サイコロ男と毒女   作:スピリタス3世

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第二十四話 真剣勝負

  side しのぶ

 

 私とサイコロステーキは急遽任務が入り、急いで鬼退治に向かうことになった。

 

「くそっ、上弦の参(半天狗)*1かよっ‼︎しかもカナヲたちが………っ!」

「姉さんと不死川さんがいるけど、それでもキツいわね……っ!」

「早く急がねえと‼︎」

 

 姉さん・カナヲ・アオイ・炭治郎君・伊之助君・不死川さんが合同で任務していたところに上弦の参が出現。柱と上位隊士6人ではあるものの、不安だ。お願い、間に合って!蝶屋敷の誰かが欠けるのは嫌‼︎

 

「カァァァァァ‼︎カァァァァァ‼︎」

 

 鎹鴉からの速報………っ⁉︎嫌な予感がする………。お願い、生きていて…………っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「胡蝶カナエラノ活躍ニヨリ、上弦ノ参撃破ァァァァァ‼︎マタ、死傷者ハ無シィィィィィィ‼︎」

 

 良かった…………。全員生きて討伐成功。大勝利だ。

 

「よっしゃあ‼︎流石カナエさんたちだぜ‼︎」

「良かった………本当に良かった………」

「しのぶ、泣くなって〜!塵紙しか無いけど使うか?」

「ありがとう………」

 

 これで上弦は残り2体*2。確実に鬼の全滅に近づいている。鬼によって悲しむ人がいない世界へと、確実に近づいている。その事実がとても嬉しく、また大切な蝶屋敷の家族が全員残っていることがなお嬉しかった。

 

 

 

 

 そんな事を思っていると、

 

「にしても、やる事なくなっちまったな。」

「姉さんたちの怪我の手当があるでしょ。」

「死()者無し、だから全員無傷*3だろ。」

「確かに。」

「ソノ通リィィィィ‼︎」

 

 急に暇になってしまった。どうしよう…………

 

「よしっ、博打行くか!」

 

 サイコロステーキは暇つぶしがあるけど、私は無いよな………

 

「お前も行くだろ?」

 

 そんな事を思っていると、サイコロステーキに誘われた。

 

「いや、行かないけど。」

「はぁ⁉︎お前博打だぞ⁉︎超超超超超楽しい博打だぞ⁉︎」

「楽しいのはアンタだけでしょ。」

「博打を断る人間がこの世界にいるとは………」

「アンタの世界狭すぎでしょ。」

 

 正直私は博打やるつもりはこれっぽっちもない。散々コイツが恥を晒した姿を見てきたので、やる気が一切起きないのだ。アオイやすみ・きよ・なほに見下されそうだし。

 

「でも、こんな夜中に1人でどうすんだよ。」

「普通に家に帰ればいいでしょ。」

 

 今は鬼退治の援軍に向かうところだったので、当然夜中。他の店とかはやってるはずもなく、花街みたいな夜の街にも興味が無い。だから家に帰って寝る方が有意義だと思うけど………

 

「いや、危ないだろ。1人じゃ。」

「私柱よ?何を心配してるの?」

 

 そんな事を思っていると、サイコロステーキに心配された。そうしてくれるのはありがたいけど、でも心配されるほど弱くないし………

 

「上弦に会ったらどうするんだ?壱だって残ってるんだぞ?」

「それは………」

 

 言い返せなかった。この間上弦の弐に1人で遭遇して、死にかけたから。しかもあの鬼より強い上弦の壱だって残っている。サイコロステーキが助けに来る前に死んじゃうかもしれない。いくら無傷で倒せる方法が確立されているからとはいえ、相手がそれに乗ってくるとは限らないし………。そこまで分かっているから心配してくれてるのか………

 

「後ろで見ているだけでいいからよ。一緒に行こうぜ///」

「うん………///」

 

 その事が嬉しくて、つい照れてしまった。彼も照れ臭くそっぽを向いていて、なんだか少し緊張してしまう………

 

「あと、負けたら金貸してな。」

「その時は蝶屋敷に強制送還ね。」

「貸してくれよぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

 すぐ解けたけど。

 

 

 

 

 

 しばらく歩いていると、私たちは賭場に辿り着いた。

 

「こんばんは。世界一のモテ男、サイコロステーキのお出ましだぜ‼︎」

 

 サイコロステーキは相変わらず頭のおかしな挨拶をして入室。よくこんな事言って恥ずかしくないわね。彼女いた事ないくせに。他の人はどういう反応するんだろう?

 

「おっ、カモがネギならぬ女背負ってやってきたな‼︎」

「今日もお小遣いよろしくね〜♪」

「今日は負けませんから‼︎チンチロは得意なんで!」

「「嘘つけ!」」

「ところで、その子がいつも言ってる彼女か?べっぴんさんじゃないか〜♪」

「お前にはとても勿体無い女だ‼︎」

 

 散々な言われようじゃん‼︎おっさん2人にこう言われるって中々よ?カモ扱いされてるって、相当負けてるでしょ‼︎こんな事言われるなら、辞めればいいのに………

 

 それにしても、いつも言ってる彼女………?

