シャンフロプレイヤーワイ、フレが奥手すぎて夜しか眠れない 作:嘉神すくすく
「えーと、これ返す、いらない、いらない、欲しい、いらない、返す、返す、いらない……」
「…………え、マジで私に会いに来たって訳じゃないの?」
「せやね、倉庫機能使いたかっただけ」
「キミってコロシアムに部屋あるのになんで────あー、ゴキって
「そーいうこと。ところで今あの女もしかして阿修羅会の連中からも首狙われてない? ワイちゃんってばちょっと引いたんやけど」
「身内から大事にされるほど殊勝な真似をあの子がしてるとでも? もしそう思ってるなら世間擦れが足りてないよ」
「そっかぁ……」
最初は私の個室に何用かと思ったものの、そもそもこの部屋は“覇者闘技”参加者用の控え室であるようで普段は使う必要が無いだけで虎人くんも利用する
朗らかで機嫌が良くて親しみやすい、私の知る限りで何も無い
「ボディガードのNPC達を部屋の外に待機させたのは迂闊だったんじゃないカナー?」
「もし自分が変な気起こしたらの話? ……まー、ウカツと言えばそーなんやろーけど、ワイちゃん的にこの部屋の広さだと殴り合うにしても部屋ごと消し飛ばずにしても周りに誰か居る方が邪魔やし。その辺をデュナちゃんもよー分かっとるから入室時の
「……自分の部屋でもそうすれば良かったんじゃない?」
「ワイちゃんの部屋って広いから規模的にちょっとねー……イベント中じゃなかったらあの女が居るのにワンチャン賭けて区画ごと破壊してもええんやけど、今それやると最低でも近くのVIPルームに居る王族NPCとか聖女ちゃんが巻き添えになる。…………さらに確信が深まったやんクッソ、この後ホントどうしよう」
どこまでも私のこと舐めてるみたいだねー?
あの子を最大限に警戒する一方でほぼ無警戒で私の所にやってきたあげく、『背中ブッ刺してやろうか』と投げかけたのにこちらをチラリと見もせずこの調子だ。
「…………キミさ、私に何か思うところとか無いの? 今回の諸々の妨害が私の指図だったことくらいは分か…………わ、分かってるよね?」
「えっ、ワイちゃん今バカにされた?」
怒りはなく、むしろ驚いた様子でこちらを振り向いた。流石にそこら辺は分かってるみたいだね、あー良かったよホントに。
「梁山泊を抱き込んで連戦を強いて手札を晒させて、散々私にハメられたのはわかるでしょ? ならもっとこう、卑怯汚いと口汚く罵ったり言いたいこととか無いわけ?」
「自白が前衛的すぎる……! せ、せめて試合終わるまではシラを切ってて欲しかったと虎は思います。…………あっ! そういえば言いたいことあった! テメーよくもあのクソ女を差し向けやがったな!?
「…………うん、それに関して流石にごめんね」
「もうしないでね」
「前向きに検討を加速します。…………え、それで終わり!?」
「ぶっちゃけ誰に言われんでも今回来ただろーなーって気もするし」
なんかすごく調子狂うなぁ……!
