拙い文章ですが、許してください。
※pixivの方でも投稿しています。
「……どこだ、ここ……」
赤い、世界。強い、顔を顰めるような鉄の錆びた匂いを感じた。窓ガラスが割れている住宅街。
今にも倒れそうな高層ビル。そして、
「大量の……ロボット?」
姿形だけではそう認識することしかできなかった。いや、それ以外の姿を想像したくない。
この世界は俺が創り上げた悪夢なのだろうか。さっきから妙に消失感や虚無感が襲ってくる。
個人的にはもう夢から醒めたいくらいだ。
草木は赤く変色し、水源は当たりを見ても見当たらない。在るのは赤い空と赤い水だ。
植物が生えていないと言うことは、あの赤い水は適さない有害な物なんだろう。
とにかく何故俺がここにいるか、それを知りたい。
???「おや、先に来ていましたか」
「?あなたは……」
???「誰……と言いますが、とりあえず語り人と呼んでもらいましょうか。すいません」
「いや、別に謝ることじゃない。とりあえず、なんで俺はここにいて、なんであなたは…………」
───そんなに傷を負っているんだ?
???「あなたがここに呼ばれたのは、また“繰り返すと言うことです」
「繰り……返す?」
???「……まぁ、言ってもよくわかりませんよね」
「…………」
???「……この世界の惨状は見てわかりましたか?」
「うん、随分悲惨に見えるよ」
???「この世界は私たちの、いえ、私の責任でこのような結果に落ちてしまいました。数々の選択、それをたった一人でこなそうとして……失敗して、唯一近くにいた大人を信用できなくて……その原因がこの結果に導いたと言うわけです」
「……その、“大人”の人は助けてくれなかったのか?」
???「いえ、随分助けてもらいましたよ。でも、私はそんな優しい人の手を取っ払って、否定していました」
その語り手は、苦笑いをしながら語った。身体の所々が傷ついていて、もう…………先が長くないことを悟った。俺は話を引き出そうと話を割るように切り替えた。
「なぁ、繰り返すってどういうことなんだ」
???「……私が成し遂げられなかった。本当の世界、みんなが笑っていられるような、幸せな世界。それをあなた方に創り上げてもらいたいんです」
「俺、達……?」
???「我儘を言ってしまい申し上げございませんが、あなた方なら、数々の選択を経験したあなたなら、きっと幸せにしてくれると信じています」
「……分かった、必ず成し遂げよう」
???「……これで最後になりますが、あなたはこの会話のことは忘れてしまうと思います。だから、最後に……」
月明かりに照らされ、顔を見えなかった彼女の顔を一瞬だけだが、見ることができた。
???「あなたに、大いなる祝福を……」
あなた……は!!
「アロ……ナ?」
いつもの白い天井が俺の目に映し出された。どうやらあれは本当に夢だったらしい。
「はぁ……あれが現実だったら嫌だけど……ってあれ?」
────俺ってなんの夢見てたっけ?
「……まぁいいや、どうせ今日は学校だし」
頭を掻き、俺はベッドから起き上がった。寝起きだからか頭がまだぼんやりする。いかんいかんと顔を叩き、クローゼットを開いた。
「制服は……っと」
もう春が来ているこの季節では冬服の制服は暑かった。パジャマを脱ぎ、体操服、の上に制服を来た。
まだ顔も髪も梳かしてない状態で制服を着るのは少し気持ち悪いが、まぁすぐに洗面台に行くし大丈夫だろ。
「よし、準備できた!荷物は下だから……」
ネクタイを整え、部屋の扉を開けた。周りを見ると隣の部屋が開いている。ということは親はもう起きている。もうご飯ができている可能性が高い、すぐに降りよう。
階段を急ぎ足で降り、リビングのスライドドアを開けた。
「おはよー……」
いつもならすぐ返される挨拶、キッチンに立っている母、仕事の準備をする親父。だか、今俺に見える景色には誰も居ない静寂なリビングだった。
「……んん?」
あきらかな違和感、それは家族が居ないだけじゃなかった。私物が見つからない、靴も親の仕事道具も、もとから居なかったかのように。
混乱と違和感は募るばかりだったが、どんな状況でも腹は減るようでパンと牛乳を即座に用意して食べた。
そこからはいつものように歯を磨き、顔を洗い、櫛で髪を梳かした。
「よしっ!準備オッケー、時間は……」
まだ登校時刻には時間が余っている。なら…………
「そんじゃ、ブルアカやりますか!」
意気揚揚にブルーアーカイブを開き、アロナからログイン報酬を貰った。
カフェから報酬を貰い、スケジュールで生徒のキズナランクを上げた。そんなところで時間が来てしまい……
「あっ!もう出る時間だ!」
携帯を置き、バックを背負って電気を消しリビングを出た。
