くと一本アザの老婆が出て来た。

 

 八十歳ぐらいだろうか?すごいヨボヨボなおばあちゃんだな。

 

 「ありがとうねぇ〜。まだ小さいのにそんなに大きな犬の散歩を任せてごめんなさいねぇ〜。」

 「いや、別に犬の散歩楽しかったですよ。」

 「そうなのぉ〜。」

 

 「それじゃ、自分はこれで。長生きしてくださいよ。」

 「ありがとうねぇ〜。あなたも元気でねぇ〜。」

 

 一本アザの老婆はそう言うと扉を閉めた。

 

 

 

 ヘルメスは傭兵集団の長が居る建物の中に居た。

 建物内は明るく、剣や斧などの武器が飾ってあった。

 

 「お、ヘルメス!元気だったか?」

 三十歳ぐらいの一本アザの男性が話しかけてきた。

 この男性の名前は、マクロン・オーガン、数少ない傭兵集団のメンバーで、俺の友達みたいなもんだ。

 

 「元気だったかって、あんた昨日会ったでしょ。」

 

 「相変わらず背がちっちゃいな〜。」

 二十歳ぐらいの一本アザの男性がヘルメスの頭を触りながら話しかけてきた。

 この男性の名前は、マクガフ・エンリーソン、数少ない傭兵集団のメンバーで、これも俺の友達みたいなもんだ。

 

 「まだ六歳の子供だからね。やろうとすれば、お前達を百十センチだいにする事も可能なんだからな。」

 ヘルメスはキレ気味にそう言った。

 

 「ハハハハ、お前ならやりかねないな。」

 マクガフがヘルメスの頭を触りながらそう言った。

 

 「そういえばリーダーどこに居る?」

 「ああ、リーダーか···リーダーなら奥の部屋に居るぞ。」

 「そうか。」

 

 俺はマクロンに教えてもらった情報を元に奥の部屋に入った。

 

 奥の部屋に入ると、ひげの生えた五十歳ぐらいの二本アザの男性が高そうな椅子に座っていた。

 

 「リーダーいつも思うんですけど、いつもそんな椅子に座ってんですか?もしかして······趣味?」

 「趣味ではない。威厳を出しているのだ。」

 「失礼だけど、全然威厳出てないよ。」

 「お前はまだ気づいていないだけだ。」

 そうなのかぁ〜?

 

 「って言うかそんなことしてていいんですか?うちの傭兵集団リーダーを入れてメンバー六人しかいないんですよ。そろそろメンバー集めに行きません?」

 「ふっふっふ、そのことなら解決済みだ。なぜなら今さっきポスターを出してきたからな。」

 そんだけかい!

 

 「まあ、俺はどっちでもいいんですけど。」

 

 ヘルメスは部屋を見回した。

 「······あのリーダー···そろそろ部屋改築しません?このまま行けば俺の家より酷くなりますよ。」

 

 「その必要はない。」

 「じゃああれ見てくださいよ。」

 ヘルメスは天井を指差した。

 

 「あの屋根あともう少ししたら剥がれますよ。そしたら日差しはよく入ってきますけど、おまけに雨も入ってきますからね。」

 「そうなのか···なら後で俺が直しておこう。」

 「お願いしますよ。」

 

 それからしばらく俺はリーダーと話した。

 あと遅れたけどこの人の名前、アルザン・ストレイユ、俺達のリーダーだ。

 一応俺はあんまり凄いとは思っていないが、あの人一応イーストン魔法学校で神覚者試験受けるぐらい優秀な人だったらしい。

 

 それから俺は家に戻り、いつも通りボロボロのベッドで寝た。

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