楽しそうかどうかで決める天才、Vtuberになる。 作:夢野いくや
○花新發視点
花:「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」
【瑞樹君の悲鳴助かる】
【可愛い】
【男の娘の悲鳴からしか得られない栄養素があります】
ホラーゲームは苦手なのに...
この前の格付けチェックで『BAN』になったからって、リスナーに罰ゲームとしてホラーゲームをやるように言われちゃった...
まだ序盤も序盤なんだけど、雰囲気が怖すぎて全然進めてない。
花:「もう嫌だ...誰か助けて...」
【予想以上に参ってる感じ?】
【でもまだ面白いところまで行ってないしここでやめちゃうのはもったいないな~】
【となると助っ人か?】
【助っ人って誰呼ぶのよ?】
【そりゃセラヴィスじゃね?】
【セラヴィスさんなら何とかしてくれそう】
【怖がってる男の子を颯爽と助けるイケメン...アリだと思います!】
花:「助っ人?それなら何とか続けられるかも...でも今セラヴィス君配信中でしょ?」
【配信中だね~】
【ちょうど灯里ちゃんの配信のコメントに顔出してるっぽい】
【それなら厳しいか...】
花:「そうだよね...それじゃあ一人で頑張らないとね。」
そう言って勇気を振り絞って歩き出す。
今いるのはトイレだ。このゲームはある建物の警備員をやっている主人公が、全階層に社員が残ってないか確認し、電気を消して部屋の鍵を閉めていくのが目的だ。
時間も深夜に差し掛かろうとしている時間で、基本的にフロアに電気は付いていないので暗い中歩く羽目になる。
さっきなんて真っ暗の部屋に社員の人が立っていて悲鳴がでちゃった。
実際にあんな状況に出くわしたらオシッコちびっちゃうかも...
今はトイレに誰か入ってないか、チェックをしているところ。
花:「誰かいませんか~?」
そう言って電気を消す。
『ちょっと!まだ入ってるんですけど!電気消さないでくださいよ!』
花:「なんでこんな時間なのにトイレ入ってるんだよ...」
そう言われたので電気を付ける。
花:「うわぁぁぁぁぁ!!!」
電気を付けるとトイレの扉一面に赤い手形が張り付いていた。
花:「もうやだ...」
【これはビビる】
【実際に見たらションベンチビるやろな】
【トイレやしいいんちゃう?】
【いや、良くはないやろ】
花:「誰か...助けて...」
ピロン
セ:「助けに来ましたよ。」
花:「うわぁ!せ、セラヴィスくん?」
セ:「びっくりさせてしまいましたか?」
花:「ちょ、ちょっとね。でもどうして?」
セ:「君が助けを求める顔してた。」
花:「へ?」
【せ、セラヴィス!】
【きたぁ!これで勝つる!】
【かっこよすぎる!】
花:「ふふっ。セラヴィスくんはいつだって僕を助けてくれるね。」
セ:「それは言い過ぎですよ。でも、花新發先輩が呼んでくださるなら、僕はいつだって駆けつけますよ。」
花:「セラヴィスくん...」
【こ~れ、メインヒロインです】
【瑞樹君が女の顔してる!】
【いいぞ!もっとやれ!】
花:「でも配信中じゃなかったの?」
セ:「配信中ではありましたがね。兎耳山さんの放送に顔出して、リスナーのみんなを誘導したので僕の枠は終わらせてきました。」
花:「そうなんだ。じゃあいいか。」
セ:「さて、花新發先輩、僕が来たからもう大丈夫です。」
花:「そうだね。で、セラヴィスくんは何をしてくれるの?」
セ:「まあ、僕もこのゲームは初見なのでアドバイスとかは出来ません。なので、一緒に驚いてあげたり、小粋なトークで怖くなくしてあげます。」
花:「ふふっ。なにそれ?いる意味あるの?」
セ:「ありますよ。さっきまで怖かったと思いますが、...もう怖くないでしょ?」
さっきまでは怖くて全然進めないと感じていたのに今は全然怖くない。
なんなら楽しめるかもと思えてしまってる。
花:「...やっぱりセラヴィスくんは凄いな...」
セ:「ん?何か言いましたか?」
花:「なんでもないよ!」
セ:「まあ、僕は鈍感系主人公ではないのでね...ちゃんと聞こえてましたよ。凄いでしょ?」
花:「もう!そういうのは聞こえてないフリをするもんだよ!」
セ:「ふふっ。せっかく褒めてもらえたんです。聞こえてないフリをするなんてもったいないでしょ?」
【てえてえ】
【瑞樹ちゃんが可愛すぎる】
【セラヴィスなら瑞樹君を安心して任せられるよ】
【セラヴィス様楽しそう】
【カップルの会話かな?】
【こ~れ付き合ってます】
花:「もうコメントのみんなも何言ってるの!」
セ:「なんか娘を持つお父さんみたいな人がいっぱいですね。」
【瑞樹ちゃんはワイらの娘やからな】
【息子定期】
【お母さんもいるわよ~】
【瑞樹ちゃんの花嫁姿みたいわね~】
セ:「お父さんだけじゃなくてお母さんもいっぱいいますね。」
花:「恥ずかしい...授業参観みたい...」
セ:「まあまあ、リスナーさんに愛されてるってことですよ。」
花:「そうかなぁ?」
セ:「そうですよ。さて、僕が来たからもう安心。頑張って進んでいきましょー!」
花:「そうだね。頑張ろっか!」
さっきまでとは違い、意気揚々と進んでいくのだった。