異世界から追放された英雄は、【シン・日本】で平穏に暮らしたいけど強すぎて無理 作:秋津 幻
ハイバー・カタイ・ヒトデ(ユニーク)
LV115
体力 1280344
攻撃 83237
防御 23991
魔力 63283
スキル:【即死無効】【リジェネ】
「硬いですわー!」
「リジェネするんですかー……」
「即死無効まである」
>なんで敵に即死無効付いてるんですか
>回復までついてんのヤバない?
「HPたけー……防御が低めなのが救いだが、ステラちゃん行ける?」
「やってみます!」
――ステラの、
――54423ダメージ!
「ダメです!」
「……びみょいなー」
40~50回くらい殴れば行けなくもないが……問題がある。
それは。
『ヘアッッッッッッッwwww』
――ハイバー・カタイ・ヒトデは、HPを54423回復した!
「これで全部回復されちゃうかー」
しかもこれで、高速で回転しながら逃げられるのだから困る。
>鳴き声もウザイことこのうえないっすね
>動きもうざい!!!
>どーすんの、これ?
「Kさん、どういたしますか?」
「とりあえず動きとめるか……状態異常が効きそうだ。小鳥遊さん……取り合えず一当てしてもらいませんか? 少しやりたいことがある」
「! わかりましたわ!」
頼られて嬉しいそうに声を高くする。
――【ロックオン】【防御無視】【スタン】アンチマテリアルライフルを撃った!
ライフルに弾を乗せ換えることで、別の効果を発動させることが出来るようだ。
便利というか小回りの利くスキル構成してるな。
「わたくしの一撃は必中ですよっと!」
攻撃をうけ、動きが止まる。
『ヘアッッッッッッッ!?!?!?』
「いまだ――サキュバクラ! どうにかしろ!」
「きゅおーん(無茶言うなよって)」
――サキュバクラの、永い眠りへの誘い!
目をぴかっと光らせると、ユニークは瞬く間に眠ってしまった。
「眠らせればこっちのものですね! これで私が倒せば……いいんですが」
ばたりと倒れている巨大なヒトデを見上げるステラちゃん。
静寂が流れる。
「で、これ、どうやってHP削るんですの?」
「……」
「どうしましょう?」
>さて、どうする?
>どうしましょう?
「どうすっぺー」
「どうします?」
どうする?
~ユニークの後始末~
デーン。
配信画面にでかくタイトルが映った。
「何今の?」
「私が用意しといた奴です、いつか出番あるかなーって」
「あっちゃダメな奴ですわね…」
何はともあれ、いかに動けない相手に対してHPを削るか。それが問題だ。
>とりあえず防御無効使って少しでも火力上げて……
>バフとかデバフとかで火力上げられないの?
「デバフ! そうかデバフか……デバフどこやったっけ」
「どこやったっけって……またそうやって都合よく使えないように……」
「普段使わないから……デバフとか効かない相手多いから……うーんこれデバフだった気がする……ああこれは効果が薄い、こっちは攻撃にくっついてるから一緒に倒しちゃうか……」
「サクちゃんに使ったバフとか使えないんです?」
「あれは自分の持ってるミニオン限定だからなー他に汎用性のある奴……何か……」
「きゅおーん(ばかじゃない?)」
「……」
桜にディスられた。
「わたくしのロックオンにも軽いデバフ効果もありますし、やってみます?」
「そうだな、とにかく出来る事はやって一撃殴ってみよう」
「は、はい!」
当座で見つかったバフをかけて、とりあえずお試し。
――ステラの、【防御無効】
――220761ダメージ!
――ハイバー・カタイ・ヒトデは起床した!
『ヘアッッッッッッッwwww』
――ハイバー・カタイ・ヒトデは、HPを220761回復した!
「うっぜ!」
>はい無理―!
>あんだけ削っても回復されちゃうのかー
「あっ起きちゃった……」
「思ったよりダメージ伸びませんね……」
「ステラさんのダメージ源はエネミーブレイクによるものが大きいですから……眠ってる今相手は敵意がない状態ですから、ダメージ倍率が下がっているものだと」
「あー眠らせるとそういう弊害があるのか……」
>回復無効とかないの?
