side しのぶ
サイコロステーキが柱を辞めると言い出した。しかも一緒に。
「ちなみに、鬼殺隊を辞めるわけじゃねえぞ?」
それじゃあ一般隊士に戻るってこと?確かに私たちよりも強い一般隊士はいるから、その人たちの方が相応しいと思う。だけど、サイコロステーキに限ってそんな事を言うとは思えない。なんせ給料がめちゃくちゃ下がるから。あれだけお金に固執していたのに、今更柱を譲るなんてのは不自然だ。
「降格ってこと?」
「う〜ん、それとも違うな。」
「じゃあ何?」
降格でもない。なら一体何だろう?柱の増員?なら私たちが柱を辞めることには繋がらないはず………
「医師長だ。柱相当の待遇でな。」
なるほど、別役職への転籍ね。確かに私は蝶屋敷で医師をしているし、鬼退治用の薬を開発している。それに給料が下がらないとなれば、サイコロステーキが説得する理由も分かる。ただ………
「なるほどね。でも医師
私とサイコロステーキの両方が長は変だと思う。
「まあそれは分かりやすく言っただけだ。長がお前で、その補佐が俺かな。補佐といっても、栄養管理とかの食事面が俺の主な担当だが。」
「そういうことね。」
まとめて言うためか。流石に長2人は変だしね。
それにしても、なんで今こういう事を言ってきたのだろう?今まで特に医療職に興味があったわけでもないし。それに自分だけなるならともかく、私まで誘うのは謎だ。今だって柱と医者と薬剤師、全部普通にやれてるし………
「でも、私は柱のままで大丈夫よ。全部出来てるし。強い人に譲るって言うなら分かるけど………」
「それもあるが………、一番の理由は、お前が死んで欲しくないからだな///」
少し照れくさそうに言うサイコロステーキ。死んで欲しくない………そう言われるのは私としてはとても嬉しい。いくら中身が博打狂いの女好きとはいえ、それだけ大切に思ってくれるのはとてもありがたい話だ。
「鬼殺隊医療分野の最高戦力として、お前に死なれたら困るだけだぞ‼︎あくまで鬼を全滅させる上での最適な人員配置だ‼︎決してお前に惚れたわけじゃねえからな‼︎///」
「はいはい、そう言うことにしといてあげる♪」
「なんだよ、その勝ち誇った顔は⁉︎///」
あと、やっぱり私のことちょっと意識してるよね⁉︎そうだよね⁉︎なんかからかうの楽しくなってきちゃった♪今まで散々バカにされたお返しだ♪
「ちなみに一番の理由は、安全に金貰いたいからだ。後方職なら死の危険も無いだろう?」
「だから自分も巻き込んだの⁉︎」
「当たり前だ♪これで安全に博打し放題だぜ!賭博長に、俺はなる‼︎」
「なるな‼︎」
それにしても、やっぱりコイツはコイツらしいわね。そうだ、ちょっとイタズラしてやろうか………
「アンタ、医療職ってことは上司誰か分かってる?」
「ん?そりゃお館様だろ。」
「それもそうだけど………医師長は誰だっけ〜?」
「あっ…………」
どうやら気づいたみたい。これから私の下で働くということを♪
「これからアンタは全部私の指示聞いてもらうから♪」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ‼︎嫌だぁぁぁぁぁあ‼︎」
「まずは休日少なめ♪それから博打禁止♪痴漢禁止♪」
「そんな横暴が許されてたまるかよぉぉぉぉぉ‼︎俺は他の女の子とイチャイチャするんだ‼︎博打でいっぱい稼ぐんだぁぁぁぁぁ‼︎」
「諦めなよ♪」
まあ、冗談だけどね。今までと同じくらいの休日にするし、自分の給料を使うなら博打も少しは認めるし。ただし警察のお世話になるのだけは避けなきゃ。情勢次第で禁止になるけど、そこは我慢してよね♪
「新婚さん、こんにちは。脇毛鬼です。あなた方の脇毛を見せてもらってもよろしいですか?」
「賽の呼吸 壱ノ目 双六」
「蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ」
「見せてくださいよぉぉぉ‼︎」グサッ
という事で、私たちは通りすがりの変態鬼を倒して帰路についた。
数日後、この案は意外にも柱合会議で簡単に可決された。今までの実績から多少のわがままが許されたのと、私たちの能力を加味してのことだった。また、私たちの後釜は有力者がいたため、すぐに埋まった。そのため、柱合会議の参加者は以下のようになった。
・主催
お館様 あまね様
・柱
岩柱 悲鳴嶼さん
音柱 宇髄さん
水柱 冨岡さん
花柱 姉さん
風柱 不死川さん
炎柱 煉獄さん
霞柱 無一郎君
蛇柱 伊黒さん
恋柱 蜜璃さん
・医師長 私(胡蝶しのぶ)
・栄養士兼参謀 サイコロステーキ
サイコロステーキは鬼殺隊の死亡率を下げる作戦を次々と提案したことから、参謀としての仕事もやるようになった。元々料理だけじゃ仕事量が少なかったしね。本人は発狂してたけど、これくらいはいいよね!待遇も柱と変わらないんだし。働け♪
裏方になったその日、私はサイコロステーキや皆と一緒に居間で団欒していた。
「というわけで、俺としのぶは蝶屋敷に篭ります!」
「医師長として頑張ります。よろしくお願いします。」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
「お願いね〜♪」
「2人………仲良しですね………」
「「違う‼︎///」」
仲良しだと思ってるのはコイツだけだからね‼︎カナヲ、勘違いしないでね!
「すみ・きよ・なほ!これからずっと一緒だな‼︎俺が可愛がってやるぞ〜!」
「「「嫌です!」」」
「なんで⁉︎」
「そろそろ理解したら?自分がモテないこと。」
「おかしいだろ⁉︎俺はこの世の誰よりもカッコいいのに‼︎くそっ、こうなったら俺の魅力を発信するために、昼の散歩をしなければ………」
「する必要無いから。外出禁止にするよ?」
「それだけは勘弁してくれ‼︎」
これからやる事いっぱいあるのに、サボらせたりなんかしないからね‼︎アンタの魅力なんて広げなくていいのよ‼︎ホント、私だけが知っていればいいんだから………
「サイコロステーキ、これからはしのぶと思う存分イチャイチャするのよ〜?」
「しないから‼︎///」
「しませんから‼︎///」
「そのために柱辞めたんじゃないんですか……?」
「「違うよ、カナヲ?///」」
「ちなみに結婚はしないんですか?」
「「しないよ、アオイ⁉︎///」」
「「「して下さい‼︎」」」
「「断る‼︎///」」
そんな事を思いながら、私は皆と談笑したのだった。