「ね、ねえ……そもそも今回私たちはうちの“
「……? おー、ワイちゃんが勝ったら“阿修羅会の拠点情報”と“アーサー・ペンシルゴンのクラン移籍”、ワイちゃんが負けたら“一日ワイちゃん好き放題券”*1と当面の間は阿修羅会をどうこうしないって約束やね。……あ、個人的に何か賭ける? 勇者武器ほどやないけどいい感じの武器あるよほら、“最後の竜狩りの槍”。ワイちゃんしか持っとらんはず」
「なんか軽くない……? 一か月前にウチの愚弟と不愉快なシンパどもを虐殺した後はもっとこう……全てを破壊し尽くすような雰囲気してたよね!?」
「あー、うん、あん時はガチで気ぃ悪かったし。一か二割死んだ程度でどいつもこいつも逃げやがって……」
そもそも私が彼と事を構えてる理由はあのクソ愚弟が勝手をやらかしたためにクラン壊滅の危機に陥ったせいだ。クラン自体の命運はこの際どうだっていい、愚弟もこのゲームを一年続けて一応の地力とノウハウを獲得しているのだから一度くらい因果で積み上げたものを失ってみるのもいい経験になる。
だが、今はまだダメだ。
今クランが壊滅して四分五裂しようものなら阿修羅会で独占しているユニークシナリオEX『此岸より彼岸へ愛を込めて』の情報がおよそ間違いなく漏洩する。その場合情報をいの一番に手にしうるのは誰よりも高値を出せ、なおかつ最も信頼できる買い手である目の前の彼だ。
そうなればウェザエモンの討伐そのものはきっと果たされるだろうが……利益の誘導に関して所属クランを最優先とする彼が私の分の席を用意してくれるとは考えにくく、友人枠が設けられたとて私に白羽の矢がたつとは思えなかった。攻略情報目当てにしてもサバイバアルくんか京極ちゃんを頼るはずだ。
(……セッちゃんとの約束を果たすまでは)
そもそも虎人くんは世話好きで人当たりの良い子であるため他人に好かれる。対人領域に身を置くプレイヤーには特に好意的であるためかPKerに対しても『そういうプレイスタイル』として別段嫌悪感を抱かず交流しており……厄介なことに阿修羅会にも愚弟を筆頭に彼に好感を抱いているメンバーは相当数いる。かつてPK対策を広く周知し活動をやりづらくした当事者にも関わらず人望に厚いのだ。
(どいつもこいつも褒め殺されちゃうんだよね……)
PKerの間には虎人くんに対策を取られてから一人前という風潮があり、配信等で言及される際は決まって賞賛とセットであるためトップオブトップという立場も相まって誰もが承認欲求を刺激される。
オマケに彼は自分を狙ったPKerをキルした後わざわざ教えを乞いに行くことがある。『自分には出来ないことだ、自分には無かった発想だ、その強みが欲しい』などと圧倒的強者たる彼からリスペクトされると『ふーん、分かってんじゃん』と胸筋を開いてしまうんだよね……ぶっちゃけ私も経験があるからわかる。
何より恐ろしいのはその『強い! すごい! 欲しい!』に裏が無い……彼のノートを見た限りマジで無かった点だ。周りから何かと低く言われがちな久遠も彼のそういう所に気を良くしたんだろうね。
…………いや、そこは何かあって欲しかったかな。なによ『強いプレイヤー見つけてやねー、その強さを学んでやねー、ノートにまとめると美味いで!』って!? そこまでの分析と人心掌握能力があったらもっと他に出来ることあんでしょ! どんだけ要領悪いのこの子!?
「ワイちゃんは、ワイちゃんとの闘いから逃げたやつを許さん。そいつらをまとめて殺すために“阿修羅会”を殺す」
「君ってRPGやる時は範囲攻撃の取りこぼしをコツコツ“たたかう”で殴ってるでしょ」
「……………………なんでわかるの?」
「プレイヤー一人に撲殺か爆殺の二択な雑頭で考えてごらん」
「ククク……」
死ななかった相手を丁寧に殺す、我ながらかなり彼のスタンスの核心を突いてると思う。強いやつは死なないだろ的な。
てか雑魚モンスターに逃げられてムカついたから魔王城を燃やす的なモチベーションなの……? 巻き込まれる側はたまったもんじゃないね。
「あーでも、自分はもう逃げてもええよ。よーやったと思うし」
「……試合が始まってもいないのに何言ってんの、勝った気になるの早すぎじゃない?」
「いいや、
「……急にメッチャ褒めるじゃん。もしかしてお姉さんのこと口説いてる? 困ったね、鉛筆先生はみんなのものなのに……」
「天音永遠さんの顔で滅多なこと言うな。……いやホンマにそのアバターでイメ損するのやめてよ、忙しいだろうにニワカのファンレターにお返事くれるような人なんやから」
「いやぁ照れるなー」
「そうか、お前は介錯を望んでいるんだな」
