純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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純狐の息子は二度目の生にて母と会う 第1部 最終回(2部も書くよ)

純狐の家に帰宅した諏伯は、心の中に湧き上がる疑問を彼女に向かって口にした。「その……私が貴方の息子の生まれ変わりというのは本当なんですか?」

 

純狐は微笑みながら答えた。「間違いないわ。魂が同じなのよ。記憶はないと思うけれど、私の加護が憑いていたのもそうね。」

 

諏伯はその言葉をしっかりと受け止め、思わず感慨深くつぶやいた。「私が昔から外傷や能力の効果を負わなかったのはそれが理由か。」

 

「そう!私が伯封に、これ以上他の者が干渉することがないようにと骸に加護を与えたの!それがどうやら魂に加護が憑いていたみたいね。」純狐は誇らしげに語った。

 

諏伯はしばらく沈黙し、思い出すように目を細めた。「その純狐さんがものすごく懐かしい存在なのは思い出せるんですけど、すいません。その時の記憶はないのでっきりしないです。」

 

「仕方ないわよ、伯封。あなたは小さい子どもだったのだから。」純狐は優しく彼の肩に手を置いた。「これから思い出を作っていきましょう。それに私は母親よ?純狐さんはやめて、母さんかせめて純狐にして頂戴。」

 

「分かったよ。でも母さんはこの体で産んでくれた人がいるから、純狐さん。」諏伯は申し訳なさそうに言った。

 

「ほら!また『さん』と言った!」純狐は笑いながら抗議した。

 

「ごめんって!」諏伯もつられて笑顔になった。

 

「昔の記憶がなくても良いわ。産まれてからの事について教えて。」純狐は期待を込めて彼を見つめた。

 

諏伯は彼女の言葉を受けて、これまでの自分の人生の話を始めた。家族、友達、そして苦難の中で培った思いの数々。彼と純狐は、温かな空気の中で心の距離を縮めていった。

 

その頃、遠くで二人の様子を見守っていた者がいた。

 

「小野塚小町「あの子、母親と再会できたんですね。四季様。」彼女の目には、二人の再会の光景が映っていた。

 

映姫は優しく頷いて答えた。「きっと息子さんの会いたい気持ちが母と再会させたのでしょう。亡くなってから1千年以上もかかったんですから、会えてよかったです。」

 

小野塚小町は興奮した様子で続ける。「四季様、この前珍しく働いたじゃないですか、頼み事があるんですけど。」

 

「なんですか小町?休暇申請なら受け付けませんよ。」映姫は少し耳を傾けた。

 

「いや、違いますよ四季様。あの子の記憶、思い出させてあげないですか?」小町は熱意を込めた。

 

映姫は首を振り、「ダメです。」と冷たく言った。

 

小町は抗議した。「こんなにいい雰囲気なのにそれ断ります普通?映姫様のケチ!」

 

映姫は小町を睨んだが、そこにはため息も混じった。「しかし、あの子は待たなくてもいい期間、転生の間に待たせ続けました。これは私の落ち度です。よって今回は私の黒。あの子に私の出来る償いをします。」

 

その言葉に、映姫は小さな光の球を諏伯の方へと送った。

 

「さっすが!四季様。」小町は感心しながら微笑んだ。

 

映姫はさらに続けた。「純狐さんと会ったということは、もしかしたら仙界から幻想郷に来て会えるかもしれませんね。その時は言葉を授けましょうか。」

 

 2人が話す中、後ろからヘカーティア・ラピスラズリが現れ、にっこりと微笑んだ。映姫は自分のしたことかと思い謝る。「すいませんでした!」

 

ヘカーティアは軽やかに手を振り、「謝らなくていいわよん。私もいいもの見せてもらったから。」彼女は陽気な声で言った。

 

 諏伯が純狐と話している最中、ふと小さな光の球が彼の頭に入ってきた。そんな突然の出来事に彼は驚き、「あれ?」と声をあげた。

 

「どうしたの?伯封。」純狐は心配そうに彼を見つめた。

 

その瞬間、諏伯の目から涙が次々とこぼれ落ちた。彼の心の奥深くから、忘れかけていた感情が溢れ出してくる。「母さん、理由は分からないけど、前世の記憶が戻ったよ。思い出したよ、殺されたことも、母さんに愛されたことも。会いたかったよ、母さん。何百年と待ったんだから。」

 

 

 その言葉に、純狐の心も震えた。彼女は息子の思いを受け止め、すぐに彼を優しく抱きしめた。「伯封……私もあなたに会いたかった。ずっと、一緒にいたかったのよ。」

 

互いに抱きしめ合い、二人は再会の喜びを感じた。温かい感情が彼らの間を包み込み、過去の痛みや孤独が徐々に癒されていくのを感じる。

 

「純狐、母さん……」諏伯は涙を流しながらも微笑み、彼女の存在に心から感謝した。

 

 純狐の息子は二度目の生で母を追う 第1部完。




 ここまで読んでいただきありがとうございました。
 無事母と子が再会出来たため第1部をここで区切りをつけて終わります。

 第1部にてタイトルの内容は回収出来たため2部からは幻想入りの話になります。
 このまま終わると命蓮寺の妖怪達や妹紅、諏訪子、神奈子らと悲しい別れのまま終わるので第2部にて諏伯が幻想入りする話を書きます。
 
1部はかなりハイペースな投稿をしてましたが2部から仕事が再会するためゆっくりになります。
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