異世界から追放された英雄は、【シン・日本】で平穏に暮らしたいけど強すぎて無理 作:秋津 幻
「えーみなさんこんにちわ! S級冒険者になりましたステラです!」
>予備役だろ
>おめ~
>なにはともあれレベルアップおめでとう
>いや予備役でもすごいよ
>いやKさんがキャリーしたおかげだろ
「いやほんと、Kさんにはお世話になりました……」
>そういや今日はKさんは?
K>いまーす
>おお
>いたんだ
K>今回は目立たないようチャット欄で控えてます
>無理しなくていいのよ?
>ステラちゃんの護衛お疲れ様です
>よく頑張った……あなたはよく頑張りました……
そんなわけで、ステラちゃんのS級予備役就任おめでとう配信が行われていた。
世間は多少は騒ぎになっていたが、視聴者たちは歓迎してくださるようだ。
「そんな訳ですが、ここで緊急ゲストをお呼びしております……小鳥遊さんです!!」
「ステラさんとのコラボ回数ナンバーワン! もはや料理系配信者ではなく第二のダンジョン配信者との予備声名高い小鳥遊童子ですわよ!!!」
>おっおひさ~
>おっ小鳥遊さん久しぶり~結構コラボ来てますけど
>もはやレギュラーじゃね?
なんか、ステラちゃんの配信に小鳥遊さんも参加することになった。
普段の姿とは違い、背が小さくなっており、ゴシックでロリータなかわいらしい服を着ている。なんでこう配信者は普段と姿を変えるのが好きなのか。
>でもなんで小鳥遊さんとのコラボが突然?
「ステラさんがレベルが上がり、S級冒険者予備役になったという事で……ギルドの監視がてら、コラボに来ましたわ!」
>やっぱり監視付くほどのものでしたか……
>Kさんが手伝ったとは言え、ステラちゃんがユニークを倒すまでやったのはまずかったのかな?
「しょうがないじゃないですか倒せたんですから! 強くなるのにはレベルを上げるのが一番だったんですから! それにKさんも倒せって言ってましたし!」
K>おれのせいにすんな
「まあまあ、ここでは怒りに来たわけではありませんわ。ステラさんは、S級になれるだけのレベルを手に入れましたが……まだ実力が足りない、とギルドは言っております」
>まあ確かに
>レベル上げも棚ぼた見たいなもんだしな
「そこで、ギルドから「依頼」を頼みつつ、サポートを付けながら行う事で、S級になれるだけの実力を手に入れましょう! というのが今回の企画ですわ!」
>おーなるほど
>正直直接S級になる方が危険だからな
「早速今回も、ギルドの方で倒して欲しいユニークモンスターを用意してますわ!」
「おお、人の役に立つ仕事を……でもそれはKさんと一緒に倒すのと何が違うんです? 小鳥遊さん一人いて何か変わるんですか?」
「それはまあ……そうなのですけれども」
>確かに
>今までユニーク倒したのKさんだしな
「いざというときのセーフティですわ。あくまでメインは二人で協力して……」
>それで倒せないからユニークで困ってんだろ
>A級二人で倒せたら世界は平和だったのにね……
>S級になるためのサポートって言ってるのにナっちゃんS級じゃないじゃん
>ギルド仕事しろ
>というか今ステラちゃんの方がレベル上じゃね?
「……」
怒涛のツッコミが入り、言い返せない小鳥遊さん。
「ここで参考としてナシさんのステータスどうぞこちらです」
名前:
性別:女
LV:66
体力 4199
攻撃 87006
防御 13015
魔力 22188
スキル:
【☆クロックアップ】
【銃LV3】【料理LV3】【剣LV1】
【二刀流】【ガンカタ】【鷹の目】
【潜伏】【罠解除】【警戒】【3点バースト】
【応急手当】【事務】【鋼の意志】
【ロックオン】【一点集中】
K>……そこそこっすね
>おお、Kさんのお墨付きが
>割と評価高いんすね
66。S級昇格寸前じゃないか。
銃を主体に、剣も使えるようにしてある。基本的には遠距離で射撃を行いつつ、近接も行うといった形だろうか。体力が少ないのが気になるが、サポート主体なら気にならないだろう。スキルの数も多い。これならかなりの場面で小回りは効くだろう。
K>小鳥遊さんは基本どんな戦い方をするんです?
