side しのぶ
今日は任務の日。しかも珍しいことに、サイコロステーキはおらず、代わりに宇髄さんと奥さん3人という変わった組み合わせだ。久しぶりのサイコロステーキがいない任務を少し寂しいと思いつつも、問題児の相手をしなくて済むという安堵感で溢れていた。
「よっ、胡蝶!派手に着いたぜ!」
「お疲れ様です、宇髄さん。」
「ねえ天元様、この子がしのぶちゃんですか⁉︎」
「ああ、そうだ。」
「わぁ〜、可愛い〜♪私は妻の須磨です‼︎よろしくね‼︎」
「須磨がうるさくてごめんね!アタシはまきを。よろしくな‼︎」
「私は雛鶴と申します。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
ちなみに、宇髄さんの奥さん達とは初対面。3人ともとても美人な方だ。彼女らはくノ一で、刀は握らないが宇髄さんの支援をしている。また、今日は遊廓での潜入調査という事で、女性多めの布陣になっている。遊女として潜入するのが正直嫌だけど、これで鬼を倒せるなら安いものだ。
「そういや、今日は地味にアイツ居ねえんだな。」
「「「アイツ…………?」」」
「サイコロステーキって言ってな、胡蝶の彼氏だ。」
「「「彼氏⁉︎サイコロステーキ⁉︎」」」
「違います‼︎断じて違います‼︎///」
それはそうと、宇髄さんは嘘を吹き込まないで欲しい。また余計な噂が広まっちゃうし。お館様といい悲鳴嶼さんといい姉さんといい、なんで私がアイツと付き合ってることにしたがるんだろうか。ホント、どいつもこいつもだ…………
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ危ねえ‼︎」
「サイコロステーキ⁉︎」
そんな事を考えてたら、なんと本人がやってきたんだけど⁉︎
「おっ、噂をしてたら派手に本人が登場だな‼︎」
「あっ、宇髄さんち〜っす!」
「それよりアンタ、なんで帰ってきたの⁉︎」
今日は確かどこかで博打の予定だったはず。夜通しやるから休みを取ってた。しかもコイツは必ず夜通し打てるように大量の軍資金を持っていってる。だから深夜の今に屋敷に帰ってくることなんて、まずあり得ないはずだ。だから、なんで………?
「警察に捕まるところだったぜ‼︎」
「何してんの⁉︎」
嘘でしょ⁉︎このバカ、とうとう警察のお世話になるところだったの⁉︎
「今日は新橋の裏賭場で博打してたんだけどな………大負けしたバカが通報しやがったんだよ‼︎そのせいで警察に踏み込まれてな。危うく捕まるところだったぜ‼︎」
「ホント何してんのよ⁉︎完全に犯罪じゃん‼︎」
「普段鬼から逃げるために、逃げ足を速くしといてよかったぜ。」
「捕まって反省すればよかったのに‼︎」
博打打ってて警察に見つかったとか、ホントバカよね‼︎しかもそれで逃げてきたって………。マジで呆れる。宇髄さんたちも言葉失ってるし………
「お前、地味に噂通りの博打打ちだったんだな。」
「そうなんです。宇髄さん、このバカをなんとかしてくれません?」
「それは無理だな。コイツは地味に頑固そうだし。」
「その通りですよ、宇髄さん‼︎俺は自分の行いを悔いた事がありません‼︎」
「何元気に返事してるのよ⁉︎反省しろっての‼︎」
しかも悪びれる様子も無い。いつもの通り、反省の二文字が辞書に無いのだろう。
「それより、こちらの女性たちは………?」
「全員派手に俺の嫁だ。」
「はぁ⁉︎3人も⁉︎ずるいですよ‼︎1人ぐらい下さい‼︎」
「ダメだ。」
「アンタだって色んな人を嫁にしようとしてるでしょ。」
「俺はいいだろ⁉︎カッコいいんだし‼︎何故か誰も手に入らないけど‼︎」
「「「「やっぱり………」」」」
「なんで納得するんです⁉︎疑問に思って下さいよ‼︎」
挙げ句の果てには宇髄さんのお嫁さんたちを狙う始末。本当にろくでなしだ。そろそろ自分の評価をちゃんとしたらどうなのかな?むしろどこからそんな自信が湧いてくるのか知りたい。羨ましい限りだ。
そんな事を思っていると、
「それはそうと………サイコロステーキ、今地味に暇か?」
宇髄さんがサイコロステーキに声をかけた。
「まあ、暇になりましたけど………」
「ならお前も着いてこい。任務だ。」
「仕事するほど暇じゃないんですよね。」
「地味に仕事したくねえだけじゃねえか‼︎」
そういや予定無くなったんだから、出れるよね。せっかくだし着いてきてもらおう。家でふんぞりかえってるのもなんかムカつくし。
「だって俺、今日休みですよ?」
「別日に多く取ればいいんじゃないの?」
「ほら、お前の彼女が派手に誘ってるんだぞ。」
「「違います‼︎///」」
「「「「おお………息ぴったり………」」」」
