純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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諏伯の成長期

数年後、成長した諏伯は、八坂神奈子と洩矢諏訪子という二人の神によって元気に育てられていた。彼は明るい笑顔と好奇心旺盛な性格で、まるで神社に咲く花のように生き生きとした存在だった。

 

「諏訪子、諏伯が見当たらないが、何処行ったんだ?」神奈子は少し心配そうに言った。

 

「諏伯なら、縁側で蝶々と遊んでたよ。」諏訪子は余裕のある声で答えたが、その一言に神奈子の心配が再燃した。

 

神奈子は頭を押さえながら、「まだ諏伯は小さいのだから、見て上げないとダメだろ。」と言いつつ、急ぎ足で縁側の方へ向かった。

 

「もう、神奈子は過保護なんだから。」諏訪子は微笑みながらも少し呆れた様子。しかし、心のどこかで、神奈子の気持ちを理解していた。「ここは私たちの神社だよ?わざわざ襲いに来る妖怪もいないって。」

 

神奈子は心配を拭えず、「遊んでいて、落ちたり、鳶に連れていかれたりしたら、、、」と不安を口にする。

 

「大丈夫だよ。神奈子神社の中なら、神様パワーの千里眼で見てあげられるよ。あっ、、、」諏訪子の目に、蝶々を追って諏伯が縁側から落ちそうになる瞬間が映った。

 

諏訪子は咄嗟に地を操り、諏伯を保護しようとしたが、彼は思わず転がり落ちてしまった。「どうしよう、神奈子。諏伯が縁側から落ちた!」

 

神奈子はその報告を受け、ます慌てた。「だから言ったろ!早く観に行くぞ!」彼女は力強く諏訪子に言い、二人の神は急いで諏伯の元へと走り出した。

 

走り出した神々はすぐに諏伯の元に到達した。洩矢諏訪子は彼を見つめ、心配そうな顔を浮かべながら、怪我がないか様子を確認する。「ふー。怪我なし、汚れなし。良かった。」と、安堵の息をついた。

 

一方、八坂神奈子は少し疑念を抱えたように言葉を続けた。「だが、不思議だな。落ちただけとはいえ、すり傷ひとつないなんて。」

 

「んー。ちょっと調べようか。」諏訪子は自分の神力を使おうと決めた。

 

「神様パワーか?」神奈子が尋ねると、諏訪子は頷き、「うん。見せ給え見え給え。この子の憑きし物見せ給え。」と宣言し、諏伯のお腹を優しく撫でながら、その中に何か憑依したものがないかを見る。

 

しばらくの静寂の後、諏訪子は眉をひそめて、何かを感じ取る。「何かある?悪いものではないが、私でも加奈子の加護でもないね。」

 

神奈子は驚き混じりに言った。「私たち以外か?東風谷の巫女じゃないのか?」

 

「東風谷の巫女でも分かるよ。それ以外の何か。悪い者ではないが、何か凄い加護が付いているね。」諏訪子は興味深そうに続けた。

 

神奈子はしばらく考え込んでから言った。「私たち神並みの加護か。諏伯が産まれてこの方、そんな力ある者には会ってない筈だが、、、」

 

「幸い、悪い者が憑いた訳ではない。このまにしておこう。」諏訪子は結論づけた。

 

神奈子は不安を隠しきれぬま、「諏伯自身の力か、それとも諏伯を依代とした何かがいるのか、、、」と呟いた。神社の穏やかな雰囲気の中で、彼女たちはこれからの未来に向けた小さな疑念と期待を抱えていた。伯封の中に秘められた力が、どのような運命をもたらすのか、二人の神はその瞬間から気にかけることになった。彼の成長と共に、さらなる不思議な出来事が待ち受けていることを感じていた。

 

 諏伯が現代で小学生の年齢に達した頃、洩矢諏訪子と八坂神奈子は彼を見守り、日々の生活を共にしながら育ていた。神社の穏やかな日差しの中で、彼の笑い声が響き渡る。

 

神奈子が明るい声で言った。「諏伯、ほら。神木だぞ。取ってこーい。」

 

「わ~い!」と、諏伯は元気に走り出し、小さな手で持てるサイズの神木を握りしめ、嬉しそうに神奈子の元に戻ってくる。

 

「おー、よしよし。諏伯は出来る子だな。」と、神奈子は優しく褒めて背中を撫でる。

 

それを見ていた諏訪子は、少しイタズラっぽく笑いながら、「神奈子、、、それ、犬の躾じゃないの?」と突っ込む。

 

神奈子は少し照れくさそうに、「しっ、仕方ないだろ。私には子供などいた事ないし、武神だぞ!」と強調した。

 

「全く、これだから歳ばかり食ったオババは。」と諏訪子は愉しそうに言った。

 

「母さん、オババなんて駄目だよ。」諏伯が真剣な顔をして反発する。

 

「諏伯は優しいねぇ。クルミをあげよう。」諏訪子は愛おしそうにクルミを渡すと、諏伯はもぐもぐとそれを食べ始めた。

 

神奈子は笑いながら、「諏訪子、お前もオババみたいだな(笑)」と言った。

 

「喧嘩売ってる?」と諏訪子が笑いながら反応し、間を置かず、「やるか?」と挑戦的に応じる。

 

その時、東風谷の巫女が近づいてきて、「諏伯くん、お母さん達は忙しいみたいだから、私と遊ぼうか。」と声を掛けた。

 

