純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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聖輦船の構想

「ところでその"飛倉"があるとどうなるんですか?」と諏伯が尋ねると、命蓮は説明を始めた。

 

「例えばですが、ここに船があるとして、普通に私の場合は法力を込めた場合、両手で船を持ち上げることになります。」

 

「子どもが作る船ならともかく、大きい者だと持てなくなりそうですね。」と諏伯は思った。

 

「そう、それです!"飛倉"を用いた場合は、飛倉が船の漕ぎ手のような役割をするので、自動で浮いてくれるんです!!」命蓮は目を輝かせる。

 

「"飛倉"に力を送るだけでいいという訳か。1から持ち上げるのではなく、既に浮いている者を操作するイメージなのか。」と諏伯は納得する。

 

「何かありました?」と命蓮は微笑みながら尋ねた。

 

「いや、土を操る場合でも応用できそうだなと思いまして。」諏伯は自分の考えを伝えた。

 

「そうですね、私もそのように力を用いてますが、普通に操るより数倍の操作ができますよ。」命蓮は頷き、その効率性に自信を見せた。

 

「因みにおいくつですか?」と諏伯は興味を持ち尋ねる。

 

「私ですか?20です。」と命蓮は笑顔で答えた。

 

(140年生きてる俺が何もしてないみたいに、すごい人だな。)と諏伯は内心で驚いた。命蓮の年齢からは考えられない熟練した技術や夢への情熱。それは、彼が多くの経験を積んでいることを示しており、諏伯にとっても大きな刺激になった。

 

 「諏伯どのはおいくつですか?」と命蓮が再び尋ねた。

 

「同じくらいですよ。」と諏伯は曖昧に答えた。

 

命蓮は少し間をおいて、「、、、。言わなくてもいいですけど、嘘ですよね。」と笑った。

 

「えっ、なんで。」と諏伯は驚いた。

 

「私は法力を相手にまとわせることも出来るんですが、今あなたの心臓が鼓動したような気がしまして。」命蓮は少し真剣な表情を見せた。

 

「僧侶ってみんな命蓮みたいな人なのか?」と諏伯は興味を持ち尋ねた。

 

「他の僧侶とはあまり交流がないのでよく分からないですね。」命蓮は素直に答えた。

 

「まあ、信じて貰えないでしょうが、だいたい140歳ですね。」諏伯は正直に年齢を明かした。

 

「へぇ、見た目によらず長生き。」命蓮は驚きを隠せなかった。

 

「信じるの?」と諏伯は少し不安になりながら尋ねた。

 

「ええ、嘘をついている感じはありませんでしたから。諏伯さんは人なんですかね?」命蓮は興味深そうに見つめる。

 

「神と子として生まれたが、人であると思ってはいる。不老不死は後天的に手に入ったものなので、本来なら寿命で普通に死んでいた。」と諏伯は自身の過去を静かに語った。

 

 「へぇ、神の子ですか。拝んだらご利益あります?」と命蓮は興味を抱いた。

 

「ない。止めておきなさい。本当の神様に怒られる。」と諏伯は慌て否定した。

 

命蓮は少し考え込み、「神の子ということは神力、、、。手を取らせてもらっても?」とその申し出をした。

 

諏伯は少し戸惑いながらも手を預けると、命蓮はその手をしっかりと掴んだ。

 

「ほうほうほう。これが、神力。まるで加護を受けているような気持ちだ。ん?加護。」命蓮は感嘆の声を上げた。

 

「どうした?命蓮。」諏伯は命蓮の様子が変わったことに気づき、尋ねた。

 

 「例えばですが、諏伯どのが"飛倉に注入した力を動力に変換する"という加護を与えたとしたら?」命蓮は興味深そうに提案した。

 

「そんなの、命蓮でもできるんじゃないのか?」諏伯は疑問を投げかけた。

 

「いえ、加護は人間が与えられることはあっても、与えることはできません。神の加護、仏の加護という言葉はあっても、人間が与える加護というものはありません。」命蓮はきっぱりと答えた。

 

「なるほど、確かに神や仏の存在が加護を提供するというのは聞いたことがある。だけど、具体的にどうなるのか想像できないな。」諏伯は頷きながら考え込んだ。

 

命蓮は続けて言った。「あくまで仮説ですので要検証ですが。この考えを踏まえて、旅を続けましょうか。」

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