中々思うように戦闘シーンが書けない……。
処女作ではありますが、自分の能力不足に只々悶々とします。
<<< Z市 巨大隕石落下予測地点 >>>
「(じき到着だ……)」
鉄の巨人が空を飛ぶ。……その身に過剰とも言える兵器を搭載し、新兵器の実験のために巨大隕石に向かって突き進んでゆく。
高火力の兵器で
S級7位 メタルナイト
万人を寄せ付けぬ独自の正義と平和のために彼は動く。
「(ん……?あれは……)」
ふと、とあるビルの屋上に人影が見えた。……民間人か?と訝しむがすぐに正体が分かった。
仕方なく近づき問いかける。
『オ前タチ、ココデ何ヲシテイル』
「ほっ、これは珍しいのが来おったな。見れば分かるじゃろ?隕石を壊しに来たんじゃ」
『ドコガダ』
ふざけているのか?……そう思うのも無理はない。
何せ巨大隕石が真上に迫っているというのに、シルバーファングはともかく地上最強の男と名高いキングと、その弟子にして最近S級になった超大物ルーキージェノスがあろうことか背中合わせで瞑想していたのだから。
両者は微動だにせず、もしかして死んでいるのか?と思ってしまうほどの静謐を保っていた。……凄まじい集中力だとシルバーファングは心の中で評する。
「(確かなことは言えんが……恐らく二人は心で通じ合っておる。そう思えてしまうほどの集中力じゃ……!)」
シルバーファングの予想は当たっている。
キングは瞑想を介し、ジェノスと心……正確には記憶を互いに共有し合っていた。
自分以外の『気』の持ち主との
我ながらとんでもないなぁと他人事のように考えるキング。……激情のままに行動すれば何でも実現できてしまいそうで、そんな自分自身をとても恐ろしく、とてもスゴく感じてしまう。
「(……これじゃ怪人じゃんか。よくヒーローになろうと思ったよホントぉ……)」
今なお記憶の共有は行われていた。……キングがやろうとしていること、それはジェノスに自分の経験を体感してもらい、いまだ掌握しきれていない『気』をモノにしてもらおうというものだ。
「(自慢じゃないけどね、俺は『気』の操作には一家言あるつもりなのよ。勿論苦手分野もある、それでも俺には朧気になりつつある前世の記憶を頼りに様々な技を考案して実用化に漕ぎ着けた実績があるんだ!……創り出した異空間の中でだけど……)」
ようはジェノスのいままでの経験にキングの経験を不完全ながら上乗せし、巨大隕石を破壊できるレベルに強くなってもらおうという魂胆だ。
「(……ホント、バカなことをしたよ……。ジェノスに俺の過去の記憶を見せるだけならまだ良かった。だけどよりにもよってジェノスの過去の記憶を覗き見ることになるなんてなぁ……)」
……ジェノスがどれほど過酷な人生を送っていたか、それを追体験してしまったキングは非常に気まずい様子で若干目を上に逸らしてしまう。
「……完了しました師匠」
「う、うん……それじゃあはじ『ミサイル発射!!』
「(のわあぁああぁあぁぁあぁあっっっ!?!?)」
「(メタルナイト!?あれは……ミサイルか!)」
「ほっ、こいつはまた……」
凄まじい量の
爆煙に包まれる巨大隕石。果たして―――……
「……やったかのぉ?」
やっていなかった。気のせいか勢いが増した気がする。
『ダメカ……コノ程度ノ威力デハ……』
「(……衝突まで推定あと30秒……)」
瞑想に入ってから現在に至るまできっかり60秒が経過した。……永遠に感じられた60秒の間で『気』の操作を習得し、今の自分の戦闘能力で巨大隕石を破壊するイメージを確立させる。
体内エネルギーをチャージする。
「(『気』の操作だけではない。……俺は師匠の過去、前世の記憶まで見てしまった……)」
この世界とは異なる別の世界からの転生者。……それだけでも驚愕ものだったが、それ以上に驚きの真実を知ってしまった。
この世界が〝ワンパンマン〟と呼ばれる創作物であること。……ワンパンマンは、師匠が探し求めているサイタマという男を主人公に据えた作品であること。
……本来であれば自分はそのサイタマという男の弟子であったということ。
「(……それでも俺は、師匠の弟子になったことを後悔していない……!)」
チャージが完了した。
