シャンフロプレイヤーワイ、フレが奥手すぎて夜しか眠れない 作:嘉神すくすく
「あぁ……それで、ろくにヘイト確認*1もせんと岩場に逃げようとした感じ? そらアカンわ、ウカツすぎ」
「でしょ!? で、でねっ……! タンク役はねっ、モグラのモーションわかってないくせに大剣ブンブンばかりしてて尻尾の攻撃ノーガードで食らってすぐに死んだの! し、しかも当たってないのっ……!」
「レベル30前後が大剣でタンク……? 絶対ステ足らん……しかもケツ向けられとるとか、挑発*2しとらん上にダメも稼げとらん*3ってことやんな」
「そ、そうなの……っ! ヒーラーは回復しすぎでバ、バフも切らせるし……結局誰も役に立たなくって、私が打ち上げられて……!」
「わっちゃぁ……初心者あるあるフルコンプやね。……ところであの打ち上げな? アレ、発動までに一番ダメージ稼いだメンバーがターゲットにされるんやけど……盗賊ってデバッファー寄りやのに狙われるとか、沼の中で上手いこと位置取りせんと無理やろ……初挑戦でそれは凄い」
「〜〜〜っ! で、でしょっ!? ス、スキルでヘイトをき、切ったら少し硬直するんだけど……そ、その間に、ねっ!? 次にヘイトが向く
「────へぇー、ヘイト読めるとかやるやん。それやれる人、たぶん最前線でもそんなにおらんで?」
「へ、へへへ……」
ほらね、ねっ! 私は正しかったの……!
やっぱり上位プレイヤーだけあって本質が見れるんだ……! レッドネームだからって私が悪いとか決めつけもしないし、ちゃんと私の話を聞ける……こんな
「聞くかぎりその人たちがヘボかったのは間違いなさそうやね……だったら、自分が勝たせてやれば良かったんじゃとワイちゃん思うわけだけど」
「だ、だからダメだった所を私が教えてあげたのっ! ……な、なのに逆上されて、悪口広められたせいで…………ヒグッ……誰もパーティ組んでくれなくなって、進めなくなったの……! だから……仕方なくってぇ……」
「
「……えっ? あなた……【
「そんなん好きにしたらええやん」
PL・NPC問わず
てっきりPK絶許正義マンの……タイサメエックス? と、そのシンパ連中みたいな痛い偽善者のPKアンチじみた理論武装を振り回してるタイプだと思っていたのに。
「……あー、もしかしてワイちゃんのことNPCと一緒で正義のヒーローか何かだと思っとる?」
「だ、だって、あなたトップ帯だよねっ……? わ、わざわざこんなところまで私を探しに来るなんて、承認欲求以外無くない……?」
犯罪者にはその罪状や被害総額に応じた懸賞金がかけられ、キルすることでマーニと功績が得られる。
前に掲示板で全ての街に掲載された手配書のスクショを見たけど、私にかけられた懸賞金額は序盤エリアでは群を抜いて高いものの後半エリアのPKerと比較するととても低かった。
装備やアイテムもセカンディルまでで入手出来る量産品か、到達度がサードレマ前後の中堅プレイヤーから奪ったものしか所持していないため……私よりレベルの高いプレイヤーからは『割に合わなすぎる』と判断されている面があり、そのため自分より弱い相手だけを選んで狩ることが出来ていた。
実利が目的で無ければ、嫌われ者の私をキルして人気者になるのが目的としか思えないでしょ?
「……この際ぶっちゃけると、ワイちゃんはNPCから頼まれて来たんよ、ほら」
「討伐依頼……え、“クエスト”!? なんでっ……!? わ、私が何したっていうの……!?」
「山ほど人殺したろうがよえーっ。……レッドネームだから知らんのか。このゲームな、評判上げるとそれを聞きつけたNPCがクエスト持って来たりするんよ。……しかし
そう言うと、この人はインベントリから“ポーション”……いや違う、“ハイ・ポーション”を手渡してきた。存在は知ってたけど実物は初めて見た……。
「使え」
「えっ、あっ……うん」
ビクッと、その一言に自分でも不思議なほど萎縮するのを感じた。
我ながら素直に、言われるがまま緑色の液体を喉から流し込む……見逃してもらえるのかな?
「……まー、【最大巧名】なんて称号は今日みたいなこと繰り返しとる内に手に入ったタダのキルレコ*4やね。元々は倒しても良い奴らを探して、見つけて、倒して……何度かやっとるうちに今回みたく『どうにかして』ってNPCが来るようになって……端から端まで片付けた結果ついてきただけや」
「そんなに軽く……キ、キルされる側の気持ちとか「あぁ?」ヒッ……!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさ──うえッ!?」
胸に刺さったままだった短剣を雑に引き抜かれ、僅かにダメージが発生した。……一瞬殺されるかと思った。
引き抜いた私の短剣の柄をこちらに向け差し出してきたから受け取っ
「モグラに勝たせてやろうか」
ゾワリ、と。鳥肌が、全身が総毛立つ。
その他一切の音に耳を傾けさせない超自然的とさえ感じさせる強制力のある声。
「理由はどうあれ……うん、可哀想だから」
「ほ、ホント!?」
「ああ。それに……うん、そうした方が……そうだね、都合がいい」
ポツリ、ポツリと……言葉を選んでいると言うよりは自問自答するような、私に意識が向いているのか分からない話し方。だけど他人の話を……いや、他人の声をもっと聞きたいと、生まれて初めて思わされている。
「PKerなんてどのエリアにもいくらでもおるし、その対策もマチマチや。けど……セカンディル近辺だけ、対策の浸透率が頭抜けとるのが気になってたんよ。……それが今日ハッキリしたわ」
『なんでかわかる?』
そう問いかけて来る目が、心地いい。
聞きたい、聞きたい、あなたの声で。
呼んで欲しい、認めて欲しい、個として、あなたに。
「素晴らしいクソ女だよ────“ヒイラギ”。セカンディルはただ一人、お前を
────あは。
「……さあ、勝たせてやるぞ」
おずおずと武器に手を伸ばし、掴み取る。
「お前は“勝者”だ」
やっぱり、私は正しい。
モモちゃんがヒロトくんとスーパー銭湯に行く話を投稿していいすか?
-
あ、いっすよ(快諾)
-
頭湧いてるんですか?
-
そんな姉さんの話より私と陽務君の絡みをも