サイコロ男と毒女   作:スピリタス3世

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第二十三話 悲鳴嶼行冥、仲人にならんとす

  side しのぶ

 

 今日私とサイコロステーキは、珍しい人たちと一緒に任務をしていた。

 

「胡蝶とサイコロ、2人きりの時間を邪魔してしまう………嗚呼、申し訳ない……」

「邪魔していいんですよ?」

「何この人⁉︎急に泣き始めたんですけど⁉︎怖いんですけど⁉︎」

「むー!」

「我妻よ、君はまだ恋を理解していないようだ……」

「うるさい悲鳴嶼さん‼︎俺だってしてますよ‼︎禰豆子ちゃんに‼︎」

「むー?」

「そうだったのか………」

 

 悲鳴嶼さんに善逸君、そしてなんと監禁されてるはずの禰豆子さんだ。善逸君と悲鳴嶼さんは分かる。強い鬼の情報があったから、最強の柱と期待の若手を配置するって。サイコロステーキはこの際諦めてる。どうせ一緒だって。でもなんで禰豆子さんが?

 

「にしても悲鳴嶼さんよぉ、なんで禰豆子を連れ出したんです?」

「お館様のご意向だそうで………私は反対したのだが………最終的に柱3人をつける事を条件に、連れて行くこととなった………」

「また勘みたいなものですか。」

「その通りだ………」

 

 一体何が狙いなんだろう?考えても分からないな………

 

「ちなみに俺の勘だと今日大当たりするんで、ちょっくら博打してきますね。」

「それは駄目だ…………」

「なんで⁉︎お館様が勘なら俺も勘でいいじゃん‼︎」

「君の勘は………当たらないだろう?」

「酷い‼︎」

「アンタの頭がね。」

 

 まあいいや。とりあえず今は禰豆子さんが人間に危害を加えないか見張ってよう。いざとなったら始末するまでだ。そのために柱3人いるのだから。

 

 

 

 

 

 しばらく歩いていると、今回お目当ての鬼が姿を現した。

 

「相変わらず見窄(みすぼ)らしい姿だな、善逸。少しは強くなったか?」

「適当な穴埋めで上弦の下っ端に入ったのが嬉しいようだな、獪岳。」

「獪岳、何故君が鬼なんかに………」

「そっちは悲鳴嶼さんかぁ。鬼殺隊にいたんですね………って、ガタイデカくなりすぎじゃね?」

「鍛えたからな………」

 

 上弦の陸兼元鬼殺隊士の獪岳。悲鳴嶼さんや善逸君の因縁の相手でもある。確か任務行く前に聞いた話だと、善逸君の兄弟子だったそう。しかも小さい時は悲鳴嶼さんの孤児院にいた子供だと。自分の身近な人間が鬼になってしまうという、あまりにも悲しい出来事。もし姉さんたちが鬼になってしまったら、私なら耐えられる気がしない。

 

「悲鳴嶼さん、すいません。ここは俺にやらせてください。」

「いいだろう。ただし無理そうならすぐ助ける。」

 

 善逸君が珍しく自分から名乗り出る。普段は臆病な子なのに、ここぞという時に勇気を出すとは。サイコロステーキも見習って………いや、上弦の弐の時に勇気出してくれてたな。

 

「むー!」

「禰豆子………ちゃん?」

 

 そんな事を思っていると、なんと禰豆子さんも戦いたいと志願した。

 

「禰豆子………お前戦うつもりか?」

「むー!」

「そうか。善逸と一緒に頑張りたいんだな!」

「むー!」

「禰豆子ちゃん………俺嬉しいよぉ‼︎」

「よしっ、なら行ってこい‼︎」

「認めよう………」

「むー!」

 

 どうやら彼女も人を守りたいと思っていた様子。ずっと監禁してたから、鬼と対峙したらどうなるか知らなかったなぁ。これを知らせたくて、お館様は禰豆子さんを連れてきたのか。あとサイコロステーキ、サラッと禰豆子さんと会話してるし。すごっ。

 

「おいおい、なんで鬼が鬼殺隊の味方してるんだよ………意味分かんねえ‼︎」

「鬼殺隊士が鬼になる方が意味分かんねえよ‼︎なんでだよ、兄貴っ‼︎」

「そうだぞ………何故君が………」

「はぁ?そんなの俺が認められなかったからだろ。なんでそこにいるバカが柱で俺が一般隊士なんだよ………っ⁉︎」

 

