純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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ぬえの旧友

諏伯はふとした疑問をぬえに投げかけた。「そういえばぬえ。お前は京にいない時はどこで過ごしてたんだ?」

 

ぬえは少し考え、「そうねぇ。洞窟でずっと昼寝したり物体を変化させたりしてたかしらね。」と答えた。

 

「全く参考にならない。」と、諏伯は苦笑いを浮かべた。

 

ぬえは肩をすくめながら、「私からすればあんたはいいように働かされて忙しそうだったけどね。」と返した。

 

彼らが森を歩いていると、突然、目の前にタヌキが現れた。

 

諏伯は驚きつも好奇心いっぱいで、「たぬき?」と呟いた。

 

タヌキは諏伯の周りをぐるぐる回り、瞳には無邪気さが溢れていた。

 

「犬みたいで可愛いな。」と諏伯は微笑み、膝を曲げるとタヌキは彼の膝に飛び込む。

 

「ぬえ!ぬえ!このタヌキ可愛い、飼ってもいい?」と、諏伯はうれしそうに聞いた。

 

ぬえは一瞬ため息をつき、「、、。マミゾウそこら変にしなさい。」と言った。

 

「マミゾウ?コイツはタヌキだろ、、。」と、諏伯は不思議そうにタヌキを見つめ続けた。すると急にタヌキが変化し、大きな尻尾を持つ人の姿に戻った。

 

「ヌハハハハ!ぬえ!久しぶりじゃのう。旧友!二ッ岩マミゾウここに見参じゃ!」と、賑やかに笑うのは、タヌキの真の姿である二ッ岩マミゾウだった。

 

「妖怪だったのか。分からなかった。」と、諏伯は驚いた様子で言った。

 

マミゾウは愉快に笑い、「いやあ、人間相手だとたぬき汁にされる事もあるが、久しぶりに可愛がってもらえて気分がいいぞ!」と語った。

 

ぬえは軽く眉をひそめ、「なんの用よマミゾウ。」と問いかけた。

 

「ぬえよ。お主が指名手配されているのを知っての。心配で探してみたわけよ。」と、マミゾウは少し真剣な表情で理由を述べた。

 

 

ぬえは少し不満そうに、「全く余計なお世話よ。」と呟いた。

 

マミゾウは笑みを浮かべながら、「しかし、先ほどからこれからの旅路を悩んでいた様子。ここは今一度旧友として我が故郷佐渡ヶ島にて匿ってやろう!!」と熱意を込めて提案した。

 

諏伯はその提案に少し安心した様子で、「とりあえず行き先はそこでいい?」とぬえに確認した。

 

「暇するよりいいわよ。」ぬえは肩を軽くすくめて頷いた。

 

「よし!決まったようじゃな!善は急げじゃ!さっそく参ろう。」と、マミゾウは意気揚々と言った。

 

 新潟港に到着した一行は、佐渡ヶ島への船を確保するために早速動き始めた。

 

「さて、舟に乗る必要があるが諏伯は問題ないとして、、、クルリンパ!」と、マミゾウは得意の変化の術で人間の姿になった。

 

ぬえもそれに続いて、自身の背中の羽を隠し、人の姿になった。

 

「よし、お主らついて来い。船を手配しよう。」と、マミゾウは意気揚々と船頭と交渉を始めたが、断られてしまう。

 

「波は特に荒れておらぬようだが、何かあったのか?」とマミゾウが尋ねると、船頭が重い口を開いた。

 

「最近になって出たらしいんだよ。」と、船頭が言う。

 

「出るって何が?」ぬえがさらに問いかけると、船頭は渋い顔で答えた。「船幽霊。生存者に聞いたが、船を海中に引き釣り込まれたらしい。お陰でこっちは船をだせんよ。」

 

三人はその場を離れ、相談を始めることにした。

 

「船幽霊か、、流石に船を沈められたらこっちとしてもどうしようもない。」と、マミゾウは頭を抱えた。

 

ぬえは腕を組みながら、「私も倒せはするだろうけど、海中に逃げられたら捕まえられないわよ。」と呟く。

 

「海中戦か、、酸素の問題があるからな。」と、諏伯は海を見つめながら考え込んだ。

 

その瞬間、ぬえは軽く笑って、「諏伯、あんた死なないなら溺れながら戦いなさいよ。」と冗談めかして言った。

 

「お前は鬼か!」と諏伯は驚きつも少し笑って返した。

 

 諏伯はマミゾウに尋ねた。「マミゾウさん、その変化させる能力って物にも使えます?」

 

マミゾウは自信満々に答えた。「マミゾウでいいぞ。勿論使える。ワシは化け狸の中でもかなり優秀な部類じゃからな。」

 

それを聞いた諏伯は、丸太を持ってきて、マミゾウに船に変化させるよう頼んだ。マミゾウはその能力を使い、丸太を舟の形に変えてくれた。

 

次に、諏伯は大量の石を集めて、紐でくり始めた。「ぬえ、これの正体を漁業の網にして。」と言うと、ぬえは少し戸惑いながら、「石を漁業の網って案外無茶言うわね。」と返した。

 

次の日の朝、諏伯は丸太に乗り、石を手にしながら沖に出た。一応周りの漁師たちには船に乗った漁師に見えていたようだ。

 

「沖にきたけど、出るだろうか?」と諏伯が心配して待機していると、不意に声が響いた。

 

?「今日の獲物ね。」

 

その瞬間、丸太船は海中へと引きずり込まれ、諏伯は驚いてしまった。

 

「全く抵抗もないわね。まあ、この村紗水蜜。妖怪としての実力が上がりすぎたかしらね。えっへん!」と、村紗が自信満々に名乗った。

 

海中に沈む諏伯は、村紗の手を掴む。「何よ人間!手を放しなさい!私は船しか興味ないからさっさと海上に行きなさいよ。」と村紗が言う。

 

水中での会話は難しいが、諏伯は彼女の腕に大量の石を紐でつないだものを巻きつける。それを巻きつけると、村紗は驚いた。「あんた何を!!ゴフッ!」

 

諏伯はその隙をついて、村紗に向けて弾幕をお見舞いした。人間の船を沈めて浮かれていた村紗にとって、この反撃は想定外だった。

 

村紗は石の重さに引きずられ、次第に海中に沈んでいった。「ゴボゴボゴボ。アイツいつか殺してやる。ああ紐が重くて離せない!」と、彼女は必死になりながら叫んだ。

 

 

陸に戻った諏伯は、マミゾウとぬえが待っているのを見つけた。

 

「ワシは魚に化けて水中で見ておったが、お主、妖怪とはいえ女の子の舟幽霊を海に沈めるとは鬼畜じゃの。」とマミゾウは言った。

 

ぬえはその言葉に少し驚き、そして引いたように言った。「まだあの子妖怪になってそんな経過してなさそうだったけど、ちょっと引くわ。」

 

しかし諏伯は少し自信をもって答えた。「舟幽霊だから溺れないしセーフ。海底まで行けば紐も緩くなるよ。」

 

「ふーん。そんなこと言うんだ。」と、ぬえは少し感心したような顔をしながら、諏伯を見ていた。

 

しかし、彼女とマミゾウは諏伯に冷たい視線を向けている。どうやら、舟幽霊の扱いに半分驚き、半分心配しているようだ。

 

それでも諏伯は気にせず、三人は佐渡ヶ島へと向かい船を進めた。

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