side しのぶ
私とサイコロステーキは急遽任務が入り、急いで鬼退治に向かうことになった。
「くそっ、上弦の参(半天狗)*1かよっ‼︎しかもカナヲたちが………っ!」
「姉さんと不死川さんがいるけど、それでもキツいわね……っ!」
「早く急がねえと‼︎」
姉さん・カナヲ・アオイ・炭治郎君・伊之助君・不死川さんが合同で任務していたところに上弦の参が出現。柱と上位隊士6人ではあるものの、不安だ。お願い、間に合って!蝶屋敷の誰かが欠けるのは嫌‼︎
「カァァァァァ‼︎カァァァァァ‼︎」
鎹鴉からの速報………っ⁉︎嫌な予感がする………。お願い、生きていて…………っ!
「胡蝶カナエラノ活躍ニヨリ、上弦ノ参撃破ァァァァァ‼︎マタ、死傷者ハ無シィィィィィィ‼︎」
良かった…………。全員生きて討伐成功。大勝利だ。
「よっしゃあ‼︎流石カナエさんたちだぜ‼︎」
「良かった………本当に良かった………」
「しのぶ、泣くなって〜!塵紙しか無いけど使うか?」
「ありがとう………」
これで上弦は残り2体*2。確実に鬼の全滅に近づいている。鬼によって悲しむ人がいない世界へと、確実に近づいている。その事実がとても嬉しく、また大切な蝶屋敷の家族が全員残っていることがなお嬉しかった。
そんな事を思っていると、
「にしても、やる事なくなっちまったな。」
「姉さんたちの怪我の手当があるでしょ。」
「死
「確かに。」
「ソノ通リィィィィ‼︎」
急に暇になってしまった。どうしよう…………
「よしっ、博打行くか!」
サイコロステーキは暇つぶしがあるけど、私は無いよな………
「お前も行くだろ?」
そんな事を思っていると、サイコロステーキに誘われた。
「いや、行かないけど。」
「はぁ⁉︎お前博打だぞ⁉︎超超超超超楽しい博打だぞ⁉︎」
「楽しいのはアンタだけでしょ。」
「博打を断る人間がこの世界にいるとは………」
「アンタの世界狭すぎでしょ。」
正直私は博打やるつもりはこれっぽっちもない。散々コイツが恥を晒した姿を見てきたので、やる気が一切起きないのだ。アオイやすみ・きよ・なほに見下されそうだし。
「でも、こんな夜中に1人でどうすんだよ。」
「普通に家に帰ればいいでしょ。」
今は鬼退治の援軍に向かうところだったので、当然夜中。他の店とかはやってるはずもなく、花街みたいな夜の街にも興味が無い。だから家に帰って寝る方が有意義だと思うけど………
「いや、危ないだろ。1人じゃ。」
「私柱よ?何を心配してるの?」
そんな事を思っていると、サイコロステーキに心配された。そうしてくれるのはありがたいけど、でも心配されるほど弱くないし………
「上弦に会ったらどうするんだ?壱だって残ってるんだぞ?」
「それは………」
言い返せなかった。この間上弦の弐に1人で遭遇して、死にかけたから。しかもあの鬼より強い上弦の壱だって残っている。サイコロステーキが助けに来る前に死んじゃうかもしれない。いくら無傷で倒せる方法が確立されているからとはいえ、相手がそれに乗ってくるとは限らないし………。そこまで分かっているから心配してくれてるのか………
「後ろで見ているだけでいいからよ。一緒に行こうぜ///」
「うん………///」
その事が嬉しくて、つい照れてしまった。彼も照れ臭くそっぽを向いていて、なんだか少し緊張してしまう………
「あと、負けたら金貸してな。」
「その時は蝶屋敷に強制送還ね。」
「貸してくれよぉぉぉぉぉぉ‼︎」
すぐ解けたけど。
しばらく歩いていると、私たちは賭場に辿り着いた。
「こんばんは。世界一のモテ男、サイコロステーキのお出ましだぜ‼︎」
サイコロステーキは相変わらず頭のおかしな挨拶をして入室。よくこんな事言って恥ずかしくないわね。彼女いた事ないくせに。他の人はどういう反応するんだろう?