くぅぅぅ! これこれ! 捻くれてない坊やのガチ賞賛キくわぁ……何が良いって、いつも見た目以外のところを賛美するんだよねこの子。正直めちゃくちゃ気分がいいから仕事でダルい事があって気分をアゲたい時なんかたまに絡みに行っちゃう。それにこの子ってば
……マズイなあ、本気のファンサービスをしたくなっちゃうよ。プレイヤーが
まあ今日のところは置いといて気を取り直す。
「つまるところさ、直接対決前にキミのことを排除できなかった時点で私の負けって言いたいわけでしょ? ……早合点すぎるなあ。そもそも今日のキミってどんだけ手札吐かされたと思ってんの? それに“食いしばり”だってもう残ってない、とことんまで追い込まれてるから今こうして慣れないハッタリで不戦勝を狙ってる……乗るわけないじゃん、勝てる試合捨てる気は無いよ」
「────グハハハハ! あー……やっぱ乗ってくれんよね、参るねホンマ。こらいよいよ負けるかもわからん」
今回京極ちゃん
前提として彼は確かに無敗のチャンピオンではあるものの無傷で勝ち続けたわけではなく、攻撃が当たれば当然ダメージは入るし欠損もするプレイヤーの一人に過ぎない。その上で、今も昔も耐久面を“食いしばり”に依存し実質HP回復縛りの紙装甲欠陥アバターでありながらあらゆるPL・NPCを下し、『勝てるわけが無い』『流石に負けるだろう』『今日こそは負けるはずだ』『勝つのはおかしい』という下馬評を覆してきた彼に対する油断は無い。
食いしばりの使用回数はもはや残っていない……あってもアクセサリー付け替えとかでせいぜい一回、そして先程のヒイラギちゃんとの戦闘において使用された蘇生効果に至っては他のありとあらゆる場面で使用を観測されたことが無いものだ。
今の彼は史上最も追い込まれている、それは間違いない。
「おー、おー、試すような真似して本当に申し訳ない。……ん、お詫びにこれを。試合で使って」(スッ)
「えー? なんだか申し訳ないなー」(グイィィィィ)
「
「むぅ……ケチ」
いやまあハイエスト・ミキシングポーション三本も確かに高級品なんだけどさ。
「とんでもねぇ女やな……じゃ、ワイちゃんそろそろ出番だし行くね。阿修羅会ぶっ潰すかどうかの試合でこんなこと言うのもなんやけど、全身全霊を尽くして良い闘技にしよう」
「勘弁してよ、そういう暑苦しいのは対人狂だけでやって」
「えー」
そうして、インベントリ容量を減らして身軽になった上裸虎頭の狂人は気の抜けた声を最後に退室していった。
「……………………参ったな、思ったよりキツいかも」
彼が行ったのを確認してからそう独り言ちた。
……動揺が無い、焦燥がない、敗北がすぐそこに見えているプレイヤーの精神状態とはとても思えなかった。もしアレが
「なぁにが『負けるかも』よ……最後まで舐めやがって」
……あの瞬間、彼の声色や態度から伝わってきた感情は間違いなく『歓喜』であり、機微に聡い生まれ持った感性が初めて恨めしく思えた。
今見えているものが彼の底ではないと言うのか、それとも単に気が触れているだけなのか…………彼は本当に追い込まれているのか? 実際はさておき、少なくとも彼自身はそう感じていないのだろう。
ウェザエモンと相対した時のようなゲーム的仕様によるものではない、己の腹の底から湧きでるプレッシャーにより身体が重くなる。
知るほどに理解が及ばなくなり、向き合うほどに得体がしれなくなる……胸に空いた針ほどの穴のような不安感がジリジリと拡げられる感覚があった。
◇ ◇ ◇
“覇者闘技”当日のタイガー・コロッセオの観覧席は満員御礼が恒例であるがその内七割はNPCの観客で埋まる。その比率の主な理由として最も大きいのはNPCからは代替不可の一大娯楽として支持を受けている一方でプレイヤーは試合やイベントを見るだけであれば会場に出向かずともリアルで中継映像を無料視聴できるためだ。
それだけではなくゲーム内の現地で観戦するためのチケットは席のランクにより価格はマチマチながら基本的に高額であること、さらにそのチケットはNPCに贈答するとかなりの好感度を稼げるetc.様々な理由が複合したことによる構成比だった。なお
さて、そんなイベント中にあって観客席の一角……
エリアの中心には二人の女性NPC……そしてその二人を数メートルの距離をあけて囲うように密集する異様な集団がいる。
「ティーアス、そろそろ係の方に投票券を渡しなさい」
「…………ギリギリまで考えたい、待って」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ(スクショ連写)
(うわぁ……アイツらこんなとこにも湧くのかよ)
(しっ! 聞こえたらどうすんだ……!)
