ただ一人の魔法使い   作:たまに現れる人

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第八話 「旅館はテーマパーク」

 ヘルメスは手に持っている本と杖を見ていた。

 

 これ···ほんとにどうしよう···?

 本は魔法作成の資料に使えるとして、杖は······

 

 ヘルメスの頭の中には杖を燃えるゴミの日に出している景色が浮かんだ。

 

 ···まあ···何かに使えるだろう。

 あと、燃えるゴミに出さないように気をつけよう···

 でも俺思うんだけどさ、なんで魔法警備隊とか魔法警察とか神覚者駆けつてこ来ないの?

 サーズ程の魔法を使ったんだよ。

 魔力感知の基準値超えてるはずだよ。

 神覚者は忙しいので分かるけども。せめて魔法警備隊か魔法警察は来いよ。

 

 そんな事を思っているヘルメスだが神覚者達は何をしているかと言うと。

 

 

 

 魔法局、何処かの会議室。

 

 「鍋と言ったらもつだろ。」

 神覚者、レナトス・リボル。

 

 「いやキムチ鍋だよ。」

 神覚者、ツララ・ヘイルストーン。

 

 「皆間違っているぞ、鍋と言ったら寄せ鍋だろう。」

 神覚者、ライオ・グランツ。

 

 「······」

 神覚者、アギト・タイロン。

 

 「私はカキ鍋ですね。」

 神覚者、ソフィナ・ブリビア。

 

 「皆さん鍋と言ったらハチミツ···」

 神覚者、カルド・ゲヘナ。

 

 「それは違う。」

 その場に居るアギト以外の神覚者に言われた。

 

 のんきに鍋の話をしていた。

 ちなみに残りの三人はと言うと、オーター・マドルはバカバカしいと言い会議室から出ていき。

 レイン・エイムズはウサギと戯れ、ランス・クラウンは学校の授業中。

 

 

 

 言いたかないけど魔法局たまに仕事しないよね。

 あと一つ不安なことがあるんだよね。

 それはただ一つ···これからどうしよう。

 

 

 

 あの出来事から数日が過ぎた。

 今、俺は何をしてるかって?

 

 出勤準備。

 

 あの聞いて下さいよ。俺とちゃんとした職業つけたんだよ。

 その職業は旅館のスタッフなんだ。

 で、今日が初出勤ってわけ。

 

 たまたま街中歩いていたら旅館の求人ポスター見つけて、伝言ウサギで連絡して面接受けたら面接受かったんだ。

 ということで出勤してきます。

 ヘルメスはワクワクしながら家(洞穴)を出た。

 

 

 

 ヘルメスは新しい職場に着いた。

 

 ··········これ···行っていいのだろうか。

 ポスターに写ってた写真と全然違うんだけど。

 ポスターにはさ綺麗な一般的は旅館の写真だったのに、この旅館はさ、古くてボロボロなんだけど、入る前にわかる。絶対これやばいやつだ。

 

 ヘルメスが見ている旅館は沢山の蜘蛛の巣が張ってあり。屋根が一部剥がれていた所もあった。

 

 これってあれ?今流行りのホラー系旅館ってやつ?

 まあとりあえず入ってみないと分からないよね。

 

 そしてヘルメスは扉を開けようとドアノブを握ると、ドアノブが取れてしまった。

 

 ···ヤバ···

 

 ヘルメスは何事もなかったかのようにドアノブを元に戻した。

 だが元に戻し方はドアノブを扉にねじ込んだだけである。

 

 旅館の玄関は思っていたよりは、ボロボロではなかった。

 むしろ綺麗だった。

 

 そして土足はダメなようだ。

 

 「すんませーん。」

 ヘルメスがそう言うと奥から女将さんが走ってきた。

 

 女将は年配で着物を着ており、アザは一本だった。

 

 「あの、あの時面接したヘルメスです。」

 「君がヘルメス君、じゃあまず付いてきて。」

 

 「は、はい。」

 

 ヘルメスは履いていた靴を玄関の端に置き、女将さんに付いて行った。

 

 

 

 まず女将さんに紹介された部屋は従業員室。

 

 「ここが従業員室。」

 

 ヘルメスはこう思った。

 ···意外に綺麗だ。

 

 「じゃあこれを着て。」

 女将さんはヘルメスにはっぴを渡した。

 

 「ありがとございます。」

 この旅館の従業員服なんだろうか?はっぴの後ろにはこの旅館の名前、ハチノスのハがデカデカと刺繍(ししゅう)されている。

 

 ヘルメスは着てみるとびっくりした、サイズがぴったりだったからである。

 

 

 「なかなか似合ってるじゃない。じゃあ早速仕事してもらおうかしら。」

 

 

 

 ヘルメスはホウキを持ってある部屋の前に立っていた。

 

 「じゃあまず最初の仕事は、ここの部屋の掃除をしてちょうだい。」

 「はい。」

 ヘルメスは襖を開けると、びっくりした。

 それは壁一面にお札が貼られていたからである。

 

 これあれだよ。俺呪いのビデオで見た部屋だよ。

 

 だが渋々ヘルメスは部屋掃除を行った。

 

 するとしばらくして女将さんがこう言った。

 「伝えるの遅れたけど、お札は剥がさないでね。出てきちゃうから。」

 

 何がーー!!?

