シャンフロプレイヤーワイ、フレが奥手すぎて夜しか眠れない 作:嘉神すくすく
これの前後の話です。モモちゃんが彼女面した挙句逃げ出した話なのでぜひ読んで欲しいよ。
モモちゃんの解釈違いに気をつけてくれよな。
クソマッチを一通りクリアした翌日の朝のこと。
「返してリュウ、お洗濯出来ないから……ほら、このエビちゃんと交換しよ……?」
「ふるるるるる……っ」
前略、つい先程フィルター掃除を終えた洗濯機様。ワイちゃんは今、我が部屋の片隅に
ぶっちゃけワイちゃんの体力故かプラシーボなのかは分からないけど疲労回復効果は『あってもなくても変わらなくない?』という気持ちがなくも無いが……そもそもこの手のアイテムは数ヶ月のワクワクを買うものだと敬愛するエリザベス先生が言っていた。もうしばらくの間はきっと効果があると信じていたい。
さて、二着をローテーションしてかれこれ2ヶ月目となる今日この頃……これまでも靴下等を盗んできた我が子だが遂に大物に手を出しおって現在に至る。
────と、返還を拒否され困っていたところ、昨日の夜に禁断の人妻マッチング三度打ちしたという楽郎から通話リクエストがきた。
『よっすー。お前今日暇?』
「あー? リュウからパジャマ取り返すのでめちゃくちゃ忙しいわ……ほら見てこのお
『よし暇だな。ロックロール行こうぜ、昨日店寄ったら岩巻さんから『愚痴らせろ、お前も連れて来い』って脅されてよ……』
「えっ、
『宗教勧誘に発狂したらしいぜ。それとどっかで昼メシ食おう』
「お昼? あー…………まあええか。わかった、後での」
『おう、じゃあな』
宗教かぁ、あれワイちゃんも引いたけど確かにしんどかった。何があれって勧誘役のキャラが男女共に無駄にクオリティが高い固有グラなのに非攻略対象で初見殺しなところが。
「……ぷぴっぷぴっ」
それはそうと、通話中ずっとスマホに向かって犬パンチを空振りしていたリュウはというと…………この交渉上手め、噛むと音が鳴るやつをチラつかせたことでようやくトレードが成立した。
「よしよし……これ好き?」
「ぷぴぷぴ」
「たのしいねぇ」
「ぷー」
服とか靴といった飼い主の匂いが付いている物を持っていくのはリュウに限らずワンちゃんにはありふれた習性だけど、下手に取り上げたり叱ったりしてはいけないし、かと言って甘やかしすぎてもいけないのが躾の難しいところだった。
「……とりあえずサイガー100に『お昼ご飯は自分で食べてね』って連絡しなきゃ。ねー?」
ぷぴー。
◇◇◇
……………………ロックロールにてとんでもない早合点をした後、短距離走の速度で中距離を追ってきたフィジカルモンスターと共に全国チェーンの焼き鳥居酒屋に入店していた。
「おつかいで来てたアキガヤ・トダーがロックロールでの映像提出してくれんかったら警察に連れてかれとったのよね、こわくない?」
「……本当にすまない」
異性への判定が厳しい以外は誰とでも友人関係になるヒロトだが、介護用ロボットの友達が居る事には流石に驚きを隠せなかった。……というか一部の人間を友人とパーソナライズするだけでなく警官からかけられた疑義を積極的に晴らそうとするとは、シャンフロのネームドNPC並のAIじゃないか? ゴアテック社の技術も大したものだな……。
それはさておき。そもそも私がロックロールに来店していた理由は単なる通りすがりだ。あの少年と遊ぶという理由からヒロトに昼食の世話をして貰えなかった私は、既に米の口になっていたものの自分で炊飯する気にもなれず適当な店で昼食を取ろうと近所を練り歩いていたら店内でヒロトが真奈さんと和気あいあい……と言うには少々怒気が強かったが、何らかの話題で盛り上がっていたのを見かけてフラッと入店した。
そうしてヒロトが出会い系アプリに
────甘辛いタレの焼き鳥、ふくよかな純米吟醸の冷、香ばしい味噌焼きおにぎり。日曜とはいえ昼間から罪悪感を覚える3点食いに加え、対面で釜飯の炊き上がりタイマーを睨みつけているその顔によって多幸感に包まれているのを感じていた。
……『包まれる』、というと
「てかさっきは突っ込まんかったけど……ワイちゃんのジャンパーだいぶ気に入っとらん?」
「あ、ああ……しっかり暖かくて、それでいて蒸れないのが良いんだ」
「コラボデザインでもう買えないやつやから後で返してね?」