 

「彼女じゃねえですって‼︎前から言ってた金を貸してくれない強情女‼︎」

「どんな言い方してんのよ⁉︎」

「「それを人は彼女と言う。」」

「言わないと思います。」

「だからさ………っ‼︎」

「本当に違いますから、ご安心ください。」

「「さて、どうかね〜♪」」

 

 それにしても、この常連っぽいおっさん2人はどこかで見たことある気がする。1人は伊之助君に似たような顔をしていて、もう1人は善逸君に似たような顔をしている。

 

「しのぶ、この2人はここの常連のおっさん達。嘴平股之助(はしびらまたのすけ)*4さんと吉田正三(よしだしょうぞう)*5さんだ。」

「よろしくな、姉ちゃん!」

「女だからって容赦はしねえぜ?」

「私は見学だけなので………」

「そうかい!じゃっ、楽しんでってね〜♪」

 

 そういえば、あの2人は父親居ないって言ってたな。善逸君も名前無しで捨てられたらしいし、もしかしたら………いや、余計なことは考えないでおこう。

 

「で、そちらの方は?」

「この人は新規さんだ。」

「ほら、座禅やめて挨拶しな。」

「はい!」

 

 そして、もう1人おっさんがいた。どうやら後ろを向いて座禅を組み、精神統一をしているみたい。だいぶ変わってるな。一体どんな人なんだろう………?

 

「初めまして。下弦の壱を務めております、轆轤(ろくろ)*6と申します。よろしくお願いします。」

 

 嘘でしょ⁉︎

 

「ちょっとアンタ!コイツ鬼じゃん‼︎」

「おいしのぶ、その言い草は失礼だろ。この人は鬼である以前に、博打打ちだ。」

「だから何よ⁉︎倒さなきゃでしょ‼︎」

「博打の場では博打で勝負をつける。それがここの規則だ。」

「はぁ⁉︎」

 

 規則で、じゃないでしょ‼︎アンタ鬼殺隊じゃん‼︎ちゃんと仕事しろっての‼︎

 

「すいませんな、コイツが失礼で。俺は鬼殺隊・賽柱の賽子厚切焼肉(サイコロステーキ)。こっちは蟲柱の胡蝶しのぶ。今日は俺だけが打ちます。よろしくお願いします。」

「なに鬼殺隊なのバラしてんのよ⁉︎」

 

 相手鬼でしょ⁉︎バカじゃないの⁉︎絶対戦いになるじゃん‼︎このおっさん達巻き込まれちゃうかもしれないんだよ⁉︎大丈夫なの⁉︎

 

「これはこれは、同業の方ですか。よろしくお願いします。」

「アンタも納得するな‼︎あと同業じゃない‼︎」

「それじゃあ、始めっか!」

「チンチロ〜‼︎」

「何普通に進めてるんですかぁぁぁぁ⁉︎」

 

 絶対大丈夫じゃないと思うけど、それを無視してチンチロが幕を開けた。

 

 

 

 

 しばらくぼーっと眺めていると、気がついたら大金が動いていた。

 

股之助  +70円*7

轆轤   -330円

正三   -40円

サイコロ +300円

 

「くっそ〜!珍しくサイコロステーキが勝ってるなぁ!」

「初めて見たよ!」

「初めてじゃないでしょうに!もしかして忘れちゃいました〜?」

「私の………私の金が………」

 

 珍しくサイコロステーキは大勝ちして上機嫌な様子。対して下弦の壱轆轤は瞬く間に大金が溶けて絶望している様子。そろそろ癇癪起こして人を襲い始める頃合いかな。警戒しとかないと。

 

「よしっ、次は僕の親だね!いくら賭ける?」

「俺は勝ち分70円全部行くぜ。」

「私は………懐にあった残りの100円で……っ‼︎」

「おっ、全額賭けか‼︎いいよ、乗ったる‼︎」

「じゃあ俺様は大人しく100円にしますわ。」

「サイコロステーキ、そんなんでいいのか〜?あ〜?」

「今の俺がアンタらに負けるわけないでしょうwむしろアラシで300円や!」

 

 あと、サイコロステーキ負けないかな〜?調子乗ってるから、そろそろ痛い目みてほしい。

 

 

 

 

 さてと、最初は伊之助君似のおじさんの番。さっきサイコロステーキに教えてもらった感じだと、子の3人が順番にサイコロ(人間じゃない方)を振って、最後に親が振るんだよね。そして、子それぞれの出目と親の出目を比べて、1人1人勝ち負けが決まるんだっけ。

 

「よしっ、じゃあ振るで!」

「あいよ!」

 

 サイコロを3つ振って出た目は………3と3と6。確か2つ目の被りがあったら、被ってない残りの1つが出目になるんだっけ。

 

