ロボアニメ世界に転生したので、最高に気持ち悪い謎の仮面キャラを貫くことにする。 作:聖成 家康
人類結束連盟軍
アラスカ基地
《ラウンズ》セーフゾーン
光学迷彩をかけたまま、セーフポートに入港した”ハンドレッド”の船内から、一気に緊迫した空気が抜けた。
船員たちは脱力し、解放感に見舞われているようだった。
(この後すぐに起こるはずの、”ティターン”との再戦がない……やはり、大きく物語が変わっているようだ)
あそこで”ティターン”を倒したことで、敵はその実用性を疑問視でもしたのだろうか。理由は分からないが、とにかくあるべきはずのイベントがない――その事実は変わらなかった。
「連戦で船も消耗している。長居することになりそうだ」
ヨハンは安堵しきったように軍帽を深々と被る。
「ウィザード大尉! こっちに来てください!」
「む……?」
声を弾ませるアスカに裾を引かれ、ウィザードは方向転換する。
そう言えば……と彼女考案の新型があるという話を思い出し、ウィザードは抱いていた期待を蘇らせた。
”ハンドレッド”の外に出て、セーフポートの港内を、アスカに引っ張られるがまま走る。
これから”ハンドレッド”に運び込まれようとする白く塗り替えられた量産機”グラドスケルト”が羅列する中、ただ一つ、異色を放つゲイズチェイサが屹立していた。
その様は、鎧を纏った武者とも黒い外套に身を包んだ魔導師ともとれる風貌。これまでの機体に見られたモノアイは無いが、細いバイザータイプのセンサーカメラになっており、清廉さに拍車をかけている。
「ウィザード大尉の新型――”アマクサ”です。ボクの調整した”ヴァリアンス”で収集した大尉のデータを元に作った、完全な大尉の専用機ですよ」
ウィザードは仄かに口を開けたまま、その機体を見上げるのみだった。
”アマクサ”。その名を、心の内で何度も何度も復唱した。アスカが自分のためにと考え、考え、付けてくれた名であるのだろうと思うと、途端に胸が熱くなる。
「……どことなく”ガーゴイル”の意匠を感じる。見事な造形だ。アスカ」
不安そうに身体を縮こませていたアスカは、彼の言葉を聞いて、ぷっ、と吹き出した。
「大尉は、目の付け所が本当に面白いですね……」
アスカも共に屹立する黒い機体を見あげる。
「大尉。いくら壊しても、いいですから。死なないでくださいね」
口では心配しておきながら、顔には一切のその感情が漏れ出ていない彼女を見据えながら、ウィザードは言う。
「無論だ」
◇
ファウストに連れられて、アルバがやってきたのは海底に沈んだ潜水艦だった。
”ノーヴェ”が格納庫に入ったのを確認すると、ファウストは彼女を抱きかかえて外に出る。
格納庫のキャットウォークには、既に大勢の人々が整列しており、アルバの姿を確認するや否や、一斉に敬礼を行った。
「アルバ様はご無事だ。我ら宇宙人類の希望は、未だ途絶えてはいない!!」
彼女を降ろし、ファウストは拳を掲げながらそう叫んだ。
ファウストに連動し、人々も雄々しい叫び声を上げた。
アルバは呼吸が微かに荒くなる。
――同じだ。
これは父を殺し、地球の人々を排斥しようとした兄が国民にやっていたことと、何ら変わりのないことだ。
そしてその中心に、今度は自分が立とうとしているのだ。
「今ここに宣言しよう! 宇宙人類は劣等種たる地球人類を滅ぼし、新たな人類の礎となる! そのために、我ら《モードレッド》は奮闘するのだと!」
更に格納庫が沸き立った。
人々は感極まって、アルバにとっては鳥肌が立つような言葉を、口々に零し始めた。
「ハイル・アーク!! ハイル・アーク!!」
アルバは堪らなくなり耳をふさいだ。
――狂ってる。
いつしか自分は、悪逆無道を貫くことに何の疑問も抱かない兄にそう言ったことがある。
姉がアーク連邦という地獄から逃がしてくれなければ、自分は今頃、どんなことになっていたかは知る由もない。