「おっ、カモがネギならぬ女背負ってやってきたな‼︎」
「今日もお小遣いよろしくね〜♪」
「今日は負けませんから‼︎チンチロは得意なんで!」
「「嘘つけ!」」
「ところで、その子がいつも言ってる彼女か?べっぴんさんじゃないか〜♪」
「お前にはとても勿体無い女だ‼︎」
散々な言われようじゃん‼︎おっさん2人にこう言われるって中々よ?カモ扱いされてるって、相当負けてるでしょ‼︎こんな事言われるなら、辞めればいいのに………
それにしても、いつも言ってる彼女………?
「彼女じゃねえですって‼︎前から言ってた金を貸してくれない強情女‼︎」
「どんな言い方してんのよ⁉︎」
「「それを人は彼女と言う。」」
「言わないと思います。」
「だからさ………っ‼︎」
「本当に違いますから、ご安心ください。」
「「さて、どうかね〜♪」」
それにしても、この常連っぽいおっさん2人はどこかで見たことある気がする。1人は伊之助君に似たような顔をしていて、もう1人は善逸君に似たような顔をしている。
「しのぶ、この2人はここの常連のおっさん達。
「よろしくな、姉ちゃん!」
「女だからって容赦はしねえぜ?」
「私は見学だけなので………」
「そうかい!じゃっ、楽しんでってね〜♪」
そういえば、あの2人は父親居ないって言ってたな。善逸君も名前無しで捨てられたらしいし、もしかしたら………いや、余計なことは考えないでおこう。
「で、そちらの方は?」
「この人は新規さんだ。」
「ほら、座禅やめて挨拶しな。」
「はい!」
そして、もう1人おっさんがいた。どうやら後ろを向いて座禅を組み、精神統一をしているみたい。だいぶ変わってるな。一体どんな人なんだろう………?
「初めまして。下弦の壱を務めております、
嘘でしょ⁉︎
「ちょっとアンタ!コイツ鬼じゃん‼︎」
「おいしのぶ、その言い草は失礼だろ。この人は鬼である以前に、博打打ちだ。」
「だから何よ⁉︎倒さなきゃでしょ‼︎」
「博打の場では博打で勝負をつける。それがここの規則だ。」
「はぁ⁉︎」
規則で、じゃないでしょ‼︎アンタ鬼殺隊じゃん‼︎ちゃんと仕事しろっての‼︎
「すいませんな、コイツが失礼で。俺は鬼殺隊・賽柱の
「なに鬼殺隊なのバラしてんのよ⁉︎」
相手鬼でしょ⁉︎バカじゃないの⁉︎絶対戦いになるじゃん‼︎このおっさん達巻き込まれちゃうかもしれないんだよ⁉︎大丈夫なの⁉︎
「これはこれは、同業の方ですか。よろしくお願いします。」
「アンタも納得するな‼︎あと同業じゃない‼︎」
「それじゃあ、始めっか!」
「チンチロ〜‼︎」
「何普通に進めてるんですかぁぁぁぁ⁉︎」
絶対大丈夫じゃないと思うけど、それを無視してチンチロが幕を開けた。
しばらくぼーっと眺めていると、気がついたら大金が動いていた。
股之助 +70円*7
轆轤 -330円
正三 -40円
サイコロ +300円
「くっそ〜!珍しくサイコロステーキが勝ってるなぁ!」
「初めて見たよ!」
「初めてじゃないでしょうに!もしかして忘れちゃいました〜?」
「私の………私の金が………」
珍しくサイコロステーキは大勝ちして上機嫌な様子。対して下弦の壱轆轤は瞬く間に大金が溶けて絶望している様子。そろそろ癇癪起こして人を襲い始める頃合いかな。警戒しとかないと。
「よしっ、次は僕の親だね!いくら賭ける?」
「俺は勝ち分70円全部行くぜ。」
「私は………懐にあった残りの100円で……っ‼︎」
「おっ、全額賭けか‼︎いいよ、乗ったる‼︎」
「じゃあ俺様は大人しく100円にしますわ。」
「サイコロステーキ、そんなんでいいのか〜?あ〜?」
「今の俺がアンタらに負けるわけないでしょうwむしろアラシで300円や!」
あと、サイコロステーキ負けないかな〜?調子乗ってるから、そろそろ痛い目みてほしい。
さてと、最初は伊之助君似のおじさんの番。さっきサイコロステーキに教えてもらった感じだと、子の3人が順番にサイコロ(人間じゃない方)を振って、最後に親が振るんだよね。そして、子それぞれの出目と親の出目を比べて、1人1人勝ち負けが決まるんだっけ。
「よしっ、じゃあ振るで!」
「あいよ!」
サイコロを3つ振って出た目は………3と3と6。確か2つ目の被りがあったら、被ってない残りの1つが出目になるんだっけ。
「っしゃあ6や‼︎強いぞ‼︎」
「くっそ…………っ!」
「正三さんの死ぬところが見てみたいなぁ‼︎」