「っしゃあ6や‼︎強いぞ‼︎」

「くっそ…………っ!」

「正三さんの死ぬところが見てみたいなぁ‼︎」

「ではその勢いのまま、私が…………っ‼︎」

 

 次は轆轤………悪い目出して不機嫌になったら、その隙に斬る‼︎

 

「えっと………2・2・5ということは………」

「5、いいじゃねえか‼︎」

「正三死んだぞ‼︎」

「くそっ!なんで俺が親の時に皆目がいいんだよ‼︎」

 

 どうやら出目がいい様子。これで少しは機嫌とお金が元通りになるかな。まあ、ここの賭場から出た瞬間に斬るけど。

 

「最後は俺様の番だな‼︎」

「サイコロステーキさんの出番ですね!」

「いけ、やっちまえ‼︎」

「頼む…………っ‼︎」

 

 さてと、次はサイコロステーキの番か。調子いいからかいつも以上にニヤけてる。きもっ。それで、出た目は…………1と3と6。確か数字の被りがなかったら、1と2と3もしくは4と5と6以外は振り直しだっけ。

 

「おっ、目無しあるよ!」

「死ぬのはコイツだったか………?」

「いや、まだまだいけまっせ‼︎」

 

 さてと、2回目の出目は…………3・4・5。これも振り直しか。確か3回までしか振れなかったはず。次目が出なければ、目無しっていって1の出目より弱くなるって言ってたような………

 

「頼む…………来てくれ‼︎」

 

 さてと、サイコロの目は………6と6と6⁉︎ゾロ目じゃん‼︎確かめちゃめちゃ強い特殊役‼︎2番目に強いんだっけ?ということは大勝ちね。

 

「「「おぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」」

「っしゃあ‼︎6アラシ‼︎6アラシ‼︎」

「100円の3倍貰いって………300円じゃねえか⁉︎」

「しかも6のアラシはほぼ負け無しですな‼︎」

「ふざけんなよ‼︎俺が親の時に出すなや‼︎」

「歌と散れ〜残響♪*8

「「「テーテッテッテッテッテッテ〜♪テレッテッテ〜♪テレッテッテ〜♪」」」

「うるせぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 親の吉田さん以外が肩を組んで歌い、吉田さんを煽り散らかす。すごい酷い光景だ。規則的には嘴平さんと轆轤は何の恩恵も受けられないのに、人の不幸を喜ぶ始末。心なしか、サイコロステーキが4人に見えるな。

 

「まあいい!ここで俺が勝てば………っ!」

「無理無理!」

「諦めましょう!」

「俺に勝つにはピンゾロしかないですよ〜♪まあ無理でしょうね〜♪」

 

 さてと、最後に吉田さんがサイコロ(人間じゃない方)を振って………1と1と1。1のゾロ目か。あれ、これって…………?

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ピンゾロ出したぜぇぇぇぇ‼︎」

「「「えっ…………?」」」

「これが俺なんじゃい‼︎」

 

 確か一番強い出目だったはず。ということは………サイコロステーキの負け!

 

「5出したくらいで調子乗っちゃったね〜、鬼さん♪はい、5倍払いで500円!」

「そんな………っ!」

「股之助は6で負け………5とほぼ一緒やないかい!はい!5倍払いで350円!」

「ふざけんじゃねえ!この女たらし‼︎」

「サイコロステーキ………6アラシ出て嬉しかったでしょ?意味ないね、500円♪」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎さっきまで大勝ちだったのに‼︎手持ち全部消えたぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

股之助  -280円*9

轆轤   -830円

正三   +1,310円

サイコロ -200円

 

 こうして、さっきまで調子に乗ってたサイコロステーキは無事成敗されましたとさ♪めでたしめでた………

 

「胡蝶しのぶ様…………」

「どうしたの、サイコロステーキ?」

 

 ん?コイツ私に何の用…………?

 

「借金いけますか?」

 

 本当にくだらない用だった。

 

「ダメです♪」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎これじゃあもう打てねえじゃん‼︎ふざけんなよぉぉぉぉぉぉ‼︎」

「は〜いおばかさ〜ん、お家帰るよ〜♪」

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ということで、サイコロステーキはいつもの如く大負けして強制送還となった。また、轆轤は金が無くなって暴れ、私にその場で斬り伏せられた。更に後日、嘴平さんと吉田さんが賭博罪で逮捕されたとさ。めでたしめでたし♪

*1
童磨死んでるので繰り上がりで

*2
黒死牟と猗窩座

*3
無惨の名を分身に言わせて本体ごと倒した。

*4
伊之助の父親。琴葉に逃げられて以降、博打にのめり込む。

*5
善逸の父親。女好きで色んな女に手を出している。子育てには興味が無く、子供が産まれたら名前もつけずに捨ててる。そのため善逸とは違う苗字。

*6
魘夢死亡により繰り上がり

*7
現代の70,000円。以降現代に換算するには千倍すればよし。

*8
残響散歌

*9
現代なら28万円負け。

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