 そんな事を思っていたら、まさかのサイコロステーキに暴言が飛んできた。確かにこんないい加減な奴が柱って、知らない人が聞いたらびっくりするよね。

 

「あ?そんなの下弦を倒したからに決まってるだろ。昇級条件知らなかったのか?」

「知ってるに決まってるだろ‼︎それよりお前、そんなに強そうに見えないのに……っ!」

「でも俺結果出してるもん。下弦は壱と肆と伍、上弦は弐と肆と伍を倒してるぞ。」

「はぁ⁉︎嘘つけ‼︎」

 

 ほんと、戦歴だけ見ると凄腕の柱よねぇ。実際の基礎能力は柱相応じゃないのに。私も人のこと言えないけど。他の柱と比較しても、腕力や体力の最下位はいつも私たち2人だし。速度だけは私は上位だけど、サイコロステーキは違うし。彼、耐久力だけは柱中位はあるけど、逆にいえばそれだけだし。耐久力最下位の私が言えることじゃないけどさ。

 

「火をつけたり、汽車に毒塗ったり、夜明けに任せたり、鬼舞辻の名前を言わせたりしたら倒せたぞ。」

「ふざけんなよ‼︎全然呼吸使ってねえじゃん‼︎卑怯だぞ‼︎」

「別に金貰えればいいんだからよくね?それより俺は生きて博打がしてえんだよ♪」

「このドクズがぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 正直クズなのは否定出来ない。仕事はサボろうとするし、すぐ人に金を借りようとしてくるし。でも目的を達成するためなら手段を選ばない、ある種の頭の良さだって能力の一つ。それにコイツは人のいいところを見極めて褒めてくれる。言われると嬉しい言葉をかけてくれる。それを理解できないアンタの負けよ‼︎

 

「死ね‼︎」

「俺が出るまでもないね〜♪いけ、善逸・禰豆子‼︎」

「テメェの相手は俺だ、クズ‼︎」

「むー!」

 

 こうして、善逸君や禰豆子さんと獪岳との戦いが始まった。

 

 

 

 

 その後、戦いはあっという間に私たちの勝利で終わったのだが………

 

「なぁ、悲鳴嶼さん。禰豆子のあれ、凄くないですか?」

「そうだな………鬼だけを………燃やしていた………」

「善逸の傷も禰豆子の火で即完治。お館様の狙いはこういうことか。」

 

 禰豆子さんが道中で出した桃色の炎が凄まじかった。人や構造物は燃やさずに、鬼だけを的確に燃やす炎。これも彼女の血鬼術だろうか。にしても、鬼だけに危害を加える血鬼術は初めて見た。

 

「しのぶ、あの炎の仕組み分かったりするか?」

「恐らく鬼の血だけに反応して燃えてるわね。獪岳の血鬼術が消えたのも、血鬼術が鬼の血を媒介として発動しているから。だから鬼を燃やせるし、血鬼術由来の傷も治せる。そしてそういう鬼を害する血鬼術を習得している彼女の心は、人間を守り鬼を滅する鬼殺隊の鏡ね。」

「なるほどな…………」

 

 分析するならこんなところか。なんなら彼女は積極的に善逸君を庇って攻撃を受けていた。下手な隊士よりも立派に鬼殺隊らしいと思う。

 

「やっぱすげえな、お前‼︎流石だぜ‼︎」

「ほっ、褒めてもなにも出ないよ///」

「出ねえのかよ‼︎」

「このクズ‼︎」

 

 あとサイコロステーキ、急に褒めないで‼︎びっくりするから‼︎

 

「禰豆子………ちゃん………ありがとう………」

「むー!」ぐっ!

「尊い…………私はここで、2組の新郎新婦を承認する………」

「「勝手に承認しないでください‼︎///」」

「ついては、新婚旅行の手配を………」

「「要らないですから‼︎///」」

 

 そして、悲鳴嶼さんは仲人面しないでほしい‼︎なんでもかんでも男女をくっつけようとするな‼︎そんな事を思った日だった。




大正こそこそ噂話

賽の呼吸は一応風の呼吸の派生だよ!肆ノ目・嵐や伍ノ目・乾坤一擲で暴風起こして斬撃飛ばしてたから分かりやすかったかな⁉︎

ちなみに、賽の呼吸の適性者は日輪刀を握っても色が変わらないよ!代わりに刀の表面にサイコロの絵柄が2個現れるんだ!そして呼吸を使うときに、描かれたサイコロ2個がGIF画像みたいに回転する仕組みだよ!
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