「ではその勢いのまま、私が…………っ‼︎」
次は轆轤………悪い目出して不機嫌になったら、その隙に斬る‼︎
「えっと………2・2・5ということは………」
「5、いいじゃねえか‼︎」
「正三死んだぞ‼︎」
「くそっ!なんで俺が親の時に皆目がいいんだよ‼︎」
どうやら出目がいい様子。これで少しは機嫌とお金が元通りになるかな。まあ、ここの賭場から出た瞬間に斬るけど。
「最後は俺様の番だな‼︎」
「サイコロステーキさんの出番ですね!」
「いけ、やっちまえ‼︎」
「頼む…………っ‼︎」
さてと、次はサイコロステーキの番か。調子いいからかいつも以上にニヤけてる。きもっ。それで、出た目は…………1と3と6。確か数字の被りがなかったら、1と2と3もしくは4と5と6以外は振り直しだっけ。
「おっ、目無しあるよ!」
「死ぬのはコイツだったか………?」
「いや、まだまだいけまっせ‼︎」
さてと、2回目の出目は…………3・4・5。これも振り直しか。確か3回までしか振れなかったはず。次目が出なければ、目無しっていって1の出目より弱くなるって言ってたような………
「頼む…………来てくれ‼︎」
さてと、サイコロの目は………6と6と6⁉︎ゾロ目じゃん‼︎確かめちゃめちゃ強い特殊役‼︎2番目に強いんだっけ?ということは大勝ちね。
「「「おぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」」
「っしゃあ‼︎6アラシ‼︎6アラシ‼︎」
「100円の3倍貰いって………300円じゃねえか⁉︎」
「しかも6のアラシはほぼ負け無しですな‼︎」
「ふざけんなよ‼︎俺が親の時に出すなや‼︎」
「歌と散れ〜残響♪*8」
「「「テーテッテッテッテッテッテ〜♪テレッテッテ〜♪テレッテッテ〜♪」」」
「うるせぇぇぇぇぇ‼︎」
親の吉田さん以外が肩を組んで歌い、吉田さんを煽り散らかす。すごい酷い光景だ。規則的には嘴平さんと轆轤は何の恩恵も受けられないのに、人の不幸を喜ぶ始末。心なしか、サイコロステーキが4人に見えるな。
「まあいい!ここで俺が勝てば………っ!」
「無理無理!」
「諦めましょう!」
「俺に勝つにはピンゾロしかないですよ〜♪まあ無理でしょうね〜♪」
さてと、最後に吉田さんがサイコロ(人間じゃない方)を振って………1と1と1。1のゾロ目か。あれ、これって…………?
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ピンゾロ出したぜぇぇぇぇ‼︎」
「「「えっ…………?」」」
「これが俺なんじゃい‼︎」
確か一番強い出目だったはず。ということは………サイコロステーキの負け!
「5出したくらいで調子乗っちゃったね〜、鬼さん♪はい、5倍払いで500円!」
「そんな………っ!」
「股之助は6で負け………5とほぼ一緒やないかい!はい!5倍払いで350円!」
「ふざけんじゃねえ!この女たらし‼︎」
「サイコロステーキ………6アラシ出て嬉しかったでしょ?意味ないね、500円♪」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎さっきまで大勝ちだったのに‼︎手持ち全部消えたぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
股之助 -280円*9
轆轤 -830円
正三 +1,310円
サイコロ -200円
こうして、さっきまで調子に乗ってたサイコロステーキは無事成敗されましたとさ♪めでたしめでた………
「胡蝶しのぶ様…………」
「どうしたの、サイコロステーキ?」
ん?コイツ私に何の用…………?
「借金いけますか?」
本当にくだらない用だった。
「ダメです♪」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎これじゃあもう打てねえじゃん‼︎ふざけんなよぉぉぉぉぉぉ‼︎」
「は〜いおばかさ〜ん、お家帰るよ〜♪」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
ということで、サイコロステーキはいつもの如く大負けして強制送還となった。また、轆轤は金が無くなって暴れ、私にその場で斬り伏せられた。更に後日、嘴平さんと吉田さんが賭博罪で逮捕されたとさ。めでたしめでたし♪