「……アルバ様? お顔色が悪いですよ」
マーチが不思議そうな顔で覗き込み呟いた。
「ごめんなさい。ゲイズチェイサに乗るの、久々だったから」
「そ、それはすいません……! 私の操縦が荒いせいで、こんなことに……」
ぺこ、と頭を下げるマーチを、アルバは怪訝そうに眺めた。
この子からは、本来感じるはずの
「マーチ。アルバ様をお部屋へ案内してあげなさい」
奥からパイロットスーツを纏った大きな男がやってきて、女性のような口調で彼女に命令した。
「アルバ様、私についてきてください」
マーチは張り切ってアルバの手を取る。年相応の肌感だが、こちらの体温が奪われていると錯覚するくらいには冷たく、生気がまったく感じられない。
「そのお方には、これから大仕事をしてもらわないといけないからね」
アルバが格納庫を出る直前、大男は不敵な笑みを浮かべながらそう言ったのを、アルバは確かに見た。
ファウストは格納庫にある見慣れない機体を見上げる。
「これは」
「ファウスト様の専用機であります。Mk-IIの戦闘データを元に作られていますので、性能は申し分ないかと」
傍らに立つアリアが笑みと共に答えた。
その機体は、”レギオン”とは遠くかけ離れた風貌に仕上がっている。
青銅色の装甲という点では”Mk-II”と同じだが、冠を彷彿とさせるデザインの頭部はモノアイタイプのカメラセンサであり、肩アーマーやリアスカートは西洋の鎧を思わせる。
最大の特徴は骨組みのように見えるウィングユニットだ。まだ作りかけのように思えてくるほど細々としている。
「翼はまだ未完成なのか」
「いえ。それで完成です」
アリアの言葉に、ファウストは眉を顰める。
あのような細いウィングでは、容易く折れてしまいそうなものだが。
「あの翼は翼膜にあたる部分から大量のフェーズ3粒子を散布し、機体周囲を覆い隠して光を屈折させる役割があります」
「……成程。ステルス用か」
「かの《煉獄の凶星》が使っていた赤い機体――それにも、粒子散布用のマントがついていたとか。おそらくはそれを再現したようです」
アリアはにぃ、と笑いながら呟いた。
どこでこんな嫌味を言うことを覚えてきたのか――。ファウストは滾る気持ちを抑えきれなくなる。
《煉獄の凶星》――ミラ・ヴァルーツ。
あの女は
狂うほどに、あの女を恨んでいる自分がいることに、複雑な心境を抱かずにはいられない。だが、その気持ちは抑えきれない。
あの女だけは許したくない。
あの女だけは、自分が自らの手で始末しなくてはならない。
でもどうしてか。その気持ちに正当性があるという自信が、自分の中にはなかった。
ミラを許したくないという思いは、何か他の願いのための免罪符のようなものに過ぎないのではないか――。
「私は休む。アリアも、これからに備えておけ」
「……了解しました」
アリアは深々と礼をし、ファウストは自室へと戻った。
余計なことを考えている暇は無いのだ。
地球軍の中枢を担うスーパーコンピューター
《ユビキタスブレイン》の所在がハッキリしたのだ。
あれさえ掌握することができれば、地球側の混乱は必至だ。
「決戦は
結束連盟宇宙コロニー要塞都市《ユミル》。
全てが、そこで終わる。
◇
「《ユビキタスブレイン》?」
リアムは首を傾げながら、艦長からの言葉を復唱する。
「そうだ。結束連盟が結束連盟たる所以。そして、俺たちが極秘武装組織である所以。あらゆるネットワークに干渉し、コンマ一秒のラグすらもない予測演算を行って情報統制を行うことが可能であるスーパーコンピューターだ」
ヨハンは長々と語った。ミハイルもどうやら知っていたらしく、目新しい反応は示していなかった。無論、ウィザードもである。
本来のシナリオなら、この《ユビキタスブレイン》という代物は物語の序盤でコロニーが地球に落ち、その一部に深刻なエラーが出たことで早々に敵側に掌握されてしまう。