「いってきまーす!」
家に人がいなくても、挨拶はしたいものだ。いつもより寂しいが、挨拶をしないことには変わらない。
玄関の扉を解錠し、ドアノブを右に回す。その時、異変が起きる。霧が発生した。
「はっ……」
言葉を発する暇も無く、濃い霧に包まれた。
─────
───
霧から醒めると、俺は見知らぬ場所にいた。長い廊下……どうやら異世界に巻き込まれてしまったらしい。いや、もしかしたら誘拐かも?どちらかと言えば誘拐のほうが現実的だ。もしかしたら近くに犯人が……
「ヤバいヤバい……!何されてもおかしくないわ!逃げないと」
混乱しながらも、逃げ道は無いか探していると……誰かが来てしまったようだ。
???「えっと、君は……?」
「ひぇっ!?」
急に話しかけられたことにより、悲鳴に近い変な声を上げてしまった。心臓がバクバクしてる……ヤバい……後ろを振り向くだけでも怖いぃぃぃ……
「あっあはは……」
自分が危ない状況に陥ると笑ってしまう人はいるだろうか。まさに俺はその癖があり、よく問題に巻き込まれては変に犯人だと間違えられることがある。メガネをかけた長身の男性は驚きながら俺を見た。
???「も、もしかして泥棒!?」
今回もあらぬ疑いをかけられそうになったので、必死に否定した。
「ち、違う……ます!俺は泥棒じゃなくて!!気づいたら……何故か、ここに、いて……」
どんどん自分の声がか細くなっていく、そうだ客観的に見てみろ、自分の家に知らない男がいて理由を問いただすと、気づいたらここにいた?そんなの誰が信じる。
今の情報じゃ、俺は誘拐されたんじゃなく、どこか別の世界に転移された可能性が高い。
なら、この状態で追い出されでもされたら確実にアウト、命を落とす。
俺のことを知らない赤の他人がいる世界でどう生きろと……。考えてみれば異世界生活ってだいぶハードなんだな。なろう系見すぎて勘違いしたわ。
???「……あのさ」
突然、目の前の男性が俺の目線に合わせて腰を降ろしてきた。長身でちゃんと顔を見れていなかったが、とても優しい目をしていてIKEMENだった。
「はっはい!」
すまないイケメン、俺は今混乱して何を喋っているかよく分からないんだ。
???「とりあえず君は困ってるんだよね?だったら、話だけでもさ聞くから。とりあえず着いてきて」
その男性の言葉には信じれる力を感じた。俺は首を縦に振り、その男性について行った。
彼の職場らしき部屋に着くと、ソファに座らせてくれて、しかも紅茶までご馳走してくれた。
???「ところで、さっきの話。詳しく聞かせてもらってもいい?」
真剣な表情で聞かれてしまったので、俺はここに来るまで生きていた世界のこと、さっきまで霧に包まれていたこと全てを話した。
???「ふーむ……と言うことは本当に突然この世界に来たってことか」
「はい……」
???「うん、なら!」
「?」
彼は急に俺に近づき、笑顔で
???「君はまだこの世界に来たばっかでしょ?何も知らないわけなんだから。まずは自己紹介から」
先生「私は新任の教師《シャーレ》で働くことになった者です。年齢は23歳、よろしくね!」
「しゃ、しゃ……?」
待て待て待て……え?え?え?
先生「あぁ、そうだよね。急にシャーレと言われてもなんのことか分からないもんね」
いやいやいや……分からないどころか、一番知ってるぞ!?まさか、いや本当に!
先生「紹介させてもらうよ、ここは学園都市キヴォトス。ここでは様々な人々が暮らしているいわば共存都市とでも言うのかな?」
はい!知ってます!知りまくってます!
先生「犬とか……ロボットとか……頭に輪っかが浮いている生徒がほとんどだね」
明らかに俺は興奮していた。本当に言い表せないくらいに!
先生「ようこそ、私は君のことを祝福するよ」
ドクンッと心臓が揺さぶられる音がした。どこかで聞いたことのある言葉……いや、デジャヴか。
先生「君の自己紹介も聞かせてもらうよ」
「あっ、は、はい!俺の名前はケン。まだ中学生で……年齢は15です!」
先生「ケン……うん、良い名前だね!よろしく、ケン君!」
ケン「はい!よろしくお願いします!」
心臓が、身体が熱くなる。始まるんだ、ブルーアーカイブが!
先生「あっ、そうだ。今日からケン君ここに住めば?」
ケン「えっ、えぇぇぇぇ!?」
これからまじどうなるんだ……
《次回予告》
ブルーアーカイブの世界へと転移してしまったケンは、先生と少しの間時間を過ごすが……突然、ある少女が飛び込んできて……
そして、ケンは自分の異変について少しずつ気づき始める。
キヴォトスの外の様子も気になったみたい
次回《第零章二話 青髪美少女とペロロ少女》