サイコロ男と毒女   作:スピリタス3世

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第十四話 女の子見張り隊

  side しのぶ

 

 炭治郎君が背負っていた箱から鬼が出てきた。どういう事?意味が分かんないんだけど。まさか鬼の味方?

 

「これ炭治郎が背負ってた箱だよな?」

「はい。でも禰豆子は大丈夫です!」

「禰豆子って言うんか、この鬼。善逸も惚れてるとか言ってたなぁ。つまり、これ知ってたってことだろ?」

「そう………です………」

「伊之助は?」

「コイツらとはさっき会ったばかりだ‼︎」

「そうですね………」

「なるほどな。」

 

 今すぐにでもこいつらを殺したいんだけど、サイコロステーキが冷静に事情を聴取している。私も落ち着いて状況を見極めないと。感情を制御できない者は未熟者、未熟者………

 

「で、禰豆子は鬼なんだが………どの辺が大丈夫なんだ?俺に教えてくれ。」

「禰豆子はまだ人を食べた事がありません!それが3・4年続いています!」

「どうやって証明する?俺たちに過去を見ろって?」

「俺がその事実を知ってるので!」

「お前が嘘をついてるかどうかが俺たちには分かんないんだよ。」

 

 どうやらこの鬼はまだ人を食べた事が無いとのこと。味を覚えていないのならまだ安全、と言うわけにもいかない。ただ確かなのは、稀血のはずの人質の子に全く反応していないこと。通常鬼は稀血を目の前にすると、凄まじい食欲に襲われる。しかし、この鬼は特にそういったこともなく、ただボケーっとしてるだけ。

 

「稀血のこの子に無関心だから、言いたいことは分かるわ。もしかしたら、鬼とは別の生き物になっている可能性があるかも。血液を調べれば分かるかな?」

「しのぶが言うなら確かだな。一応不死川さんみたいなド級の稀血でも確かめてみるか。」

「そうね。」

 

 しかし、安心はできない。この鬼が本当に人を食う鬼だった場合、取り返しがつかないことになる。いつでも殺せるように、私もサイコロステーキも臨戦体制だ。

 

「で、炭治郎。お前はなんで連れてるんだ?コイツをどうしたい?」

「俺の妹なんです。なんとか人間に戻したいと考えてます。」

「人間に戻す………か。薬か何かで?」

「そうですね。」

「なるほどな………」

 

 そんな事を思っていると、炭治郎君の狙いが分かった。確かに身内が鬼になったら、なんとかしてあげたいと思うのが普通である。それでも首を斬らねばならないが、もし斬らずに済むならそうしたい。となると、鬼でなければ首を斬らずに済むが………

 

「これ結構いい考えじゃね?」

「そう、普通の事に思うけど………?」

 

 すると、サイコロステーキが何やら閃いたみたいな表情をした。そんなにいい考えか?身内と仲悪かったアンタはそうかもしれないけど、普通の人からしてみたら当たり前のことじゃ………

 

「鬼を人間に戻す薬が出来たらよ、上弦や鬼の長を人間にして弱体化出来るんじゃね⁉︎」

 

 なるほど、そういうことね!鬼由来の怪力や体力を無くして戦いやすくするのか。それなら鬼殺隊にとっても、この子を生かしておくのはいい事があるかも。

 

「それはいいわね。私も作ってみる。」

「本当ですか⁉︎ありがとうございます!」

「ただ、禰豆子が普通の鬼みたいに暴走する可能性もある。それに備えて、隔離の上俺が柱として監視する必要もあるな。」

 

 ただ、隔離は確かに必要だ。今後なんかの拍子に暴走して人を殺したら、取り返しがつかない。となると確実に人目に触れない場所がいいわね………

 

「それなら蝶屋敷に使ってない蔵があるから、そこを使う?昼は太陽で外に出られないし、夜はアンタや他の柱が監視すればいいし。少なくとも今みたいに炭治郎君が連れて歩くよりは心配無いわ。」

「それはいいな。ただし監視は柱である俺1人が責任を持って行おう‼︎昼は日光、そして夜は俺が監視だ!」

「なんでそんなにやる気なのよ………?」

 

 それにしても、コイツめちゃくちゃやる気ね。普段は柱の任務を全うするどころか言い訳ばかりで逃げまくりだけど、今回ばかりはやけに柱を強調するわね。一体何の狙いが………?

 

「だって女の子を監視するだけで金貰えんだろ⁉︎そんな美味しい仕事を逃してたまるか‼︎」

 

 ただのクズだった。

 

「アンタ、そのためにこの鬼を見逃すの⁉︎」

「ちゃんと鬼殺隊全体に利点がある事を説明しただろうが!」

「それは………そうだけど………」

「な?反論出来ないだろ?はい、俺の勝ち‼︎」

「禰豆子さん、コイツを食べてくれない?」

「しれっと人を殺そうとするな‼︎」

「むー。」ブン、ブン

「マズそうだから首振ってるな!」

「うるせえ伊之助‼︎」

「サイコロステーキ先輩、残念ながら禰豆子ちゃんは俺の妻です。」

「違えだろ、善逸!」

「サイコロステーキ先輩………面会は出来ますか?」

「炭治郎、それは出来るから安心しろ。」

 

 確かに尤もらしい理由だし、鬼殺隊にも利がある。だからといって自分の欲のためにこんなに頭を使うとか………。もっと別のことに使ってほしい。本当に、頭がいいのか悪いのか分からない男だ。

 

「ちなみにしのぶ、俺は禰豆子の監視で忙しくなるから、他の巡回や鬼退治の仕事は断るぜ!」

 

 本当、楽することばっか考えやがって………っ!にやけ面が本当に腹立つ!よし、そんな奴にはこうだ!

 

「そんな事させるかぁ!柱交代交代で監視よ!」

「何でお前は俺の妨害ばかりするんだ⁉︎楽して金を稼がせろよ!」

「アンタが禰豆子さんと組んでない事を証明するためよ!担当が1人だけじゃ癒着を疑われても仕方ないじゃん!」

「お前………頼むからそれだけは柱合会議で言うなよ!」

「言い返せないのかな?自分が勝ったんじゃなかったのかなw?」ツンツン

「うるせえ!ツンツンすんな!」

 

 流石に1人だけが監視担当じゃね。コイツが禰豆子さんに恋したら贔屓が入っちゃうからね。ちゃんと公平に監視しなきゃね!うん、うん!

 

「つーことで、柱合会議の議題に挙げるから、お前らも同席な!」

「柱が集まる会議ね。」

「「分かりました!」」

「柱がいっぱい………勝負だぜ!」

 

 その後私たちは柱合会議で、反対はあったもののこの案が採用されることになった。決め手はお館様の賛成と出血した不死川さんへの無反応。どうやら最初から禰豆子さんを生かしておくつもりだったらしい。もしかしたら、今回の任務に私とコイツを担当させたのも、この未来が見えていたからなのだろうか。

 

 それに、お館様の未来視。もしかしたら私とコイツが添い遂げる未来でも見えてるのかな?柱になるまではずっと同じ任務だったし、柱になってからもほとんど同じだし。もしそうだとしたら、嫌だなぁ。そんな事を思った一日だった。

 

 

 

 

  side 善逸

 

 サイコロステーキ先輩としのぶさん、あれで付き合ってないの?無理あるって!




大正こそこそ噂話

炭治郎が倒すべき鬼をサイコロステーキが倒しちゃった影響で、原作からちょっとズレが出ています!ちなみに炭治郎は珠世さんにはまだ会ってません!
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