永琳は落ち着いた口調で言った。「さて、そろそろかしら。」
すると、月の使者が苛立ちをあらわにして反応した。「何がそろそろだ?早く輝夜姫を連れてこい!!」
永琳は微笑みを浮かべて続けた。「そろそろ貴方たちに穢れを払う薬と嘘をついて渡した致死薬が効く頃。この地上の子とは、いい時間稼ぎになったわ。」
月の使者は最初は冗談だと思ったが、その瞬間、彼らは急に苦しみ始め倒れていった。「一体何を?あっ!!」
その光景に驚いた輝夜が叫ぶ。「永琳、あなたどういうこと?」
永琳は冷たく答える。「姫様、私はあなたの願いを最初から聞くつもりでしたよ。蓬莱の薬を作った罪、私も同じものを飲み、地上にてお供致します。」
輝夜は一瞬戸惑いながらも状況を理解した。「なんだ、永琳ったらここでの戦闘は全て演技だったのね。それなら諏伯も無事なの?」
永琳は残念そうに言った。「あの地上の者とは普通にやり合い、殺しましたよ?」
輝夜は困ったように言った。「あー。やっちゃったものは仕方ない。」
その時、影から声が聞こえた。「生きてるよ。」と諏伯が余裕を持った口調で現れた。
驚きに包まれる場面で、永琳の思惑と諏伯の無事が交錯し、新たな展開が始まろうとしていた。月の使者たちが苦しむ中、彼らの運命がどのように動いていくのか、事態は緊迫したものとなることでしょう。
永琳は驚きの表情で諏伯を見つめ、「何故生きているの?手応えはあったのだけども」と問いかけた。
「わからない。回復した。」と諏伯は冷静に答えた。
輝夜もその状況に安心し、「生きてたのね。よかった。」と微笑む。
三人が落ち着きを取り戻す中で、突然、一人の使者が叫んだ。嫦娥「永琳お前、裏切ったな?」
「まあ、生きてたのね。」と永琳は冷静に応じ、「もしかして、蓬莱の薬を盗んだ後に輝夜を唆して飲ませてから自分も飲んだのはあなた?それなら死なないのも分かるんだけど」と指摘する。
嫦娥は一瞬言葉を失い、そして冷静に応じた。「、、。貴様が使者を殺した件、報告する。バレないよう貴様らを地中の中にでも静めてからだが。」
その言葉が発せられた瞬間、場に緊迫した空気が漂った。嫦娥の脅迫めいた発言に諏伯らは動揺を隠せない。
嫦娥の言葉が本当であれば、彼女の報告が彼らに与える影響は計り知れない。果たして、この状況をどう切り抜けるのか、彼らの運命が交錯し始めていた。
嫦娥が永琳の裏切りに怒る中、諏伯は遠くから送られてくる力に驚きの表情を浮かべた。「この力。母さんと神奈子さん、巫女さんのだ。さっきの回復はそういうことか。しかし、この力、膨大過ぎるな。」
彼は送られてくる神力を感じ取り、嫦娥に向けて手を構え、全力で神力を放った。その力は驚くべきもので、嫦娥を吹き飛ばし、さらには月まで飛ばしてしまった。
その光景に、永琳と輝夜は呆然と諏伯を見つめた。
永琳は心の中で思った。「何?私と戦った時はあんな力はなかったはずだけど。」
輝夜も同様に驚き、「今の、、、何?」と声を漏らす。
しかし、力を使いすぎた諏伯は、ついに倒れ込んでしまった。
永琳は落ち着きを取り戻しながら言った。「嫦娥も死んではないでしょうけど、しばらくは来なさそうね。」
輝夜はこの状況を考え、「でも永琳、これからどうする?」と尋ねる。
永琳は冷静に答えた。「月に帰れないため、見つからぬよう身を隠しましょう。」
輝夜はそれに反論し、「待って、それなら諏伯も連れて行きましょう。」と口にした。
永琳は毅然とした態度で言う。「姫様、駄目です。その諏伯は姫様とどんな関係ですか?警護のために来ただけでしょう?帝に見つかる可能性があります。彼は連れていけません。」
輝夜はその言葉を受け入れ、「そうよね。そう、、、よね。」とつぶやいた。
輝夜はその日、倒れている諏伯へ感情のこもった一通の書をしたためて、永琳と共にその場を去った。
次の日、夜が明けた後、諏伯は全滅した兵士らの中、屋敷で目を覚ました。「戦いはどうなったのか、手紙?」と状況を確認しようと、彼は手紙を読んだ。
諏伯が目にした手紙には、帝宛の内容と蓬莱の薬が入った壺があった。彼はこれをしっかりと確認し、屋敷を後にすることにした。
帝の元へ赴き、輝夜姫が手紙に書かれていた通り、無事に月に帰ったことを報告した。帝は黙ってその話を聞き、諏伯の報告に感謝した。
報告を終えた後、諏伯は京を離れることにした。その道中、彼はもう一枚の手紙を取り出して読み始めた。
そこには輝夜からの感謝の言葉と、彼女が地上に隠れ住んでいることが書かれていた。具体的な場所は記されていなかったが、諏伯の無事を祈る言葉も含まれていた。
「平穏な日々を過ごせるように」と諏伯は心の中で思いながら、輝夜たちのことを心配しつ、諏訪地方への帰路についた。
後日、嫦娥は月にて療養しながら、ふてくされたように呟いていた。「あの地上の人間、我を吹き飛ばすとは。それに気になるのは微かに漏れ出ていたあの加護。あの女の力に似ている。まさかな。」
嫦娥は自らの体を癒すため、静かにベッドに横たわりながら、その思いを巡らせていた。諏伯の放った神力に圧倒されたこと、そして彼が持つ力が単なる力ではないことを強く感じていた。