エリカ様「私のお兄様はデュエリストです」 作:静かなるモアイ
ここはカントー地方。ポケモンシリーズの始まりと言っても過言ではない地方であり、日本国に属する始まりの土地だ。カントー地方に生息するポケモンは151匹と言われており、かの有名なオーキド博士が有名である。
『ポケモンは全部で151匹じゃ!!』
と言っていたオーキド博士であるが、ポケモンは全部で1000匹以上確認されており、次々と確認されるポケモンのご当地の姿リージョンフォームと呼ばれる亜種も含めれば無限の数が有るだろう。なにせ、一部のポケモンを他の地方に持ち込んで進化すれば別のポケモンに進化したり、全く違う未知のリージョンフォームに進化したりと様々なのだ。
「磯野!デュエルの宣言を開始しろ!!」
「デュエルかいしぃぃい!!」
そんなカントー地方のタマムシシティ。世界各地に広がるフレンドリーショップの本社でもあるタマムシデパートがある所が冒険の始まりである。
タマムシデパートから少し離れた所の洋館。そこはタマムシデパートこと、フレンドリーカンパニーの社長一族が暮らしている所であり、洋館の中庭に作られたポケモンバトルのバトルコート。そこで2人の兄妹と思われる人物が向き合っていた、どうやらこれからポケモンバトルを行うのだろう。
「ふっ…エリカよ。先行は俺が頂いた、先行は最初のターン、攻撃宣言が出来ない」
「どうぞお兄様、優しいのですね」
妹の方はエリカ。フレンドリーカンパニー社長の妹であり、女性向けの香水などの商品開発や広告も行う16歳の少女であり、このタマムシシティのポケモンジム タマムシジムのジムリーダーをしているのだ。
大和撫子という言葉が似合う美少女であり、カントーどころか日本中にファンが居るのである。
「俺のターン!!ドロー!!俺はグレートモスを攻撃表示で特殊召喚!!」
「もふもふー!!」
そんなエリカとプライベートマッチで戦うのはエリカの兄であり、世界中に広がるフレンドリーショップの頂点に君臨する社長。名前をカガミ*1という18歳の若き社長だ。訳有って中卒で両親からフレンドリーカンパニーの社長を受け継いだ青年であるが、社長業務としては優秀である。国が運営するポケモンの医療機関兼宿泊施設であるポケモンセンターと協力関係を結び、海外ではポケモンセンターの中にフレンドリーショップが入り…世界中に広めた手腕も持つ。
トレーナーとしての腕も一流であり、バグキャラ*2と比べると、流石に劣るが3年でカントー地方のジムバッジを集めきり、カントーリーグに出場した過去を持つ。
「お兄様はウルガモスですか?」
「先行は攻撃できない。お前もモンスターを召喚しろ」
実力は確かであり、会社も大きくしてフレンドリーショップを世界中に広めた手腕を持つカガミ。だが、エリカには幼少期の頃から不思議に思っていたことがある。それはどういう訳か、カガミがパートナーポケモンに不思議な名前を着けることである。ポケモンにニックネームを着けることは珍しいことではなく、多々ある。なにせ、ピカチュウやミュウツーと言うのは種類であり…名前ではない。例えるならカブトムシやクワガタムシ、リスのような感じだ。だからこそ、ポチとかタマのように名前を着けることは多いのである。
だが、このカガミは違った。メタグロスには『アンティークギアゴーレム』と名付けたり、今出したウルガモスのように『グレートモス』などなどと変わった名前を着ける。
エリカには馴染みのないニックネーム。だが、皆さんは間違いなく聞いたことがあるだろう。そう、このニックネームは大人気カードゲーム 遊☆戯☆王などなどのカードの名前なのだから。
では、どうしてカガミはこのニックネームを着けているのだろうか?簡単だ、カガミは前世で遊☆戯☆王やデュエル・マスターズのファンだったのだが、このポケモンの世界にはこのようなトレカの文化はない。
(デュエマやりてぇぇー!!遊☆戯☆王やりてぇぇぇー!!そうだ!!ポケモンにモンスターの名前を着けちゃえ!!)
