エリカ様「私のお兄様はデュエリストです」   作:静かなるモアイ

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因みに、メイちゃんとかルリも後々出てきます


社長「行くぞ!!全速前進だ!!」

「でも、どうしてカントーに?キュレムでしたっけ?彼の力で飛んでいけるなら、イッシュからだったらアローラや他の地方の方が近くない?」

 

エリカ様が視線の高さをホワイトと名乗ったキュレムの持ち主に合わせて、優しく語りかける。

何でもホワイトはキュレムを偶然が重なったことで、うっかりと復活させてしまい、イッシュ地方…特にヒオウギシティ周辺では大きなニュースになってしまった。無理もないだろう、2年前は怪しげな宗教団体の王とそれをとめる若きトレーナーが神話に出てくるゼクロムとレシラムを復活させた、その2年後である今回はキュレムが復活したのだ。何百年も石になって眠りについていたポケモンが復活すれば、ニュースにもなるだろう。なにせ、言い伝え通りならイッシュ地方に伝わる伝説のドラゴン3匹は…自身が認めた人間が来ない限り復活しないとされており、2年前の事件で真実だと認知されたのだから。

 

しかしだ。イッシュは今年度のリーグが終わっているとはいえ、どうしてカントーなのだろうか?他にもイッシュから近い地方はいくらでもある。自然豊かで独自の生態系が形成されたアローラ地方、ヨーロッパのガラル地方やカロス地方にパルデア地方などなど有ったはずだ。

 

「ここに来る前なんだけど…アララギ博士の助手のベルって人が、日本は凄い所だからキュレムぐらいじゃニュースにならないかもって言われてさ。

一応、ベルって人からポケモン図鑑と初心者向けポケモンの引換券、アララギ博士からオーキド博士への手紙も受け取ったんだけど…」

 

と、ホワイトは言う。何でもカントーを含めた日本はイッシュのトレーナーから見ても凄いところであり、全てのポケモントレーナーの頂点に君臨するポケモンマスターの称号を持つ不動のカントーチャンピオン レッドが居たり、ポケモンの権威であるオーキド博士が居たり、シンオウ地方には世界を創造した神々の伝説が残されていたりと様々だ。

 

「そうだ!日本って凄い所なんでしょ?地震の力を貯めてパンチを打つリザードンだったり、ものすっごい強いピカチュウとか居るって聞いたよ!」

「確かにそうね…でも遠いところから来たら、両親には伝えたの?」

 

旅立ちのときは基本的に両親に相談することは大切だ。ポケモンの世界では地方によって異なるが、10歳でポケモン保有の免許が発行されて、大人と同じ扱いになる。だが、10歳なんて普通に子供だ。今では10歳以降も学校に通わせて、15歳程になってから旅立つトレーナーも少なくない。

 

「両親って誰?」

「えっ?お父さんやお母さんだよ?」

「誰のこと?」

 

だが、ホワイトは首を傾げる。どうやらホワイトは父親や母親を知らずにして育ったようだ。

困惑するエリカだったが、今まで沈黙していたキュレムが口を開く。

 

『コイツは孤児院育ちだ。なんでも赤子のとき、アローラ地方の浜辺に落ちていたそうだ。親切な人に拾われたそうだが、そのままイッシュのヒオウギシティの孤児院に預けられてな…』

 

なんでもホワイトは赤子のとき、アローラ地方のとある浜辺に落ちていたそうで、そのときは王族なのかと思わしき装飾品…そして首から遺伝子の楔と呼ばれる代物をぶら下げていたようだ。親切な国際警察が拾ったとのことで、まだ人口の少なかったヒオウギシティの孤児院に預けられたようだ。

孤児院育ちなら親も居ないだろう。10歳になったら旅立つのは当たり前であり、頼れる人物は他にいない。ましてや、偶然にもキュレムを復活させてしまった。ヒオウギシティにはマスコミが来ていることもあり、ベルの紹介も有ったが…このカントーまで来たようだ。

 

「そうだったの…そのイーブイは?」

「孤児院で一緒だったイーブイだよ。せっかくだから、一緒に来たんだ」

「ブイ!」

 

ホワイトが肩に乗っけているイーブイは、孤児院から一緒とのことで、連れてきたようだ。しかし、このイーブイはホワイトに物凄く懐いており、いつ進化してもおかしくない。イーブイは懐きでブラッキー、エーフィ、ニンフィアに進化する。だが、進化の予兆すらない…もしかすれば突然変異種なのだろうか?