「うん!」と、諏伯は嬉しそうに元気よく応え、東風谷と共に遊びに行く。彼の足取りは軽く、無邪気さの中に元気さを秘めていた。神社の周りは穏やかな日差しに包まれ、彼の成長を見守る二人の神は微笑み合いながら、その様子を楽しんでいた。

 

 諏伯が16歳になり、成長した彼は、母である洩矢諏訪子と八坂神奈子を呼んだ。彼の声には少しの緊張と期待が混じっていた。

 

「どうしたんだ、諏伯」と諏訪子が優しく尋ねる。

 

「お母さん、外の世界を見てみたい。」諏伯は思いを真剣に伝えた。

 

神奈子は疑問の表情を浮かべ、「どうしたの、諏伯?遅めの反抗期か?」と冗談めかして聞いた。

 

「そういうわけじゃなくて、勿論母さん達には感謝しているよ。でも、何故か探さないといけない者がある気がするんだ。」彼の言葉には確固たる意志が感じられた。

 

「諏伯、母の元からどうしても離れるのかい?」諏訪子は少し心配そうに問いかけた。

 

「ずっととは言わないけど、一度見てみたい。」彼は真剣な顔で答える。

 

神奈子は優しくも心配そうに口を挟む。「諏伯、この村は私達がいるから安全だが、外は厳しいぞ?」

 

諏訪子も真剣な表情に変わり、「どうしても出ていきたいかい?」と聞いた。

 

「うん。何か忘れている気がするんだ。それがこの村にないことも何故か分かるんだ。」彼の瞳には強い決意が映っていた。

 

その視線を受け、諏訪子は少し考え込み、ため息をつく。「仕方ないか。勝手に抜けられても困る。諏伯、明日から修行だよ。それをクリアしたら外に出てもいいよ。」

 

「ありがとう、2人とも。」諏伯はホッとした表情で微笑み、心から感謝を伝えた。母たちの温かい思いを感じながら、新たな冒険に向けた第一歩を踏み出す決意が固まった瞬間だった。

 

その夜、諏伯は外の世界に思いを馳せながら眠りにつき、何か大きな出来事が自分を待ち受けている予感を抱いていた。

 

 次の日、穏やかな日差しが差し込む神社の境内で、諏伯は修行を始める準備を整えていた。洩矢諏訪子が彼に向かって真剣な表情で言った。「お前は神の子。まずは周囲から神力を得る修行をやろうか。」

 

「どうやって集めるの?」と諏伯は興味津々で尋ねた。

 

「ちょっと荒々しいが、私の神力を諏伯に無理矢理流すよ。それで神力の感覚を掴みな。」と諏訪子は微笑みながら答えた。

 

### 神力を流す修行

 

諏伯は戸惑いながらも、諏訪子の意図を理解しようとした。「本当に大丈夫なんですか?」と少し不安になりながらも、諏訪子の決意に触れて、彼は覚悟を決めた。

 

「大丈夫、私がしっかりサポートするから、安心していて。」と諏訪子はニッコリ笑う。

 

#### 神力の流れ

 

諏訪子は自身の力を持って深く呼吸し、自然のエネルギーを取り込みながら神力を集めていく。彼女は手を差し出し、諏伯の前に立った。「今から行くよ、準備はいい?」

 

彼女は神力を集中させて流し始めた。微弱な光が二人の間に生まれ、周囲の空気がわずかに揺れる。その光は徐々に強くなり、諏伯の中に流れ込んでいった。

 

「感じるか?これは私の神力だ。これが流れ込んでくる感覚をつかみなさい。」諏訪子が声をかける。

 

#### 内なるエネルギーの感覚

 

諏伯はその瞬間、体内に温かいエネルギーを感じ始めた。最初は圧倒されそうになったが、次第に神力が彼の体の中を巡っていることが分かるようになった。「これが神力の感覚か…」と彼は驚き、喜びに溢れた。

 

「もっと、自分の内側を感じ取れ。神力を自分のものにするんだ。」諏訪子の声がさらに鼓舞した。

 

#### 神力を放出する

 

「今度は、その神力を外に放出してみよう。」諏訪子の指示に従い、諏伯は神力を味わいながら、意識を合わせて外へと開放する準備をした。

 

彼はゆっくりとそのエネルギーを両手の中に集め、緊張感を持ちながら弾いた。すると、手のひらから小さな光が現れ、空中に小さな光の弾を作り出した。「できた!」と彼は歓喜の声を上げた。

 

「そう、その調子!今、少しずつ神力を実際の形にしていくことができるようになってきた。」と諏訪子は笑顔で応じた。

 

#### 修行のまとめ

 

修行が進む中、諏伯は神力を集め、感じ、形になることを体感し続けた。諏訪子は見守りながら、彼が力を高め、次の段階へ進むための準備が整ったことを実感した。

 

「よく頑張ったな、諏伯。これからもこの調子で修行を続けて、神の力をもっと強く利用できるようになろう。」諏訪子の言葉に、諏伯は心からの感謝を感じた。

 

「ありがとう、お母さん。もっと頑張るよ!」と諏伯は決意を新たにし、さらなる修行に向けた意欲を高めていった。彼の中に宿る神力は、まさに彼自身の成長の証であり、これからの冒険への期待を深めていくのだった。

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