NPCの内、片方は衣装と呼ぶのもはばかられる包帯
……読者諸兄も既にお気づきの事だろうがあえて言及させていただく。そんな生き恥じみた服装に着せ替えられた二人を囲いあらゆる角度から静止画撮影・録画・録音を行っている集団はクラン“ティーアスちゃんを着せ替え隊”、および同クラン内チーム“ルティアさんを脱がせ隊”の面々である。
この状況が作られたきっかけは偶然であった。
────2週間前。
その日も“着せ替え隊”たる彼らは自らの推しに目当ての衣装を着せ撮影するという活動に精を出して身内同士で殺し合っていた。
『しゃあっ、ティーアスたんきちゃ! いけーっ、逆バニーの息子!』
『ノスタルジアはライン超えたぞシナリオハゲぇぇぇ!!』
(今日もやってんなー)
手馴れた動きで装備破壊を回避し的確かつ速やかにキルされた“
『────“まさぐり”モーションだァ? ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!? クライムあの野郎ォ……インベントリにアイテム入れっぱじゃねえかヨえーっ』
これには普段から割とキレがちなサバイバアルも一層激おこであったが……直後認識を切り替えた。
『ちょっと待てサバさん! なんか通常挙動と違くねえか?』
『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……あ? なんかランダムチョイスって感じじゃあねェな……なンだ? 何をワザワザ選んだ? 滅茶苦茶ゴキゲンだゾ!?』
『あれ“覇者闘技”のチケットっスね。スポーツ観戦気分を味わいたくってゴールドタイガーさんに良い席譲って貰ったとかアイツ言ってたっ────────スゥゥゥゥゥゥゥ』
『────────今すぐクライムんとこ行って指定席の番号を確認しろォ。オレは一度落ちて虎人ン野郎を直電で叩き起こす』
…………そうして彼らはありとあらゆる手を尽くしてマーニを工面しティーアス周りの大半の席を確保、さらにティーアスの隣のチケットをルティアの手に渡らせるまでに至ったのだった。
そして当然のことながらNPCとは彼女らだけではない。
「この列か。少し通してください」
「あ? んだテメェ……ここら一帯は貸切────ッ!?」
「?? いえ、この通り私の席はそちらでして」
「し、失礼しましたぁ……」
「お、“王認勇士”アルブレヒトがなんでこんなとこに……?」
「チッ……恐らくこのヘン一帯が梁山泊の身内席なンだ。手に入らなかった席のうちの一つが────ッ! 全員武器を出せ! あのクソ夢女共が来やがるぞ……!」
「クソとはなんだ!? イヤーッ!」
「「「ザッケンナコラー!」」」
「
王国第三騎士団にしてクラン:
「手に入らなかったチケットの買い手はコイツらか……!」
「問答無用ってかァ? だがあのロリ巨乳が居ねェなら大したこたァねぇ! その前にオレ達が殺してやるよっ」
「大枚はたいてチケットを購入したクラニア=センセイのため! 死ね! このロリコンどもめ! 死ね!」
「乱闘開始だ────っ、GO────っ」
「ぬおおおおーっ!? ちょおっ、さっきからなんなんこの席!? たすけて虎の人おおおおおおおお〜〜〜ッ!!」
この日のために“ファンクラブ”はイベント開催中にアルブレヒトが王都を離れても問題がない警備状況を構築し、アルブレヒト本人+撮影班分のチケットを確保していたのだった。彼女らが緒戦の虎殺しに参戦していた主な理由は嫉妬だが、それだけでなくイベント協力の対価として“梁山泊”リーダー・雷牙より席の
撮影環境を巡る二勢力の争いが勃発したのと同じ頃、他にも────
『ご来場の皆様におかれましては是非ともコロシアム北側の
『『「「おおおおおおおおおおお!!!!」」』』
慈愛の聖女イリステラ。
夜明けの空を思わせる静謐かつ暖かな微笑みをたたえた彼女が貴賓席から姿を覗かせ手を振った瞬間、場内は溢れんばかりの歓声に包まれた。“親衛隊”は彼女のための最高の観戦環境をイベント協力の対価に提供されていたのだ。
