楽しそうかどうかで決める天才、Vtuberになる。   作:夢野いくや

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リザーバー

 

「それでは君たち、今日も配信来てくれてありがとう。またね。」

 

そう言って配信を終える。

 

4期生の二人とコラボしてから3日たったが、自枠で雑談をしたり、料理配信をしたりと目新しいことはやっていなかった。

 

そろそろ何か新しいことをやってもいいだろう。さて何をするか...

 

そんなことを考えていると通話アプリにDMが届く。

 

『セラヴィス!今って暇してたりするか?』

 

DMの送り主は我らが『メモプロ』の1期生である、『白石奨吾(しらいししょうご)』先輩からである。

 

SNS上では少し絡んだことがあるが表裏共にそれだけの会話しかしたことがない。

 

何か急ぎの用事だろうか?

 

「大丈夫ですよ。配信ちょうど終わったところだったので暇してました。」

 

『すまねぇが今から俺が入っている通話サーバーに来れるか?配信中なんだが...』

 

「大丈夫ですよ。今から向かいますね。」

 

 

 

 

「今代打を呼んでるからよ!ちょっと待ってくれや!」

 

ピロン

 

「お?来たようだな。」

 

「どうもはじめまして。『メモプロ』所属天使兼執事長の『セラヴィス·アークバルト』です。白石先輩もはじめまして。」

 

「そういや、はじめましてだったか!俺は『メモプロ』1期生の『白石奨吾』だ。白石って呼んでくれ。」

 

「わかりました。白石先輩。それで、急に連絡いただきましたがどうされました?」

 

【はじめましての後輩呼ぶのヤバいw】

【白石もはじめましてなのかよ!】

【セラヴィスくん、急に呼んですまんやで。】

【セラヴィス様が白石君の枠に!これは捗る!】

 

「いや~、急に呼んでしまって悪いな。今ガチャ配信中なんだがガチャを引くための石がなくなってしまってな。普段ならクレジットカードを登録してあるからそこから課金してるんだが、どうもそのクレジットカードの調子が悪いらしく今使えねぇのよ。で、これからコンビニに課金用のカードを買って来ようと思うんだが、その間の繋ぎをお願いしたくてな。」

 

「なるほど。状況はわかりました。僕としてはなんの問題もないんですが、なぜ僕なんですか?他に関わりある人とかいそうなのに。」

 

「いや~、このゲームがな。男向けゲームであんまり女子に依頼しづらいのよ。ウチの箱にはもう一人男がいるが、所謂男の娘だから依頼すると後々叩かれそうでな...その点セラヴィスなら問題無さそうだから呼んだってわけよ。」

 

「それなら僕が選ばれた理由もわかりました。行ってきてもらって大丈夫ですよ。」

 

「ありがとよ。また飯でも奢らせてくれや!」

 

そう言って白石先輩はコンビニへ向かった。

 

さて、まさか他人の枠に呼ばれてそこの配信主がいなくなるとは思わなかった...これぞVtuber、自由だな~。

 

【セラヴィスくん、本当に申し訳ない!】

【ウチの白石ってこういうとこあるのよ...】

【こんなんだけど仲良くしてあげてね?】

【おかんかよ!?】

【そうよ~わたしがママよ~】

 

まあ、任されてしまったので場を繋ぐとしますか。

 

「改めまして白石先輩のリスナーの皆様こんばんは。『メモプロ』に10日程前から所属しております、『セラヴィス·アークバルト』です。」

 

「せっかく白石先輩がやっているゲームなので僕もインストールだけしてみますか。これってどんなゲームなんですか?」

 

【尻】

【尻が揺れる】

【女は背中で語る】

【お尻はでかけりゃでかいほどいいって気付かせてくれるゲーム】

 

「お尻の情報しか伝わって来ないよ?そりゃお尻お尻ばっか言ってたら女の子に代打は任せられないね。」

 

【仕方がないね。尻の印象しかないから】

【ついでに言うとおっぱいも揺れます】

【結構シリアスでストーリー重め、主人公が女の子と協力して敵を倒すゲーム】

【ストーリーもめちゃくちゃいいんやで】

 

「このストーリーがいいって言う話を信じてインストールするよ。インストール完了まで時間が掛かりそうだし雑談でもしようか。」

 

「リスナーから見た白石先輩ってどんな人?」

 

【テンション高い】

【高校生がそのまま大人になりましたって感じ】

【たまに小学生男子になる】

【でも、面倒見がいいから男女問わず下からは慕われてると思うよ】

【落ち込んだときに配信来ると元気出るんだ】

【母性を感じられる】

 

「あ~、なるほどね。一緒にいて楽しそうだ。これから仲良くしていけるといいな。」

 

「さて、そんな話をしているとインストールも終わったようだ。チュートリアルでもやってみますか。」

 

【チュートリアルから中々引き込まれるよ】

【チュートリアル終わると無料で10連引ける】

 

「...なるほどね~、彼女らにも人間のような心があるのか...これから非情にも機械として使わないといけない場面が出たりしそうだ。」

 

【そうなのよ。そういう暗いストーリーが面白い】

【ワイは尻を眺めるためにやってるけど、ストーリー目当てでやるのもアリやと思うで】

 

「さて、ストーリー終わったから、ガチャか...ガチャはな~」

 

「帰ってきたぞ!すまなかったな!一人にさせてしまって!」

 

「いえ全然大丈夫ですよ。」

 

「俺がいない間どんな話してたんだ?」

 

「このゲームの話をしてました。さっきチュートリアルが終わったところです。」

 

「お?そうなのか?それじゃあ10連が引けるな!セラヴィスはどんな引きを見せてくれるんだ!?」

 

「僕、ガチャのあるゲームはあんまりやらないんですよね。」

 

「どうしてだ?課金しまくっちまうからか?」

 

「いや、そうじゃないんです。まあ、引いたらわかると思いますよ。」

 

そう言って僕は10連を引く。

 

「お?これは最高レア確定演出じゃねえか!運いいな!」

 

「はい。」

 

「な!?最高レアが5つ...だと!?」

 

「そうなんですよ。ガチャだけ謎に運が良くてですね...」

 

【ふぁ!?】

【これはやってます】

【こんなガチャ結果初めて見たわ】

【すごいな~(白目)】

【こんだけ出たら白石の欲しいキャラ出そうやな】

 

「おい!今回のピックアップキャラだと!次もピックアップ!?さらには今の環境トップと2位じゃねぇか!?で、最後は...ああぁぁぁぁ!!!俺が一番欲しい今回のメインピックアップじゃねぇか!?」

 

「いや~、今回は呼んでくださりありがとうございました。また何かありましたら呼んでください。それでは!」

 

「セラヴィスぅぅぅぅぅ!!!!!!」

 

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