脳内ドピンクな勇者の世話係は勇者パーティー内で咲く百合の花に挟まりたい 作:くさ
むかーしむかし、思春期真っ只中な男子高校生がいました。ある日いつも通り有り余る性欲を発散していると、そのまま亡くなってしまいました。
そして彼は麗しき女神に促されるまま、異世界へと転生し何一つ不自由の無い生活を過ごしましたとさ。
完。
完じゃねえよ。問題は此処からだ。異世界に転生した俺は、欲望のままその足で娼館へ向かった。野生の勘なのか初めての場所なのに、まるで行き慣れた店の様に簡単に辿り着いた事は良かったのだが。先払いの金が無く怖いおじさんに外へと追い出された。
その光景を見ていた怪しげなおじさんに何故か騎士団にスカウトされた。理由は今も良く分からないが、そこで俺はお金を稼いで絶対に娼館へ行こうと決めた。
それから数年が経ち、娼館だが、そこには色々と乗り越えなければならない壁があった。まず俺が
辞めようにも皆が止めるのは目に見えている。さて……どうするか。
「はぁ……どうしよっかな」
『隊長!悩みなら僕に何でも言ってください。何でも聞きますよ!』
いや、でもな。コイツに言っても馬鹿だからな。
「大丈夫、気にするな」
と言うか全部素直に言う訳にもいかないし。なんか良いタイミングで辞められないかな。
『そうっすかー。そう言えば、隊長!良い話と悪い話があるんすけど。どっちが良いっすか?』
「悪い話がどんだけ悪いかにもよるが……悪い話にしてくれないか?」
『分かりました!悪い話はっすねっ!三日後モンスターパレードが起きるって事っすね!やべーっ』
「やべーな。それは」
モンスターパレード。簡単に言うと、怪物達が人間達に束になって襲ってくるビッグイベント。その数はコミケに集まるオタク達を想像してくれれば分かりやすいだろうか?分からなければ滅茶苦茶多いと思って欲しい。
「因みに、今回は誰のパレードなんだ?」
モンスターパレードはモンスター達のお祭りである。つまり、モンスター達にとって何か祝い事があったのだろう。それはどのモンスターでも同じ事。先月ぐらいに、スライムのモンスターパレードがあったから。
『今回はゴブリンっすね』
「面倒臭っ。奴らが数で来るとダルいんだよなぁ」
聞くだけでテンションが下がる。これはまさしく、悪い話だ。でもそれなら良い話も同じぐらいテンションが上がる筈だ。
『隊長、隊長!お忘れじゃないっすか?良い話もあるんすよ。何と!』
「なんと?」
『今回のパーティに合わせて異世界から勇者パーティーを召喚するらしいんすよ!』
「あ、あー。そう」
『あれ?そんなテンション上がらないっすか?何てったって異世界っすよ?この世界とは他の世界っすよ!?なのに、何でそんなテンション低いんすかー』
「いやーちょっとな」
異世界かー凄いなー。
『はぁ。なんか俺だけ馬鹿騒ぎしてまるで馬鹿みたいじゃないっすか。全員美少女の勇者パーティーらしいんすけど、羨ましいっすよね。俺も百合に挟まりてえ』
「……」
『あれ、隊長どうしたんですか?』
「どうしたって、何が?」
ただ自分でもドン引きする速さでペンを動かしてるだけだが?
『いや…何書いてるんすか?』
「退職届。辞めるわココ」
『は?』
「今までありがとな」
そう言うと、俺は
「おや、珍しいねー。ロエイお前が私の元に来るなんて」
「やぁ、団長様。突然だがこれを受け取ってくれ」
「?これを受け取れば良いのかい?」
「あぁ、だが見るのは……」
「駄目だ」
うわ、開けてんじゃん。話聞けよ。と思いつつ、キャラがブレるのと面倒臭いので言わない。
「三日後にモンスターパレードが起こるのは知らないのかい?ロエイ」
「知ってる。俺無しでもどうにでもなるだろ?」
「なるのだが、いた方が助かるんだ。辞めるのならその後にして欲しい。どうだい?」
「分かった……そうだ。ちょっと二日ほど留守にする」
「?……まぁ、まだ国は安全だろうから一人ぐらい居なくなっても構わんって王は言うだろうけど」
構わんを頂いたのでそのまま俺は騎士団のアジトを後にし、暫く歩く。
人里を離れ、俺が来たのはゴブリンの森である。此処は名前の通り出てくるモンスターはゴブリンのみである。ココを潰せば俺はサクッと辞められると言う事だ!
それから、俺は森の木を片っ端から切っては燃やしゴブリン達を引き寄せながら相手にした。全ては美少女の為、行為の為である。多忙に次ぐ多忙で俺の煩悩はそろそろ限界だった。
「だァァァァッ!?美少女の乳揉ませろぉ!拝ませろォォォォ!!」
ふふっ、側から見たらゴブリンよりもそれを蹴散らして卑猥な単語を叫ぶ私の方がモンスターに見えたかもしれませんね。(賢者タイム)
心の叫びを上げながら、ゴブリンの返り血を目一杯浴びて俺はそう思った。