だが、現在は掌握されるどころかコロニーが落ちることすらもなかった故に、未だこちらの手の中だ。
「そんなものが……だから、テレビでは今まで」
「……敵の狙いはそれだと?」
リアムが愕然とする隣、ミハイルが冷然に問いただした。
「予想に過ぎない。だが、あれは宇宙にある。
艦長の予想は鋭い。
そのとおりだ。”ティターン”を出した目的は、単なる蹂躙ではなく、《ユビキタスブレイン》の所在を掴んだ敵側が仕掛けた大規模な陽動に過ぎない。
作戦会議をする最中、ブリッジの扉が開いて誰かが入ってきた。
「失礼する。”ハンドレッド”の諸君」
ヨハンはその姿を見て、すぐさま敬礼をする。
両脇に護衛を携えた、大きな恰幅を持つ壮年の軍人。白い襟詰めの軍服はコートタイプになっていた。
「カルキノス提督……どのようなご要件で」
カルキノス。その名は、ウィザードでも微か覚えしかない。確か、《ラウンズ》の中でも最高戦力を有する第一艦隊の最高指揮官……のはずだ。
「ヤマト中佐。君の――いや、君たちの活躍は聞いている。此度は、総督からの伝言を預かってきた」
総督――つまりは、《ラウンズ》の最高指揮官からの伝言。
艦内に緊張が走った。
カルキノスがヨハンに電文書を手渡す。
彼が目を通すと、あまり表情を崩さぬまま、驚愕の意を示していた。
「……《ユビキタスブレイン》の座標データに、不審なアクセス履歴あり……これより、《ラウンズ》は総動員でコロニー《ユミル》の防衛にあたれ……」
それを読み上げると、艦内の緊張はさらに緊迫したものへと変わった。
「……君たちには我が第一艦隊に配属してもらうことになった。補給と整備が済み次第、速やかに宇宙に上がってもらうことになる。過酷な戦いになるとは思うが、耐えてくれたまえ」
カルキノスがブリッジを出ようとした時、リアムが突然口を開いた。
「敵は……僕達が戦っている敵は、一体何なんですか」
リアムの目は、明らかに怒りに満ちていた。怒り、とは言っても憎悪は感じられない。そこにはただ、世界という大きなものに対する反抗心のみが見られた。
「……さぁな。私にも分からんよ。ただ、我々とここまでやり合えるだけの相手だ。バックには、恐ろしく巨大な組織がついている。もしくは巨大な組織そのものか」
カルキノスはそうとだけ言う。
尤も、彼ら《ラウンズ》が敵の素性を知るのはもっと先の話になる。
いや、敵味方が明確に互いの素性を知る描写などなかったような気がする。
互いが互いを知ることのない戦争が、人々に知られぬことなく終わる――そんな皮肉の意を込め、セカンドシーズンを通して行われた戦いは後に《アンノウン戦役》として記録に残ることになるのだ。
「敵がどんな物であろうと。我々には戦う以外の選択肢はないと。貴殿はそう仰りたいのだと存じ上げる」
ウィザードが口を挟むと、これまで一切表情に変化を見せなかったミハイルとヨハンの顔に異変が見られた。
カルキノスは彼を見据えながら答える。
「……そうだとも。ミスター・ウィザード大尉。……君の活躍も聞いているよ。コロニー破壊の阻止、巨大兵器の討伐に貢献と。パイロットでなければ、二階級ほどの昇進も夢ではない」
微笑んだ彼の顔には、軍人としての聡明さと年相応の穏やかさが滲んでいた。
パイロットは前線に出る者。安々と高い階級にはなれないのが現状だ。
「では、私はこれで失礼する。第一艦隊での君たちの活躍を期待しているよ」
カルキノスに一同敬礼し、彼を見送った。
されど緊迫感は一層強まるばかりである。
◇
「《モードレッド》か、下らん」
投棄された木星のスペースコロニー”フォボスゼロ・ワン”。
《プライムテラーズ》の総督官 アレックス・ノーベルは、モニターに映された映像を見てほくそ笑む。
アーク連邦の残党――《プライムテラーズ》に所属していた宇宙人類たちがクーデターを起こし、《プライムテラーズ》の戦艦を奪取する様子が、そこにははっきり記録されていた。
