全く散々な目にあっちまったよ。
まあ、あのことは内緒にしておこう。
あの事とは紫色の幽霊である。
だがその日はその紫幽霊事件以来平和だった。
そしてヘルメスは今日、夜間の見回りをする担当になっていた。
旅館の何処かの廊下。
旅館の廊下は明るかった。
夜間警備って結構怖いよね。それがこの旅館となるともっと怖くなるよね。
だって···幽霊旅館だもの。
何か出てきたら魔法で吹き飛ばそう。
そう思っていると奥の廊下で話し声が聞こえた。
「あ゙ぁ゙?調子こいてんじゃねーぞ!!」
「お客様どうしたんですか?」
意外と移動速度が速いヘルメス。
「なんですか?途中で打ち切られたらそんなに悔しいですか?」
話聞いてねえなこいつら。
「たかが十万部で偉くなってんじゃねーよ!!」
「お客様そんなのどうでもいいんで。とりあえずお二人ともパンツ履いてください。」
「俺わな、百万部売り上げてんだ!」
ほんと目のやり場が困るんだけど、上を向いたらさ幽霊の顔が見えて下を見たらち●こが見えるんだもん。
しかもさ、喋るたびにち●こブラブラ動くんだけど。
ていうか何万部とか言ってたな。もしかしてこの人達作家とかなのか?
でもそんな話をする前にとりあえずパンツは履いてほしいな、一応この小説まだR十五で留まってんだから。
やめてくんね。あんたらのせいで歳が三つ上がっちゃうかもしんねえんだから。
でもこれが最近流行りの裸族ってやつ?
「フォフォフォ、何を言い争っているんだね。」
そう言いながらまた新しい幽霊が近くの部屋の襖を開けて出てきた。
「貴方は···あの国民的漫画になった魔人伝の作者、エド・カヌレ先生。」
「いつの時代それ?今の時代にそんな漫画無かったよ。」
「そして、一千万部以上売り上げた伝説の作家。」
「だからいつの時代それ?絶対二世紀ぐらい前の時代でしょ。」
「あとなんであんたも裸なの!?」
「エド先生、伝えるのがが遅くなりましたが、あのターンのラッシュという漫画を打ち切らせることができました。」
ターンとは口調の荒いあの百万部売上た作家である。
「先生があの漫画を打ち切りにしてこいと言ってきましたので最初は不安になったのですが、なんとか打ち切りにすることができました。」
「テメェか!不思議だと思ったんだよ。まさかテメェが黒幕とは思わなかったぜ!」
「いやワシ言ってないよそんな事。」
「そんなはずは、確かにそう命令してくれたじゃないですか。」
「あん時確かマネージャー経由だっただろう。多分あのマネージャーがどう血迷ったか知らないけどワシは、あの漫画をリスペクトしておるから、あのような漫画を書けるようにお前も頑張れとマネージャーに伝えたんだがな。」
「そんな···」
「つーかさ、どうやって打ち切りにさせたんだ?」
「それは私も分かんないんですよね。」
「じゃあ何で打ち切りになったんだよ。」
しばらく沈黙が続いた。
「あ···その漫画打ち切りにしたのワシじゃった。」
「やっぱりテメェじゃねえか!この老害が!」
「あピッキーン。今ちょっと来ちゃったよ。今ちょっとイラっときちゃったわ。何?百万部ふぜいがこのワシになんか言う気なの?」
「言っとくけどね。一応ワシあの時の時代漫画の天下取ったからマジで。お前らみたいに天下取れなかったじゃねーえからな。」
「言うじゃん、人の漫画を勝手に打ち切りにした老害がよ。」
「はいピッキーン。本日二回目のイラってきちゃった。」
「あの二人とも落ち着いて。」
「だいたいお前な、なんでエドの弟子だっのに、十万部しか売れなかったんだよ!普通もっと売れるだろうがよ!実力不足かよ!」
あーあー飛び火しちゃた。
でも十万部を結構凄いと思うけどね。
あとあんたら早くパンツ履け。
あんたらが喋ってる時ずっとブラブラブラブラち●こ動いてんだよ。
本当にR十八になるかやめて。
まだ俺 R十五になっときたいの。まだそれを保ちたいの。
「しょうがないでしょ!(本を)置いてくれるとこがほとんど田舎だったんだよ!」
「あとこのさい言いますけど。先生、お茶にハチミツ入れるのはどうかと思いますよ。あれやめてもらえません?一緒にお茶飲んでると凄く不味く感じちゃうんですよ。」
「何?先生になんか言う気なの?お茶にハチミツ入れるなんてこの世の常識みたいなもんなんだよ。」
「んな常識あってたまるか!そんな常識に喜ぶやつはカルド様だけだわ!」
ヘルメスは思わずツッコミをしてしまった。
「あとターンは鏡を見るやいなや自分を見つめないでくださいよ!あれ見ていてめっちゃ気持ち悪いんです。」
「あ゙ぁ゙?それの何がいけねえんだよ!鏡に吸い込まれていくのは人間皆同じだろうが!!」
「多分あんたとライオ様だけだよ。」
あとさ、俺この小説の一応ボケ担当なんだよ。何でツッコミ担当に転職してんの?