「うーん例えばですわね……あそこにコウモリがいるでしょう?」
そういうと、虚空から銃を取り出す。
――小鳥遊のロックオン!
すぐさま、引き金を引くと、高速で移動していたコウモリの頭をぶち抜き、落下していく。
これは……必中系の能力か。
「ええ、このロックオン状態にすれば、攻撃が必中するようになります。其れだけでなく……味方の誰でも攻撃が必中するようになるんですわよ? その代わり、相手が行動すればロックオン状態は消えてしまいますが」
必中付与か。結構回避が高い敵、確定で回避を行うスキルを持っている敵も存在する。しかも、他人もその効果を甘受出来るとは素晴らしい。
あとはクロックアップというのが気になるが……ひとまず置いておく事にする。
「そんなわけで……技術的な面では鍛えてますし、ステラさんよりわたくしの方が上ですから!」
>その理論で行くとKさんが一番じゃね?
>Kさん面倒見てください
>Kさんお願いします
K>任された
「そうでしょう凄いでしょうKさんは……ああもうそうですわどうせわたくしは役立たずですよー! ユニークはKさん頼りですわよー!」
>すねないで
>かわいいよナシさん
>すごいよ小鳥遊さん
>料理美味いよ
「えへへ……そうですか?」
「私の配信で視聴者から慰めてもらわないでください」
「と、いう訳で気を取り直して、それではユニーク退治に行きましょう!」
K>おー
「私の配信で仕切らないでくれません?」
ステラちゃんのツッコミを他所に、勢いで誤魔化された。
***
「それで、今回倒しに行くユニークモンスターって言うのは何ですか?」
「なんでもですね、最近このダンジョンに「冒険者絶対殺すゾーン」と言われる場所がありまして……」
K>これ色んな意味で大丈夫?
>さあ……
「このダンジョンは比較的そこまで強くない……C級辺りが適正なのですが、冒険者がある階層に入ると、訳も分からず死んでしまうという現象が起きるらしいですわ」
「なるほど、その原因がユニークモンスターかもしれないというわけですね!」
「なので、それを探ると同時に、ユニークなら倒しに行きましょうというわけです」
「でもそれ私たちも同じ目に合うんじゃ……」
K>だいじょうぶだぁステラちゃん俺がいる
>なら大丈夫か……
>これ以上安心なものはないですね
>死んでも蘇生とかできます?
K>できるできる
「私たち死ぬ前提何です?」
そんなこんなでダンジョンの奥底へ向かう。当然このパーティでは敵はいない。
というか物理的に敵がいない。
K>というか敵少ないな……
「この辺りの敵余りレベル高くないですからね、この程度なら、私の「エネミーガード」で弾けますよ!」
K>そんな効果あったっけ
「ええ、敵意を持つ相手の中でも、私より弱い敵は……そもそも近づけなくなるんです!」
これまた便利な活用法を……敵避けまで出来るとか。
その代わり大量の低レベルを倒してレベル上げとかは出来なくなりそうだ。
やはり、ユニークを倒してパワーレベリングをするほかない、というわけだ。
そんなわけであっという間に冒険者絶対殺すゾーンとやらのある階層に到達する。
「それでは誰から入ります?」
K>絶対死ぬというのなら危険だし、大抵のことなら何とかなりそうな俺からだが……
「撮れ高的には、私からの方がいいんじゃないですか?」
「一回死ぬつもりなんですの?」
とか話し合っていた、その時だった。
どこからか、一筋の光がやってくる。
――デスタイホーンの絶対死ぬビーム!
――ステラには当たらなかった
――Kは即死無効だ
――小鳥遊に当たった! 死んでしまった!
「ぐえー!」
あっ……小鳥遊さん死んだ。
「小鳥遊さーん!?」
>ちょwwwwww
>死んだwwww即死www
>草
これが、冒険者絶対殺すゾーンかー……