純狐の息子は二度目の生で母を追う   作:四国の探索人

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母のため

射命丸に案内され、守矢神社に諏伯は着いた。

 

「ありがとう、射命丸。」諏伯は彼女に礼を言い、別れを告げて神社に近づき歩いていると、緑の髪が印象的な少女、東風谷早苗が掃除をしている姿が目に入った。

 

「姉さん?」と何気なく声をかけると、

 

「残念ですが、私に弟はいませんよ。」早苗は微笑みながら応じた。

 

「すいません、そうですよね。」諏伯は慌て謝った。

 

早苗は少し警戒した様子で問いかける。「守矢神社のことを知っているのは少数なはずですが、どうして来られたんですか?」

 

「天狗の妖怪に聞いたので場所を知りました。あの、諏訪子さんと神奈子さんはいますか?」諏伯は尋ねた。

 

早苗は眉をひそめ、「おかしいですね。神社の存在は天狗から聞いていたとしてもよしとしましょう。ただし、諏訪子様の存在は隠されているはず。あなたが知る理由はありません。」と慎重に言った。

 

 早苗は警戒心を強くし、「お二人に危害を加えるつもりですね!そうはさせません!守矢神社の巫女、東風谷早苗。不届き者を成敗します。」と言いながら戦闘態勢を取った。

 

諏伯は心の中で思った。(東風谷、、、やはり姉さんの子孫か。) 涙が自然と流れ出る。

 

「泣いたって無駄ですからね!奇跡、落雷落とし!」早苗が叫ぶと、諏伯の真上から落雷が降り注ぐ。

 

「土壁!」諏伯はすぐに真上に壁を作り、落雷を防いだ。

 

「弾幕!秘術「一子相伝の弾幕」早苗は構え、彼女の弾幕が降り注いでくる。

 

「弾幕に与え給う。加護、回避!」諏伯は行動を起こした。早苗の弾幕は自然と諏伯を避けるように動いていく。

 

「そんな、なんで。」早苗は驚き、混乱した。

 

「弾幕に回避の加護を与えたんですよ。」諏伯は説明した。

 

「他人の弾幕に加護を与えた?そんな事が……」早苗は信じられないような表情で言った。

 

その時、神社の奥から声が聞こえた。「早苗、止めておきなさい。今のあんたでは分が悪いかもね。」

 

「神奈子様!」早苗は振り返る。

 

「神奈子さん!!」諏伯も嬉しそうにその名前を呼んだ。

 

神奈子は微笑みながら言った。「よく私達を見つけたね、諏伯。」

 

「というか貴方!神奈子様は神ですよ!さん付けとは何ですか!!」早苗は少し怒りの表情を見せた。

 

その時、神社の奥からもう一人現れた。「早苗、いいんだよ。この子は、名前は洩矢諏伯。」

 

「洩矢?」早苗はその言葉に驚いた。

 

「そうさ、私の子ども。久しぶりだね、諏伯。」諏訪子は微笑み、優しさに満ちた声で言った。

 

「えーーーーーー!!!」早苗は驚愕の声を上げ、信じられない表情で二人を見つめる。

 

 三十分ほどして、料理の支度が整い、守矢神社では温かな歓迎が行われていた。

 

「いやー。生きてよかったよ。諏伯。その顔、捜し物がついに見つかったかい?」と諏訪子が笑顔で声をかける。

 

「うん。」諏伯はうなずいた。

 

神奈子が興味津々で尋ねる。「結局、1千年以上かけて何を探していたんだい?」

 

「見つけるまで私も分からなかったけど、前世での母だったよ。」諏伯は満面の笑みを浮かべながら答えた。

 

神奈子と諏訪子は驚きで目を丸くした。「前世での母か。普通は記憶が残らないはずだけど、よっぽど会いたかったんだね。」神奈子はその思いに共鳴した。

 

「それが何故か母と再会してから前世での記憶も戻ったんです。」諏伯は感慨深く続けた。

 

「へぇ。そんなこともあるんだねえ。」諏訪子は興味深そうに耳を傾けていた。

 

「そういえば、2人ともなんで外の世界の守矢神社では生気のない神社になってたんですか?」諏伯はふと気になり尋ねた。

 

神奈子は少し顔をしかめ、「先にそっちに行ったんだね。長い間、信仰が無くなって存在が消えそうになってたんだよ。」と説明した。

 