『はい!! イリステラ様ありがとうございました!!』
「勝手に終わるな」
「戻ってきて」
「どうか行かないで」
『ありがとうございましたッ!!!!』
「まあ、ふふふ」
『……推せるなぁクッソ』
直前まで浮かべていたものとは異なる、口元を隠したややイタズラで自然な笑みを浮かべたイリステラはゆっくりと振り返りその場から下がった。
そしてその視線の先、広く豪奢な貴賓室における彼女の護衛として傍に仕える聖盾騎士団団長のジョゼットと精鋭数名……加えて梁山泊よりコロシアム内での護衛として派遣された黒い美髪が目を引く女性アバター“神槍”獅子十六の姿がある。
「────────さて。ジョゼット、もう時間がありません。早く“エキシビション”の勝敗予想を完成させましょう。差し支えなければ“美髪公”……獅子十六様も“覇者”の右腕としての見識をお貸しください」
「はい、喜んでッ! ランク1
「その下卑た目を向けるな小娘。それにちゃん付けされるほどオレは、ああっ、たく……0、0だぎゃ。こっちのクリーンヒット回数と箇所は……いや、ここは自分で考えるがええがよ」
イリステラと獅子十六のアバターに挟まれ鼻息を荒くしているジョゼットをよそにコツコツと記入が進められているのはもうすぐ行われる“覇者闘技”の初戦にしてメインイベントである“
前提としてPvPコンテンツの個人戦は三番勝負──先に二回相手を倒した側を勝ちとする方式であり、基本的には『どちらが』『何勝何敗』でマッチを制するのかを予想する。
挑戦者側が勝利した場合には単純に当選者全員で賭け金を山分けし、加えて来場者全員に対しチケット料金の返金が行われる。『“覇者”が負けたイベントではお代を頂きません』という大胆なスタンスは初回“覇者闘技”で大きく注目を集め……今なお実行されたことの無い最強神話の一つとなっている。
そして覇者側が勝利した場合だが、単に勝敗を当てただけでは
最大三回まで使用可能な回復アイテムの内訳、各ラウンドにおける『スキル』『魔法』『その他』など決まり手の種類、最も長く使用した武器種等の様々な項目があり……そのため集計に時間がかかるためメインイベントであるにも関わらず最初に試合が行われる主な理由だった。
『スペシャルゲストは彼女だけではございません、続いて隣の貴賓室をご覧下さい!!』
「遠目であれとかリアル聖女ちゃんやっべ。これだけでもう撮れ高よマジ」
「配信中なの忘れそうになったわ。しかし聖女イリステラの後じゃどんなNPCをお出しされても『第一王女アーフィリア様です!! 皆様、より一層の拍手をお願いします!!』コ゚ッ」(強制ログアウト)
「ガル!? ガル之瀬ーッ!」
第一王女アーフィリア。傍には彼女を守護する第二騎士団団長の女騎士NPCセレス=フィリアと第三騎士団団長の座を奪ったクラニアの姿がある。
…………この日はこのように大陸全土から普段見かける事さえ難しいレアなNPCが枚挙に遑なくフォルティアンに集結するため場内の熱狂は並々ならぬものとなる。
それほどまでに
『以上をもちまして開会式を終了致します。それでは────皆様、大変長らくお待たせ致しましたッ! 本日は遅れることしばらく……ついに「あの男」の入場です!!』
『────────』
『────────』
『────────』
そのアナウンスの直後、会場の七割が静まり返る。
「な、なんだぁ……?」
「この異様な
「…………あなた達、静かにして」
「アイツが、ンッ……失礼、“彼”が来ます」
それらに釣られるように遅れてプレイヤー達も口を閉ざす。
『その男は
会場から声が消えた頃、新たな音がコロシアムの四方から鳴り始める。フォルティアンおよびクラン:リョーザン・パークが誇る楽隊による入場曲の
『その男は英雄。弱きを助け悪しきをくじく、勧善懲悪の徒にして戦士の司』
打楽器から始まり管楽器の副旋律、次いで弦楽器────そして、観客の足踏みが世界を揺らす。
『その男は“最強”。幾千もの死闘を経て無敗────今なお伝説を歩み続ける者ッ!!』
(……来る)
(来る……!)