やはり宇宙人類は手に余る。地球にとって害悪な存在だと再認知させられると共に、早々に切り離せた安堵も彼には押し寄せていた。
《ノーベル・ダイナミクス》は、かつて地球軍をはじめ、様々な軍事組織から重宝されていた世界一――否、宇宙一と言っても過言ではない複合軍需企業だった。
だが、結束連盟などというくだらない思想を抱いた組織のおかげで、過去の栄光は今では見る影もない世界の腫れ物扱い。
大型作業機を開発するだけの企業に成り果ててしまった。
《プライムテラーズ》は、そんな現状を憂いた者達――企業の大多数の者達――により活動する組織だ。
「アレックス様。データの摘出、完了致しました」
「御苦労……奴も面倒なことをしてくれる。まさか入手したデータに小細工を仕掛けているとはな」
正直、彼には分かりきっていた。
《ユビキタスブレイン》。結束連盟しか知らない極秘裏のデータは、彼も入手していた。
「敵が増える。戦士が足りないだろう。いざとなれば私も出る」
「あ、アレックス様がですか!?」
彼の秘書が目を丸くしながら言う。
組織のトップが自ら戦場に出るなど、考えられぬことだ。
「僻地でふんぞり返る指揮者に、誰も着いていきたいと思わまい。親父はそれが理解できぬから失速したのだ」
アレックスはチェアから立ち上がり、宇宙を眺めた。
木星にもなれば、周辺には何もない。このコロニーを引く重力の源は、まっさらで、黄土色の単なる球体。地球の美しさが再確認できる。
「地球。あの美しき星は守らねばならない。そのためには、ゴミムシどもを排除せねば」
◇
「あ……准尉! ボクの下から覗き込むなっていつも言ってるだろ!」
「誰がお前のなんか覗くか。どうせ色気のない物穿いてるんだろ」
「な、何をぉっ〜!? セクハラだぁっ!!」
「男ぶっといて、いざとなれば女を有利に使うんだな」
”アストラル”を整備するアスカが、足元から機体を見上げるアズチに怒鳴り上げたが、彼には大して効果がなかった。
整備を終え、何の用かと尋ねようとしたアスカが、床に達するときに足を滑らせて転びそうになる。
それをアズチが抱きかかえるようにして受け止め、ため息をつく。
「本当に危なっかしいな、お前は」
「うるさいっ!」
アスカは顔を赤くしながら叫ぶ。
「俺の機体の整備も頼むぞ」
「他の人に頼めばいいだろ」
「……お前では無いと不安なんだ」
吐き捨てるように言われた言葉に、アスカは言葉を詰まらせる。
口を繕って黙り込んでしまい、アスカは俯き気味になる。
「俺の機体はすぐに終わる。それが終わったら、お前ももう休めよ」
「はっ……う……」
明らかに照れるアスカの様子を見て、アズチから笑みが溢れた。
「本当。お前は危なっかしいな」
「だ、黙れぇぇ……!」
拳でぽかぽかと殴りながら、アスカは弱々しく鳴く。
そんな光景を、ウィザードは自動販売機の隙間から微笑ましく眺めていた。
「……どれだけイレギュラーがあろうと、運命は一つのところに収束する……あながち間違いではないようだな」
自分のいない所で、アズチとはよろしくやっていることがわかると、ウィザードは何だか嬉しい思いで満たされる。
せっかくアズチが生きているのだ。どうせなら、最後まで幸せに結ばれてほしい。それが
「覗き見なんて、趣味が悪いわね」
寒気立つような声が聞こえ、ウィザードは視線をそちらに向けた。
纏うのは《ラウンズ》の白き軍服。だけれどもその容姿は、忘れたくても忘れられない、強烈な印象に残るあの少女のものに他ならなかった。
「今日はおめかしをしているのだな」
「似合わないかしら」
少女はくる、と回ってみせた。人間味のある行動に、ウィザードは少しばかり緊張が抜けた。
「そろそろ、君の正体を話してもらおうか。一体君は何者で、私に何をしてほしいのか」
直球にそう言うと、少女の顔に冷酷さが灯った。