 何が出てくるのー!!? 

 

 怖いんだけど、マジで怖いんだけど。

 お札一枚剥がしてみようと思ったけどやめといたほうがいいな。

 

 それからヘルメスは真面目に掃除をした。

 

 

 ···とりあえず床を掃除完了。

 次は押入れ。

 

 ヘルメスが押入れの襖を開けると天井から逆さに宙ぶらりんになっていた幽霊と目が合った。

 

 「すんませんしたーー!!」

 ヘルメスは襖を思いっきり閉めた。

 

 今居たよね。あれ幽霊だよね。

 ···この旅館、出るんだ。

 

 

 

 次の仕事。

 

 ヘルメスは露天風呂に居た。

 まだ外は明るかった。

 

 ···この仕事辞めたい。

 

 そうヘルメスが思うのも無理もない、何故ならヘルメスの目の前の温泉には沢山の幽霊が浸かっていたからだ。

 

 これホラー系とかじゃなくて本当にホラーだよ。

 

 「ちょと君。」

 誰かに話しかけられた。

 

 「はいはい〜。」

 そう返事してヘルメスが向かうと、声の主はスケルトンだった。

 

 ······この旅館スケルトンも出るの···

 

 「背中を洗ってくれないかね。」

 「はい分かりましたー。」

 ヘルメスは乗り気じゃなかった。

 

 だがヘルメスはどこが背中なのか分からなかった。

 

 「背中って何処ですか?」

 「何を言っているんだ君は、背中と言ったらここだろう。」

 スケルトンは自分の背中を分かるように指差てくれた。

 

 「はい〜。」

 相手は骨だ、優しくすれば···

 

 そう思いながらスケルトンの背中を流そうと触れた瞬間、スケルトンの背中が崩れ落ちた。

 だがスケルトン頭の頭は宙に浮いている。

 

 ······やっちまった。

 

 「今ボロボロって聞こえたけど、何かあったかい?」

 「いや何も〜。」

 「おかしいな背中の感覚が無いんだけど。」

 

 「じゃあ次は頭を洗いますね〜。」

 そう言ってヘルメスはスケルトンの頭に触れるとスケルトンの頭は粉々になった。

 そして成仏した。

 

 よし。今のは見なかったことにしよう。

 

 

 

 それから夜になりヘルメスは帰ろうとしたら。

 

 「何処に行くの?」

 「もう仕事終わったんで帰ろうかと。」 

 「もう遅いんだから泊まっていきなさい。」

 「いや······」

 

 

 あまそんなこんながあって今俺はこの旅館の部屋の布団で寝ようとしている。

 

 だが全然眠れない、何故かと言うと、隣の部屋に居る幽霊達がうるさい。

 

 だから今目バキバキ。

 

 

 隣の部屋の会話。

 

 「ハハハハハ、ダウト!」

 「お主なかなかやるな。ダウト!」

 「ならこれはどうだ!ダウト!」

 「ウワハハハハハ、これが最高のダウト!」

 四人の幽霊がトランプをしている。

 

 ···マジで眠れねぇ。

 

 

 

 さて今日の仕事は、と言いたいが今俺は絶賛眠たい。

 ヘルメスはそう思っているが、ホウキを持って昨日掃除した部屋の前に立っていた。

 

 この部屋出るんだよな···

 

 そう思い部屋に入ると紫色の巨漢な幽霊がおり体育座りでこちらをじっと見てくる。

 

 ヘルメスは静かに部屋から出て襖を閉めた。

 

 今何か居たよね。紫色の何かが。

 いや何かの見間違いだよ。そうだようん。

 今のは絶対見間違いだ。

 

 ヘルメスが襖を開けると紫色の巨漢な幽霊が体育座りでこちらをじっと見てくる。

 

 やっぱ見間違いじゃねぇ!!

 

 「すんませんお客様、掃除するんで出てってもらえませんでしょうか。」

 「······」

 だが紫色の幽霊は黙っている。

 

 仕方ない、(幽霊)避けて掃除しよ。

 

 そしてヘルメスは部屋の角をホウキではわいていると。

 

 「ここはわけてないよ〜。」

 声が聞こえた方に頭を向けるとなんと声の主は紫色の幽霊だった。

 紫色の幽霊の顔はヘルメスの顔に急接近していた。

 

 「ギャーーー!!」

 ヘルメスは反射的に紫色の幽霊の顔を殴った。

 

 

 すると女将さんが駆けつけた。

 

 「どうしたんだい!?」

 

 「ゴキブリが出て。」

 

 紫色の幽霊は見当たらない。

 何故ならヘルメスは急いで紫色の幽霊を魔法で押入れに詰め込んだからである。

 

 「なんだ、てっきり紫色の奴が出てきたのかと思ったよ。」

 

 「あの女将さん···その紫色の奴が出てきたらどうなるんですか?」

 「ここら一帯が吹き飛ぶよ。」

 「······!???すいませんもう一度言ってくれまんかね。」

 「ここら一帯が吹き飛ぶよ。」

 「それじゃあ掃除頼んだよ。」

 

 「······」

 ヘルメスゆっくりと押入れの方に目線を移し、静かに部屋から出て行った。

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