別に誘ってるわけじゃないから‼︎あとそこ、感心するな‼︎
「ちなみに今からの任務は………ド派手な女の街、吉原遊郭なんだが………」
「是非とも行かせていただきます‼︎」
「手のひら返すな、この女好き‼︎」
「仕方ねえだろ。父親からの遺伝なんだから。」
しかも遊廓って聞いた瞬間に着いてくるし‼︎ホントろくでもないんだから‼︎
「なぁ、サイコロステーキ?そんなんだとしのぶが嫉妬するぞw?」
「いや、嫉妬じゃないです、まきをさん‼︎」
「えっ?なんでです?」
「女の子と遊ぶ場所に恋人が行く事を、彼女は喜ばないと思います。」
「一筋じゃないとダメですよ〜‼︎」
「だから俺はしのぶの彼氏じゃないですから‼︎///」
あといちいち顔赤くしないでくれない⁉︎最近そうだよね⁉︎もしかして私に惚れちゃった⁉︎女に縁が無さすぎて‼︎残念だね‼︎私はアンタに惚れてないから‼︎
side 宇髄
お互い派手に照れやがってさぁ………もう付き合っちまえよ‼︎
side しのぶ
私たちはしばらく歩いた後、いよいよ遊郭へとやってきた。
「それぞれの潜入先だが………ここからだとまずは胡蝶の京極屋が地味に近いな。」
担当は私と宇髄さんの奥さんたち3人が遊女として内部に潜入。それぞれが怪しいと言われている別々の店に入ることになる。そして宇髄さんとサイコロステーキが金が無いため、街を歩いて探すという。
そんな事を考えていると、
「よしっ、派手に着いたな。」
いよいよ京極屋に着いた。
「すいません、エッチしに来ました。」
「そんなんで入れるわけないでしょ‼︎」
そして、
「えっと…………冷やかしかい?」
出迎えのやり手婆さん*1も困惑している。コイツのせいで潜入出来なくなりそうなんだけど‼︎こんなんなら連れてくるんじゃなかった‼︎
「地味に悪ぃな、姉さん。コイツの言ったことは派手に無視してくれ。」
「じゃあ何の用だい?」
「実はこの女を雇って欲しいんだが………」
「おおっ、こりゃ中々の上物じゃないか!アンタ凄いねえ!」
幸い宇髄さんが助けれくれた。ホント、この人いなかったら任務が破綻してたな。しかもそうしたら、サイコロステーキは遊び始めそうだし。
「「いやぁそれほどでも。」」
「そっちのアホ面には言ってないよ。」
「宇髄さん、言われてますよ。」
「お前のことだろ、サイコロステーキ。」
「こりゃまた変な名前だねぇ。お似合いだよ。」
「嘘でしょう⁉︎」
「それじゃあ胡蝶、頼んだぞ。」
「はい。」
ただ、ここのやり手婆さんはしっかりしてそうだ。むしろコイツをアホと言わない人の方が少ないか。これは頼りになるな。辛い潜入生活に、一つの嬉しい光が灯った。
「ちょっとお待ち下さい。」
「なんだい?」
そんな事を思ってたら、サイコロステーキが何か言い始めた。コイツは何を言い始めるんだ?
「この俺を、遊女への本番指南役として雇ってくれませんか?」
本当に何言ってんの⁉︎
「アンタバカじゃないの⁉︎そんなんで雇えるわけないでしょ‼︎」
「本番指南役ぅ?見るからに経験無さそうだし、無理だねぇ。」
「はぁ⁉︎お前目がついてんのか⁉︎どう見ても経験豊富だろ‼︎実際は無いけど‼︎」
「ほら、無いじゃないか…………ん?なるほど………」ニヤリ
女にフラれてばかりのアンタが出来るわけないでしょ‼︎しかも指南役って………。さっき博打で大負けして遊ぶ金が無いからって、貰おうとすんな‼︎本当にバカすぎるって‼︎そりゃやり手婆さんもニヤけるって………
「まあ、その子の指南役なら良しとするよ。」
「「はぁ⁉︎///」」
ちょっと、何言ってんのこの人⁉︎
「いや、それはちょっと違うじゃないですか‼︎///」
「バカな事言わないで下さいよ‼︎///」
コイツが私の指南役って………っ!しかも本番って‼︎本当にバカじゃないの⁉︎あなた私たちのこと知らないよね⁉︎なのになんで揶揄うの⁉︎ホント最悪なんだけど⁉︎
「これでいいんだろう、お兄さん?」
「あぁ、派手にいいぜ‼︎」
「「
しかもさっき婆さんがニヤけてたのって、宇髄さんが余計な目配せをしたからだったのか‼︎本当に要らない気遣いなんだけど‼︎そこまでして私たちをくっつけて、何が楽しいの⁉︎
「ということで、中に入んな。」
「は、はい…………」
「くそっ、なんでだ…………っ⁉︎」
「じゃあお前ら、派手に頑張れよ‼︎」
「健闘を祈ります。」
「じゃあまたな‼︎」
「本番、しちゃっても大丈夫ですよ〜♪」
「「須磨さん、変な事言わないで下さい‼︎///」」
ということで、私たちは最悪な形で京極屋に入ることになったのだった…………
宇髄さんの嫁さんで一番オープンなのは須磨さんっぽいですよね。僕のイメージですけど。