「何を言い争いをしてるんだ。」
すると隣の部屋からまた新しい幽霊が出てきた。
また来たよ···どうせあれでしょ?裸族でしょ?
そう思いヘルメスはその幽霊を見てみると、皮膚はなく筋肉がむき出しになっていた。
「皮わーー!!!???」
「あとパンツ履けよ!!」
包まれていた皮が無くなり筋肉だけとなったち●こがブラブラと揺れている。
「貴方は一億部の売り上げを誇った。漫画ガッシュルの作者、バシン・コウモタ。凄いあれが、極限まで無駄をなくした裸族の境地···」
「いや、皮は無駄じゃないよ。大切だよ!!?ほら見てもう筋肉しかないからもう瞼無いよ。だから目カッサカサカサだよ!?」
「あと裸族って最終的にみんなあんな感じになるの?怖いんだけど、そこら辺のお化け屋敷よりも怖いんだけど!」
「ワシもいつかバシン先生の様に···」
「ならない方がいいよ。本当ならない方がいいよ。おすすめしない。だってあれだよ。」
ヘルメスはバシンを指差した。
「あれ裸族と言うか、筋族だよ。」
「おかしい方向に進化してる。」
「何の言い争いをしていたんだ。」
「いやその···」
「ハチミツに何をかけたら美味しいかと言い争いしてました。それじゃあターン君僕はこれで。」
「そうだねエド先生、もう夜遅いし大人しく過ごすよ。」
そして二人は大人しく部屋に戻って行った。
もう一人の幽霊は何も言わずに部屋に戻った。
そしてバシンは何も言わず部屋に戻った。
······一体何だったんだ?
ヘルメスは夜間警備を再開した。
この旅館って結構不思議な方々が泊まるんだね。
それから夜間警備が終わり、また女将さんから泊まっていきなさいって言われ、昨日泊まった部屋で眠りにつこうとしていた。
だが眠れなかった。
隣の部屋がダウト!ダウト!ダウト!ダウト!うるせぇからだ。
ヘルメスは初めて思った。
トランプをこの世から消滅させたいと。
だが眠りにつくことが出来た。
ヘルメスの夢。
何処かの洞窟内。
ヘルメスの真っ白の仮面は紫色に染まっており。着ている服も紫色に染まっていた。
ヘルメスは左手に付いた紫色の血を見ていた。
そしてヘルメスはある山の上に立っていた。
それは魔人族数千人の死体の山の上だった。
「随分殺ってくれたじゃないか。」
魔人族なのだろうか?人間の体をしており、紫色のローブを着ている。
アザは最初から三本。
声の主を見てヘルメスは黙っていた。
「自己紹介がまだだったね。私はサイン・デットそこで死んでる魔人族と同じ種族さ。」
「···立ち話もなんだし。早速やろうか。」
サインは何かの動物の骨で作られた黒色の杖をヘルメスに向けた。
「···面倒くさい。」
ヘルメスはそう呟いた。
「ダークネスセコンズ···キーマ。」
するとヘルメスに向けて無数の黒いビームが放たれた。
「···面倒くさい。」
ヘルメスはやる気がなかった。
「タートルウォール。」
ヘルメスの前に透明がかった青色の壁が現れた。
そしてサインの魔法を防いだ。
···やはりあれ程の魔人を殺した魔法使いだな。これくらいでは仕留められないか。
ならこれはどうだ?
「サモンズ···闇の神(エレボス)」
するとサインの持っていた杖が細長く変形し、先端には黒いドクロがついていた。
「ダークネスディストゥラァクシャン!」
すると黒く太いビームがヘルメスに向けて放たれた。
「···面倒くさい。」
「スペーズムーヴ。」
すると黒いビームが消滅した。
「···!!?」
消滅した···?
何かの間違いだ。もう一度。
サインはもう一度同じ魔法を放とうとしようとしたが杖が手から離れたのである。
何が···?
サインは知らないと思うが、杖が手から離れる少し前ヘルメスは小石を親指の力だけで飛ばし杖に当てサインの杖を飛ばしたのである。
「···詰みだ。」
ヘルメスはサインに左手を向けた。
「ディストゥラァクシャンライト。」
ヘルメスはサインに向けて白く太いビームを放った。
······ほんとこの魔法使いは世界のバグのような強さだな。
まさか俺が負けるとは、思いもしなかった···
ビームがサインに直撃した。
そしてヘルメスは目が覚めた。
なぜ過去が夢に···?
······まあいいや仕事だ仕事。