自前のエネルギーに『気』を纏わせ、最大出力を限界を超えて増幅させる。
纏わせた『気』ごとエネルギーを操り収束させていく。
自壊せぬよう全身に『気』を回し耐久力を底上げすることも忘れない。
最後に思い描くのは、今より強くなった少し未来の自分。
「(誰よりも臆病で、誰よりも強い。……そんな貴方が与えてくれたこの
両手を天に掲げる。
「(勝負だ、巨大隕石)」
射抜くは頭上の隕石に非ず。
「(この一撃に)」
それは、天上の神に弓引く蛮行。即ち―――……
「(俺の
……人と神、双方の決戦を告げる合図である。
「(捧げる!!!)」
瞬間、世界は白く染まった。
<<< とあるラボ >>>
「……………信じられん」
同じS級のジェノスが突然発光したかと思った瞬間、そのジェノスを起点に光の柱と見間違うほどの熱線が発射されたのだ。
熱線が当たった箇所を計測すると、なんと最大
実際、巨大隕石は徐々に溶けていっており、目に見えて小ぶりになっているのが分かる。
だがそれ以上に驚くべきことがある。
巨大隕石以外に影響が及んでいないのである。少し遠くで様子を見ているこのメタルナイトはおろか、周囲の建築物や人、熱線を発射しているジェノスのすぐ近くにいる二人にも何ら悪影響を及ぼしていないのだ。
まるでワケが分からない。自分の意思で巨大隕石以外を対象から除外しているとでも言いたいのか。
「ジェノス……奴は危険過ぎる。俺の敵になるようならマークしておかねば……!」
綺麗な夕焼け空。……それ以外に言葉が思い浮かばない。
まるで最初から巨大隕石などなかったと思えるほどの晴れやかさだ。
「(…………ちょ、ちょっと待ってぇ!?俺てっきり粉々にするものとばかり思ってたけど、なんで跡形もなく溶けちゃったのぉ……?)」
これはあまりに予想外過ぎる。当初の手筈では、ジェノスが焼却砲で巨大隕石を粉砕した後、キングとシルバーファングで協力して破片を塵に変えるはずだったのだ。……それが見ての通り、蒸発して跡形もない。
もはや言い訳のしようがない。キングはジェノスをみくびっていたのだ。
そのジェノスは現在エネルギー切れを起こしたのかグッタリしていたが、指先一つ動かせないほど酷くはないらしく、シルバーファングの肩を借りながらこちらに近づいてきた。
「……師匠、俺やりました……!」
「………ジェノス………」
「…………っ」
「最高にカッコいいじゃんか君ぃ!」
「〜〜〜っっ!!……はい!……はい!!」
「ん?なんだぁ……?(せっかく良い雰囲気だったのに誰だよ全く……ん?協会から?)……俺…だ」
『キング!ようやく繋がった!!巨大隕石のほうはどうなったんだ!?』
「ジェノス……が…解決……させた」
『あの新人のジェノスが……!?りょ、了解した!!そちらは解決したということだな!?』
「そう…だが…………ぁ(頭から完っ全に抜け落ちてた。まだ
『至急J市に向かって欲しい!!災害レベル【竜】相当の海人族相手に現場のヒーロー達が劣勢を強いられているんだ!!!』
「すぐ…向かう……!!」
「(ヤベェ!ヤベェよォォォ!!深海王が大暴れしてる真っ最中だったじゃんンンン!!)っ、二人とも……!」
「師匠は先に行って下さい……!俺はしばらく戦えそうにありません……!」
「ワシはジェノス君を安全な場所に移動させてから向かう。J市で何かあったんじゃろうが、少し遠いのぉ……」
「……分かった……!」
即座にJ市へ瞬間移動し―――……
<<< J市 >>>
……協会の指定する場所へ怪人の気配を頼りに向かう。
「(あれは……シェルターか!!頼む間に合ってぇ!)」
残像を生み出すほどの速さで駆ける。シェルターが目と鼻の先になった時―――……
「(これは……血の匂い………!!)」
到着した。……自分の目を疑った。
「(…………そ、んな)」
ヒーロー達が倒れ伏していた。
誰も彼も全身から大量の血を流している。
無事でいる者など一人もいない。
その中心に立つ
その足元で膝から崩れ落ちている男。
男のほうはよく知っている。……誰よりも非力で、誰よりも熱心に〝強化訓練〟に臨んでいたC級1位のヒーロー。
「無免ライダー……!」
俺は、俺は、間に合わなかったのか……?
ジェノス覚醒回。
……次回J市での激闘を書きます。