「探せばあると思うが……」
>あるんだ……
>でもそしたら防御無効がかけらん無くなるから
防御無効がない状態だと、殴る回数が格段に増える。
そのたび起こして眠らせてを繰り返すのは……まあできなくもない。
俺が倒せば話は済むのだが、それでは意味がない。レベルも上がる事はないだろうし、せっかくのステラちゃんが倒せそうなチャンスなのに。
あと、撮れ高もない。
ここで、業を煮やしたのか、小鳥遊さんが前に出てくる。
「申し訳ありません、ここはわたくしに任せてもらえませんか?」
「どうしたなにかいい案でも思いついたか?」
「いえ、わたくしなら多分、倒せると思いますわよ?」
>マ?
>マジで?
>そんなに攻撃のステータス高かったですっけ
「……もちろん、まず眠らせてもらう事が必要ですが」
「きゅおーん(りょうかーい)」
「小鳥遊さんなにかあるんですか!」
「ちょっとわたくしもレベルを上げたいところですし……まあちょっと一発芸みたいなものですが……動かない相手なら試せると思いますわ!」
「手っ取り早く倒せるなら何でもいい、頼むわ」
「でも、デバフはかっちりかけてくださいね?」
そういって、かわいらしくこくんと首をかしげた。
***
ステラちゃんにも手伝ってもらい、ありったけのバフデバフをかけてしばらく。
「それではみなさまお手を拝借……」
スカートのすそを持ち、一礼。
したかと思うと、スカートから大量の銃が出てくる。
「行きますわよ……ロックオン!」
――小鳥遊のロックオン!
「一点集中――三点バースト!」
一点集中:相手がロックオン状態の時、クリティカル率とダメージ倍率が上がる
三点バースト:銃から技を使用したとき、弾丸の数が3倍になる。
「それ三点バーストか?」
「スキルなんですしそういうものでは……」
「さらに……クロックアップ!」
――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした! ――小鳥遊は割り込みした!
割り込みをするたびに、銃の数と放たれる弾丸の数が増えていく。
「追加ターンを増やすたび、増えていくこの弾丸を――くらいなさいまし!」
「これがわたくしの必ず殺すと書いて
――1753475ダメージ!!!
――ハイバー・カタイ・ヒトデを倒した!
爆風を背に、くるりと一回転。
>すげー!削り切った!
>大分火力出たなー
>こんな事出来たんだ! かっこいい!
「どうでしょう、Kさん、ステラさん?」
「おー」
「すげー」
「きゅおん」
パチパチパチと拍手をする二人。桜も小さな手で手を合わせていた。
――小鳥遊は、レベルが72に上がった!
「!!!?!?!? やりましたわ!!!! これでわたくしも――S級に!」
「おーおめでとう!」
>小鳥遊さんもS級!おめでとう!
>ついにそこまできたかー
>この調子だと、S級冒険者もっと増えるんじゃね?
「いやったああああああああああああああ!!! レベルアップやったあああああああああああああ!!! S級だああああああああああ」
めっちゃ喜んでる。
>喜びすぎw
>まあ本来S級ってこのくらい喜ぶもんだから
「いやすごい、あの技概算しても50倍率くらいあるんじゃないか? 相手に火力欲しい時には足りてる技だな」
「はぁ、はぁ……でも、敵が動けないときにしか使えませんし、そこまで使いやすいものではありませんわよ? うふふ……」
さっきまで喜んでいたところから、急に落ち着いて謙遜しだす。
だが、喜びが隠しきれていない。
「そういうのは動けないように味方がサポートすりゃいいしな。しかしまあ……」
「うーん……役に立てなかった……」
ステラちゃんが、少しへこんでいる。自分の手では倒せなかったことが悔しいみたいだ。
「ステラちゃんも本格的に足りないものが浮き彫りになってきたな」
「そうですね、もっとダメージを出せるようになれればいいんですが……」
「ああ、これからの計画として、ステラちゃんに必要なのは……」
ゴクリ、と息をのむ。
「そう、必殺技を覚える事だ!!」
「必殺技!?」
>必殺技!?
>必殺技かー
>やっぱりいるよね必殺技
>かっこいいよね必殺技
いや、真面目に必殺技は必要なんだが……