「諏伯が帰って来るかと思いギリギリまで粘ったんだけどねー。帰ってこなかったもんね〜。母の事を忘れたかと思ったよ。」諏訪子は少し寂しげに微笑みながら言った。

 

 「それは、八雲紫に誘拐されて月の戦争に連れて行かれて、向こうで監禁されてたから……」諏伯は話し始めた。

 

「紫がかい?あのスキマ妖怪、恩もあるけど人の息子を連れて行くなんて嫌なヤツだね。」諏訪子は少し驚きながら、紫に対する不満を口にした。

 

神奈子は頷き、「まあ、でも。我らが幻想郷に来たばかりの時に諏伯が現れた。これは全てあの八雲紫の計算通りなのかもしれないな。」と言った。

 

諏伯は元気を取り戻し、「殴るのは勘弁しておくか、、、。」と冗談めかしながら答えた。

 

その場は笑いに包まれ、少しずつ緊張が解けていった。諏伯は、紫の行動がもたらした結果が今の自身の再会につながっていると感じ、複雑な思いを抱きながらも、彼女の意図を考える余裕ができていた。

 

「彼女には恩義があるとはいえ、今後のことを考えるとやはり一度話をつける必要がありそうだな。」神奈子は考えを巡らせていた。

 

「そうだね。次にあった時は、感謝しつもしっかり言っておかないと。」諏伯も心の中で決意を固めた。

 

「でも、諏伯が無事に帰ってきたことが何より嬉しいよ。」諏訪子は明るく言った。

 

「これからは母さんや神奈子さんと一緒に過ごせるんだもん。」諏伯は新たな未来に胸を膨らませながら、温かな気持ちに包まれていた。

 

 「あの、、、」早苗が少し緊張した様子で声をかけた。

 

「どうされました?」諏伯は優しく尋ねる。

 

「まさか、諏訪子様の息子さんとは知らず申し訳ありませんでした!!」早苗は慌てた様子で謝った。

 

「知らなかったのなら気にしなくて大丈夫ですよ。それに東風谷さんのご先祖はすわ……」諏伯が言いかけると、諏訪子が急に彼の口を塞いだ。

 

「諏伯、それ以上はお口チェック、言わなくていい。」諏訪子は少し焦った様子で言った。

 

「ご先祖は、、、?」早苗が興味津々で問いかける。

 

「ご先祖にお世話になりましたからね!!」諏伯は寸前で言い換える。

 

 「諏伯、私からも大切な話がある。」神奈子は真剣な表情で話を切り出した。

 

「えっ、なんですか。」諏伯は少し緊張しながら尋ねた。

 

「外では我ら守矢の信仰が失われたため、幻想郷では信仰を得る必要がある。」神奈子の言葉には重みがあった。

 

「そのため、この幻想郷の巫女!博麗霊夢を倒して名を挙げる!!」諏訪子が続けて力強く宣言した。

 

「そうです!吾ら守矢神社、幻想郷に真の信仰を取り戻します。」早苗も熱意を込めて同調する。

 

「昨日、霊夢に面倒事を起こすなと言われたばかりなんですけど。」諏伯は戸惑いの表情を浮かべた。

 

神奈子はそれを軽く笑い飛ばし、「なに!気にする事はないぞ。こちらは2人の神がいる。負ける訳が無いからな、ハッハッハッハ。」と自信満々に言った。

 

 「でも母さん達を失うわけにはいきませんので、私も参加します。」諏伯は覚悟を決めて宣言した。

 

「よし!いいぞ諏伯。その強い意志、嬉しいよ。」神奈子は笑顔で応じた。「武神、八坂神奈子が命ずる。明日の朝、早苗が博麗神社に行き、宣戦布告する。お前も一緒に行ってやれ!」




諏訪子「ところで諏伯。暫く会っていけど今は何ができるようになったの?」

 諏伯「神力を操る事だね。母さんが教えてくれた地形操作に、弾幕、物質の浮遊と移動。それに命蓮が教えてくれた対象に加護を与えたりかな。加護を入れた武器も使うけどそれは人並みかな。」

 諏訪子「それで、外傷ほぼ無効と能力が効かない加護(純狐の純化の加護)に蓬莱の薬か。設定モリモリだね。」
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