しのぶ視点
ある日の部活帰り。私は珍しく部活の友達と一緒に下校していた。
「しのぶ、サイコロステーキと同棲始めたんでしょ⁉︎」
「ちょ〜ラブラブじゃん‼︎」
「違うから‼︎私のお父さんとお母さんが勝手に拾っただけ‼︎///」
「「ホント〜?」」
「本当だから‼︎///」
サイコロステーキが家にやってきたせいで、クラスや部活ではずっとその話題。おかげで今まで以上にバカにされる羽目に。何回も言うけど、あんなバカ男とは付き合わないから‼︎絶対に‼︎
「そういや、今日はなんで一緒じゃないの?」
「もしかして倦怠期?」
「違う‼︎なんか用事があるって言って帰っちゃった。」
「まさかのサプライズパーティー⁉︎」
「もしかして記念日なの、今日⁉︎」
「違う‼︎そもそも付き合ってない‼︎///」
「「え〜?」」
「え〜、じゃない‼︎とにかくあおぞら行くよ!///」
「「は〜い♪」」
ちなみにアオイの実家の定食屋『あおぞら』は、私たちがよく通ってる定食屋だ。部活で遅くなった時や両親の仕事が遅くなりそうな時によく行っている。家庭的な暖かい味が魅力の素晴らしい定食屋だ。
しばらく歩くと、私たちはあおぞらに到着した。
「いらっしゃいませ‼︎」
「アオイ、お疲れ!3人で!」
「しのぶさんに芽衣さんに華さん*1、いつもありがとうございます‼︎どうぞこちらの席に‼︎」
「ありがとう。」
そして入店と同時に、アオイの元気な挨拶が飛んできた。どうやら今日はお手伝いの日らしい。どっかの誰かさんと違って頑張り屋さんだから、本当にすごいと思う。
「メニューはどうされますか?」
「えっと………」
さてと、何を食べようか。今日は豚カツの気分だから、それに………
「ねえねえ、しのぶにピッタリな新メニューがあるよ!」
「これにしよっ!」
しようと思ってたら、芽衣に変なことを言われた。私にぴったりな新メニュー?一体なんだろう?気になったので、メニュー表を見てみると………
・サイコロステーキ定食 1,000円(税込)
そこには見たくない名前が書いてあった。
「なんでよ⁉︎///」
「最近始めました!」
和風定食屋にしては珍しい洋食。確かにサイコロステーキは味噌汁&ご飯という和風定食にも合うけども!なんでこれ導入したの⁉︎アイツが引っ越してきたから⁉︎
「ねえねえしのぶ、これにするでしょ?」
「しないから‼︎///」
「彼氏食べるでしょ?」
「それ違う意味じゃん‼︎///」
「「え〜、どんな意味〜?」」
「うるさい‼︎w」
「サイコロステーキ定食3つで!」
「勝手に頼むな‼︎」
「かしこまりました‼︎」
「かしこまるな‼︎」
ニヤニヤ笑うな、2人とも‼︎これじゃあ私が変態みたいじゃん‼︎決してそんなことはないから‼︎本当に、マジで‼︎まあ、頼まれちゃったから食べるけどさ………
しばらくすると、奥からサイコロステーキを持って運ぶ人影が見えた。あれっ、アオイってあんなに背高かったっけ?アオイのお父さんでもないような………
「うぉ、マジでいるじゃん‼︎」
「サイコロステーキ⁉︎」
嘘でしょ⁉︎なんでアンタがいるのよ⁉︎
「アオイに揶揄われたと思ったぜ〜♪」
「ぜ〜、じゃないよ‼︎何してんの、アンタ⁉︎」
「は?見てわかんねえのか?バイトだよバイト。」
「バイト⁉︎ニート志望のアンタが⁉︎」
「引っ越す前から時々働いてたぞ?親が俺らを養えって。」
「そういうこと………」
相変わらず酷い理由ね。高校行くのすら反対されてたし。マジでそこだけは可哀想。
「しのぶにご飯作りたかったからじゃないの〜?」
「ひゅ〜、お熱いね〜♪」
「「違う‼︎///」」
「俺は華と芽衣、お前らをオトすために働き始めたんだ。」
「友達に手を出すんじゃないわよ‼︎」
「「嫉妬〜?」」
「違う‼︎///」
にしてもコイツは本当に女に見境ないわね‼︎アオイもよく一緒に働こうと思ったよ‼︎彼女ならちゃんとあしらえるから、大丈夫だけどさ‼︎
「で、これがサイコロステーキ定食だ。」
「嘘でしょ………本物だ。」
にしても、このサイコロステーキが作ったサイコロステーキ定食、めちゃくちゃ美味しそうだ。というか、コイツの料理は本当に美味しい。何回か家に遊びに来た時に振る舞ってくれた。しかもサイコロステーキ(飯の方)って、1番の得意料理だったような………
「「お先にどうぞ〜♪」」
「それじゃあ遠慮なく………いただきます!」
そんな事を思いながら口に入れると………それはとても絶品だった。やっぱそうよね!コイツの得意料理だよね‼︎ちょうどいい塩胡椒の味付けがアクセントになり、絶妙な歯応えのサイコロステーキが口の中でハーモニーを奏でている!本当に最高〜♪
「ん^〜、美味しい〜♪」
「そうか。ならチップをくれ。」
「それは嫌。」
性格は最悪だけど。
「つーかそんなもの、せびらないでよ‼︎」
「はぁ?アメリカでは普通だぞ?」
「ここ日本‼︎」
「なんだよ、ケチだな。パチンコ行く金くらい、くれたっていいじゃねえか!」
「ダメだよ‼︎そもそもうちの高校、パチンコ禁止だし‼︎」
「あっ、ピンク髪の大食いお姉さんだ!お待たせしました!こちら、俺の電話番号になります‼︎」
「アンタはナンパするな‼︎」
「「ひゅ〜、お熱いね〜♪」」
「「違う‼︎///」」
だからコイツとは絶対恋仲にならないっつーの‼︎ご飯は作って欲しいけど、それ以外は要らないんだからね‼︎そう思った日だった。