「…………んぅ」
「顔そらさないでぇ……? サイズ合っとらんでしょ……」
先週の夜に酩酊した私がコイツから奪取していたジャケット……遊園地にでも居そうな着ぐるみのクマのようなキャラクターをイメージしたデザインのスカジャンをここ一週間プライベートにおける防寒着として使っていた。
機能性はもちろん一回り以上大きなサイズに加え────これ以上の仔細は伏せるが、安心感がやばかった。
シャンフロでもリアルでもコイツの所有物であるというだけで否応なしに
…………コイツの物と言うと、前にほぼ窃盗したアレの件がある。
「な、なあヒロト……? 幼女ちゃんソードの……そ、その、
「アレ? ……あー、あの
「そ、そう……?」
「うん。無駄にしたくないから────絶対に」
「ヒュッ……!? は、はい……」
その青黒い目と左右対称の笑みに脳幹を掴まれているような心地だった。
────少し前に虎人への甘えが過ぎた際に言い渡された約束、幼女ちゃんことティーアスの剣のプレイアブル版譲渡に対する条件
『願いの権利』
他ならぬ覇者としての虎人が掲げている、健闘したチャレンジャーに対し時たまに与えている権利をサイガー100……および斎賀百たる私に対して求めてきたのだ。
かつて黒狼という大組織にさえ見返りを求めなかった彼が私個人に何を要求
「……ねー、飲むペース速くない? こっちはまだ釜飯炊けとらんのやけど」
……酒、酒、酒、肉、酒、酒、米、酒、酒、酒。
これ以上なにか考えているとまともで居られなくなる確信があった。
◇ ◇ ◇
「…………またやってしまった」
赤くなった空を横目にヒロトへの謝罪メッセージを送る。
酔って正気を失い介抱させたこと、あるいは寝ている間に家の事を諸々のやってもらっておいて見送りも出来なかったことを? もちろんそれもあるが、それよりもずっと物理的なやらかしに対する謝罪だ。
虎:気にしなくていいよ(-ω・`) 走って汗かいたやつだから洗濯しといてね、カビたらヤだから( ´・ω・` )
今日アイツが着ていたパーカー付きのジャケット…………と、その下に着ていたシャツのセットが手元に残っている。我ながらどれ程強く握り続けていたのやら、袖の部分がシワになっていた。
…………私はひどく酔っていた、その間の記憶はすっかり抜け落ちている
などということはまるでない……!!
私自身がしでかした大半のアレコレも鮮明に覚えている。シャンフロにおいてレイとの仲が良すぎるのでは無いか、というか世話焼きが過ぎるのではないかという旨の詰問から始まり……今日は元々私が先約だったはずなのに午前中から来てくれなかったというワガママで困らせていたり、店を出た後については…………過去の経験からすっかり味を占めたタガの外れた私は座り込んで……………………お、“お姫様”の方をねだったり、腕の中で寝たフリをしたり…………!
そしてベッドに横にされ自分でも何を言っているのか覚えていない程度のやり取りを続けているうちに本当に寝落ちしてしまう、というのがいつものパターンだった。
…………恥ずかしすぎて覚えてないフリをしているものの、たぶん気を使われてるだけで普通に気付かれている。甘えられ上手が過ぎるのではないか……? そんなことだからトワやライカや“アレ”のようなタチの悪い連中にまで付け込まれるんだぞ……! あとレイも。
「…………スンスン」
…………こんな風に、先週の分と引き換えるように“抜け殻”を手にしているのもいつもの事だった。
虎の鳥に対する優先度はだいぶ高いです。
虎とレイちゃんはお互いに組んでクエスト出たりしたことを普通にモモちゃんに共有してるよ。本人達からしたらわざわざ隠すほどのことでも無いのでな。
モモちゃんがヒロトくんとスーパー銭湯に行く話を投稿していいすか?
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あ、いっすよ(快諾)
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頭湧いてるんですか?
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そんな姉さんの話より私と陽務君の絡みをも