カガミはつまるところ、前世の記憶がある転生者なのだが…遊☆戯☆王などの大ファンだった。しかし、この世界には遊☆戯☆王は存在しない。ならば、捕まえたポケモンに遊☆戯☆王のモンスターのニックネームを着けることにしたのである。
「お兄様…やりますわね」
「戻れグレートモス。俺はフレイムウイングマンを召喚!!」
「バシャァー!!」
その結果、この通り…バシャーモはフレイムウイングマンとなり、メガ進化するとシャイニングフレイムウイングマンと成るのだ。
だが、そんなカガミ社長には一つ悩みがあった。
(何処を見ても、ブルーアイズの代わりが見つからない)
前世で一番好きだったブルーアイズ・ホワイトドラゴン。その代わりとなるポケモンが何処にも見つからないのだ。生憎と、前世はポケモンをやる暇が無かったので、前世の時点でのポケモンの知識はモンスターボール、ピカチュウ、サトシといったこれぐらいしか分からない。
しかし…ある日の時だった。
社長業務の合間に、スマホでSNSを見ていたときだった。
「こっこれは……ブルーアイズ!!青い瞳、白い身体…間違いない!!」
2年前にイッシュ地方のポケモンリーグを制覇したが、行方を眩ませているというブラックという少年。その少年が目撃され、ブラックの側にはブルーアイズホワイトドラゴンと同じく、青い瞳に白い身体のドラゴンタイプのポケモンが居たのだ。
「磯野。このモンスターはなんだ?」
「カガミ様。此方は2年前、眠りより目覚めた伝説のポケモン レシラムでございます」
執事の磯野が言うにはレシラムというポケモンとのことだ。何でも2年前、イッシュ地方で大きな事件が起きたとのことで、プラズマ団という宗教染みたテロ組織の王がゼクロムという伝説のポケモンを復活させたとのこと。そのプラズマ団と王を停めるため、ブラックという少年がゼクロムと遂になるというレシラムを復活させて事件を解決したそうだ。
しかし、事件を解決させてポケモンリーグを制覇したブラックはレシラムと共に何処かに消えて、今は何処に居るのか分からないとのこのだ。
「ふむ…流石に他人のを奪うのは出来んな」
「ですがカガミ様。都市伝説ですが、伝説のポケモン達は複数目撃例もございます」
「なんと!」
ゲームでは良くある事だが、本来なら世界に一匹づつしか存在しない伝説のポケモン達も複数存在が確認されたケースがある。
「カガミ様。此方も参考程度にですが…」
磯野はスマホでなにやら検索してカガミに見せる。
「ゼクロムとレシラムの脱け殻…キュレムが復活したとニュースになっていました。
噂ですが…キュレムはゼクロムとキュレムの遺伝子を持ち、どちらかに似た姿になれるようです」
その画面にはレシラムに似たフォルムになったポケモンが映っていた。そのポケモンはキュレム。ゼクロムとレシラムの元となったポケモンであり、2匹の脱け殻。レシラムの特徴を持ったホワイトキュレム、ゼクロムの特徴を持つブラックキュレムに変身することが可能である。
そのキュレムであるが、イッシュの発展途上のシティであるヒオウギシティ出身の10歳の男の子が復活させてしまったとのこのだ。当然、男の子のプライバシーに関わるため、写真でキュレム(ホワイトキュレム)と共に映る男の子はモザイクがかけられていた。
「ブルーアイズ…オルタナティブドラゴンもだと!?」
「はい?此方は先週の出来事です…カントーではあまりニュースになってませんでしたが」
「こうしてはおられん。磯野、俺は旅に出る。仕事や会議はリモートで行うが…何かがあれば直ぐに連絡しろ」
「カガミ様!?」
「それと、その画像を送ってくれ」
磯野からレシラムの写真、キュレムとモザイクのかけられた少年の写真のデータを受けとるカガミ。レシラムの持ち主、ブラックの顔写真はネットニュースで出回っているが、此方はレシラムの機動力もあり…何処に居るのか分からない。
だが、キュレムの持ち主の恐らく…イッシュに居るのだろう。これが先週なら既に旅に出ている恐れもあるが、この少年はキュレムを復活させるまで手持ちのポケモンが居なかったそうだ。旅立ちの日…10歳の誕生日に、キュレムを見つけたが…騒ぎで延期なった恐れがある。
「ふむ…モザイクを解除したが…このような子供か」
パソコンを駆使してモザイクを取ったが、キュレムを目覚めさせた男の子は普通の10歳の少年だった。
「待っていろ…ブルーアイズホワイトドラゴン!!そしてブルーアイズオルタナティブドラゴン!!一目で良い…会わせてくれ!!」
そしてタマムシデパートの本社オフィスを飛び出して、外に出たカガミ社長だったが…
「あっ!お兄様。ちょうど良いところに…この子、遠路遙々イッシュ地方から来たそうで…初めてで分からないことだらけみたいです」
タマムシデパートの外ではエリカが見知らぬ10歳の男の子と話していた。その男の子はサンバイザーを着けており、右肩には初心者向けのポケモンであるリザードンを乗せていた。
「ブイ!!」
「なんか、偉そうなお兄さんきた!!僕ホワイト、宜しくね!」
「イッシュから遠路遙々とはご苦労だな。リーグが終わっていたからか?」
ポケモンリーグは何時でも挑める訳ではない。その地方のバッジを全て集めていれば、その日になれば挑むことが出来る。だが、その年度の締め切りまでにバッジを集めることが出来なかったら、挑むことが出来ず…来年に持ち越しと成るのだ。例外はチャンピオンランク登録制のパルデアだろう。
(む…まて、この少年まさか)
だがその少年はさっき、モザイクを解除した写真に映っていた少年とそっくりで…
「それも有るけど…イッシュは僕達のお陰で大騒ぎなんだ。だから、離れた所に飛んできたの」
『まてホワイト。べらべら喋りすぎるな』
その瞬間…冷気と共に、ホワイトが腰に提げたモンスターボールが開いた。すると…通常形態のキュレムが飛び出した。
「トリシューラか!?」
『いや?俺はキュレムという名前だが。もしかして此方ではガリガリという表現なのか?心配かけたようだな、これで良いか?』
その瞬間…蒼い炎に包まれたキュレムは瞬時に姿を変えて、ホワイトキュレムとなった。
(会えた…こんなに早く会えるなんて!!ブルーアイズ!!)
カガミ社長は涙を流した。
これは遊☆戯☆王とデュエマが好きすぎて勘違いを振り撒く社長、勘違いに気付かず変に解釈する周りの人々、その社長に着いてこられてバグキャラなスペックを発揮するBW2の主人公の珍道中である。
リンドウ先生の出番有る?どっかで野生の裏ボスとして出る予定。アローラに居ます