(──来た!)
角笛や法螺貝のような、人工の管楽器とは異なる質感の音がコロシアムに響く。次いで、彼の歩みに合わせるように戦太鼓と戦鐘が交互に打ち鳴らされる。
ドン、ジャン、ドン、ジャン、と。
各々の生きてきた記憶ではなく、先人が、先祖が、祖霊がそれらを『戦の合図』と告げている。
誰もがその姿に釘付けであった。
遠目でも栄える虎柄の頭と外套の偉丈夫が、堂々たる歩みだけで歴戦の
『フォルティアン最強ッ! リョーザン・パーク最強ッ! 開拓者最強ッ! 我らが“
「オオオオオオオオッッッ!!!!」
最強の男が右腕を掲げ雄叫びを上げると同時に、戦場の八方にて魔法による絢爛な火花を伴う爆発が続けて三度起こった。フォルティアンの演出担当、魔法使いNPC集団による魔導爆発を複合した花火である。
『イアッイア!! イアッイア!! イアッイア!!』
『イアッイア!! イアッイア!! イアッイア!!』
『イアッイア!! イアッイア!! イアッイア!!』
観客や梁山泊の門弟NPC等はまるで狂乱したかのように彼ら彼女らが待望していた存在に向かって礼賛の声を上げる。
────従来のコロシアムにも賭博システムや楽隊等は存在していたが現在ほどの規模や豪華さは無く、NPC視点でも闘技場そのものの愛好家同士で盛り上がっていた程度であった。
その中にあって虎人は他の追随を許さぬ圧倒的な戦績で大陸全土に名を轟かせ、ゲーム内におけるコンテンツそのものの注目度を爆発的に上昇させたのが変化の始まりだった。
そしてそれらの変化をより大きくし、かつ最大効率で活用しPvPコンテンツの集客率を増加……フォルティアンという国を興し、奪うことに成功したのがリョーザン・パークだ。より言うとその前身となる“紫電ライガ親衛隊”のリーダー・雷牙その人である。
たった二人により世界は狂ったのだ。
今、世界の目と耳は彼らに奪われている。
◇以下、要約
虎:クソ強で人格に優れた集客力のある善玉格闘家
ライガー:稼げる敏腕プロモーター
梁山泊:道場兼優良財団
↑こんな連中が生えたせいで弊ユニバースのシャンフロワールドは20世紀の日本のプロレスブームみたいな状態になっている♨
虎はペンシルゴンのことを殊更に嫌っていたりはしません。
10段階中の5〜6くらい? なににつけても天音永遠のイメ損が響いている。
【参考値】
知らない人:5
クラスの男子:7〜10
サイガー100の追っかけ:1
ジョゼット:2
サバイバアル:10
レイちゃん:10(↑こ、この人と同値なんですか……?)
モモちゃん:100
“アレ”:-100(絶対値で100だね、ねっ!)
楽郎:日本一ソフトウェア
モモちゃんがヒロトくんとスーパー銭湯に行く話を投稿していいすか?
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あ、いっすよ(快諾)
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頭湧いてるんですか?
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そんな姉さんの話より私と陽務君の絡みをも