「……そうね……貴方に分かるかしら」
「どういう意味だ」
不敵に笑い、自販機で甘ったるそうなジュースを購入した彼女は、それを喉に流し込んでから言う。
「私は、あなたたちのような生命体が”神”、あるいは”女神”とでも言うべき存在……かしら」
「ほう」
ウィザードは大して驚かない。
転生、という事態を経験した彼にとって、神も仏ももはや仮想の物ではないのだから。
「私
”ゲイザー”――監視者。安直だが、妙に腑に落ちるネーミングだった。だとするなら、これまで彼女は幾度となく、こちらを監視するかのように現れてきたことが納得できる。
「ほう。この世界も数多ある宇宙の一つとでも言うのか」
「そうよ。えらく察しがいい。貴方達人類という生物が仮定付けた”パラレルワールド”という概念は、宇宙を跨いだものに過ぎない。時空、時間――そういった概念は唯一無二なの」
「……複雑だな。読者が逃げてしまうではないか」
ウィザードの言葉に、少女はジト目になる。調子よく話していたところに水を差され、気分が悪かったのだろう。
「何故私を突き進ませようとしたり、止めようとしたのだ? そのほうが君にとって都合が良いからか」
「……」
少女は天井を見上げながら、儚げな表情を吐露させた。
「この世界。私のお気に入りなの。ちょっと、取り乱してたのよ」
「高次元生命体が聞いて呆れるな。我々人間と何ら変わりないように見える」
ウィザードの軽口に少女は殺意の目を向けた。流石に調子に乗りすぎた発言だったと、彼は反省する。
「《反逆機兵レギオン》。貴方がそう認知している物語は、その宇宙の記憶の一片を持つ人間が描いた模倣したものに過ぎない」
「色々と聞きたいことはあるが、一つだけに絞ろう。……
ずっと疑問に思っていたことだ。
転生する、という作品は、今まで幾千もあった。だがそんな物が実際に起こると分かった時から、平行世界という概念を認知した今この瞬間まで、疑問は途切れないままだった。
「人の精神とは観測不可能な流体エネルギー。それは一つの宇宙を巡り巡る……ごく稀に別の宇宙へ流れ着くものがある。貴方のようにね。私達が唯一、その流れに気がつくことができる」
指でくるくると円を描きながら、少女は得意気に説明してみせる。
輪廻転生、と言うべきか。前世が日本人である彼には馴染みの深い言葉だ。
さっきから気になっていたが、とウィザードは切り出した。
「私
そう尋ねると、少女は一瞬儚げな表情を見せる。どうしてそんな物を溢したのか、理由を悟ることすら叶わぬ間だった。
「……えぇ。いるわ。もう一人、本来あるべき流れから淘汰された者を、見守る者が」
◇
焚き火の狼煙が昇る森林地帯。
野生動物が蔓延るであろう、その危険な大地にただ一人、生身で立ち尽くす人間がいた。
「君は本当に、おかしな奴だな」
白い装束を纏った白髪の少年が、そこに立つ者を呆れたような、はたまた興味深々な様子で眺めていた。
その者は長身の男であり、赤いゲイズチェイサのパイロットスーツに身を包んでいた。艷やかな焦茶の髪をロングヘアに整え、キリリとした三白眼は血潮のように真っ赤であった。
「俺ぁ大将の指示に従うだけだ。アレックス大将に従ってりゃあ、地球に味方するより戦争がし放題だからな」
少年は微笑む。
「君は戦争が好きなのかい」
男は狂気的なまでの笑みを浮かべた。
「戦争だけじゃねぇさ。俺は殺人、強姦、強奪――他者から何かを奪うような行為が大好きな人間さ」
彼の言葉を聞き、少年は静かに目を閉じる。
「さァ、おっぱじめるか。”レギオン”を使った、とんでもねぇ戦争をな!!」
ジャック・ビアッジ――《プライムテラーズ》に雇われた、大戦時代からの最凶最悪の傭兵。
二つ名は《焦土の狩人》。
そして、彼もまた
原作の「反逆機兵レギオン」、読んでみたい?
-
その旨を良しとする!!(YES)
-
私は辞退させてもらう。(NO)