楽しそうかどうかで決める天才、Vtuberになる。 作:夢野いくや
○都竹視点
まずいな~
配信開始は押せたんだけど、音が全く聞こえない...
あと、自分の声も乗らない...
せっかく久し振りに配信やる気になったのに...
午前4時か...
もうみんな寝ちゃってるかな...
【あれ?声聞こえないよ】
【口パクパクかわいい】
【大丈夫?放送事故?】
『音が乗らない。設定いじるからちょっと待って。』
【わかった!】
【焦らなくていいよ。のんびりしてるから】
【凪咲ちゃん頑張れ~】
本当に困った...
私は俗に言う機械音痴というやつなのだ。配信機器の設定も社長にやってもらっただけで私はちゃんと理解しているわけではない。
今回の配信は諦めようかな...
みんな待たせるのも悪いし...
ピロンッ(音は出てないけど通知1)
ん?なんだろ?
『大丈夫ですか?画面共有出来ますか?僕でよかったら配信の設定確認しますよ。』
おお、神よ...
『ありがとう。ごめんだけど、画面共有するし見てもらえる?』
『任せてください。...オーディオの詳細プロパティ開けますか?今の画面の右下です。...わかりました。その二つ目の音声デバイスを「既定」に設定してください。』
おお!音が聞こえるようになった!配信にも乗ってそう!
『次はマイクですね。システムのサウンドを開いて入力を...そうそこです。そこのマイクが内蔵マイクになってしまっているので、普段使ってる方に変更してもらうと...』
「やった!なおった!ありがと!」
【お?聞こえた!】
【おかえり!】
【よかったよかった】
『ありがとう。聞こえるようになったよ。』
『それはよかったです。配信頑張ってください。』
「みんなお待たせ。『メモプロ』3期生、『都竹凪咲(つづきなぎさ)。今日は遅くなってごめんね。」
【ええんやで】
【ワイらも晩御飯何食べたかの話して時間潰してたから気にせんでええよ】
【ステーキ食べてたやつ許すまじ】
「ふふっ。みんなありがと。みんなも知ってると思うけど、私って機械音痴なの。だから配信復活するために今裏で色々教えてもらってたの。本当に助かった。」
【誰?】
【『メモプロ』優しい人多いからね】
【配信の設定も社長にやってもらったんだっけ?】
「そう、社長にやってもらってから私一人じゃどこをどうしたらいいのかわからないの。」
...助けてくれたお礼をしたいんだけど、呼んだら来てくれるかな?
『今って時間大丈夫?私の枠に来てもらえたりする?』
『大丈夫ですよ。呼んでもらえますか?』
『わかった。』
「みんな、助けてくれたお礼をしたいから呼ぶね。」
「もしもし?聞こえてますか?『メモプロ』所属、『セラヴィス·アークバルト』です。」
「セラヴィスくん、ありがと。セラヴィスくんが助けてくれなかったら今日の配信は諦めるところだった。」
【セラヴィス~】
【ウチの姫を助けてくれてありがとなセラヴィス!】
【さすがイケメンはなんでも出来る】
「たまたまこの時間起きてて、たまたま都竹先輩の配信を見てたらどうも困ってそうでしたので。いらぬお節介かなと思いましたが声を掛けさせていただきました。」
「本当に助かった。ありがとう。私って話すの得意じゃないから誰に助けを求めたらいいかわからなくてパニックになってたの。」
「やっぱりそうでしたよね。配信見てたら目線が凄いことになってましたよ。」
「もう...恥ずかしい...でもおかげで助かった。ありがとう。」
【セラヴィスってばまた女の子引っかけてる?】
【これで配信デビューして1ヵ月ちょいなんだぜ。信じられるか?】
「...セラヴィスくんって女の子引っかけまくってるの?」
「風評被害ですよそれは。僕は誰にだって優しく接してるだけです。」
「ほんと?」
「本当です。だから男性にも優しく接してますよ。」
【まあ、白石にも優しかったか】
【ガチャ配信ではメンタルボロボロにしてたけどね】
【でも瑞樹くんはメス墜ちしてなかった?】
【言葉が悪すぎるw】
「...私の同期が落とされてるって書いてあるけど。」
「花新發先輩ですか?それこそ風評被害です。花新發先輩は友達ですからね。ちょっと他の人より距離が近いだけですよ。」
「そうなの?でも、瑞樹くんにも友達が出来てよかった...同期なんだけどちょっと壁を感じてしまってたから...」
「もう大丈夫ですよ。この前の僕のボイスシチュエーション検討枠見ていただいたらわかるんですが、本当に楽しそうに配信してらっしゃいましたので。」
「それって社長と千郷ちゃんと一緒にやってた枠だよね?ちょっとだけ見てたよ。セラヴィスくんがいない枠で色々言われてたね。」
「まあ、楽しそうに話してらっしゃったのでいいかな~と。変なのにはならなさそうでしたし。」
「でもママさんのは中々だったね。」
「あ~棺お母さんのですね...優しくていい人なんですが何て言うか愛が重いんですよね...割りと真面目にお母さんだと思ってるような気がしてます。」
【そんなに凄かったの?】
【怪文書やったで】
【見てみたいかもw】
【<棺>:お母さんですよ~】
【ふぁ!?】
【よう見とる】
「...ママさん来てるよ。」
「...来てますね。」
【<棺>:お母さんに見られて恥ずかしいのはわかりますが、そうやって邪険にされる悲しいです。でもセラヴィス君が本当は優しい子だってことはわかってますからね。今日だって困った先輩を助けてあげてますし。ただ、どんどん女の子と仲良くなっていくのが母として心配しています。いつか刺されないでしょうか?何かあったらすぐに言ってくださいね。お母さんはいつだってセラヴィス君の味方です。】
【おお...はやいはやい】
【喋るよりも早くない?】
【なるほど、これは怪文書ですわ】
「...愛されてるね。」
「ええ、愛されてます。僕あんまり知らないんですが、他のライバーの人らもママさんとこんな感じなんですか?」
「どうなんだろ?仲良いところはたまに一緒に配信してるらしい。仲悪いと新衣装別の人に用意してもらったりするみたい。」
「へ~。そうなんですね。」
【<棺>:セラヴィス君の新衣装は絶対私が担当しますからね。他の人になんて譲りません。は~...どんな衣装がいいでしょうか?やっぱり白軍服ですかね?学ランとかもありかもしれませんね。ウチの息子は何来ても似合うでしょうから何を準備するか悩んでしまいますね。】
【これは仲が良いと言うのか?】
【教育熱心なママなんだよきっと】
【典型的な息子離れ出来てないお母さんって感じ】
「棺お母さん、一応人様の枠なので...また僕の枠で新衣装の話はしましょう。」
「...うん。仲良さそうでなにより。」
「う~ん...そうですかね?」