 

『てか、どうした?』

 

ふと、キュレムが言う。何かと思い、エリカとホワイトはキュレムの視線の先を見る。そこでは先ほどから一言も喋っていないカガミが涙を流していたのだ。

 

「なんでもない」

 

カガミはそう言い、涙をハンカチで拭き取る。

 

「これは雨だ。それより、貴様…金は有るのか?旅には金が付き物だ。ポケモンセンターに宿泊も出来るが、定員が限られてるし…全ての町に有るかと言えばそうではない。ポケモンセンターが無ければホテルに宿泊することになるが、金がかかる。

それにモンスターを捕まえるためのモンスターボール、我が社のフレンドリーショップで販売されているが、当然金がかかる。旅に金は付き物だぞ?」

 

彼の言うことはもっともだ。トレーナーの旅にお金は付き物だ。ホテルに泊まるのはもちろんのこと、モンスターボールや傷薬などの消耗品を買うことにお金はかかる。それにゲームと違い、野宿するにしても食品にも金がかかる。トレーナーの冒険とお金は切っても切り離せない。

それにトレーナー同士のポケモンバトルで賞金をゲットするのがゲームではお決まりだが、こんなのは当然ながら恐喝や強奪同然だ。だからこそ、トレーナー達は10歳からバイトをしているのだ。

 

「えーと…こんだけかな?」

 

ホワイトはポケットからマジックテープ式の財布を取り出して、中を確認する。旅立ちのとき、孤児院から支給された5000円ほどだけであった。

 

「ふむ。良いだろう、貴様に興味が湧いた。貴様の旅路に、俺も同行しよう。心配するな、行くところは貴様が決めろ。

俺はその道中で資金援助したり、保護者の代わりもしてやろう。なに、俺も旅に出ようと思っていたし…世界中のフレンドリーショップの視察もしないとな」

 

だが、ここでカガミからの提案であった。なんと、カガミがホワイトの資金援助と旅路の同行を提案してきたのだ。いくら頼れるポケモンが居るとはいえ、子供だけの旅路は不安も多いし…世の中には危ない大人も多い。

 

「良いの!?」

「お兄様!?」

「仕事はリモートでも出来る。問題はない」

 

(お兄様は優しいのですね)

 

エリカ様は思う。カガミは孤児で身寄りがなく、他の新人トレーナーでは頼れる両親の居ないホワイトの今後を案じて、涙を流して資金援助と旅路の同行を行ったのだと。そして父親ではなく、カガミが社長をしている訳だが…これにはとある事情もあり、その事情のこともあってホワイトと幼い頃のカガミ本人とエリカを重ねてしまったのだろう。

 

「行くぞ。全速前進だ!!」

「前身!!」

「オーキド研究所までですけど…私も行きますね」

 

 

 

 

 

 

なお、当のカガミ様本人は…

 

(マジで!?こんなに早く会えるの!?ブルーアイズオルタナティブドラゴン!!)

 

涙を流した訳は、ポケモン界のブルーアイズオルタナティブドラゴンであるキュレムのホワイトキュレムモードに出会えたためである。涙に気付かれたタイミングがタイミングのために、周囲の人々からはホワイトの過去を思って涙を流したと思われたのだ。

 

(まてよ?この子についていったら…ブルーアイズオルタナティブドラゴンの活躍見放題じゃん!!やったぜ!!)

 

旅路に同行したのはキュレム見放題と思ったからである。とは言え、この世界での過去のこともあり、ホワイトのことを昔の自分達兄妹と重ねてしまって情が湧いたのも事実ではある。




社長はリンドウ先生と違って、パートナーを沢山持っているのでバトル毎に手持ちが変わります。
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